外国人投資企業のための産業立地制度 Ⅵ

Ⅵ
外国人投資企業のための産業立地制度
韓国の産業立地制度は、一般の産業団地と外国人投資企業のための産業団地の 2
つに分けることができる。
1. 一般の産業団地
「産業立地および開発に関する法律」にもとづいて、一般の産業団地は開発主体や目
的によって国家産業団地、一般産業団地(旧地方産業団地)、都市先端産業団地および
農工団地に区分される。
国家産業団地は、国家基幹事業や先端科学技術産業などを育成するため、もしくは
開発促進が必要な未開発地域または 2 つ以上の特別市・広域市・道にまたがる地域を産
業団地として開発するために、中央政府が指定・開発・管理する団地である。
一般産業団地(旧地方産業団地)は産業の適正な地方分散を促進することによる地域
経済の活性化を目的として、都市先端産業団地は知識産業・文化産業・情報通信産業・
その他先端産業の育成と開発促進を目的として、地方自治体が指定・開発・管理する団
地である。また、農漁村地域に農漁民の所得増大のための産業を誘致し育成する目的
で地方政府が指定・開発・管理する農工団地も産業団地に含まれる。
なお、2012 年第 4 四半期末現在における全国の産業団地数は合計 993 ヵ所(国家産
業団地 41 ヵ所、一般産業団地(旧地方産業団地)497 ヵ所、都市先端産業団地 11 ヵ所、
農工団地 444 ヵ所 )である。1
1 韓国産業団地公団 HP「全国産業団地現況統計」
2. 外国人投資企業のための産業団地など
韓国政府は、外国人投資企業による韓国への投資を通じて産業高度化を推進する目
的で、外国人投資企業向けの立地制度を準備している。
主な産業団地等は次のとおりである。
 団地型外国人投資地域
 個別型外国人投資地域
 自由貿易区域
 経済自由区域
また、各産業団地等の特徴および立地資格等は次のとおりである。
1) 団地型外国人投資地域
(1) 概要
政府と地方自治団体が共同負担で既存の産業団地の一部を確保し、外国人投資地
域として専用で賃貸または譲渡するために指定する地域である。外国人投資企業は、無
償または廉価で工場敷地の使用ができ、租税減免のインセンティブも追加される場合も
ある。この点で有利な条件で事業営為が可能になる。
(2) 指定位置および指定現況
ブ
サ
ン
ジ
サ
プ
サン
ミ
ウム
デ グ ダ ル ソ ン
チュンナムインジュ
チ ュ ン ナ ム チョ ンア ン
韓国産業団地内に指定され、18 ヵ所の団地(釜山智士 、釜 山 美 音 、大邱達城 、
グァンジュピョンドン
キョ ンギダンドン
キ ョ ン ギ オ ソ ン
キョンギジャンアン
チュンブクオチャン
光州平洞 、 京畿堂洞 、 京畿梧城 、 京畿長案 1 ) 2) 、 忠北梧倉 、 忠南仁州 、 忠南天安 、
ジョンブクイクサン
ジョンナムデブル
キ ョ ン ブ ク グ ミ
キョンブクヨンイルマン
キョンナムサチョン
全北益山、全南大佛、慶北亀尾(団地型、部品素材専用公団)、慶北迎日湾、慶南泗川、
キョンナムチャンウォン
慶南昌原)がある。2
(3) 入居資格(外国人投資地域運営指針第 11 条および第 12 条)
外国人投資持分が 30%以上(一部の団地は 10%以上または 50%以上)で外国人投資
金額が 1 億ウォン以上の企業のなかでも高度技術随伴業種、先端技術および製品生産
2 韓国産業団地公団 HP「全国産業団地現況統計」
業種、新技術随伴業種、研究開発業、複合貨物ターミナル事業等を営為しようとする企
業が入居することができる。
上記の外国人投資企業のうち、以下の要件を備えた場合に租特法による租税減免
恩恵を受けることができる。
① 投資金額が 1 千万ドル以上で、製造業を営為するために新たに工場施設を設置
する場合
② 投資金額が 5 百万ドル以上で、複合貨物ターミナル、共同集配送センター造成
および運営事業、港湾施設運営、港湾隣接団地内での物流産業を営為するた
めに新たに施設を設置する場合。
(4) 賃貸面積の限度(外国人投資地域運営指針第 15 条)
賃貸面積の限度は、入居企業に投資した外国人投資金額の 50%(ただし、部品素材専
用公団の場合は 100%)に相当する価額の面積以下の範囲である。
(5) 賃貸料支援(外国人投資促進法施行令第 19 条)
投資金額 100 万ドル以上の高度技術随伴事業は 100%減免され、投資金額 500 万ド
ル以上の一般製造業は 75%減免される。ただし、賃貸料は敷地価額の 1000 分の 10 程
度である。
(6) 税制支援(租特法第 121 の 2 条の 2、4、5 項、第 121 の 3 条の第 1、2 項)
租税減免は、1 千万ドル以上を投資して製造業営為のために工場を設置する場合や 5
百万ドル以上を投資して複合貨物ターミナルなどを営為するために新たに施設を設置
する場合に対象となる。
法人税・所得税は、最初に利益が発生した年度から 3 年間 100%減免され、その後 2
年間は 50%減免される。取得税・財産税.土地に対する財産税は 3 年間100%減免され、
その後 2 年間は 50%減免(地方条例により最長 15 年まで延長可能)される。なお、資本
財に対する関税が免除される(但し、外国人投資申告後 5 年以内の輸入申告分のみ該
当する)。
(7) 関連法律および管轄機関
関連する法律は外国人投資促進法、産業立地及び開発に関する法律、租税特例
制限法であり、管轄機関は産業通商資源部、韓国産業団地公団などである。
■
図表2-10 外国人専用工団の現況(2012年12月現在)
市、都
指定面積
入居契約
(千㎡)
会社(社)
外国人投資地域
造成現況
智士
完了
298
11
美音
造成中
332
3
堂洞(汶山先端)
完了
641
5
長安先端1
完了
602
14
長安先端2
完了
612
4
梧城
完了
600
4
大邱
達城
完了
104
5
光州
平洞
完了
1,365
63
忠北
梧倉
完了
806
12
仁州
完了
164
8
天安
完了
510
42
全南
大佛
完了
1,614
33
全北
益山
造成中
320
3
造成中
1,591
17
迎日湾
造成中
327
2
泗川
完了
496
15
昌原
造成中
478
-
10,860
240
釜山
京畿
忠南
亀尾(団地型、
慶北
部品素材専用公団)
慶南
合計
18ヵ所
※ 出所:韓国産業団地公団HP「全国産業団地現況統計」
2) 個別型外国人投資地域
産業構造の高度化、技術移転、雇用の拡大など韓国経済に役立つ一定規模以上
の大型投資を誘致するため、外国企業が投資を希望する地域に対して、国家が租税
減免、賃貸料減免など各種インセンティブを提供し、行政規制の適用を緩和させるた
めに、特別に指定した地域を個別型外国人投資地域という。地域的に固定された概
念ではなく、外国人投資家が入居を希望する地域を、誘致交渉を通じて指定する事後
的概念である。
外国人投資地域の指定権者は市・道知事であるが、外国人投資委員会の審議を経た
うえで指定がなされる。
(1) 概要
外国人投資家が外国人投資委員会からの承認を受けた後、投資を希望する特定地域
が外国人投資地域として指定される。
(2) 指定位置および指定現況
指定位置に制限はなく、外国人投資企業が選択できる。2012 年第 4 四半期末現在 60
地域(慶南泗川、慶南梁山、全南麗水、全北群山、蔚山南区、忠北陰城、京畿平沢、忠
南牙山、慶北亀尾、釜山甘川、京畿平沢(玄谷)、忠北清原、京畿龍仁、京畿金浦、忠南
唐津、忠南瑞山、ソウル麻浦、全南羅州、全北茂朱、済州西帰浦、慶北慶州、忠南天安、
京畿富川、京畿安山、京畿義王、大邱達城、蔚山南区、世宗特別市、蔚山蔚州、全北益
山、京畿坡州)が指定されている。3
(3) 入居資格(外国人投資促進法施行令第 25 条)
外国人投資企業のうち、以下の要件を満たす必要がある。
 一般製造業、コンピュータープログラミング、システム統合管理業、資料処理ホステ
ィング及び関連サービス業:外国人投資金額が3,000万ドル以上で、同事業を営為
するために新たに施設を設置する場合。
3 韓国産業団地公団 HP「全国産業団地現況統計」
 観光ホテル業、水上観光ホテル業、韓国伝統ホテル業、専門休養業、総合休養業、
総合遊園施設業、国際会議施設、休養コンドミニアム、青少年修練施設:外国人投
資金額が2,000万ドル以上で、同事業を営為するために新たに施設を設置する場
合。
 物流業およびSOC(Social Overhead Capital):外国人投資金額が1,000万ドル以上
で複合貨物ターミナル、共同集配送センター造成および運営事業、港湾施設運営、
港湾隣接団地内での物流産業、空港施設運営および空港区域内での物流産業、
民間投資事業施行による社会間接資本施設造成事業(帰属施設に限る)を営為す
るために新たに施設を設置する場合。
 研究・開発:外国人投資金額が200万ドル以上で、高度技術随伴事業および産業支
援サービス業を随行するために研究施設を新たに設置・増設しながら 、関連分野
の大卒者(修士課程)以上でかつ3年以上の研究経歴を持った研究専任人材の常
時雇用規模が10人以上である場合
(4) 賃貸料支援(外国人投資促進法施行令第 19 条)
賃貸料は 100%減免される。
(5) 税制支援
法人税・所得税は、最初に利益が発生した年度から 5 年間 100%減免され、その後
2 年間は 50%減免される。取得税・財産税・土地に対する財産税は 5 年間 100%減免
され、以降 2 年間は 50%減免(地方条例により最長 15 年まで延長可能)される。
また、導入する資本財に対する関税、個別消費税、付加価値税は 100%減免される。
(但し、外国人投資申告後 5 年以内の輸入申告分のみ該当する)
(6) 関連法律および管轄機関
関連する法律は外国人投資促進法、租税特例制限法であり、管轄機関は産業通商資
源部、市・道知事である。
(7) 指定手続(外国人投資促進法施行令第 25 条)
市・道知事が作成提出した指定計画にもとづき、外国人投資委員会の審議を経て
指定の如何を決定する。
外国人投資地域
指定計画作成
(市・道知事)
外国人投資委員会
審議要請
(市・道知事知識経
済部長官に提出)
外国人投資
委員会審議
外国人投資地域
指定および告示
(市・道知事)
また、審議の際の主な留意事項には次のものがある。
 外国人投資企業の投資内訳、雇用規模および事業内容
 外国人投資の実行可能性
 入居対象業種及び入居企業の資格
 地域間の均衡発展および国土の効率的な利用
 雇用の拡大など、その他国民経済に及ぼす影響
 財源調達計画及び外国人投資地域に対する主要施設の支援計画等
(8) 指定解除(外国人投資促進法施行令第 26 条の 2)
外国人投資地域へ入居した外国人投資企業が前述の入居資格等の基準を満たさ
ない場合、知識経済部長官または市・道知事は 6 ヶ月の範囲内で期間を定めて基準
を満たすよう要求することができ(やむを得ない場合は 1 回延長可能)、それでも基準
を充足しない場合、市・道知事が 30 日以内に外国人投資委員会に審議を要請して当
委員会の審議を経て指定を解除する。
(9) 税制支援以外の支援制度
税制支援以外の支援制度としては、次のようなものがあげられる。
① 外国人投資地域開発事業に対して、国家産業団地に準じ、次の建設費用お
よび基盤施設を支援する。
 道路・用水施設・下水道等の基盤施設の設置費用および用地購入費を最
大50%まで補助
 港湾・道路・用水施設・鉄道・通信・電気施設などの優先支援
 産業団地開発事業施行者に対する譲渡所得税・取得税 などの各種租税
減免と山林専用負担金、農地専用負担金、代替農地造成費、開発負担金、
代替造成費、代替草地造成費、公有水面占有料など7種の負担金の免除
② 外国人投資地域内の施設物などの建築に対して交通誘発負担金を免除する。
また、外国人投資 地域内の国有財産に対する賃貸料を100%免除する。
③ 外国人投資地域に対する医療・教育・住宅施設等、生活環境施設に関する支
援内容は外国人投資委員会が決定する。
④ 外国人投資地域内で土地を分割する場合、市長、郡守、区長の許可を省略
する。
■
団地型と個別型の比較
団地型
個別型
(1)1,000万ドル以上+製造新工場施設を
(1)3,000万ドル以上+製造業等
設置
投資金額
(2)2,000万ドル以上+観光ホテル業等
(2)500万ドル以上+複合物流ターミナル、
(3)1,000万ドル以上+物流業等
湾岸施設、物流事業
法人税減免
地方税減免
(4)200万ドル以上+研究開発施設
3年間100%減免、その後2年間50%減免
5年間100%減免、その後2年間50%減免
3年間100%減免、その後2年間50%減免
5年間100%減免、その後2年間50%減免
(最長15年)
(最長15年)
関税等減免
導入資本財に対して5年間100%減免
同左
(1)投資金額 100万ドル以上の
賃貸料減免
高度技術随伴事業⇒100%減免
100%減免
(2)投資金額 500万ドル以上の
一般製造業⇒75%減免
■
図表2-11 外国人投資地域の現況(2012年12月基準)
会社名
位置
太陽誘電
慶南泗 川
サ チョン
面積
(千㎡)
指定日
(最初)
172
99.10.28
事業分野
セラミックコンデンサー
会社名
位置
J.S.T
慶南梁山
ヤンサン
ヨ
BASF
コリアオートグラス
東部ハイテック
全南麗水
グンサン
全北群山
ヨ ン ギ
忠南燕崎
ウンソン
忠北陰城
旭硝子ファインテクノ
京畿平澤
イクサン
全北益山
グ
指定日
(最初)
20
00.03.03
ス
ピョンテク
東友ファインケム㈱
面積
(千㎡)
ミ
慶北亀尾
カ ン チョン
606
00.12.30
01.01.12
事業分野
電池電子接続部品
石油化学製品、動物薬品製造
190
00.12.30
自動車安全ガラス
137
01.06.29
半導体ウェハー
297.9
03.12.29
LCD用カラーフィルターおよび偏
39
12.9.28
向フィルム、高純度アルミナ製造
341.5
04.12.21
LCD用ガラス基板
MCC Logistics Korea
釜山甘 川
68
04.12.23
物流
AvanStrate Korea
京畿平澤
89
04.12.30
LCD用ガラス基板
韓国HOYA電子
京畿平澤
19
04.12.30
LCD用Photo Mask
チョンウォン
LINTEC KOREA
忠南清 原
50
04.12.31
半導体加工素材
TORAY SAEHAN
慶北亀尾
193
04.12.27
LCD用フィルム
AGC Display Glass
忠北清原
165
05.05.27
LCDガラス基板
ヨンイン
Linde Korea
京畿龍仁
27
05.11.23
半導体加工用特殊ガス
Praxair Korea
京畿龍仁
46
05.11.28
半導体加工用特殊ガス
韓国タイムズ航空
京畿金浦
335
04.11.19
ヘリコプターの性能改良
韓旭テクノグラス
慶北亀尾
106
06.05.08
PDPガラス基板
蔚山南区
27.2
エプロダクツコリア
エレクトロニクス
タンジン
06.12.21
11.11.24
産業用ガス
ボラル石膏ボード
忠南唐津郡
17.8
06.12.26
石膏ボード
旭PDグラス韓国
慶北亀尾
62
06.12.21
PDP用ガラス基板
ソ サ ン
デサンMMA
忠南瑞山
63
07.04.23
PMMA、人造大理石
スタンフォードホテル
ソウル
3.4
07.4.23
ホテル業
麗水オーシャンリゾート
全南麗水
116
07.11.20
ホテル、総合休養業
テヨンホライズン
蔚山蔚州
43
07.12.06
港湾、物流施設
ナ ジ ュ
韓国スリーエム
全南羅州
6
07.12.27
微細ガラス玉
東燃機能膜 コリア
慶北亀尾
229
08.03.31
二次電池分離膜
プラックスエアーコリア㈱
忠南牙山
16
08.07.30
産業用ガス
パワーカーボン
慶北亀尾
75
08.12.18
EDLC用高容量炭素素材
ダノン
全北茂朱
121
09.02.27
酪農発酵乳
イストマン
蔚山尾浦
38
09.09.03
acetate tow
会社名
位置
面積
(千㎡)
指定日
(最初)
イェレ休養型団地
済州西帰浦
433
09.11.12
総合休養業
ZincOx Korea
慶北慶州
92.6
10.04.07
亜鉛、銑鉄再生製造
ソハンNTNベアリング
慶北慶州
86.9
10.04.17
ベアリング製造
Edward Korea
忠南天安
40
10.09.14
半導体用ポンプ製造
ROHM AND HAAS電子材料
忠南天安
50
10.09.14
化学製品製造
現代コスモ㈱
忠南瑞山
103
10.12.24
石油化学原料製造
オイルタンキングKNOC
全南麗水
418
10.12.30
タンクターミナル業
カーギルアグリピュリナ
忠南唐津
56
10.12.24
配合飼料製造
カーギル油脂加工
忠南唐津
54
10.12.24
大豆油、大豆粕製造
フェアチャイルドコリア
京畿富川
7
10.12.29
半導体素子製造
韓国モレックス㈱
京畿安山
14
11.5.26
電子コネクター製造
大山MMA㈱
全南麗水
71
11.05.20
LCD、LED用化学物質
現代アバンシス
忠北梧倉
145
11.05.18
太陽電池モジュール
ダウケミカルOLED
忠南天安
40
11.05.18
化学物質製造
韓国デンソー販売㈱
京畿義王
21
11.07.20
自動車部品R&D
テグテック第2工場
大邱達城
58
11.08.01
切削工具製造
SSLM
大邱達城
111
11.08.01
サファイアウェハー
太平洋エアーコントロール
忠南牙山
10
11.07.18
コンプレッサー部品製造
ユミコアカンパニー㈱
忠南天安
32
11.12.09
前駆体製造
東西石油化学
蔚山南区
29
11.12.22
アクリルニトリル製造
Air Products Korea Inc.
忠南牙山
11
12.03.12
超高純度窒素ガス製造設備
蔚山アロマティックス㈲
蔚山南区
168
12.10.11
パラキシレン、ベンゼン
Goulds Pumps Co., Ltd
忠北清原
46
12.09.21
産業用ポンプ製造
ASEコリア㈱
京畿坡州
27
12.09.28
日曹南海アグロ㈱
全南麗水
8
12.10.05
作物保護剤原剤製造販売
現代シェルベースオイル㈱
忠南瑞山
19
12.10.02
潤滑機油製造
アドバンテストコリア㈱
忠南瑞山
39
12.10.02
半導体テスティング装備
忠南牙山
131
12.10.02
三星コーニング
アドバンスドグラス㈲
出所:Invest KOREA HP、
韓国産業団地公団HP「全国産業団地現況統計」
事業分野
システム半導体パッケージング
及びテスティングサービス
OLED用ガラス基板開発、製造
販売
3) 自由貿易区域
(1) 概要
2004 年から従来の関税自由区域を自由貿易区域に転換・統合することによって、製
造業および物流業が融合した複合型自由貿易区域を目指している。また、入居資格も
緩和され、他の区域に比べて輸出入が自由である。
(2) 指定位置および指定現況
指定位置は港湾、空港周辺地域、流通団地、貨物ターミナル、産業団地などで、計
12 ヵ所(産業団地型 7 ヵ所及び空港・港湾型 5 ヵ所)が指定されています。4
区分
地域
マ サ ン
グンサン
デ ブ ル
ト ン ヘ
ユルチョン
ウルサン
キムジェ
産業団地型
馬山、群山、大佛、 東海、栗村、蔚山、 金堤
空港・港湾型
釜山港、仁川港、 光陽港、浦項港, 平沢唐津湾
プ サン
インチョン
クァンヤン
ポ ハン
(3) 入居資格(自由貿易地域の指定及び運営に関する法律施行令第 7 条)
輸出入業を主な目的とする製造、卸売業者及び物流業者、入居企業の事業を支援
する業者である。但し、製造業者、卸売業者は入居許可申請日の 3 年以内の輸出額
が総売上高の 50%以上でなければならず、製造業は外国人投資比率が 10%以上で
なければならない。
(4) 賃貸料支援(自由貿易地域の指定及び運営に関する法律第 20 条)
外国人投資地域に入居した外国人投資企業とみなして、賃貸料の減免が可能(最
大 100%減免)である。
4 韓国産業団地公団 HP「全国産業団地現況統計」
(5) 税制支援(租税特例制限法施行令第 116 条の 2 第 10 項)
投資額 1,000 万ドル以上の 製造業、投資額 500 万ドル以上の物流業等を営為する
ため工場施設を新たに設置する場合、法人税・所得税は最初に利益が発生した年度
から 3 年間 100%減免、以降 2 年間 50%減免される。
取得税・財産税は 3 年間 100%減免、以降 2 年間 50%減免(地方条例により最長 15
年まで延長可能)される。
また、資本財の輸入関税は 100%免除される(但し、外国人投資申告後 5 年以内の
輸入申告分のみ該当する)。輸出用として自由貿易地域へ供給する内国物品および
入居業者の供給物品ならびにその役務は付加価値税のゼロ税率の適用がある。
(6) 関連法律および管轄機関
関連する法律は、自由貿易地域の指定および運営に関する法律、租税特例制限法
で、管轄機関は産業通商資源部である。
4) 経済自由区域
(1) 概要
外国人投資企業の経営環境および外国人の生活環境を改善することによって、外
国人による投資を活性化させる目的で制定された。
この区域では、外国人投資企業への労働・首都圏規制の緩和などの経営環境の改
善と、外国人学校、病院の設立などの生活環境の改善が図られる。
(2) 指定位置および指定現況
プ サ ン
ジン ヘ
指定位置は港湾、空港周辺地域、産業団地で、指定現況は 6 地域(釜山・鎮海、
インチョン
クァンヤン
ファンヘ
ピョンテク
ダンジン
セ マ ン グム
グンサン
テ
グ
キョン ボ ク
仁川、光陽、黄海<平澤、 唐津>、新萬金・群山、大邱・慶北)である。5
5 Invest Korea HP
(3) 入居資格
各経済自由区域別に、誘致しようとする業種があるため、これに該当しなければなら
ない。
(4) 税制支援(租税特例制限法第 121 の第 2 条第 2 項および第 4 項)
法人税・所得税は最初に利益が発生した年度から 3 年間 100%減免、以降 2 年間
50%減免される。
取得税・財産税は 3 年間 100%減免、以降 2 年間 50%減免(地方条例により最長 15
年まで延長可能)される。また、資本財の輸入関税は 100%減免される(但し、外国人投
資申告後 5 年以内の輸入申告分のみ該当する)。
(5) 関連法律および管轄機関
関連する法律は経済自由区域の指定および運営に関する法律、租税特例制限法で、
管轄機関は産業通商資源部である。
3. その他
財産税、取得税は、地方自治団体が定めた条例により 15 年の範囲内でその期間を
延長することができ、減免比率の調整の可能性もある。
外国人投資促進法の規定にもとづいて、一定の条件を満たす外国人による投資の
場合、工場施設や研究施設の設置のための土地の購入代金もしくは賃貸料などに対
する現金支援(Cash Grant)を受けることも可能である。
現金支援に対する留意事項、条件およびその支援内容は次のとおりである。
(外国人投資促進法第 14 条の 2)
(1) 留意事項
高度技術随伴の可否および技術移転効果、雇用創出規模、国内投資との重複の可
否、立地地域の適正性、地域と国家経済に与える影響などが考慮される。
(2) 条件
外国人投資比率が 100 分の 30 以上の Greenfield 型投資(工場施設の新設・増設)
で以下の条件に符合する投資を現金支援対象とする。
 外国人投資金額が1,000万ドル以上の産業支援サービス業および高度技術随
伴事業を営むための工場施設や事業場の新設・増設であること
 外国人投資金額が1,000万ドル以上で最終生産品の高付加価値化への寄与が
大きいか、先端・核心技術を随伴する部品および素材生産のための工場の新
設・増設であること
 産業支援サービス業および高度技術随伴事業のための研究施設の新設・増設、
外国人投資金額が500万ドル以上で3年以上の研究経歴を持つ修士学位以上
の研究専任人材の常時雇用規模が10人以上であること
(3) 支援内容
具体的な支援内容としては、次のようなものがあげられる。
なお、外国人投資企業に対する賃貸土地購入費は現金支援限度に含まれる。現金
支援を受けると既存の立地支援制度(FDI 金額の 50%以内)による賃貸土地の提供ま
たは分譲価格の差額補助は受けられず、いずれかを選択する必要がある。
 工場施設または研究施設設置のための土地購入費または賃貸料
 工場施設または研究施設の建築費
 工場施設または研究施設での事業用もしくは研究用として使われる資本財およ
び研究資材の購入費
 工場施設または研究施設の新築に必要な電気・通信施設などの基盤施設設置費
 雇用補助金および教育訓練補助金