米国ワシントン州における野鳥での高病原性鳥インフルエンザウイルス

平成 26 年 12 月 17 日
動 物 衛 生 課
【OIE 情報】米国ワシントン州における野鳥での高病原性鳥インフルエンザウイルス
(H5N2、H5N8)の検出について
米国ワシントン州における野鳥での高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N2、H5N8)
の検出について、OIEへ緊急報告がありましたのでお知らせします。
【出典】
OIEウェブサイト:2014年12月16日付け
http://www.oie.int/wahis_2/public/wahid.php/Reviewreport/Review?reportid=16771 (H5N2)
http://www.oie.int/wahis_2/public/wahid.php/Reviewreport/Review?reportid=16759 (H5N8)
(OIE情報は更新・差替えが行われる場合がありますので、出典元も併せて御確認下さい。)
【概要】
・発生数:2件(緊急報告)
・発生日:2014年12月10日
・OIEへの報告日:2014年12月16日
・血清型:H5N2、H5N8(高病原性)
・臨床徴候あり
【発生状況】
・発生場所:ワシントン州 ワットコム郡
・動物種:オナガガモ(pintail duck)(H5N2)
シロハヤブサ(gryfalcon)(H5N8)
【感染源】
・不明又は調査中
【疫学情報】
・カナダにおける高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、予防措置としてUSDA及び州当
局は米国及びカナダの国境に沿って家きん農場及び死亡野鳥に対するサーベイランスを
強化
・この強化サーベイランスにより、野鳥でH5亜型の高病原性鳥インフルエンザを確定
・H5N8及びH5N2の2つの血清型が同定され、それぞれのHA開裂部位のアミノ酸配列は高病
原性鳥インフルエンザと一致
・ワシントン州ワットコム郡で狩猟された野生のシロハヤブサからH5N8亜型のウイルスが
同定され、同州同郡の野生のオナガガモからH5N2亜型のウイルスが同定
・シロハヤブサから分離されたH5N8亜型ウイルスの遺伝子解析で、ユーラシア系統のH5N8
亜型鳥インフルエンザと確認(H5遺伝子の一部はA/coot/Korea/H81/2014株と99%の相同
性を示し、N8遺伝子の一部はA/Baikal teal/Korea/H41/2014株と99%の相同性を示し
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た)
・予備的な分析によれば、オナガガモから分離されたH5N2亜型のウイルスは現在カナダで
発生している高病原性鳥インフルエンザのウイルスと類似している。本ウイルスの遺伝
子解析で、ユーラシア系統のH5遺伝子及びアメリカの野鳥系統のN2遺伝子と確認(HA遺
伝子の一部はA/bean goose/Korea/H40/2014株と98%の相同性を示し、NA遺伝子の一部は
A/American green-winged teal/California/HKWF609/2007株と98%の相同性を示した)
・予備的なデータによれば、H5N2及びH5N8の両ウイルス株はユーラシア系統のH5N8株と関
連があることが示唆されており、このユーラシア系統H5N8株が原型(the progenitor)
となった可能性があるが、さらなる分析が必要である
・米国の家きんにおいて両ウイルスは確認されておらず、野鳥のみから検出
・さらなる調査及び両高病原性鳥インフルエンザウイルスの性状解析を実施中
【対応】
・ワクチン接種禁止
・患畜を治療対象としない
【診断】
・診断施設:National Veterinary Services Laboratories(NVSL)(国立研究所)
・診断法:遺伝子配列確認:確認中
HA試験:陽性(H5N8:2014年12月14日、H5N2:12月15日)
RRT-PCR:陽性(H5N8:2014年12月14日、H5N2:12月15日)
ウイルス分離:陽性(2014年12月15日)
【北米における高病原性鳥インフルエンザの発生状況地図(2014年11月以降)】
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州
・H5N2
2014年12月30日~12月10日
ブロイラー種鶏、肉用七面鳥 9件
米国
ワシントン州
・H5N2
2014年12月10日 野鳥(オナガガモ)1件
・H5N8
2014年12月10日 野鳥(シロハヤブサ)1件
※出典:OIE
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