NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2014 国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業 (国際エネルギー使用合理化等対策事業) 焼結クーラー排熱回収設備モデル事業(インド) スチールプランテック(株) 実証事業期間:平成20~26年度 1.実証事業の背景、目的 2 1.1.背景 エネルギー消費に伴う二酸化炭素等温室効果ガスに よる地球温暖化問題の解決のために世界規模での取り組 みが必要です。 経済成長著しいインドでは、バランスのとれた持続的 発展をはかるためにはエネルギーの有効利用は重要課 題です。 インドで鉄鋼業は代表的エネルギー多消費産業であり、 経済発展に伴って粗鋼生産量が大幅に増えています。大 半が高炉一貫製鉄所であり、我国で発展した省エネ技術 の普及はインドのエネルギー受給緩和になると共に我国 エネルギーセキュリティ上も重要です。 インド鉄鋼生産伸長: 3,800万 トン/年 (2004年) 8,121万 トン/年 (2013年) 11,000万 トン/年 (2019年目標) 1.実証事業の背景、目的 1.2.目的 焼結クーラー(冷却)排熱回収設備をインドとの共 同実証事業として、RINL社Visakhapatnam製鉄所に 導入し、我が国が有する省エネルギー技術を実証し、 その普及を図ります。 また、従来の冷却工程では大気放散していた冷却 後の空気を集塵して循環使用することで、大気発塵 の大幅削減を図ります。 3 2.体制、内容 4 2.1.体制 インド政府 基本協定書 (鉄鋼省・財務省) MOU 実施サイト 委 託 Rashtriya Ispat Nigam Ltd. (RINL) Visakhapatnam Steel Plant (VSP) スチールプランテック株式会社 付属協定書 I/D 2.体制、内容 5 2.2.焼結工場の熱収支 従来は大気に放散されてい た焼結クーラー(冷却)からの排 気顕熱(全体の熱の44%)を回 収し利用する。 原料鉱石 煙突 焼結主排気 集塵排気 顕熱 顕熱 36% 5% 44% 焼結鉱冷却 排気顕熱 全排熱 (100%) 焼結鉱 顕熱 8% 焼結ライン 焼結鉱冷却ライン 焼結鉱~高炉へ 循環送風機 集塵機 5% 焼結機輻射熱 4% 冷却ライン 輻射熱 冷却気送風機 2.体制、内容 6 2.2.排熱回収フロー(循環式の選択) 冷却排気からの排熱回収フローには2つの方式があり、循環式が有効です。 冷却ライン上部のフードで回収した高温の冷却排気は除塵した後、ボイラーへ送られて蒸気として 熱回収されます。左側の非循環式では、熱回収後の空気は大気へ放散されます。 これに対して、右の循環式では未だ180℃程度の温度を保っている空気を再び冷却用に使用しま す。こうした循環を行うことで、冷却空気の持つ熱を最大限利用してボイラーで熱回収します。 さらに、除塵しつつ再循環するので大気への発塵が大幅に削減されます。 冷却空気非循環式(Non-Circulation Type) 冷却空気循環式(Closed Type) 排熱回収フード 排熱回収フード 焼結鉱冷却ライン 焼結鉱冷却ライン 冷却気送風機 冷却気送風機 ボイラー ボイラー (発電機へ) 集塵機 排気送風機 集塵機 冷却気循環送風機 2.体制、内容 2.2.循環式によるボイラーへの空気温度と発電量 ボイラー入口の冷却後空気の温度と発電量を循環式と非循環式で比較しています。 赤色折れ線で示した循環式ではボイラー入口で約50℃上昇し、1.5倍以上の発電量が 期待されます。 7 2.体制、内容 8 2.2.循環式排熱回収導入による大気発塵の低減 ● 大気放散されるダスト量の比較 ● 焼結鉱冷却ラインへの冷却空気循環式排熱回収の導入で大気発塵が大幅低減 参考値 No. 設備 1 従来型焼結工場 (排熱回収無し) 大気放散ダスト (kg/焼結鉱トン) 0.92 焼結ライン 2 焼結冷却ライン に排熱回収設備 導入 冷却ライン 0.29 その他 2.体制、内容 2.3 焼結排熱回収に有効な技術項目(焼結操業) ☆ より多くの蒸気・電力回収の為の焼結操業キーポイント ! ➣ 焼結鉱生産量 ➣ 冷却ラインへ入る鉱石温度 ➣ 鉱石粒度 ➣ 冷却ラインの層厚 ➣ 冷却空気の漏風対策(十分な回収) ★そして、循環式の採用 ! 9 10 2.4 焼結排熱回収導入実績 WASTE HEAT RECOVERY SYSTEM No. CUSTOMER GRATE AREA START m2 UP HEAT RECOVERY COOLING GAS Nm3/h HEAT RECOVERY SINTERING GAS Nm3/h RECOVERY STEAM t/h X ata GENERATED POWER 1 JFE STEEL KEIHIN 450 1978 485,000 - 60×15 SUPERHEATED - 2 SUMITOMO METALS WAKAYAMA No.4 189 1979 250,000 - 18.9×9 SATURATED - 3 SUMITOMO METALS KASHIMA No.3 600 1980 600,000 - 60×12 SATURATED - 4 SUMITOMO METALS KOKURA No.3 223 1981 300,000 110,000 26×10 SUPERHEATED 5,000kW 5 SUMITOMO METALS WAKAYAMA No.5 122 1981 150,000 74,000 15×9 SATURATED - 6 SUMITOMO METALS KASHIMA No.2 500 1981 500,000 - 7 JFE STEEL CHIBA No.4 210 1982 350,000 - 8 SUMITOMO METALS KASHIMA No.2 500 1982 - 200,000 9 JFE STEEL KURASHIKI No.4 410 1983 450,000 - 10 KOBE STEEL KAKOGAWA No.1 330 1984 435,000 135,000 11 SUMITOMO METALS WAKAYAMA No.4 260 1985 280,000 180,000 12 POSCO (KOREA) KWANGYANG No.1 400 1987 720,000 - 40×13 SATURATED - 13 POSCO (KOREA) POHANG No.3 400 1988 600,000 - 40×13 SUPERHEATED - 14 POSCO (KOREA) KWANGYANG No.2 400 1988 720,000 - 40×13 SATURATED - 15 CHINA STEEL(TAIWAN) KAOHSIUNG No.3 367 1990 500,000 190,000 55×18.5 SUPERHEATED 11,000kW 16 POSCO (KOREA) KWANGYANG No.3 400 1990 720,000 - 40×13 SATURATED - 17 POSCO (KOREA) KWANGYANG No.4 400 1993 720,000 - 40×13 SATURATED - 18 TAIYUAN IRON & STEEL (CHINA) 90 X 2 1997 280,000 - 15×11/2SETS SATURATED - 19 CHINA STEEL(TAIWAN) KAOHSIUNG No.4 - 20 RINL(INDIA) VIZAG No.1 & 2 (20,600kW) 23,500kW 33×10 SATURATED H 20×21 L 9.9 X 5 SATURATED 38×10 SATURATED 50.5×15 SATURATED H 72.9×30 L 13.6×8 SUPERHEATED 48×25 SUPERHEATED 400 2003 455,000 - 33×20 SUPERHEATED 312 X 2 (2012) 650,000 X 2 - 104×21 SUPERHEATED 11 基 (国内) - - - - - - 9 基 (海外) (台湾、中国、韓国、 インド) 11 NEDOモデル事業 の概要 インド VIZAG 製鉄所 (2014年7月開所) 3.インド モデル事業の概要 12 3.1 焼結工場操業概要 ➣ 焼結鉱生産量: 393 トン/時 x 2ライン ➣ 冷却ラインへの焼結給鉱量: 540 トン/時 x 2ライン ➣ 焼結給鉱温度: ~700 ℃ ➣ 冷却ライン焼結鉱層厚: 1000 mm 3.インド モデル事業の概要 13 3.2 VIZAGモデル事業の主な仕様 ➣ ガス(冷却気)回収量: 650,000 Nm3/時 x 2ライン ➣ ガス(冷却気)温度: 368 ℃ ➣ 回収蒸気 : 104 トン/時 x 21 ata x 319 ℃ ➣ 最大発電量 : 20.6 MW (*1) ➣ CO2年間削減期待量: 104,000 トンCO2/年 鉄鋼と経済発展に必須の電力不足解消を省エネルギーで! (*1) 設計性能 3.インドモデル事業の概要 14 3.3 プロセスフローと新設設備・改造部分 Crusher 新設設備 焼結ライン 焼結第1工場 排熱回収 排熱回収 フード フード 改造部分 冷却ライン 冷却ライン 煙突 Sinter Blower Feed Hopper Cooling Cooling Fans Fans 風箱・ 漏風対策シール 焼結第2工場 Crusher Hot Air 除塵機 ボイラー ボイラー 蒸気 タービン・発電機 タービン・発電機 G G 蒸気ドラム 蒸気ドラム Cooling Water Feed Hopper 復水器 復水器 Wind Boxes & Seal Device 純水 純水 冷却空気循 冷却気循環 環ファン ファン 冷却気(ガス) 冷却塔 3.インドモデル事業の概要 15 3.4 VIZAGモデル事業設備レイアウト俯瞰 タービン・発電機室 排熱回収ボイラー NO.2 除塵機 NO.2 焼結機 NO.2 循環ファン・排 気ダクト NO.1 除塵機 NO.2 ボイラー排熱導 入ダクト NO.1 焼結機 NO.1 ボイラー排熱導 入ダクト NO.1 循環ファン・排 気ダクト NO.2 冷却ライン排 熱回収フード NO.2 焼結鉱冷 却ライン NO.1 冷却ライン排 熱回収フード NO.1 焼結鉱冷 却ライン 3.インドモデル事業の概要 3.5 試運転時(7月3日)の発電データ 16
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