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ステロイド投与マウスによる行動量低下に対する抑肝散の効果
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横
◯岡部 倫 1 ,寺田 一樹 1 ,水谷 雄気 1 ,山田 慎也 1 ,飯塚 徹 1 ,出雲 信夫(
浜薬大)
【目的】抑肝散は、臨床において、うつ状態などの気分障害に用いられる漢方薬
のひとつである。しかし、その効果は、まだ明らかになっていない。我々は、ス
テロイドホルモンであるデキサメタゾン(DEX)の投与が、夜間の日内リズム障害
を起こし、自発運動量を抑制すること、また、強制水泳法の検討により、無動時
間を延長し、ばたつき回数を減少することなどを明らかにした。そこで、本実験
では、抑肝散が、DEX 投与による自発運動量や強制水泳法による無動時間やばたつ
き回数の変化にどのように影響するかを検討した。
【方法】6週齢の雄性の ddY 系マウスを 1 週間の予備飼育後、DEX(2mg/kg/day)
を 3 週間投与した。また、同時に抑肝散を 1g/kg の用量で 1 日 1 回、経口投与を
行った。マウス自発運動量は、自発運動量測定装置(ニューロサイエンス)を用
い夜間(19:00-7:00)の運動量を測定することによって評価した。強制水泳法
は、測定装置(ニューロサイエンス)を用い、6分間に占める無動時間とばたつ
き数を測定した。
【結果・考察】抑肝散の投与は、DEX 等による夜間における活動量の低下を抑制し
た。また、DEX 投与による無動時間の延長およびばたつき数の低下を抑制した。ま
た、抑肝散は、低用量(0.5mg/kg/day)DEX 投与による自発運動量の増加を生理食
塩水投与レベルまで抑制した。本実験結果は、DEX 投与による作用を抑肝散が抑制
することが明らかになり、今後、更なる検討を進める予定である。