湖畔の夢 - Seesaa Wiki(ウィキ)

湖畔の夢
目次
1
あらすじ
シナリオのあらすじです。
2 NPC
シナリオに登場する NPC の紹介です。NPC の性格などが書いており、基本的なキャラクターの行動原
理の手掛かりとなるでしょう。
3 導入
自由行動になるまでの導入パートの説明です。
4 旅館
5 山
6 湖
それぞれの場所にある施設や基本的に起こることについての説明があります。時間や条件を満たすこと
によって起きるものはイベントの項にあります。
7 イベント
時間によっておこる出来事が書いてあります。基本的にここに書いてあることは必ず起きることです。
8 エンディング
9 攻略の手順、その他
1.あらすじ
探索者たちは友人に誘われたり、自分で調べることで、ある旅館にとまりにいくことに
なる。そのまわりはハイキングができるような山や眺めの良い大きな湖があり、人も少な
く静かな観光地である。二泊三日のコースで、駅からみなシャトルバスで2時間ほどはし
ったところにこの旅館はある。しかしこの湖には恐るべき神話生物グラーキが潜んでおり、
旅館に訪れる人々に対して夢引きをおこない自分の崇拝者にしようとしているのである。
これはあるカルト団体の人間(城井)が呼び寄せたものである。夢引きから逃れられた観
光客もいるが、その影響で近いうちにまたこの旅館に訪れたいと思うようになる。探索者
たちはそんな知り合いから誘われる場合もあるだろう。探索者の友人や探索者自身が夢引
きに会いグラーキの従者につかまってしまうこともあるかもしれない。最終的に探索者た
ちは無事にこの旅行から帰らなければならない。
2.NPC
嵐山亨(あらしやまとおる)45歳:嵐山旅館の亭主
STR:12 DEX:10 INT:18
CON:14 APP:17 POW:12
SIZ:11 SAN:60 EDU:15
信用:70 経理:80 運転:65
ナビゲート:70
目星:75
嵐山旅館の亭主です。はじめにシャトルバスで探索者たちを宿へ運んでくれる方です。気
さくな方で話しかければ、宿のまわりのことなどを教えてくれたり、最近旅行コンサルタ
ントの人が来てくれたりしたことを話してくれるでしょう。従業員には時にはやさしく、
時には厳しく接する人です。
嵐山畔(あらしやまほとり)32歳:修行中の若女将
STR:7 DEX:11 INT:16
CON:11 APP:17 POW:7
SIZ:11 SAN:35 EDU:17
信用:65 料理:80 着付け:80
ナビゲート:65
目星:70
亨の妻で、旅館に嫁いで女将の修業を受けているところです。ひろことの仲は良好ではあ
りますが、旅館内で見せるお互いの顔は上司と部下の関係です。年相応に若々しい人で、
探索者が話しかければいろんなことをおしえてくれるでしょう。受付にいつもいるのはこ
の人です。
嵐山広湖(あらしやまひろこ)73歳:旅館の女将
STR:8 DEX:11 INT:11
CON:11 APP:9 POW:8
SIZ:10 SAN:40 EDU:18
信用:90 言いくるめ:80
ナビゲート:90
図書館:75 料理:95
目星:80
厳しい昔ながらの女将です。しかし観光客に対してはかなり気さくな方です。ここ最近繰
り返しこの旅館に訪れる人や夜間に出歩く人が増えていて気がかりに感じているようです。
赤居双葉(あかいふたば)52歳:旅館のベテラン従業員
STR:14 DEX:15 INT:16
CON:12 APP:9 POW:12
SIZ:9
SAN:60 EDU:12
目星:75 応急手当:65
ナビゲート:65 オカルト:65
怖い話が好きな気のいいおばちゃんです。昔この土地に伝わっていた「おきあがり」の怪
談話を披露してくれます。
(昔は山に集団埋葬をしており、この世に未練のあった人はおき
あがってふもとまで下りてきてその未練を断つという話)
葵恵美(あおいめぐみ)29歳:旅館の若手従業員
STR:9 DEX:9
INT:13
CON:5 APP:15 POW:10
SIZ:13 SAN:50 EDU:12
目星:55 説得:65 運転:50
掃除:75
若い従業員です。おっちょこちょいな性格でムードメーカーです。畔とは年も近いので仲
が良いです。
城井守(しろいまもる)32歳:グラーキを招来した張本人・観光コンサルタント
STR:5 DEX:14 INT:14
CON:7 APP:14 POW:11
SIZ:12 SAN:0 EDU:13
拳銃:85 クトゥルフ神話:35
グラーキの招来/退散
忍び歩き:70
言いくるめ:75 回避:65
グラーキの従者の従属(大量の水を飲み、それを吐き出しながら一
定の音節を唱える)
ワルサ―P22(22口径)2リットルペットボトル×4
結晶×5
旅行コンサルタントとして亨に2か月ほど前に接触した人物です。本当の目的は湖にグラ
ーキを招来させることだったのですが、グラーキのもつ夢引きによって観光客のリピータ
ーが増えることも見越してコンサルタントとして接触しました。今回は効果の確認の為に
再訪問したことになります。もし探索者や友人がグラーキに誘われた結果、その秘密を暴
こうとしたり、自らに疑いの目を向けたりするようなことがあれば、城井は探索者たちに
牙をむくことになるでしょう。彼のもつ結晶はグラーキの夢引きから逃れるためのアイテ
ムです。旅館の人たちにはお守りといってパワーストーンのような名目でプレゼントして
おり、その時に寝るときには必ず近くにおいておくこと、と言ってあります。基本的に旅
館の人は城井を信頼しています。しかし結晶のことについて聞かれれば、旅館の人たちは
普通に話してくれます。
黒井貴斗(くろいたかと)34歳:観光客・教師
STR:12 DEX:9 INT:9
CON:13 APP:11 POW:9
SIZ:16 SAN:45 EDU:11
高校教師であり、部活の合宿の宿泊施設の下見として訪れました。彼がこのことを話すと、
城井はくいついてきます。落ち着いた感じの性格ですが、豪快な笑い方をします。
3.導入
探索者たちはそれぞれの理由で嵐山旅館に向かうことになる。この際に必ず友人から誘
われた探索者を加える必要がある。1日目の夜に夢引きのイベントがあり、そこで NPC を
夢引きに巻き込ませる必要があるからである。この友人は以前にも旅館に来たことがあり、
またすぐに行きたくなった、という設定を共通で加える。NPC が多すぎると感じるならば、
黒井を友人の設定にしてもよいかもしれない。その際も以前に来た設定にすること。
事前情報として二泊三日であることをつたえておこう。
探索者たちは駅からシャトルバスに乗ることになる。探索者も城井、黒井、全員がこの
バスで一緒になることになる。このとき亨はきさくに話しかけてくれるし、こちらから聞
いたことも快く答えてくれるだろう。亨と城井が対面した時も仕事の関係で交友が深まっ
ているので、その関係性をほのめかすようなイベントをはさむと良い。
バスは2時間ほど走る。段々と巨大な湖の周りを添うようにして走っていき、旅館が見
えてくる。すこしはなれたところには山がある。
旅館について受付で畔、恵美にそれぞれの部屋を案内されたところから自由行動になる。
4.旅館
旅館は小さなもので2階建てである。受付には若女将の畔が立っており、客の案内には
恵美も呼ぶだろう。1階には受付、ロビー、浴場、土産屋、宴会場、調理場、従業員室が
ある。2階が客室になる。2階に上る手段は階段とエレベーターである。客室は鍵によっ
て開け閉めが管理されており、マスターキーも存在する。浴場は6時~10時と15時~
22時までである。それぞれの施設の詳細は好きに設定してよい。ただし、朝食や夕食は
すべて宴会場で、客全員が同じ空間、同じ時間にとることになる。
基本的に受付には畔がおり、他の従業員は従業員室で待機している。受付に誰がいよう
とシナリオ上問題はないので、探索者の望むキャラクターを受付においてもよい。
従業員たちは、朝6時から朝食の準備をはじめ、客が食べている間に順次朝食をとり、
客の朝食が終わり次第片付けをする。11時から浴場の掃除がはじまり、15時から夕食
の準備をはじめる。この間に順次昼食をとる。客が夕食を取っている間に明日の朝食の仕
込みをしておき、そのまま片付け、23時ごろに順次入浴をはじめる。この間に順番に夕
食を取る。24時には消灯となるので各自点検を行った後、従業員室内の寝室で就寝する。
これが従業員の一日の流れである。
旅館以外の旅館が管理する施設はとくにないが、自転車の貸し出しを行っている。山、
湖それぞれにいくのに自転車で5分くらいの位置にあるからである。また、旅館前にはシ
ャトルバスと、従業員がここまで来るのに使っていた何台かの車がある。しかし、客が泊
っている間は従業員が何人か旅館内で寝泊まりする。今回の NPC はその寝泊まりしている
従業員たちである。
5.山
自転車で5分行ったところに山がある。ハイキングコースが用意されており徒歩で往復
2時間のコースである。この情報は近くの看板から分かる。自転車ではいることはできな
い。山のふもとには小屋があり、簡単な食堂になっている。近くにはそこの従業員の車が
1台ある。食堂の店員から聞ける話は、最近客が徐々に増えてきたということ、同じ顔を
見かけるようになってきたということである。もし探索者の友人と訪れたのなら、顔を知
っているため友人にも話が振られることになる。
山道にしたがって歩いていくと少し開けたところにつく。奥に道が続いておりそれに従
って下っていくと元来たふもとに降りることができる。
道を外れて迷ってしまうと、洞穴のようなものが見つかる。奥は薄暗く中に入ってみな
いと様子はうかがえない。何かしらの明かりを持って中を伺うと、奥には祠があることが
わかる。そしてその周りにはいくつもの箱のようなものが置かれている。中には砂のよう
なものが入っている。適切な技能に成功すればそれが骨であったことがわかる。また洞穴
の内部全体について技能を成功させると、それが墓のような役割を持っているのではない
か、集団埋葬の跡ではないか、ということがわかる。
(これらの情報はすべてミスリードで
ある。各々の判断で削除してもよい)
実はこの祠には見つけにくい脇道がある。そこにはグラーキの生ける屍が数体眠ってい
る。もしこの脇道に気付いて中に入っていくとすれば、屍は起きだし、探索者たちを襲っ
てくるだろう。もしくは探索者が騒がしければ自ら出てくることもある。また、グラーキ
とこの屍たちは記憶を共有しているため、ここに訪れた探索者たちは記録しておこう。屍
は洞穴の外まで追ってくることはない。いつでも夢引きで誘えばいいからである。
グラーキの生ける屍(従者)A
STR:12 DEX:6 INT:12
CON:16
POW:10
SIZ:10
組み付き:20% 拳:50%*1d3
SAN:0/1d6 HP:11
グラーキの生ける屍 B
STR:8 DEX:3
INT:12
CON:20
POW:14
SIZ:15
組み付き:20% 拳:50%*1d3
SAN:0/1d6 HP:18
屍はもはや生ける死体のような姿で、暗闇の中でも見れば正気に触れるような風体をし
ている。屍に目星を成功すると、お腹のあたりに青黒い跡があり、そこから網目のような
模様の赤い線が広がっていることがわかる。基本的に彼らは探索者を殺すことが目的でな
く、無力化することが目的である。したがって気絶したものよりも動いている存在を狙い、
全員が無力化したところで拘束したり、殺したりして夜に湖に運ぼうとするだろう。
もし洞穴の存在を食堂の店員に聞くと昔そういった集団埋葬の風習があったかもしれな
いということを教えてくれるが、それ以上は知らない。旅館の従業員も同じ様子であるが、
ヒロコや双葉はおきあがりの怪談を知っているのでそれに絡めた話をしてくれるだろう。
6.湖
山と同じように自転車で5分くらいしたところに大きな湖がある。湖ではボートに乗る
ことができる。湖を1周しようとすると大体15分くらいかかる。湖の近くには軽食を取
れる場所がある。そとにパラソルとテーブルとイスがあるような場所である。ここにも車
が1台ある。ボートも休憩所も同じ人が管理している。ここの人も山の人と同じように最
近人が来るようになった、リピーターが増えてきたことを教えてくれる。ここの人は亨と
仲が良く、城井が観光コンサルタントとしてやってきてからすこし繁盛するようになって
きたと言う。
ボートに乗って湖をみると底は薄暗く良くは見えない。しかし生き物のいるようすもな
いことがわかる。この旅館で1晩を過ごした探索者は、グラーキの夢引きに勝っていても
この湖がとても魅力的に見える。友人も同様である。しかしボートで湖の上にいるからと
いって湖に飛び込みたくなるような衝動に駆られるわけではない。グラーキの儀式は湖の
岸で行われるからである。したがって、友人や夢を見た探索者は湖を見ると近づきたくな
り、ボートに乗りたい衝動に駆られるが、乗った以降は今までの衝動はすっと消えてしま
うのである。
この湖にグラーキが潜んでいるが、それはイベントの項に譲る。
7.イベント
1日目の夜
夕食の際に全員が宴会場に揃う。時間になると、双葉が飲み物のオーダーを取りに来る。
オーダーを恵美あたりにまかせると、双葉はそこで探索者たちに会談が鋤かどうか聞いて
来る。皆が乗り気であれば、
「起き上がり」についての怪談話をしてくれる。聞きおわった
後アイデアに成功した探索者は、話のあまりのうまさに0/1の SAN チェックである。もし
お酒を飲んでいるキャラクターがいたら CON ロールなどで酔った状態を表してもよいだ
ろう。
夕食を撮り終わった後はまた自由行動である。
探索者たちが眠りに就いたらグラーキによる夢引きが始まる。本来ならばグラーキのマ
ジックポイント28と対象のマジックポイントを差し引いた値を成功確率として夢引きを
おこなうのであるが、今回の場合は探索者については自動成功でいいだろう。探索者たち
が泥酔でもしていなければ以下の描写の夢を伝える。
「あなた暗闇の中にいる。しかし段々と前方に白く、暖かなものが広がってくる。優しい
光の中から水滴の垂れるような、もしくは水中の中で脈打つようなそんな音が耳に届く。
あなたが近づいているのか、光が大きくなっているのかわからないが、だんだんと暗闇は
晴れ白くまばゆい光があなたを包む。」
探索者がこの夢から覚めるときに得る感想は、夢を見ていた時は心地よいものだったが、
なぜか起きてから思い返すと気味の悪い夢を見ていた、というものになる。そしてなにか
水のあるところ、水辺にいきたくなるような気持ちにさせられていたと感じる。これらの
描写は起きたときに伝えればよい。
夜中に起きるイベントは、すでに旅館に訪れたことのある探索者の友人と黒井が夢引き
に負け、湖に誘われるという出来事である。同じ部屋で寝ているものは聞き耳でそのこと
に気付いてよい。聞き耳に成功して起きると、ふらふらとした足取りで部屋を出ようとす
る者をみる。そこから声をかけるだけでは歩みを止めることはないが、何か不審な点を感
じて実際に触って話しかければ正気に戻る。しかし、彼らは自分でもなぜ外に出ようとし
てたのかはわからないし、覚えてもいない。寝てたはずなのにいつの間にか外に出ようと
していた、というのである。この時点では夢について語ることはない。ただあとあと、夢
という単語を具体的に出して問いかければ、上のような描写の夢を見ていたことを話して
くれる。そして夢を見て湖に行きたくなった気がする、ということも話してくれる。
多くの場合は黒井はそのまま夢引きによっていなくなってしまい、探索者の友人は引き
留めることができる、というパターンになるだろう。いずれの場合でもそのあとの出来事
がどうなるかは後に記す。
もし探索者がこれらの夢遊病患者のようなものたちの後をつけていった場合、もちろん
気づかれずには済むが、目的地は湖である。湖が見えてくるところまで近づくと3体ほど
の人間のようなものが夜の暗闇の中に見える。グラーキの従者である。もし探索者が不用
心に近づけば、儀式に参加させようと襲い掛かってくるだろう。彼らは山にいるものより
強力で屍化が進んだものである。手の爪は鎌のように大きくなっておりもはや生前の姿の
面影はほとんど残されていない。もし5ラウンド以上経過した場合、湖からグラーキが出
てくる気配を描写して探索者たちを早急に立ち去らせるべきである。
城井が自身の危険を感じ、なおかつ人目につかない山の中であれば、彼らを呼び寄せよ
うとするだろう。
グラーキの従者 C
STR:11
DEX:2 INT:15
CON:24
POW:16
SIZ:9
組み付き:20% 小鎌:40%
SAN:1/1d8 HP:17
グラーキの従者 D
1d6+1+db
STR:13 DEX:3 INT:9
CON:22
POW:9
SIZ:15
組み付き:20% 小鎌:40%
1d6+1+db
SAN:1/1d8 HP:19
グラーキの従者 E
STR:7 DEX:4
CON:26
INT:14
POW:10
SIZ:15
組み付き:20% 小鎌:40%
1d6+1+db
SAN:1/1d8 HP:21
2日目の朝
少なくとも夢引きに誘われた黒井は朝食には訪れない。友人もそうなっていれば、部屋
にはもちろんいないし、そのまま朝食に来ることもない。彼らは探索者が放っておいてい
るとそのまま永遠に会うことなくこの旅行の終わりを迎えることになるだろう。
彼らの居場所:2人とも夢引きにあっていれば、どちらかを山の洞穴の中に、どちらか
を湖の草むらの中に配置する。片方だけならば、湖に配置する。おそらく2日目にどちら
かに訪れる場合は、友人関係にある探索者が友人を探しに来るということになるだろう。
その場合はその探索者が訪れた方に配置してあげればよい。ただし山の洞穴に配置された
方は、グラーキの従者として活動を始めている存在になる。したがって、洞穴に訪れた探
索者に襲い掛かってくるだろう。それ以降の処理は普通のグラーキの従者と同様にしてよ
い。友人と親しい間柄の人間がこのなれの果ての姿を見た場合の正気度喪失は1/1d4+
1である。そうでなければ0/1d4である。 湖に配置された方はまだ生ける屍ではない
が死んでいる。体には大きい円錐状のもの、大きな棘が刺さっており、そこから網の目状
に赤い線が広がっている。こちらは2日目の晩から活動を始める。もし旅館に運び込まれ
ていたら、徘徊させてもいいし、湖に向かわせてもいいし、山に向かわせてもよい。動く
ようになったら棘は抜け落ちており、その跡には青黒い跡が残る。これらの屍は上に書い
たものもこれから書くものも含めて城井が呪文を唱えれば彼の意のままに動く。
探索者は湖にいた死体を見つければすぐに警察や救急車をよぼうとするだろう。そうし
た時点で、この旅館までの車道が土砂崩れで塞がってしまったことにする。しかしこの土
砂は1日たてば復興作業が終わるので予定通りの日程で帰ることはできる。また、徒歩で
山を越えれば隣の町に行くこともできるだろう。
山に行く場合:なんらかの観光以外の理由があって山に行く場合、城井も同伴しようとす
る。すでに湖で死体が見つかって騒ぎになっていればなおさらである。彼はこの辺の地理
に詳しいので道案内を買って出る。必ず銃も水も携帯していく(銃はばれないように)。山
の中で城井が殺人を疑われたり、なにかしらの怪異の犯人だと疑われた場合、のらりくら
りとかわそうとするが、無理だと判断した時点で逃げ出して、呪文を唱えられる環境にし
ようとする。城井の行動原理は、自分に害がなかったり、探索者たちがこのまま諦めて旅
行を終えようとしているのであれば基本的にちょっかいを出すことはない。山についてい
くのも親切心を装っているだけである。
2日目の晩
再度夢引きがある。黒井や友人がまだ生きていれば同じような処理をおこなう。この段
階では探索者たちには夢引きの対抗ロールをする。対抗ロールに負けた探索者は、誰にも
起こしてもらえなければそのまま儀式の被害者となりキャラロストになる。
3日目の朝
土砂崩れもなくなり無事に帰ることができる。チェックアウトは11時である。
8.エンディング
ふつうに探索者が帰った場合、夢引きの内容を時々またみることになる。それ自体に夢
引きの効果の判定はないものの、またあの旅館に行きたいという衝動がわいてくる。それ
は探索者を誘った友人と同様のものである。遅かれ早かれ探索者はまた嵐山旅館に訪れる
運命にあるだろう。
城井から、なにかしらの手段で結晶を手にいれ、それを寝るときに近くにおいていた場
合、1週間もすれば夢引きの呪縛からは完全に解き放たれる。旅館に行きたいと思うこと
もないだろう。しかし、今も嵐山旅館は平然と営業を続けている。時がたつにつれて、そ
の旅館に訪れた客が行方不明になったり死体で見つかったりするといった異常な事態が明
るみに出て閉館に追い込まれるだろう。そうして廃墟と化した旅館はグラーキの従者の住
処となるのかもしれない……。
9.攻略の手順、その他
グラーキの夢引きから逃れ平穏な日常に戻るためには、ただ旅館から無事に帰るだけで
はなく、城井から結晶を手にいれる必要がある。
探索者が怪異とはじめて出会うのは、1日目の昼に山で従者と出会うか、2日目に夢引
きの失踪者を死体を発見するかのどちらかとなる。また、夢引きで見た夢もそうだろう。
夢引きに誘われた人を引き留められた場合有力な手掛かりとなる。その人物は探索者が
寝ていた時に見ていた夢と同じ夢を見ているし、湖に行きたくなったという感想も同じよ
うにもっていたからである。これらの情報から失踪者も同じような夢を見てどこかにいっ
たと推測できる。
ちなみに城井は夢の内容を知っているので夢について聞かれればそういった夢を見たと、
話を合わせてくるが、旅館の人たちはそういった夢については今までも心当たりがないと
いう。ただし、今までの旅行客がそういった夢について話していなかったか聞かれれば最
近そんな話を聞いた気もすると教えてくれるだろう。
この夢について、夢についての旅館の人と客の違い、そして最近になって客、とくにリ
ピーターが増えてきたと言う情報、失踪者の変死体、変死体と特徴の似ている生ける屍、
などの情報が探索者にとって手掛かりとなる情報である。
夢によってこの旅館や湖に行きたくなる心理が働くことによって客の増加、リピーター
の増加が発生しており、それについて旅館の人たちはコンサルタントの城井のおかげだと
感じていることから、城井がなにかしらをつかんでいるのではないかと推理するのが正解
ルートである。これらの推理による疑いを誰かしらにぶつける前に、どういったタイミン
グでも城井がコンサルタントとして具体的にしたことを尋ねれば、旅館の人も、城井も「宣
伝の方法や、ウェブサイトのデザイン、アメニティや料理の充実、シャトルバスの無料化」
を応えてくれるが、旅館の人は「結晶をお守りとしてくれたこと」もついでに話してくれ
る。
疑っていることや、結晶のことについて城井に尋ねた場合、場所によって応対が変わ
る。
ロビーなどの人気の多い場所では、容疑に関しては旅館の人たちも含めて反論に出る。
しかし争いとまではいかず場をなだめる感じで終わる。結晶については快く、あなたたち
にもお近づきのしるしとして差し上げましょうと言ってくる。また、なりゆきで城井と共
闘し、探索者たちが驚異的な存在であることを城井に知ら示させることでも、探索者を旅
館に来させないように自分から結晶を渡してくれるだろう。
旅館の個室に押し掛けた場合、基本的には居留守をつかう。用がなければ従業員は来な
いことを知っているからである。ただし応対することもある。ここでも結晶は快くくれる。
疑いに関しては追い返そうとする。あまりにもしつこければ旅館の人を呼んで上と同じよ
うな環境にする。
山の中などの人気の少ない場所ではやはりのらりくらりとかわそうとするが、敵意が感
じられるならば逃げたして呪文の詠唱に入ろうとする。もし逃がしてしまえば従者側が優
勢になるまで出てくることはないだろう。もし従者を倒してもその日の内は現れないだろ
う。こういった状況になると、城井は探索者に対して逃げ場がなくなる。旅館をグラーキ
の従者に襲わせたりするのか、そのまま城井はフェードアウトするのか、どういった展開
にしてもよい。