815 海外旅行者下痢症 由来腸炎 ビブ リオのtrh 遺伝子保有状況 と保有株 の性状 東京都立衛生研究所微生物部 尾畑 浩魅 甲斐 明美 関口 恭子 松下 秀 山田 澄夫 伊藤 武 太田 建爾 工藤 泰雄 Key words: (平成8年5月13日 受付) (平成8年6月4日 受 理) Vibrio parahaemolyticus, tdh, trh, urease 要 1989∼1995年 の7年 旨 間 に海 外 旅 行 者 か ら分 離 され た 腸 炎 ビ ブ リオ478株 に つ い て,RPLA法 溶 血 毒 産 生 性 を検 討 した 結 果,108株 及 びtdh遺 hemolysin, で神 奈 川 が`弱 ま た は非'産 生 で あ っ た.こ れ ら108株 を対 象 に,PCR法 伝 子 保 有 状 況 を調 べ た 結 果,98株(90.7%)がtrh遺 でtrh 伝 子 を保 有 して い た.そ の 内,03:K6(6 株)な ど13種 類 の 血 清 型 菌35株 はtrh遺 伝 子 単 独 保 有,01:K69(14株),03:K72(8株),06:K46(7 株)な ど17種 類 の 血 清 型 菌63株 はtrhとtdhの KUT, O3:KUT, O5:KUTの4種 両 毒 素 遺 伝 子 を保 有 し て い た.ま 類 の 血 清 型 菌 で は,trh遺 た,01:K56,01: 伝 子 単 独 保 有 株 と,trhとtdhの 両毒 素 遺 伝 子 保 有 株 の 両 者 が 認 め ら れ た. これ らtrh遺 伝 子 を 保 有 し て い る98株 に つ い て 生 化 学 的 性 状 を検 討 した 結 果,そ 産 生 の 非 定 型 的 性 状 を示 した.ま た,06:K18の4株 の全 てが ウ レア ーゼ の み が ズ ル シ トー ル 発 酵,01:K1の5株 のみが イ ン ドー ル 非 産 生 の 非 定 型 的 性 状 で あ っ た.一 一方,神 奈 川 溶 血 毒 強 産 生 性 の370株 は,全 株 が ウ レ ア ー ゼ 非 産 生 の定 型 的 性 状 を 示 し た. 序 毒(TDH-related 文 腸 炎 ビ ブ リ オ(Vibrio parahaemolyticus)の 病 hemolysin: TRH)を 産生 す る こ と を 報 告 し,そ の 病 原 性 が 注 目 され る よ う に 原 因 子 と し て は,従 来 か ら 神 奈 川 溶 血 毒Kanaga- な っ て きた.他 wa た は 耐 熱 性 溶 血 毒thermosta- で の解 析 も進 み,そ れ ぞれ の毒 素(TDH,TRH) hemolysin(ま ble direct hemolysin:TDH)が て い る1)2).し か し,集 重 要視 され て き 団食 中 毒 や 海 外 旅 行 者 下 痢 症 患 者 か ら分 離 さ れ る 腸 炎 ビ ブ リ オ の 中 に は,神 奈 川 溶 血 毒 が 弱 産 生 あ る い は 非 産 生 の 菌 株3)∼5)も あ り,そ れ らの病 原 因 子 に つ い て は不 明 確 で あ っ た.し か し 最 近 に 至 り,Hondaら6)は モ ル ジ ブ旅 行 者 か ら分 離 さ れ た 神 奈 川 溶 血 毒 非 産 生 の 腸 炎 ビブ リオO3:K6株 が,神 方,こ れ ら溶 血 毒 の 遺 伝 子 レベ ル を コー ドす るtdhお よびtrh遺 伝 子 の塩 基 配 列 も 明 らか に され,ハ イ ブ リダ イ ゼ ー シ ョ ン法 やPCR 法 を 用 い た 遺 伝 子 診 断7)も可 能 とな っ て きた. そ こで,1989∼1995年 の7年 間 に 当研 究 所 で 分 離 され た海 外 旅 行 者 由 来 株 に つ い て,trh遺 伝子 の保 有 状 況 な らび に保 有 株 の性 状 に つ い て検 討 し た の で,そ の成 績 につ い て報 告 す る. 材 料 と方 法 奈 川 溶 血 毒 に類 似 した 溶 血 1.供 試 菌 株 別刷 請 求 先:(〒169)東 京都 新 宿 区百 人 町3-24―1 東京 都 立 衛 生研 究 所 微生 物 部 細 菌第 一研 究科 平成8年8月20日 尾畑 浩魅 1989年 ∼1995年 の7年 間 に,東 京 都 立 衛 生研 究 所 で 海 外 旅 行 者 か ら検 出 さ れ た 腸 炎 ビ ブ リオ478 尾畑 816 浩魅 他 株 を対 象 と した. 成 2.神 奈 川 溶 血 毒 産 生 試 験 神 奈 川溶 血 毒 の産 生 性 は,逆 受 身 凝集 反 応 法 に よ るKAP-RPLAキ 調 べ た.す ッ ト(デ ン カ生 研)を なわ ち,供 試 菌 をKP培 用い て 地(5%NaCl 接 種 し,37℃ 振 と う培 養(120回/分)し た もの を12,000rprnで で18時 間 10分 間冷 却 遠 心 分 離 し,そ の上 清 の 原 液,お よび に希 釈 した 試 料 を対 象 に,マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レー ト法(V底)で 況 供 試 菌 株478株 の 神 奈 川 溶 血 毒 産 生 性 をRPLA 法 で 調 べ た 結 果(Table 加 ペ プ トン水,pH7.4)に 10倍,300倍 績 1.神 奈 川 溶 血 毒 産 生 性 と溶 血 毒 遺 伝 子 保 有 状 実施 した. RPLA力 1),370株(77.4%)は 価 が300倍 で 陽 性(そ の後 の検 討 で1,000 倍 以 上)の 強 産 生 株 で あ っ た が,69株(14.4%) は300倍 未 満 の 弱 産 生,39株(8.2%)は 原液 で も 反 応 陰 性 の 毒 素 非 産 生 株 で あ っ た. こ れ ら弱 産 生 お よび 非 産 生 の 合 計108株 に つ い 3.血 清 型 別 試 験 て 実 施 したtdhお 常 法8)に従 い,市 販 の 診 断 用 血 清(デ ン カ生 研) を用 い て ス ラ イ ド凝 集 反 応 に よ り0抗 原および Table2に よ びtrh遺 伝 子 の 検 出 成 績 は, 示 した 通 りで あ る.神 奈 川 溶 血 毒`弱 ま K抗 原 の 型 別 を行 っ た. 4.毒 素 遺 伝 子 の 検 出 Table 神 奈 川 溶 血 毒(TDH)産 伝 子,お 生 性 を支 配 す るtdh遺 よび 神 奈 川 類 似 溶 血 毒(TRH)産 関 与 す るtrh遺 伝 子 の検 出 は,Tadaら7)が た プ ラ イ マ ー を用 い てPCR法 1 Kanagawa parahaemolyticus travellers' diarrhea, hemolysin producibility strains isolated by RPLA method from of Vibrio overseas 生性 に 報告し に よ り行 った. 5.生 化 学 的 性 状 試 験 ウ レ ア ー ゼ 産 生 性 は,3%NaCl加Urea base(Difco)に 供 試 菌 を接 種 後,37℃,一 agar 夜培 養 し,赤 変 した もの を 陽性 と判 定 した.ズ ル シ トー ル 発 酵 性 は3%NaCl加 ア ン ドレ ー ドペ プ トン水 で,イ ン ドー ル 産 生 性 は3%NaCl加LIM培 地で 常 法9)に よ り調 べ た. *RPLA **RPLA Table 2 Detection of tdh and trh gene in Kanagawa hemolysin titer: >•~300 titer:•~ 1•`•~ 300 weakly positive or negative strains of Vibrio parahaemolyticus * RPLA titer: ×1∼ ×300 感染症学雑誌 第70巻 第8号 腸 炎 ビ ブ リオ のtrh遺 伝 子 保 有状 況 と性状 た は 非'産 生 の い ず れ の 株 に お い て もtdh遺 伝 子 年 に は37.1%と 817 著 し く増 加 し た. 単 独 保 有 株 は認 め られ なか っ た が,神 奈 川 溶 血 毒 2.trh遺 弱 産 生 の69株 は全 株trh遺 trh遺 伝 子 保 有 腸 炎 ビ ブ リオ98株 伝 子 を保 有 し て お り, そ の 内 の6株(8.7%)はtrh遺 株(91.3%)はtdhとtrhの あ っ た.一 伝 子 単 独 保 有,63 両毒素遺 伝子保有株 で 方,神 奈 川 溶 血 毒 非 産 生 の39株 で は, 29株(74.4%)がtrh遺 が,tdhとtrhの 伝子 単独保 有株 で あった な か っ た.ま 両 毒 素 遺 伝 子 保 有 株 は 認 め られ た10株(25.6%)は 両 毒素遺伝子 と も保 有 し な い株 で あ っ た. 他 方,今 遺 伝 子 保 有)が 確 認 され た腸 炎 ビ ブ リオ は計98株(20.5%)で,そ は,1989∼1994年 で は20%前 3に 示 し た 通 り,KUTも 彩 で あ っ た.trh遺 は,O1: の年 次 別 検 出率 後 で あ っ た が,1995 ,trhとtdhの ま た,O1: 両 毒 素 遺 伝 子 保 有 の63株 3 Serotype parahaemolyticus travellers' diarrhea 平成8年8月20日 of trh-positive isolated strains from (14株),03:K72(8株), K56, KUTの4種 O1: KUT,O3: よ 類 の 血 清 型 菌 で は,trh遺 子 単 独 保 有 株 と,trhとtdhの 両 者 が 見 ら れ た.な KUT,お お,神 伝 両遺 伝子 保 有株 の 奈 川 溶 血 毒 弱 産 生 で, 血清型 は of Vibrio overseas Table 4 positive の ど17種 類 に わ た っ て い た. trh遺 伝 子 単 独 保 有 の6株(Table2)の Table 類 と多 の血 清型 ど13種 類 で あ っ た. 血 清 型 は,O1:K69 びO5: 含 め26種 KUT(11株),01:K56(8株),03: K6(6株)な 一 方 の 血 清 型 は, 伝 子 単 独 保 有 の35株 06:K46(7株)な 回 の調 査 でtrh遺 伝 子 保 有(trh単 独 お よ びtdh/trh両 Table 伝 子保有株 の血清型 Biochemical characteristics Vibrio parahaemolyticus strains of trh- 尾畑 818 Table 5 Relationship hemolysin between producibility, and 再 調 査 した 結 果,こ Kanagawa possession of 浩魅 他 trh れ らの 株 もそ の 産 生 量 は低 い もの の本 毒 素 を産 生 す る株 で あ る こ とを確 認,こ gene of Vibrio parahaemolyticus れ らKP陰 性 株 の事 例 は寒 天 平 板 で は検 出 で き な い 低 毒 素 産 生 株 に よ る と結 論 した. 一方 ,Hondaら6)は,1987年 に モ ル ジ ブ旅 行 者 下 痢 症 か ら検 出 さ れ た 腸 炎 ビ ブ リ オ03:K6株 KP陰 と類 似 し た溶 血 毒Vp-TRHを * RPLA titer ***NT: Not :•~ 1•`•~ 300, **RPLA titer: >•~ 300, 告,新 tested が 性 で,神 奈 川 溶 血 毒 も非 産 生 で あ るが,そ れ 産 生 す る こ と を報 た に 本 毒 素 産 生 株 の病 原 性 が 注 目 され る と こ ろ とな った.著 者 ら12)も,集団食 中 毒 お よび 海 外 旅 行 者 下 痢 症 由来 株 を対 象 にVp-TRHの 全 てO3: K6で あ った. 3.trh遺 を検 討 した 結 果,本 田 ら5)が報 告 した03:K6以 伝 子 保 有 株 の生 化 学 的 性 状 外 の 血 清 型 菌 に もそ の割 合 は低 い が 本 毒 素 産 生 株 の trh遺 伝 子 保 有 腸 炎 ビ ブ リオ98株 の 特 徴 的 な 生 化 学 的性 状 はTable4に 産 生性 ま とめ た 通 り,trh遺 存 在 す る こ とを確 認 す る と同 時 に,こ れ らTRH 伝 産 生 株 は全 て ウ レ ア ー ゼ 産 生 性 で あ る とい う特 徴 子 保 有 株 は全 株 が ウ レア ー ゼ産 生 陽 性 の非 定 型 的 あ る 生 化 学 的 性 状 を有 す る こ と を 明 ら か に し 性 状 を 示 し た.ま た13). た,O6:K18の4株 トー ル 発 酵 陽 性,O1:K1の5株 は ズル シ は イ ン ドー ル 非 産 生 の非 定 型 的 性 状 保 有 株 で あ った.な お,検 討 本 報 で は,引 き続 き さ らに1989∼1995年 の7年 間 に東 京 都 内 で 海 外 旅 行 者 か ら分 離 さ れ た腸 炎 ビ し た腸 炎 ビブ リオ478株 中,神 奈 川 溶 血 毒 弱 また ブ リオ478株 を 対 象 にtrh遺 伝 子 の保 有 状 況 を 中 は非'産 生 株 は108株 で あ り,こ れ らの うちtrh遺 心 に検 討 した 結 果,神 奈 川 溶 血 毒 の 産 生 がRPLA 伝 子 保 有 の98株 は全 株 が ウ レア ー ゼ 産 生 性 で あ っ 法 で,凝 集 価300倍 以 下 の 本 毒 素 弱 産 生 株 お よび 非 た が,trh遺 産 生 株 と判 定 さ れ た 計108株(22.6%)中,98株 伝 子 を保 有 して い な い10株,ま た 典 型 的 な神 奈 川 溶 血 毒 強産 生 の370株(毒 素 遺 伝 子 の 保 有 状 況 に つ い て は未 検 討)で は全 株 が ウ レア ー ゼ (90.7%)に,本 毒 素 遺 伝 子 の 保 有 が確 認 さ れ た. trh遺 伝 子 保 有 腸 炎 ビ ブ リオ が 検 出 され た98例 非 産 生 の 典 型 的 な 腸 炎 ビ ブ リオ の 性 状 を 示 した の 血 清 型 は,本 (Table た03:K6の 5). 考 察 熱性 溶 血 毒)に よ っ て発 現 され る神 奈 川 現 象(Kanagawa phenomenon:KP)は,患 他25種 と多 彩 で,ま た 推 定 感 染 国 も, タ イ(39例),フ 腸 炎 ビブ リオ が 産 生 す る神 奈 川 溶 血 毒(耐 者 由 来 株 の大 半 が (8例),シ 田 らが モ ル ジ ブ旅 行 者 か ら検 出 し ィ リピ ン(24例),イ ンガ ポ ー ル(6例)な ン ドネ シ ア どア ジ ア各 地 に 広 く分 布 す る こ とが 明 らか とな っ た.し か し,あ る年 に あ る特 定 の 血 清 型 菌 が 特 定 の 地 域 に 多 く検 陽 性 で あ るの に対 し,環 境 由来 株 の ほ とん どが 陰 出 され た とい う様 な特 徴 は認 め られ な か っ た.な 性 で あ る こ とか ら,本 菌 の 病 原 性 の 指 標 と して 重 お,血 清 型03:K6株 要 視 さ れ て きた10).し か し,善 養 寺 ら3)4)はKP陰 ス リラ ン カ,シ 性 菌 が 原 因 で あ っ た と考 え ざ る を得 な い興 味 あ る 大 半 で あ っ た が,今 食 中 毒 事 例 を報 告 し,そ の 病 原 性 が 注 目 さ れ て い タ イ,1株 た.そ の後,太 田 ら11)は神 奈 川 現 象 を調 べ る た め に 他 方,今 は1988年 ま で は モ ル ジ ブ や ンガ ポ ー ル 旅 行 者 か ら の分 離 株 が 回 の 調 査 で は,6株 中5株 が が フ ィ リ ピ ン由 来 で あ っ た. 回検 出 され たtrh遺 伝 子 保 有 株 に つ い そ れ ま で使 用 して い た我 妻 寒 天 平 板 法 よ り更 に 感 て検 討 し た生 化 学 的 性 状 で は,こ れ まで の成 績 と 度・ 特 異 性 の高 い逆 受 身 赤 血 球 凝 集 反 応(RPHA) 同様 全 株 が ウ レア ー ゼ 陽性 の 非 定 型 的 性 状 を 示 す 法 を 開 発 し,本 法 を 用 い て 善 養 寺 らが 報 告 し た もの で あ っ た.こ の 他 一 部 の 血 清 型 菌 で は,ズ ル KP陰 シ トー ル 陽 性(血 清 型06:K18),イ 性株 について神奈 川溶 血毒産 生性 の面 か ら 感 染症 学 雑 誌 ン ドー ル 陰 性 第70巻 第8号 腸 炎 ビ ブ リオ のtrh遺 伝 子 保 有状 況 と性状 (血清 型O1:K1)な ど の非 定 型 性 状 を示 す 株 が 認 haernolyticus. Toxins め られ た.著 者 ら14)15)は,これ まで に も腸 炎 ビ ブ リ オ の 例 外 性 状 と血 清 型 の 関 連 性 につ い て注 目 し て きた が,そ れ ら の株 の 多 くがtrh遺 溶 血毒 強産 生株 につ い て は保有 遺 伝 子 の検 討 を 行 っ て い な い が,全 株 が ウ レ ア ー ゼ非 産 生 の定 型 的 な性 状 で あ る こ とを確 認 し て い る こ とか ら,お そ ら くtrh遺 伝 子 は保 有 して い な い も の と推 定 さ れ た.鈴 木 ら16)も,大阪 空 港 検 疫 所 で検 出 され た海 外 旅 行 者 由 来 の 腸 炎 ビ ブ リオ に っ い て,DNAプ ロ ー ブ 法 で 溶 血 毒 遺 伝 子(tdh,trh)の 保 有状況 を 検 討 して い る が,本 報 とほ ぼ 同 様 の成 績 を報 告 し て い る. 今 回 の 調 査 で,trh遺 の 約20%と,か 伝 子 保 有 株 は海 外 由 来 株 な り高 率 に存 在 し で い る こ とが 明 らか と な っ た.国 内 の食 中毒 由来 株 にお い て も trh遺 伝 子 保 有 株 が 検 出 され る こ とは あ るが,こ れ まで の 成 績 で は そ の頻 度 は海 外 由来 株 ほ ど高 く は な い.そ の理 由 は明 確 で な い が,こ の種 のtrh遺 伝 子 保 有 株 の分 布 に地 域 差 が あ る こ と を示 唆 して い る の か も し れ な い. and Microbial New York, 1976; 1: 善 養 寺 浩, 坂 井 千 三, 工 藤 泰 雄, 伊藤 武: いわ 発 生 例 に つ い て. -219 . 4) 善 養 寺 浩, 務: モ ダ ン メ デ ィ ア1969; 坂 井 千 三, 工 藤 泰 雄, 伊藤 神 奈 川 現 象 陰 性 腸 炎 ビ ブ リ オO4: 定 さ れ る 食 中 毒 に つ い て. 1970; 武, 丸山 K12と 推 メ デ ィヤ サー クル 15: 82-86. 5) 本 田 俊 一, 後 藤 郁 夫, 峰 松 一 郎, 他: モ ル ジ ブ旅 行 者 か ら分 離 さ れ た 神 奈 川 現 象 陰 性 株O3: よ る と 思 わ れ る 腸 炎 ビ ブ リ オ 感 染 症. 1987; 団 15: 218 61: K6に 感染症誌 1070-1077. 6) Honda T, Ni Y, Miwatani T: Purification and characterization of a hemolysin produced by a clinical isorate of Kanagawa phenomenon-negative Vibrio parahaemolyticus and related to the thermostable direct hemolysin. Infect Immun 1988; 56: 961-965. 7) Tada J, Ohashi T, Nishimura N et al.: Detection of the thermostable direct hemolysin gene (tdh) and the thermostable direct hemolysin-related hemolysin gene (trh) of Vibrio parahaemolyticus by polymerase chain reaction. Molecular and Cellular Probes 1992; 6: 477-487. 8) 工 藤 泰 雄: 病 原細 菌 の群 別 と型 別 法 「腸 炎 ビ ブ リ オ 」. 臨床 と微 生物1988; 15: 79-82. 9) 善 養 寺浩, 他 編: 腸 炎 ビブ リオ. 腸 管 系 病 原 菌 の 腸 炎 ビ ブ リオ の感 染 源 は,主 に魚 介 類 や それ ら に汚 染 した 食 品 に よ る もの で あ るが,こ れ まで 食 品 あ る い は環 境 由来 株 の多 くは,KP陰 性 で ある とさ れ て い る だ けで,trh遺 Plant Publishing, ゆ る 神 奈 川 現 象 陰 性 腸 炎 ビ ブ リ オ 食 中 毒 の1集 め て興 味 あ る点 で あ る. 一方 ,RPLA法 で凝集 価1,000倍 以 上 の神 奈 川 Animal Plenum 479-498. 3) 伝子保 有株 で あ った こ と は,そ の遺 伝 学 的 関 連 性 を含 め,極 819 伝 子保 有株 につい て 検 査 法, 第4版, 10) 工 藤 泰雄, 大 橋 医学 書 院, 東 京, 1985; 125-144. 誠: 腸 炎 ビブ リオ食 中毒 の疫 学. 竹 田 美文, 工 藤 泰 雄, 篠 田純 男, 本 田 武 司 編, 腸 炎 ビブ リオ第III集, 近代 出版, 東 京, 1990; 26-36. 11) 太 田建 爾 工 藤泰 雄, 津野 正 朗, 他: 逆 受 身赤 血 は明 らか に さ れ て い な い.現 在,魚 介 類 のTDHお 球 凝 集 反 応 に よ る腸 炎 ビブ リオ腸 管 病 原 毒 素 (神 よ びTRH産 奈 川 溶血 毒) の検 出法,な らび に本 法 に よ る各種 分 生 菌 に よ る汚 染 状 況 の 詳 細 に つ い て 検 討 中 で あ る. 文 献 1) Zen-Yoji H, Kudoh Y, Igarashi H, Ohta K, Fukai K: Purification and identification on enteropathogenic toxins "A" and "A"' produced by Vibrio parahaemolyticus and their biological and pathological activities, International symposium on Vibrio parahaemolyticus, Saikon Publishing, Tokyo, 1974; 237-243. 2) Zen-Yoji H, Kudoh Y, Igarashi H, Ohta K, Fukai K, Hoshino T : Further studies on characterization and biological activities of an enteropathogenic toxin of Vibrio para平 成8年8月20日 離 株 の 毒 素 産 生 の 再 検 討. 日細 菌 誌1979; 837-846. 12) 吉 田 勲, 甲斐 明美, 松 下 34: 秀, 他: 集 団食 中毒 お よび散 発 下痢 症 由来腸 炎 ビ ブ リオ の産 生 溶血 毒 につ い て. 臨床 と微 生 物1990; 13) 尾 畑 浩 魅, 甲斐 明 美, 松 下 TRH遺 17: 236-237. 秀, 他: い わ ゆ る 伝 子保 有 腸 炎 ビ ブ リオ に関 す る検 討. 臨 床 と微 生 物1994; 21: 199. 14) Zen-Yoji H, LeClair RA, Ohta K, Montague TS: Comparison of Vibrio parahaernolyticus cultures isolated in the United States with those isolated in Japan. J Infect Dis 1973; 127: 237-241. 15) 太 田建 爾: 腸 炎 ビ ブ リオ お よび 毒 素 の検 査 法. 竹 尾畑 820 田 美 文, 16) 工 藤 泰 雄, 篠 田 純 男, 本 田 武 司 編, ビ ブ リ オ 第III集, 近 代 出 版, 東 京, 1990; 鈴 木 則 彦, 泰 史, 英 人, 他: 上田 Detection 森 腸炎 80-89. 腸 炎 ビブ 浩魅 他 リ オ に お け る溶 血 毒 遺 伝 子 (tdh, trh) の 保 有 と ウ レ ア ー ゼ産 生性 お よ び血 清 型 との 関 連 性 に つ い て. 感 染 症 誌1994; of the trh Gene in Vibrio parahaemolyticus Travellers' Diarrhea and Their Biochemical 68: 1068-1074. Isolated from Overseas Characteristics Hiromi OBATA, Akemi KAI, Kyoko SEKIGUCHI, Shigeru MATSUSHITA, Sumio YAMADA, Takeshi ITOH, Kenji OHTA & Yasuo KUDOH Department of Microbiology, Tokyo Metropolitan Research Laboratory of Public Health A total of 478 Vibrio parahaemolyticus strains isolated from overseas travellers' diarrhea during the last 7 years of 1989 to 1995 were examined for the production of Kanagawa hemolysin by reversed passive latex agglutination (RPLA) test. Three hundred-seventy (77.4%) out of 478 strains were positive for Kanagawa hemolysin, whereas 108 strains were weakly positive or negative. For those Kanagawa hemolysin-weakly positive or nagative strains, the tdh and trh genes associated with the production of TDH (thermostable direct hemolysin) and TRH (TDH-related hemolysin), respectively, were studied by the polymerase chain reaction method. The trh gene was detected in 98 (90.7%) out of 108 strains. In 35 strains belonging to 13 serotypes such as 03: K6, O1:K33, O3:K59, the trh gene alone was detected. On the other hand, both trh and tdh genes were detected in 63 strains of 17 serotypes including O1:K69, O3:K72, O6:K46. Among the strains of 4 serotypes including O1:K56, O1:KUT, O3:KUT and O5:KUT, two types of the trh positive alone and the trh and tdh positive were observed. Of interest, all of the 98 trh-positive strains were positive for the urease hydrolysis, whereas all Kanagawa hemolysin-positive strains were not. Furthermore, the strains of serotype O6:K18 (4 strains) were positive for the fermentation of dulcitol, and the strains of serotype O1:K1 (5 strains) were indole negative. These characteristics of the strains were completely different from those of typical V. parahaemolyticus strains. 感染症学雑誌 第70巻 第8号
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