科学技術振興調整費 成果報告書 重要課題解決型研究等の推進:科学技術政策に必要な調査研究 「発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発」 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 調査研究の概要 p.1 研究の詳細と参考資料 1. 健常人における発現遺伝子プロファイルの獲得およびデータベースの作成 p.3 2. 培養細胞を用いた代替治療薬の評価 p.7 3. 代替医療の治療効果判定法の開発 p.11 4. 本研究関連資料 p.20 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 調査研究の概要 ■ 調査研究の趣旨 わが国では古来より漢方薬を使用してきた歴史があり、現在では漢方薬、鍼灸、柔道整復などの東洋医学が保険適用と なっていることから、多くの患者が日常的に代替医療を利用している。また近年ではサプリメントや機能性食品も多く使用さ れている。一方、代替医療に取り組む政府機関や代替医学講座をもつ大学が少ないため、医療従事者の代替医療に関 する知識は乏しい。また一部の代替医療による健康被害や金銭的な被害も生じている。 代替医療の効果の特徴としては、1)免疫・代謝・生理機能・循環動態など多岐にわたること、2)それぞれの効果は軽微あ るいは測定することが難しい主観的なものが多いこと、3)それらの複合した効果が患者の主観的な効果として現れることな どがあげられる。このため、従来の科学技術ではこうした複雑で多岐にわたる軽微な効果を包括的に評価するのは困難で あった。一方、最近の知見ではこうした生命体における複雑な現象を解明する手段としてポストゲノムの手法である包括的 な発現遺伝子解析法が有効であることが示されてきた。 さらに代替医療の効果がおよぶ臓器は多岐にわたり、また一部のものは全身にその影響が及ぶため、評価を行うための 検査対象臓器を選択することも容易ではない。血液中のリンパ球は生体内における免疫機能を司る重要な細胞であるが、 一方で血液中の代謝産物や循環動態の影響を常に受けている細胞でもある。つまり、血液中に存在するリンパ球は、これ らの因子による影響を受けて遺伝子の発現が変化していることが想定される。さらに末梢血リンパ球を用いた遺伝子解析 方法は、生命体における複雑な現象の解析に優れているだけでなく、血液を検査するという簡便で日常診療に導入しやす いという大きなメリットも存在する。そこで本研究では「末梢血のリンパ球を用いた発現遺伝子解析による代替医療の科学的 評価法」を開発するための調査を行った。 ■ 調査研究の概要 本調査研究では、以下の研究を行い「末梢血のリンパ球を用いた発現遺伝子解析による代替医療の科学的評価法」を 開発するための基盤を構築した。 1. 健常人における発現遺伝子プロファイルの獲得およびデータベースの作成 1.1. 血液調整法の違いによるデータベースの作成 1.2. 血球成分によるデータベースの作成 1.3. 採取時間・食事前後におけるデータベースの作成 2. 培養細胞を用いた代替治療薬の評価 2.1. 測定に有用な培養細胞株の同定 2.2. 薬物投与によって変動する遺伝子データベースの作成と重要な遺伝子の抽出 3. 代替医療の治療効果判定法の開発 3.1. 治療薬投与後の発現遺伝子データベースの作成 3.2. 効果を評価するアルゴリズムの作成 研究項目 1 により、発現遺伝子解析による代替医療の効果を評価するうえでのコントロールとなる健常人の末梢血リンパ 球における遺伝子発現を測定し、代替医療の判定法確立の基礎となる情報データベースを作成した。次に、ヒトのリンパ球 を用いた検討では個々の症例によって遺伝的バックグランドや生活環境因子が異なることから、もともとの発現遺伝子にば らつきがみられることが予想されたため、均一な遺伝子発現をもつ培養細胞を用いて研究項目 2 の検討を行った。この検 討により、治療薬投与によって培養細胞における発現遺伝子がダイナッミクに変動すること、これらの遺伝子群を用いた代 替医療評価の可能性が明らかになった。しかしながら、項目 2 による方法はあくまで試験管内(in vitro)での評価方法であり、 この方法で評価した代替医療が、そのまま人体に好影響を及ぼすかどうかは不明であった。そこで項目 3 において治療薬 1 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 を投与した患者における末梢血リンパ球を用いて同様の検討を行い、培養細胞での検討結果と比較した。ヒトリンパ球を用 いた方法においても、投与薬剤により発現遺伝子はダイナミックに変動しており、最適な効果判定アルゴリズムを用いること により代替医療の科学的評価が可能であると考えられた。 ■ 実施体制 研 究 項 目 担当機関等 研究担当者 1. 金沢大学大学院 医学系研究科 ◎○金子 周一 健常人における発現遺伝子プロファイルの獲得お よびデータベースの作成 がん遺伝子治療学 (教授) 1.1 血液調整法の違いによるデータベースの作成 中本 安成(講師) 1.2 血球成分によるデータベースの作成 水腰 英四郎(講師) 1.3 採取時間・食事前後におけるデータベースの作成 酒井 佳夫(助手) 2. 培養細胞を用いた代替治療薬の評価 2.1 測定に有用な培養細胞株の同定 金沢大学大学院 医学系研究科 金子 周一(教授) がん遺伝子治療学 中本 安成(講師) 酒井 佳夫(助手) 2.2 薬物投与によって変動する遺伝子データベースの 作成と重要な遺伝子の抽出 金沢大学大学院 医学系研究科 感染症病態学 3. 代替医療の治療効果判定法の開発 3.1 治療薬投与後の発現遺伝子データベースの作成 ○本多 政夫 (助教授) 金沢大学大学院 医学系研究科 金子 周一(教授) がん遺伝子治療学 水腰 英四郎(講師) 金沢大学大学院 医学系研究科 ○鈴木 信孝 3.2 効果を評価するアルゴリズムの作成 補完代替医療学 ◎ 代表者 ○ サブテーマ責任者 2 (教授) 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 1. 健常人における発現遺伝子プロファイルの獲得およびデータベースの作成 金沢大学大学院 医学系研究科 がん遺伝子治療学 教授 金子 周一 これまでに我々は、健常者や肝疾患患者における肝組織を用いた発現遺伝子の解析を行ってきた(1-9)。しかしながら、 肝臓や他の臓器における発現遺伝子解析は得られる情報は多いものの、サンプルの採取には熟練した医療手技が必要 であり、常にサンプル採取に伴う合併症のリスクが存在する。こうしたことから最近では、サンプルの採取が簡便な末梢血リ ンパ球を用いた解析が主流となりつつある(10-12)。このリンパ球を用いた発現遺伝子解析方法に関しては、従来のリンパ 球分離法によって採取されたリンパ球を用いた発現遺伝子プロファイルは報告されているが(10-15)、採血の方法や採取の 時間による違いに関しては詳細な検討がなされていない。臨床検査法を確立するためには、これらの影響を明らかにして 方法を標準化すると共に、コントロールとなる遺伝子情報のデータベースを作成することが必須となる。本研究では3万の 遺伝子を搭載した DNA チップを用いて以下の3項目に関する検討を行った。 ■ 1.1 血液調整法の違いによるデータベースの作成 はじめに、従来のリンパ球分離法であるフィコールを用いて分離したリンパ球から抽出した遺伝子と末梢血から直接的に 遺伝子を抽出することのできる PAX gene 法を用いて抽出した遺伝子の発現の違いを検討した。対象には健常者と C 型慢 性肝炎患者を選び、疾患の有無が血液調整法による発現遺伝子の変化に与える影響についても同時に検討した。 図1 AceGeneⓇHuman Oligo Chip 30K を用いた発現遺伝子の解析 全血から PAX gene 法を用いて抽出した RNA とフィコールを用いて分離したリンパ球から抽出した RNA を Message Amp Amino Allyl aRNA kit にて1回増幅し、AceGeneⓇHuman Oligo Chip 30K へハイブリダイゼーションさせ、ScanArray G (PerkinElmer)にてイメージを獲得した。図 1 は 3 万個の発現遺伝子のイメージである。次に遺伝子発現変化を DNAsis Array v2.6 にて定量し、各血液調整法による違いを検討した。 3 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 図 2 PAX gene 法で抽出した RNA とフィコール分離リンパ球から抽出した RNA を用いた発現遺伝子プロファイルの比較 健常者において2種類の血液調整法による発現遺伝子プロファイルの違いを検討すると、図 2 に示すような結果が得ら れた。すなわち、フィコール分離リンパ球では発現レベルが増加していないが、PAX gene 法で検討すると発現が増加して いる遺伝子(図中の青色で示す部分)が 1410 個検出された。一方、フィコール分離リンパ球では発現レベルが増加してい るが、PAX gene 法で検討すると発現が増加していない遺伝子(図中の茶色で示す部分)が 78 個検出された。両者で増加 している遺伝子(図中の黄色で示す部分)は 322 個であった。同様の現象は C 型肝炎ウイルスに感染した患者(C 型慢性 肝炎患者)においても認められた。このことから、血液採取法の違いにより、ヒトの末梢血(より具体的にはリンパ球などの細 胞内)における遺伝子の発現レベルは大きく変動することが明らかになった。さらに、図中丸印で囲んだ領域には PAX gene 法によってのみ、その発現増加が検出できる遺伝子群が存在した。実際に、C 型慢性肝炎患者において PAX gene 法のみにて検出される遺伝子異常を列挙すると、 1 Matrix metalloproteinase 9 2 Intercellular adhesion molecule 1 (CD54) 3 Tumor necrosis factor (ligand) superfamily, member 13b 4 Interleukin 20 receptor, alpha 5 Interleukin 12B 6 Myeloid cell nuclear differentiation antigen 7 Vasoactive intestinal peptide receptor 2 8 C-type (calcium dependent, carbohydrate-recognition domain) lectin, superfamily member 9 9 Mitogen-activated protein kinase kinase kinase 14 10 Fibroblast growth factor (acidic) intracellular binding protein など多岐にわたり、代替医療の評価においてこうした遺伝子の変化が予測される場合には同法を用いるなど、目的に合っ た末梢血のサンプル処理法を選択することが重要であると考えられた。 ■ 1.2 血球成分によるデータベースの作成 次に、末梢血に存在する各種血球成分における発現遺伝子の違いを検討した。すなわち、フィコール法によって分離し たリンパ球においても、その中には T 細胞(T 細胞はさらに CD4 陽性細胞や CD8 陽性細胞に分けられる)や B 細胞が存 在する。こうした細胞の末梢血における比率は疾患によって異なり、また健常者においても個人差があることが知られてい る。したがって、各細胞における発現遺伝子の違いをデータベース化することは、発現遺伝子解析を用いて代替医療の効 果を評価する上で必須である。 4 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 表1 各細胞分画における発現遺伝子の相違 表 1 は解析した 3 万個の遺伝子のうち各細胞分画において発現の違いを認めた代表的な遺伝子群を示す。このように 各種遺伝子群において、各細胞分画によって大きな相違が認められることが明らかとなった。表には遺伝子群を示すが、 これらの遺伝子群には()内記載された数に相当する遺伝子が含まれ、各細胞分画における個々の遺伝子の発現パターン をデータベース化することができた。 ■ 1.3 採取時間・食事前後におけるデータベースの作成 最後に血液の採取時間や食事によって影響をうける遺伝子のデータベース化を試みた。午前 8 時(8AM)、午前 10 時 (10AM)、午後 0 時(0PM)、午後 2 時(2PM)、午後 5 時(5PM)、午後 7 時(7PM)において、血液を採取し、末梢血リンパ球にお ける発現遺伝子を解析した。本検討ではそれぞれの時間において発現が増加あるいは減少している遺伝子が検出され、 末梢血リンパ球における遺伝子の発現レベルはサンプルを採取する時間帯において大きく変動することが明らかになった。 こうして変動する遺伝子を 3 万個の中から 20344 個抽出し、階層クラスタリングを行うと、図 3 に示す如く、午前(青色部分) と午後(黄色部分)の時間帯によって発現遺伝子を分類することが可能であった。 5 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 図3 20344 遺伝子による採血時間ごとの発現遺伝子の階層クラスタリング 本検討ではサンプルの採取時間によって変動する遺伝子を同定した。一方、食事前後における遺伝子発現プロファイ ルの変化は認めなかった。以上の研究により、発現遺伝子解析を用いて代替医療の効果を評価する上で必要な健常者の 末梢血リンパ球の発現遺伝子データベースを構築した。 6 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 2. 培養細胞を用いた代替治療薬の評価 金沢大学大学院 医学系研究科 がん遺伝子治療学 教授 金子 周一 項目 1 の検討結果からも明らかなように、ヒトリンパ球を用いた検討では遺伝子の抽出方法やサンプルの採取時間、測 定対象とする細胞分画によって治療薬投与前から発現遺伝子にばらつきがみられることが予想された。このことは、ヒトリン パ球を用いた代替医療の評価法の確立には多くのクリアーすべき課題があることを示唆している。一方で、ばらつきのない 均一な遺伝子発現をもつヒト培養細胞を用いて代替医療の評価法が確立できれば、培養細胞の取り扱いは容易であり、 社会への普及という点においても有利である。そこで本研究では培養細胞を用いた代替医療の評価方法の可能性につい て、以下の検討を行った。 ■ 2.1 測定に有用な培養細胞株の同定 ヒト培養細胞には大きく、浮遊系細胞と接着系細胞がある。代替医療の評価に適した培養細胞を同定するには、まず細胞 の培養条件によって影響を受けない、安定した遺伝子発現をもつ細胞を選択することが重要である。さらに、薬剤の投与や 細胞内部への遺伝子導入により、発現遺伝子が大きく変化する細胞がより好ましいと考えられる。これまでに我々はヒト肝癌 培養細胞を用いた遺伝子導入や発現遺伝子の解析を行い、こうした条件に適合する細胞として、HuH 細胞が有用であること を見出してきた(7, 16, 17)。そこで、本研究では、この細胞にウイルス遺伝子の導入や、すでに投与により誘導される遺伝子 群が同定されているインターフェロンを用いて(18, 19)、同細胞が代替医療の評価に適しているかどうかを検討した。 表2 インターフェロンによる培養細胞における遺伝子発現誘導 7 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 インターフェロンの投与によって、HuH 細胞内には表 2 に示すような遺伝子の発現誘導が認められた。そこで、こうした細 胞内で発現が誘導される遺伝子群が、これまでに報告されているインターフェロンの作用として矛盾しないかどうかを検証 した。表 2 で示した遺伝子を含め、本研究において誘導された遺伝子を用いて検討したところ、これまでに報告された遺伝 子とともに図 4 に示すようなインターフェロン誘導遺伝子による遺伝子ネットワークを構築することが可能であった。このこと は HuH 細胞における誘導遺伝子発現が正常に機能している可能性、すなわち同細胞が遺伝子発現によって代替医療の 評価をするのに適した細胞である可能性を示唆している。 図4 インターフェロン誘導遺伝子による遺伝子ネットワーク ■ 2.2 薬物投与によって変動する遺伝子データベースの作成と重要な遺伝子の抽出 インターフェロンによって誘導される遺伝子に加え、B 型肝炎ウイルス遺伝子と C 型肝炎ウイルス遺伝子の導入により、 HuH 細胞内でウイルス蛋白を作らせ、この蛋白によって細胞内で誘導される遺伝子の発現を検討したところ、表 3 に示すよ うに各種の遺伝子の発現が認められた。 8 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 表3 ウイルス蛋白による培養細胞における遺伝子発現誘導 インターフェロンの投与によって HuH 細胞内に発現が誘導される遺伝子の解析と同様に、B 型肝炎ウイルス遺伝子を導 入した際に細胞内に誘導される遺伝子を用いて遺伝子ネットワークの構築が可能であるかどうかを試みた。図 5 には本検 討によって得られた B 型肝炎ウイルス遺伝子の導入によって誘導される遺伝子による遺伝子ネットワークを示す。 図5 B 型肝炎ウイルス遺伝子の導入によって誘導される遺伝子による遺伝子ネットワーク 9 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 このように、B 型肝炎ウイルス遺伝子の導入によって誘導される遺伝子を用いても、既存のシグナル伝達分子との組み合 わせで遺伝子ネットワークの構築が可能であったことは、インターフェロンを用いた検討結果と同様に HuH 細胞が細胞内 での環境の変化を遺伝子発現レベルの変化として鋭敏に反映することのできる細胞であることを示しており、遺伝子発現に よって代替医療の評価をするのに適した細胞である可能性を示唆している。 以上述べてきた HuH 細胞における発現遺伝子の検討結果とこれまでに各種の培養細胞を用いて検討してきた発現遺 伝子情報(文末に参考資料を掲載)を組み合わせることにより、HuH 細胞内でダイナミックに変化する遺伝子のデータベー スを作成した。 10 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 3. 代替医療の治療効果判定法の開発 金沢大学大学院 医学系研究科 がん遺伝子治療学 教授 金子 周一 項目 2 で検討した培養細胞を用いた代替医療の評価法は、簡便でかつ再現性が高いことから科学的な代替医療評価 法としては最も理想的な方法と考えられる。しかしながら、この方法はあくまで試験管内(in vitro)での評価方法であり、生 体内(in vivo)での変化を忠実に再現しているとは言えず、したがってこの方法で評価した代替医療が、そのまま人体に 好影響を及ぼすかどうかは不明である。そこで本研究では治療薬を投与した患者における末梢血リンパ球を用いて同様の 検討を行った。 ■ 3.1 治療薬投与後の発現遺伝子データベースの作成 ヒトにおける治療薬投与前後の発現遺伝子変化を検討するために、インターフェロンを投与した C 型慢性肝炎患者 21 人の治療前、治療中における末梢血リンパ球における発現遺伝子を検討した。また、コントロールとして健常人の末梢血リ ンパ球における発現遺伝子も比較検討した。表4に患者背景を示す。 21 人の患者のうち、インターフェロン著効例(CR)は 8 人、有効例(BR)は 4 人、無効例(NR)は 9 人であった。本研究で は治療後の発現遺伝子の変化を解析する前に、治療前の末梢血リンパ球に発現している遺伝子の差によって、健常人と C 型慢性肝炎患者とを判別できるかどうかを検討した。 表4 患者背景 Table.1. The Clinical characteristics of patients and responses to IFN therapy Patient No Age 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 46 47 71 55 54 43 58 60 62 42 62 49 56 49 50 44 56 39 64 66 62 14 15 16 17 18 19 20 21 Gender ALT (IU/l) Histology Serotype M F M M M F M M M M F M F 31 40 59 19 30 46 236 114 70 59 138 48 104 M M M M F F M F 69 35 106 30 47 117 31 103 F1 A1 F1 A1 F4 A2 F4 A2 F2 A1 F2 A1 F1-2 A1 F3 A2 F2 A1 F2 A1 F2-3 A2 F2 A2 F1 A1 F3 F1 F2 F2 F1 F2 F2 F3 A2 A2 A2 A1 A1 A1 A1 A2 IFN Response 2 2 1 2 1 1 NA 2 1 1 2 2 1 mono mono mono mono mono mono mono mono mono mono mono mono mono CR CR CR CR BR BR BR BR NR NR NR NR NR 1 1 1 1 1 1 1 1 combination combination combination combination combination combination combination combination CR CR NR CR CR NR NR NR ALT; alanine aminotransferase NA; Not applicable 11 Serum HCV-RNA (kIU/ml) Before 2w 6M 23 <0.5 <0.5 416 <0.5 <0.5 42.3 2.2 <0.5 1.3 <0.5 <0.5 620 ND >850 160 <0.5 611 360 <0.5 620 770 <0.5 2200 130 130 350 800 7.2 190 650 183 1400 330 <0.5 69.5 751 <0.5 610 ND >850 <0.5 475 325 91 >850 484 >850 820 <0.5 68.8 <0.5 0.7 0.8 390 270 <0.5 82.6 <0.5 <0.5 >850 1300 1200 ND; Not detected PBMC HCV-RNA 2w + ND + + + ND ND ND ND ND ND ND ND 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 全発現遺伝子を用いて末梢血リンパ球遺伝子発現の階層クラスター解析を行ったところ、図 6 に示す如く、健常人(青色 部分)と C 型慢性肝炎患者(黄色部分)とを 2 群に判別することが可能であった。このことは末梢血リンパ球の発現遺伝子は、 すでに疾患の有無により、その発現レベルが大きく変動しており、この遺伝子発現レベルの変化を正確に捉えることにより、 疾患の存在診断が可能であることを示している。さらに末梢血リンパ球レベルにおける発現遺伝子変化の検討は、疾患の 存在診断のみならず、薬物を投与した際の遺伝子変化もダイナミックに変動することが予想されることから、薬物の治療効 果の判定にも有用であることが示唆される。しかしながら、本検討のように、多くの遺伝子発現を同時に検討するためには、 多くのコストやサンプル量が必要であること、さらには手技が煩雑であるために、広く社会に普及するためには解析対象と する遺伝子の絞込みが重要な課題となる。 図6 C 型慢性肝炎と健常者の PBMC 遺伝子発現の階層クラスター解析 そこで次の検討項目として、21 人の患者と健常人の末梢血リンパ球における治療前の発現遺伝子パターンを解析し、両 者を統計学的に有意に判別することのできる遺伝子群を抽出した。抽出した遺伝子の発現比較を図 7 に示す。また、その 統計値を表 5 に示す。 表5 C 型慢性肝炎と健常者の末梢血リンパ球で異なるシグナルパスウェイ(統計値) Table.2-2 Gene Ontology Comparison discriminate between CH-C and Healthy volunteers GO category 7259 6959 7186 GO description Number of genes LS Permutation p-value 6 25 18 0.00167 0.00303 0.00348 JAK-STAT cascade Humoral immune response G-protein coupled receptor protein signaling pathway 12 KS Permutation 0.17913 0.03114 0.17617 p-value 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 図7 C 型慢性肝炎と健常者の末梢血リンパ球で異なる発現レベルを示すシグナルパスウェイ構成遺伝子 図 7 と表 5 に示す如く、3 種類の遺伝子群(構成遺伝子数はそれぞれ、6、25、18)によって両者の判別は統計学的に有 意に可能であった。この結果は遺伝子数を絞り込んだ末梢血リンパ球の遺伝子解析により、疾患の診断が可能であること を示しており、同様の解析により治療薬の効果を判定できる可能性を示唆するものであった。 次にインターフェロン投与によって変化する遺伝子の検討を行った。 13 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 図8 インターフェロン投与前後において発現が変化する遺伝子(CR;著効例、NR;無効例) 図6に示す如く、無効例(NR)では投与前後において遺伝子の発現レベルに統計学的に有意な変化は見られないが、 著効例(CR)においては、投与前に発現が増加している遺伝子(図上段)は投与後低下し、投与前に発現が低下してい る遺伝子(図下段)は投与後増加していた。一方、無効例(NR)においてはこうした統計学的に有意な発現遺伝子の変化 は認めなかった。このように、末梢血リンパ球の発現遺伝子は、項目2で検討した培養細胞での結果と同様に、治療前後に おいて有意に発現が変化し、さらにその変化を解析することにより、治療効果を予測できる可能性が示唆された。 こうしたインターフェロン治療前後における発現遺伝子の変化をさらに詳細に検討した。著効例(CR)における治療前、 治療開始後 2 週、治療開始後 6 ヶ月における発現遺伝子の変化をもとに、遺伝子解析ソフト(Gene Cluster)を用いて SOM(self organizing map)解析により遺伝子発現変動パターンの検討を行った。インターフェロン治療前後における遺伝子 発現変動パターンは図 9 において A から E に示す如く、5 つのパターンに分類可能であった。具体的には A;治療前と比 べ治療後 2 週目に発現が増加し、6 ヶ月目に前値に復するもの、B;治療開始後一過性に発現が低下し、6 ヶ月後には前値 に復するもの、C;治療前には発現が正常で、治療開始後漸増するもの、D;治療前には発現が低下しており、治療開始後 漸増するもの、E;治療開始後発現が漸減するものの 5 つの発現変動パターンに分類された。それぞれの発現パターンに 属する個々の遺伝子を図 9 内に示す。これらの発現遺伝子の変化を著効例と同様に、有効例(BR)と無効例(NR)で検討 してみると、それぞれのグループにおいて特徴的な変動パターンが観察された。 以上の結果より、インターフェロン投与により末梢血リンパ球における発現遺伝子レベルはダイナミックに変化し、それぞ れの遺伝子がインターフェロンの治療効果に関連して変動していることが示唆された。 14 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 15 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 図9 インターフェロン投与に伴う 5 つの遺伝子発現変動パターン 16 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 ■ 3.2 効果を評価するアルゴリズムの作成 こうした結果を踏まえて、実際に末梢血リンパ球における発現遺伝子プロファイルを用いて、インターフェロン治療効果が 予測できるかどうかを検討した。はじめに、治療前の発現遺伝子の組み合わせによりインターフェロン治療効果の予測を試 みた。発現遺伝子を 3 つ組み合わせることにより、治療効果が予測できる確立を表 6 に示す。組み合わせ 1 から 4 もしくは 7 から 10 までは 41.7%から 69.4%の確立でしか治療効果を予測できなかった。一方、組み合わせ 5 と 6(黄色で示された部 分)では 94.4%の確立で治療効果の予測が可能であった。この結果は、リンパ球における発現遺伝子を少数に絞り込んで 測定することにより、インターフェロン治療前に治療効果を高率に予測することが可能であることを示している。 表6 リンパ球における発現遺伝子の組み合わせによるインターフェロン治療効果の予測 Combination 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Input 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 Gene name CD2 antigen (p50), sheep red blood cell receptor Glutamate dehydrogenase 1 Dynein, cytoplasmic, light polypeptide Ras-related C3 botulinum toxin substrate 2 Glutamate dehydrogenase 1 Interleukin 2 receptor, beta Hemoglobin, gamma G Ras-related C3 botulinum toxin substrate 2 Dynein, cytoplasmic, light polypeptide Intercellular adhesion molecule 2 (ICAM 2) Ras homolog gene family, member A prothymosin alpha (ProT-alpha) Topoisomerase (DNA) I Catenin (cadherin-associated protein), beta 1 (88kD) Ras-related C3 botulinum toxin substrate 2 Catenin (cadherin-associated protein), beta 1 (88kD) Topoisomerase (DNA) I Ras-related C3 botulinum toxin substrate 2 Catenin (cadherin-associated protein), beta 1 (88kD) Interleukin 2 receptor, beta ADP-ribosyltransferase (NAD+; poly (ADP-ribose) polymerase) Chemokine (C-C motif) ligand 4 Interleukin 2 receptor, beta Topoisomerase (DNA) I Interleukin 2 receptor, beta Catenin (cadherin-associated protein), beta 1 (88kD) ADP-ribosyltransferase (NAD+; poly (ADP-ribose) polymerase) CD69 antigen (p60, early T-cell activation antigen) prothymosin alpha (ProT-alpha) Glutamate dehydrogenase 1 GenBank ID NM_001767 NM_005271 NM_003746 NM_002872 NM_005271 NM_000878 NM_000184 NM_002872 NM_003746 NM_000873 NM_001664 NM_002823 NM_003286 NM_001904 NM_002872 NM_001904 NM_003286 NM_002872 NM_001904 NM_000878 NM_001618 NM_002984 NM_000878 NM_003286 NM_000878 NM_001904 NM_001618 NM_001781 NM_002823 NM_005271 Accuracy (%) 22.2 75.0 50.0 22.2 83.3 52.8 22.2 69.4 66.7 30.6 30.6 63.9 52.8 58.3 94.4 44.4 58.3 94.4 30.6 52.8 69.4 44.4 38.9 41.7 30.6 52.8 69.4 30.6 25.0 41.7 本研究では治療前におけるリンパ球の発現遺伝子解析により、治療効果が予測できることが示唆された。この結果を代 替医療の評価方法に応用するとすれば、治療効果が明らかに確立されている代替医療の患者別、あるいは疾患別の治療 効果予測に応用できる可能性がある。 しかしながら、当研究における本来の目的は、発現遺伝子解析を用いた代替医療の評価方法の確立である。言葉を変 えて表現すれば、治療効果が明らかではない代替医療のヒトの体あるいは疾患に与える影響を、発現遺伝子解析により科 学的に評価する方法を確立することである。このためには、治療薬を投与したことによって変化するリンパ球の発現遺伝子 を解析し、その治療薬の効能を判定しなければならない。 そこで、本検討における次のステップとして、インターフェロン投与後におけるリンパ球の発現遺伝子を解析することによ り、同薬剤の治療効果が予測できるかどうかを検討した。 17 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 表7 インターフェロン投与後2週間目における発現遺伝子変化の組み合わせによる治療効果予測 Combination 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Input 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 Gene name ERCC 5 Serine (or cysteine) proteinase inhibitor, clade A member 1 Ras homolog gene family, member A MIHB Baculoviral IAP repeat-containing 2 Serine (or cysteine) proteinase inhibitor, clade A member 1 Ras homolog gene family, member A Cyclin G1 Ras-related C3 botulinum toxin substrate 2 EST Ecotropic viral integration site 2A Peptidylprolyl isomerase D (cyclophilin D) Cyclin G1 Myeloid cell nuclear differentiation antigen Cyclin G1 ADP-ribosyltransferase (NAD+; poly (ADP-ribose) polymerase) Integrin, beta 1 Cyclin G1 STAT1-alpha/beta Differentiation 6 (Septin 2) Cyclin G1 CDC20 (cell division cycle 20, S. cerevisiae, homolog) MIHC Cyclin G1 CDC20 (cell division cycle 20, S. cerevisiae, homolog) Apoptosis inhibitor 1 (Baculoviral IAP repeat-containing 3) Cyclin G1 CDC20 (cell division cycle 20, S. cerevisiae, homolog) Nuclear factor (erythroid-derived 2)-like 1 Cyclin G1 ADP-ribosyltransferase (NAD+; poly (ADP-ribose) polymerase) GenBank ID NM_000123 NM_000295 NM_001664 NM_001166 NM_000295 NM_001664 NM_004060 NM_002872 Accuracy (%) 66.7 58.3 66.7 58.3 58.3 66.7 41.7 83.3 66.7 NM_001003927 58.3 NM_005038 58.3 NM_004060 66.7 NM_002432 41.7 NM_004060 75.0 NM_001618 83.3 NM_033666 41.7 NM_004060 66.7 NM_139266 66.7 NM_004404 33.3 NM_004060 75.0 NM_001255 83.3 NM_001165 33.3 NM_004060 75.0 NM_001255 83.3 NM_001165 33.3 NM_004060 75.0 NM_001255 83.3 NM_003204 33.3 NM_004060 75.0 NM_001618 83.3 インターフェロン投与前と投与後 2 週間目に測定した末梢血リンパ球の発現遺伝子を用いて、発現が変化した遺伝子を 3 つ組み合わせることにより、治療効果が予測できる確立を表 7 に示す。組み合わせ 1 から 4 と 6 では 66.7%の確立でしか 治療効果を予測できないが、組み合わせ 5 と 7 から 10(黄色で示された部分)では 83.3%の確立で治療効果の予測が可能 であった。 以上の結果より、治療薬投与前後における末梢血リンパ球の発現遺伝子変化の組み合わせにより、治療薬の効果を予 測できると考えられた。これまでにも、我々は肝組織における発現遺伝子の組み合わせによってインターフェロンの治療効 果を予測するアルゴリズムを作成できることを報告してきたが(18, 19)、本研究成果からは、末梢血リンパ球における発現遺 伝子変化を用いても同様なアルゴリズムを作成できる可能性が示唆された。 このことは、医療コストが高く、かつ副作用の多い治療薬であるインターフェロンの使用を本当に有効な患者に限定して 投与することが理論的に可能であることを示唆している。絞り込んだ遺伝子群を適正に組み合わせたアルゴリズムを作成し、 さらに治療効果予測の的中率を向上させることができれば、医療費の削減や治療を受ける患者の副作用の軽減につなが るなどの効果が期待できる。 本検討結果は真に人体もしくは疾患に対して効果を発揮する代替医療であれば、その治療前後において末梢血リンパ 球の発現遺伝子変化がダイナミックに生じることを示唆している。この発現レベルに変化をきたす遺伝子を適正に組み合わ せたアルゴリズムを作成すれば、その代替医療の効果発現メカニズムの解析や実際の効能に関しての科学的なデータ取 得が可能であると考えられる。さらには、表 6 の記載で述べた如く、治療前のリンパ球発現遺伝子の解析により、各種代替 医療の治療前効果予測も可能であると考えられる。 18 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 ■ 本調査研究の成果がもたらす利点と今後の展開 本調査研究で得られた成果からは、末梢血リンパ球における発現遺伝子解析により代替医療の有効性を科学的に、か つ簡便に検査する方法を確立できる可能性が示唆された。こうした代替医療の科学的な評価方法が確立されれば、他の 医療行為との客観的な比較により、真に有効な代替医療の選別が可能となる。このことは治療を望む患者の選択肢の幅を 広げ、またより安価な医療を社会へ提供することにより保険財政の負担軽減に寄与すると考えられる。さらにその有効性を 確実に判定できる検査法の確立は、近年増加しつつある代替医療による健康被害や金銭的被害を減らし、健康を意識す る一般国民が安心して同医療を受けることのできる環境を整えることにより医療福祉の充実につながると考えられる。 今後の展開としては、本研究で構築した健常人のリンパ球における発現遺伝子データベースと薬剤の投与によってダイ ナミックに発現が変動する遺伝子のデータベースをもとに、これまでに我々が確立してきた治療効果判定アルゴリズムの作 成方法を応用して、各種代替医療の効果判定チップの製品化が可能であると考えられる。同製品を用いて当研究機関以 外においても同様の結果が得られれば、普遍的、客観的に代替医療の効果を判定できる血液診断システムとして多くの健 康食品や漢方薬の検定を行い、各製品に対する同一基準での評価の表示や、こうした情報を厚生労働省のホームページ で公開することで、より有効な代替医療を一般国民に提供することが可能と考えられる。さらに、同製品は代替医療のみで なく、一般食品の検定にも応用が可能であり、同製品を用いた食品や漢方成分の検定により新たな効能を発見することが できれば、これらを特許化することによりわが国における医療資源の充実を図ることができると考えられる。 ■ 研究成果総括 これまで項目 1,2,3 における調査研究成果で述べてきた如く、ヒトの末梢血リンパ球や培養細胞は極めて多彩な遺伝 子を細胞周囲の環境に合わせて発現していることが本研究によって明らかになった。こうした遺伝子はサンプルの採取時 間や採取方法によっても、その発現レベルが変動するため、こうした条件によって容易に変動する遺伝子のデータベース 化は極めて重要であり、本研究ではこれを実行した。一方で、細胞周囲や細胞内の環境に大きく影響を与えるような医療 は、こうした遺伝子の発現レベルをダイナミックに変化させるため、その変化を正確に反映する遺伝子を抽出し、適正なア ルゴリズムを構築することにより、その医療の効果発現メカニズムの解析や実際の効能に関しての科学的なデータを取得 することが可能であると考えられる。本研究では、こうした理論の裏づけに必要かつ十分な成果が得られたと考えている。 本研究における末梢血リンパ球の発現遺伝子解析により、実際に得られた発現遺伝子情報とこれを整理したデータベース は、今後、代替医療の科学的評価方法を開発していくうえで、極めて有用なツールになると考えられる。 最後に、こうした貴重な研究成果を得ることができたことは、基礎的ではあるが萌芽的な研究分野に対して多額の研究費 がいただけたこと、多くの関係者の方々にご支持いただけたことが大きかったと考えている。この場を借りて、文部科学省、 JST および金沢大学の事務職員の方、貴重なご意見をいただいた先生方、実際に研究に従事していただいた多くの研究 者に深謝したい。 19 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 4. 本研究関連資料 ■ (文献 16,17) 20 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 21 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 22 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 23 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 24 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 25 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 26 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 27 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 28 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 29 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 30 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 31 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 32 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 33 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 34 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 35 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 36 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 37 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 38 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 39 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 40 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 41 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 42 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 43 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 44 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 45 発現遺伝子解析による代替医療評価法の開発 研究の詳細と参考資料 ■ 参考文献 1. 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