細胞周期とその調節 M期の細胞と間期の細胞の融合実験(ほ乳類) Johnson and Rao, 1970 M G1 M S M G2 染色体の凝縮=有糸分裂期 結論:M期を誘起する因子が細胞内に存在する 卵成熟促進因子(MPF: maturation promoting factor)の発見 成熟誘起ホルモ ン 未成熟卵 卵の成熟 内部に注入 成熟し ない 成熟卵の細胞質を 移植 Masui & Market, 1971 細胞分裂周期関連遺伝子の同定 分裂酵母(Schizosaccharomyces)における実験 CDC2 CDC2 細胞分裂の進行に必要な遺伝子:S期の開始 cdc2 M期の開始 cdc2 それ以外に数十の遺伝子が同定された Pringle ら, Hartwellら1974 -1991 サイクリンの発見 ウニ・ホッキ貝の実験 S期 S期 M期 M期 Huntら1992 卵 受精 S期 M期 S期 M期 S期 M期 t 細胞周期に従って増減をくり返すタンパク質 (MW 50kd)=サイクリンA, Bと命名 4つの独立した研究の統合 • ホ乳類における細胞融合実験 細胞内のM期誘起因子の発見 ・カエル・ヒトデにおける卵成熟実験 細胞内の卵成熟促進因子が細胞外からの成熟刺 激 因子によって誘導される • 分裂酵母の分裂に伴う遺伝子発現の研究 S期やM期の進行に必要なCDC遺伝子の同定 • ウニ・ホッキ貝の発生過程におけるタンパク合成の研究 S期M期の進行につれて増減をくり返すタンパク質の発見 統合できた背景 MPFは、ほ乳類の卵だけでなく体細胞にも作用した。 MPFは動物間で互換性があった。 CDC遺伝子に相同な遺伝子がヒトにも存在した。 サイクリンをカエル卵に注射するとMPFの作用が得られた。 カエルMPFタンパクの同定( Lohkaら 1988) CDC2とサイクリンBからなる 2量体タンパク 分子量80 kd(CDC 34kd Cyclin 46 kd) 機能:タンパク質リン酸化酵素 CDC2が触媒ドメイン サイクリンが調節ドメイン サイクリンが結合することで作用するので サイクリン依存性キナーゼ Cyclin dependent kinase (CDK)という 分裂酵母の実験で謎だったこと 同じ分子CDC2がS期M期の双方を進行させるメカニズム • MPFの同定結果からの推論 • CDC2にくっつく調節ドメインが変わるのではないか? • G1サイクリンとMサイクリンの発見 G1サイクリンとMサイクリンの発見 Murrayら1991 周期進行阻害因子の発見 CDK阻害因子 CDK Inhibitor, CKI CKI: p15, p16, p21, p27が同定された 周期のチェックポイント DNA複製が 完了しているか 染色体は 赤道面に並んでいるか 増殖条件が整っているか 細胞周期制御システム 1.進行を遂行する分子CDC, Cyclin, CKI 2.正確さをチェックするチェックポイントコントロール G1 DNA損傷 G2 M DNA複製異常 紡錘体形成異常 p53発現 Rad 9発現 Mad 2発現 Chk 1,2発現 CKI (p21) 発現 cd 25 発現 アポトーシスの誘導 APC発現 システムの異常 • 異常な増殖 無制限の増殖 染色体に異常のある細胞の増殖 • 最終的には癌化の昂進
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