2010年7月号 - NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合

平成 22 年 7 月 (第 10 号)
NPO 日本住宅管理組合協議会
神奈川県支部ニュース
魁
NPO 日本住宅管理組合協議会
神奈川県支部
さきがけ
発行責任 支部長 川上 湛永
わ
横浜市青葉区すすき野
1-4-7-104
電話 045-902-4494
交流で学ぶ
NPO 日住協厚木地区交流会開かれる!!
日住協に加盟している神奈川県厚木地区の4管理組合が 7 月 17 日、厚木市鳶尾二丁目の鳶
尾第二住宅集会所で第 1 回日住協厚木地区交流会を開きました。県支部管内で地区単位の交流
会を持つのは初めてで、4 組合 15 名の役員が参加、活発で有意義な意見交換をしました。
今回の交流会は、今 4 月から大規模修繕工事を実施している岡田住宅管理組合(60 戸)から、
工事見学会の開催(4/25)を機に、せっかく厚木地区の加盟団地が集まっているのだから、意見交
換をする機会をつくったらどうか、という提案が県支部に寄せられ、厚木地区の 6 組合に呼び
かけました。その結果、岡田住宅、鳶尾第 2 住宅(250 戸),厚木リバーサイド住宅(199 戸)
が参加、鳶尾第一住宅(210 戸)が、オブザーバーとして参加するということで、4 組合でス
タートすることになりました。
交流会では、初めに川上支部長から「各組合とも総会を挟んで
いたので開催準備が若干遅れましたが、それぞれの組合が情報を
出し合って、学ぶべき点は学んで、管理組合活動の活性化を図る
機会にしたい」と挨拶がありました。このあと、各組合から団地
の紹介、現在取り組んでいる課題などについて説明がありました。
現在実施中の岡田住宅を始め、大規模修繕工事を数年以内に実施
すべく準備しているというのが共通していました。
初めて開催された厚木交流会
特に岡田住宅では、5 年後に屋上防水、水道の直結化、平成 30 年に給排水管等の更新などで
9 千万円、さらに平成 33 年には外壁補修などの大規模修繕を計画しているが、もう資金計画が
立たない、先延ばしすることを含めて再検討せざるを得ないという事情を明らかにされました。
又、鳶尾第二住宅の近藤博隆理事長からは、平成 17 年に団地内の共用給水管の破裂事故があ
り、敷地内が水浸しになった。断水などの被害があったが、配管の更新などには 3 億円の工事
費がかかるという試算があるが、根本的な対策を立てなければいけないというのが基本です、
という説明がありました。また、平成 31 年には、3 回目の大規模修繕を計画しているが、基本
は 60 年、100 年持たせる再生化工事が中心になるということを強調されました。
又、厚木リバーサイド住宅の藤田典昭理事長からは、2013 年には入居して 30 年になるが、
そのころに大規模修繕工事を計画しているという説明がありました。
鳶尾第一住宅からは、給水管については、ライニング工事を実施して延命を図っているが、
平成 27 年には更新工事を検討しなければならない、として高経年住宅の共通の課題である
-1-
設備更新の問題を抱えていることが浮き彫りになりました。
各組合とも団地を建て替えではなく、延命しながら再生する方向を指向している――ことが
共通です。このほか、コミュニテイ、防災、滞納問題への対策などの課題が出されましたので、
次回に管理費等滞納対策とコミュニティ問題について意見交換することになり、第 2 回目の交
流会は、9 月 18 日(土)13 時半、鳶尾第二住宅集会所で開催することになりました。
報告
“プロ”の目で植栽管理を伝える
マンションの植栽管理セミナー
当支部主催の 10 年度第 1 回の「マンションの植栽管理セミナー」が 7 月 4 日、横浜市のかな
がわ県民センターで、県内、東京、埼玉などの管理組合役員など 21 名が参加して、開催されま
した。
講師は小澤忠二さん(支部相談役)。2 時間半にわたって、独自な実務経験に基づく植栽管理
のノウハウについてのお話でした。小澤さん自身が、29 年間にわたって理事長を務められた大
規模団地、780 戸の大正団地がモデルであり、81,000 ㎡という恵まれた広い敷地内の各スポッ
トを撮影しての実際の生々しい樹木、芝生、草花、生垣等を示しての展開をまとめたもの・・・
その過程で、何が問題であるか、どうしてこうなったのか、どうあるべきなのか、どのように
管理をしていけばよいのかなど、マンションの植栽管理のテーマの核心に迫る実務経験に裏付
けられた知見が熱く披瀝されました。広い敷地と豊かな緑に裏付けられた植栽管理からの問題
意識からすれば、いくら話しても話しきれない想いが伝わってきてあっという間の 2 時間半で
した。
また、小澤さんとともにマンション管理士・駒井登氏からの大正
団地の園芸作業員チーム、作業室などの施設・作業用機器・道具の
整備などの解説をうけてから、参加者との質疑応答が行われました。
高経年マンションであること、緑地が広大であること、完全自主
管理組合であること抜きには、この貴重な知見を語れないという
こともあるかもしれません。しかし、それであるからこそ、今日、
ある団地の
住民による芝刈り
この稀尐な自主管理組合が生み出した旧日本住宅公団の分譲団地における植栽管理のノウハウ
は、世代を超えて各マンションに応用され、民間マンション(委託管理が多い)にも適応した
具体的な管理のあり方の参考になることを願っています。
付記:このセミナーの内容は、今後、講師小澤忠二さんご自身により、シリーズ
として当支部機関紙「魁」に、「ここが肝心、マンション植栽ABC」(仮称)と
いうタイトルで掲載予定です。乞う、ご期待。
-2-
支部活動報告と今後の活動について
日
出
7 月度
支部会議報告
時 : 7 月 14 日(水)14 時、六浦台住宅管理組合集会所
席 : 支部役員(川上、小澤、桑原、佐藤)
、西山本部理事長、片瀬本部監事
初の移動支部会議、六浦台住宅で開催
7 月の支部会議は、横浜市金沢区六浦南の六浦台住宅管理組合集会所で開かれました。
平成 21 年 9 月から、住民の生活の足としてのミニバスが運行されている団地です。地域全体が、
高台に面し、高低差が激しく、最寄りの京急六浦駅を発着するミニバスは、まさに団地と地域
待望の足となっていることを痛感しました。バス停を降りたところが、管理組合集会所でした。
六浦台団地の老人会「六桜会」は、以前から会員の活動が活発で、しかも毎月定期的にカラ
ー刷りの「六桜会ニュース」を発行していることを聞いていました。このような活動は高齢化
が益々進行するなかでの管理組合の運営やコミュニティ活動にとって大いに参考にすべきもの
と考え、事前に当支部と六桜会役員の皆さんとの懇談会を申し入れていました。
懇談会は集会室で開催。六桜会の山下繁雄会長ほか 6 名の役員と 1 時間にわたって懇談しまし
た。ゲートボール、グランドゴルフ、カラオケ、カルタ、散歩会、囲碁将棋など 6 つのサーク
ルが、毎日のように活発に活動しています。とりわけ、会の広報紙は、毎号、ニュースあり、
連載コラムありで、コミュニケーションの手段として定着しています。平成 17 年 5 月から発行、
60 名の会員世帯には各戸配布、団地内は全世帯に回覧。写真入りで会員の活動ぶりをきめ細か
く伝えています。
「始め大雑把でしたが、カラー写真を入れたり、記事も工夫しました。女性の
役員さん達がパソコンを使いこなしているので助けられ充実してきました」と担当の役員さん。
70 歳過ぎの役員さんたちは、みんな元気で、自分たちが団地を支えているという気概があふ
れているようでした。
このあと、6 月に就任した田名網新理事長と、1 時間程、懇談しました。委託している管理会
社との関係や運営などの改善すべき点が山積みなので、1 年間のうちにどんどん改善していきた
い」と、前向きの姿勢を強調していました。その後、六浦台団地内の建物や植栽についての見
学会を行い、その中で緑があまりにも多いので、その管理のご苦労が伝わってきました。
支部にとって、初めての六桜会との懇談会、新理事長との懇談会は、大変有意義なものであ
り、今後の支部活動に役立たせて行きたいと考えます。
支部会議の内容
1.本部理事会報告
2.支部活動報告・・・(1) セミナー「マンションの植栽管理」の
報告 (2) 7月4日横浜市マンション管理組合サポートセン
ター交流会に、支部役員ら 7 名相談員として参加(金沢区、
緑区、戸塚区、青葉区、南区など)
①
(3) 6 月 19 日(土) 横浜・相生会館で神管ネット総会開催。 六浦台団地「六桜会」との懇談会
手前が山下会長
②
会長に山本育三氏が就任、高尾勝彦前会長は専務兼事務局長に。
3.魁7月号の検討・・・7 月 17 日に開かれる第 1 回日住協厚木地区交流会の報告、セミナー「マ
ンションの植栽管理」報告、飯田理事の霧が丘第一住宅の長期管理計画
の連載3回目、小澤相談役の「理事長 29 年~」など。20日発行の予定。
4.今後の支部主催セミナー等の予定
7 月 17 日(土) 13 時 30 分~ 「第 1 回神奈川県支部厚木地区交流会」鳶尾第二住宅管理事務所
10 月 16 日(土) 14 時~ 「マンションの中古価格はどう決まるのか」労働プラザ
11 月 13 日(土) 12 時 30~「エコを考えた計画修繕のありかた」労働プラザ
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理事長経験 29 年、小澤忠二さんの回想録連載
横浜市戸塚区にある大正団地。30棟、780戸の県内有数の大団地。その管理組合理事長を昭
和51年から平成17年まで、29年間務めた。日本には540万戸の集合住宅があるが、29年
間の理事長というのは、おそらく例を見ない。高度成長期に都市における労働力確保の国家政策で、
旧日本住宅公団が中心になって、団地は、県内はじめ首都圏に大量供給された。当時は,高根の
花だった。しかし、いま、住民の高齢化、建築・設備の老朽化と、ふたつの老いの問題を抱える。
日本の団地、マンションの歴史を語るのに小澤さんをおいてない。今回、小澤忠二回想録として、
10 回目の連載です。なお、小澤さんは、日住協神奈川県支部顧問です。 (支部長 川上 湛永)
理事長
理事長
2929
年年
小澤 忠二
小澤 忠二
回想録回想録
-10 -8
原宿今昔物語・・・その1 「原宿交差点」
大正村から渋滞の難所に
前回は原宿に接する俣野町の旧横浜ドリ-ムランドの盛衰をお話ししましたが、その中でも
触れた現代の交通の難所、原宿についてお話します。
鎌倉市の北に出ると東京に向かうかまくら道(環状4号線)に入りますが、800 年前には「い
ざ鎌倉」とたとえられるように関東武士が鎌倉幕府の急を知って駆け付けた道路であり、古来
から現在まで軍事上の重要道路として使われたけ経緯があります。
この道路は、原宿で接しているのが横浜医療センター(旧戸塚海軍病院)とその隣が我々の
住んでいる大正団地、さらに北に進むと米軍深谷通信隊、瀬谷に入って米軍瀬谷通信隊があり
ます。尐し離れるが、その西方に日米が使用する厚木飛行場
(所在は綾瀬市)があって、横須賀港に通じる至近道路。米軍の
空母が寄港するとこの上空は、軍用機が飛び交い、沖縄にも劣ら
ない基地地帯となるわけです。
産業道路としても、相模原や大和の工場地帯と横浜や久里浜
方面と結んで大型車が煩雑に通行しています。
次に東海道(国道1号線)は、戸塚の関所を出て、大坂城に
登って、松並木に入りますが、この並木は徳川家康が命じて道票
厚木米軍飛行場
を立て、旅人を風雤から守り、日陰を歩けるようにと松や杉を植えさせたと伝えられています。
宿場町でもなかったのになぜか原宿という部落に入って、前述のかまくら道と交わり、鉄砲
宿を経て遊行時坂、藤沢に至るもので、お軽・勘平ほか幾多の人々の通ったロマンの道です。
この辺は、高台で空気はもちろん景色もよく、富士山もきれいに眺められるので、私もこの
環境に引かれて、この地に住み着いたひとりでもあります。
-4-
この辺は、大正村という貧しい農村でしたが、昭和 40 年代から横浜ドリームランドやモノ
レールが建設され、高度成長と急速なモータリゼーションで賑わったもので、大正団地ができ
たころの付近は、若干のアパートがあったもののマンションはまったくありませんでした。と
ころが、団地入居時は、住宅公団も予想以上の車の保有に驚いたほど、急激に車が普及してし
まったわけです。
団地内を駆け抜ける車に戦々恐々
原宿交差点も、たちまち混雑で有名となり、朝は旧横浜ドリ-ムランド方面
から原宿までの1キロが詰まることとなり、団地の中を猛スピ-ドで走って
東京方面に向かう車が何百台にもなり、幼児の多かった当時の住民を恐怖に
陥れてしまったのです。そこで入口にポールを立て、ロープを張るなどの工事をしましたが、
効果がなく困っていました。
ところが、そんな騒ぎが 20 年も続いた 10 年ほど前に、ピタッと止みました。なんのことは
ない。原宿交差点で進行方向を三分して、新たに東京方面の車線を設けたのです。なんで、そ
れを早くしてくれなったのかと腹だたしい思いが忘れられません。
戸塚警察署前、原宿交差点などが混雑のニュースとして、毎日、放送されるようになって 40
年近いが、この解決策を始めたのは昭和 62 年でした。この年、戸塚駅周辺開発協議会が発足し、
原宿では地権者 70 人が集まって、「アンダーパス立体交差」が承認されました。
交通難で、転居する団地住民
ところが、双方とも、地権者や商店街の調整がなかなか進まず、着工はその 20 年後になって
しまいました。その理由は、当時、バブルの最中で土地買収が進まず、バブルがその 2 年後に
破綻すると、それからは進み始めたようです。
いよいよ着工となると、必ず行われるのが遺跡調査。相当長期間行われたが、何も発見され
なかったという。昔、かまくら道の付け替えがあった時には相当発見されたというから、不思
議なことでした。次に驚いたのは道路際のゆったりした土地の中に豪邸が次々と建てられたこ
とです。土地の補償金で億ションを買う人、邸宅やアパートを建てたひと、いろいろですが、
この交差点で、さんざん苦しめられた人からは、豪邸を見て、えんさの声が上がりました。
そして着工して 3 年が経過して、現在は上り線が開通しています。下り線も今年中には開通
するといわれていますが、工事中のためか相変わらずの混雑です。なお、歩道などは来年度も
継続されるといいますが、完成時期は分からないようです。
大成建設が、車の通る坑道部分を 40 億円で施工することになっており、歩道橋や土地補償金
を含めれば 100 億円を下らない工事ですが、1 日も早い完成を望みたいところです。
この混雑交差点が、横浜ドリ-ムランドの撤退原因の一つであったり、ここを通過する各種
産業に重大な損失を与え、当団地では交通不便がもとで多くの人が転出してしまいました。
また、この付近一帯に車の排気ガスによる健康被害を及ぼしてい
ることは忘れてはなりません。それを思うと、工費の何十倍もの
被害があったはずです。使われない空港よりも身近な道路を、庶
民は望んでいるはずです。(続く)
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横浜市緑区の西部にある霧が丘グリーンタウン。築 31 年目の旧住宅都市整備公団が分譲し
た大型団地です。その第一住宅管理組合は、管理組合が発足して間もなく、長期管理計画を策
定します。建物の維持管理だけでなく、団地環境、まちづくり、コミュニティづくりなどの核
となる計画です。そのための委員会は、まさに団地の核組織です。委員会の中で組織づくり、
計画づくりに中心的に係わってきた飯田正明さんに、全国の団地の中でも、きわめてユニーク
な霧が丘方式について、前号に続き紹介していただきます。
第3回
霧が丘グリーンタウン第一住宅管理組合の長期管理計画について
日住協神奈川県支部理事・飯田
正明
前 6 月号では、長期管理計画の作成時のトピックスについて紹介しましたが、その続きとな
ります。
3)第 3 次 長 期 管 理 計 画 (1999~2000 年度; 2001 年 3 月発行A4・220P)
入居から 20 年がたちました。これからが「長期管理計画があるか、ないか」で環境が変わ
る重要な時期です。マンションドクター・グリーンドクターの意見を取り入れ丈夫で長持ち
させる管理運営の仕方を目標にしました。検討分野が多方面にわたるため 7 部会にわけ検討
しました。
☆総務・企画部会 ;
管理組合組織のあり方をテーマにしました。組合と長管のあり方は当初より組合がその
年度業務を行い長管委員会が長期に眺め行うものとなんとなく決めていましたが、どちら
が上なのかなど理事から言われたこともあります。そこで管理組合理事会と長期管理計画
委員会の関係を議論しました。組合理事が長期管理委員会に参加してもらうことは勿論で
すが組織と組織の橋渡しのため年間 3~4 回組合 3 役と長管補佐グループで
打ち合わせることにしました。
☆法制度部会;
区分所有法と保険について検討しており、共有、専有、専用と整理しています。保険は、
公団が 35 年間の建物躯体保険に入っており条件が異なること(当初の人は良いが中途で入
居した人等)から現在では 35 年までに検討することになっています。いづれにしても早い
対応が望まれます。
☆建物部会;
住宅地盤、住宅型、修繕周期等を検討、2002~2003 年度大規模修繕工事につなげました。
屋根防水工事は 10 年周期とメーカー仕様がありますがコンサルの指導により 1 棟で 2 箇所
以上漏水があれば工事するとのことから1年遅れの 2003~2004 年度「屋根防水改修実行委
第2回
員会」につなげました。実に 25 年目ではじめて行うことになりました。耐震予備診断を行
霧が丘グリーンタウン第一住宅管理組合の長期管理計画について
っていただきました。診断結果は“
「危険性はない」。今後も共、良好な維持管理に努めてほ
しい。”・・とのことでした。
日住協神奈川県支部理事・飯田
-6-
正明
☆設備等部会;
いろいろな設備部門のインフラ修繕の時期に当たります。電気幹線アンペアアップの必
要性から「電気設備改修(アンペアアップ;30A→60Aへ)工事委員会」につなげました。
給水ポンプから直結給水及び、ガス管の検討から 2007 年度の「給水設備検討委員会・ガス
管配水管工事委員会」につなげました。
☆駐車場等・外構部会;
駐車場増設後の状況、オートバイ・自転車対応、外構はアンケートにより法面階段手す
り、外灯増設提案、小修理班グループの立ち上げ準備につなげています。
☆環境・植栽部会;
園芸費の検討を行い、グリーンドクター及びグリーンボランテイア活動の
提案整理をしています。
☆長期財務部会;
20 年間の累計収支について検討した。一般会計は収入4.8億円、支出4.7億円、
差し引き残高は0.1億円で厳しい。特別会計は収入8.6億円、支出5.7億円、差し
引き残高3.5億円で若干の余裕がでました。
☆報告書; 文字のほかなるべく絵・イラストを挿入し読みやすいようにしています。
☆防災会の設立;
管理組合、自治会両組織から分担金を出し合い防災訓練、防災備品管理をしています。
従って我々は管理組合、自治会、防災会の 3 つの顔を持っていることになります。なるべ
く会合ごとに言う様にしています。また、毎年の総会は 3 つの組織の総会を続けて行う事
にしています。(組織の変遷;現在の組織断面参照)
4)長 期 管 理 計 画 推 進 委 員 会
今後は建物及び外構部含めて修繕周期に入るため第 4 次計画に向けて詳細に記録が必要な
ことから「長期管理計画推進委員会」として設置されました。第 23 回総会(2002 年 5 月)
において管理組合の諮問機関として常設されることになりました。提案理由は「管理組合が
長期管理計画に基づき、年次毎の業務が計画的に実施できるよう助言を行うとともに・・・
単年度理事会で取り組めない、長期的専門的な課題等を検討する。」として総会承認をえまし
た。管理規約の中に「長期管理計画推進委員会細則」を設置し毎年の活動費も確保しました。
委員の大半は第 3 次長期管理計画の人が引き続き行うことになりました。
2002 年度は組織・運営部会;長期管理委員会と理事会、自治会との関係を整理しました。
前年度の大規模修繕部会は委員会として独立しました。屋根防水委員会は長管の中で検討し
2004 年度には実行委員会として独立しています。電灯幹線改修工事も独立しました。出来る
だけ工事等の報告書も散乱しないように推進委員会の報告書の中に取り組むようにしまし
た。従って組織は別ですが委員長・委員は長管委員会委員と多く重なっています。
2003 年度から全体の管理組合組織図を検討し現在のものは 8 ページの組織図の通りです。
管理組合総会―理事長―三役会―理事会理事担当―理事会傘下の委員会・グリン・イエロ
ーの 2 つのボランテイアがあります。
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長期管理計画推進委員会は管理組合の諮問機関としてあり毎年諮問事項が異なります。
専門部会と専門委員会があり工事の実施は実行委員会として独立します。
2004 年度~2005 年度は、企画・運営部会が精力的に活動しており、区分所有法の改正に伴
うG-1 管理組合規約の改正に取り組みました。この結果は 2007 年 5 月「管理組合規約・協
定・細則・規則」(A4 版 64P申請書等 6P)としてまとめられています。
これが我々の憲法となっています。
当面 70 年住宅を目標にしつつ各方面から検討しています。
総合収支では現在グレードアツプを含めると不足状況になると試算されており、これをどのよ
うに対処するか検討中です。
おわりに
「環境が財産を守り価値を高めます」をキャッチフレーズに 10 年毎「長期管理計画委員会」、
2002 年以後は「長期管理計画推進委員会」を設置して行ってきました。
委員会報告書としては 11 冊(工事実行委員会は別)、関わられた委員数は延べ 400 人程度に
なると見られます。
これらの効果はみんなが環境を創っていくという意識が芽生えたこと、環境が価値を決める
ので霧ガ丘グリーンタウン全体が住みよい環境になることが必要なこと、参加することによ
るコミュニテイの拡がりが出来ることがあります。
管理組合理事は輪番制ですが、長期、継続的なものは、すべて長期管理計画委員会・長期管
理計画推進委員会が行っています。又各種実行委員会、委員会はすべて長管委員会が生み出
し(インキュベート)して行われることで意外にスムーズに対応できていると評価されてい
ます。
報告書は、文章のみにならないように絵、イラストを多く取りいれています。さらに表紙に
ついては、在住者の文化活動をされている方の絵・版画を採用しております。現在のところ
3名の方のご協力をお願いしています。
現在第 4 次長期管理計画を策定中です。これは推進委員会から
インキュベートとして発足しています。
今後もよりよい環境を持つモデル団地となるべく努力したいと思います。
皆さまに尐しでもお役に立てばと思い、3 回にわったって連載させていただきました。
ありがとうございました。
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クリック(編集長から)
「この天気は、梅雤明けの感じだね」、7 月 14 日、初めて横浜市金沢区の六浦台住宅を、移動
支部会議で訪れましたが、確かに梅雤明けのような空気の暑さ、風の強さ。梅雤明け宣言は 18
日に出されましたが、実感としては 14 日でしょう。
六浦台住宅の 60 歳以上の高齢者でつくる「六桜会」の役員さんたちと、集会室で 1 時間、懇
談しましたが、仲間意識、連帯感にあふれて、こちらが元気をもらった感じです。
訪れて分かったのですが、六浦台と台をつけている理由を知りました。高台で、遠く東京湾
が臨め、下界にマンションや住宅が連なります。帰りのミニバスは、一気に京急六浦駅まで急
坂を駆け下りました。
17 日は、日住協厚木地区交流会で、鳶尾第 2 住宅を訪れました。小田急本厚木駅からバスに
揺られて約 30 分、バス停を降りると、陽光のまぶしさが、山のそれでした。丹沢山塊が迫り、
空気が澄んでいます。思わず、環境絶佳だな、と。
リゾート地のような環境。山を切り開いて、鳶尾第一、第二、そして賃貸棟と緑に包まれて
団地群が連なっています。
交流会で、ある管理組合から、外国人の区分所有者が引っ越してきて、どう対応するかやや
戸惑っているという話を聞きました。厚木は、大企業の工場が多く、外国人の労働者も多いと
ころです。団地でお隣が中国人、ブラジル人ということは、あり得ます。管理規約の翻訳版を
つくるべきかどうか、と役員さんは漏らします。
東京の新宿区でマンション相談を 15 年間も続けている、マンション管理士
の三井一征さんに聞きました、国際化で、都心地域のマンションを買って
住む外国人は増えているそうで、新宿区役所にはそれに対応する担当窓口が
あるそうです。
ただし、管理規約は管理組合が外国人向けに英語版、中国語版などを独自に作成するしかな
いですね、と三井さん。外国人への支援活動をしている NPO などに相談すれば、というアドバ
イスです。日本の区分所有法は独特で、外国人に理解してもらうのは一苦労、ましてや管理規
約はなおさら、ということです。しかし、国際化で、その必要性は待ったなしです。
管理規約の違反行為を繰り返す住民が多いのが管理組合の悩みのひとつですが、住民の外国
人に、的確に規約を理解してもらう仕事がもうひとつ増える時代が来たのでしょぅか。
(川上湛永)
※ お知らせ
県支部ニュース「魁(さきがけ)」は、NPO 日住協 HP でご覧になれます。
「NPO 日住協のイベント・講座」の中の、「神奈川県支部」を開きますと、創刉号から
すべてご覧になれます。皆さまからのご意見をお待ちしています。
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