宮崎大学学術情報リポジトリ Title 肝臓酵素分解物の新規生理活性機能の検索 Author(s) 六車, 三治男; 西, 俊郎; 奥野, 真代; 山下, 真由子; 河原, 聡 Citation 平成14年度食肉に関する助成研究調査成果報告書, 21: 248-255 URL http://hdl.handle.net/10458/3748 Date of Issue 2003-12 Right Description この研究は「伊藤記念財団」の助成を受けて行われまし た。 2 4 8 平成1 4 年 度 食 肉 に関す る助 成研 究調査 成果報 告書 Ⅵ) 1 . 21 2 0 0 3 . 1 2 財 団法 人 伊 藤記 念財 団 肝臓酵素分解物 の新規生理活性機能の検索 Sear c hofNove lBi ol ogi c al l yAc t i veComponent si nLi ve rHydr ol ys at e s 六単 三治男 ・ 西 俊郎 ・ 奥野 真代 ・ 山下 真 由子 ・ 河原 聡 ( 宮崎 大学 農学 部) Mi chi oMugur uma,Tos hi oNi s hi ,Ma y( )Okuno. MayukoYamas hi t aandSa t os hiKa waha r a ( Facul t yofAgr i cul t ur e.Mi yazakiL T ni ver s i t y) Li verhydr ol yz edpowder( Li ver Hi ) c ont a i nst hevar i ousf unc t i ona lmat er i a l s .whi ch hasbi or egul at i on,Ther e f or e,i ti sc ons i de r edt hatt hef unct i ona lmat er i a l sar ee xi s t edi n t hel i ヽ T er Hi .Thepur pos eoft hi ss t t l dywa st os ear c ht he i rf unct i onalmat er i a l s , es pec i a l l y angi ot ens i nI I C OnVer t i ngenz yme( ACE) i nhi bi t or ype pt i desandant i oxi da ntac t i vi t y. Fi r s to fa l l .i nhi bi t or ya ct i it v i es aga i ns tACE o fl i ver Hia nd t he i r enz ymat i c hydr ol ys a t es wer ei nves t i gat ed.Li ver Hiwas di ges t ed by peps l n.t r ypS i n and αc hymot r yps i n.Af t erdi ges t i on.hydr ol ys at ess howedACE i nhi bi t or yac t i it v i es .andt he t r ypt i chydr ol ys at e ss howedt hes t r onges ta ct i vi t y.Thel i ver Hiet hanolext r ac twa s appl i edt or eヽ , er s e phas ehi ghper f or manc el i qui dchr omat ogr apl l yt OS epa r at ea na c t i ve pept i de. I nt hec as eo fA1 8f r ac t i on, t hemol arc onc ent r at i onofl i ver Hipept i desr equi r e d t oi nhi bi t5 00 00ft hea ct i vi t yi nc r eas edmar kedl y( 0. 26 8F L gml ) .Se c ondar y.t hee f f e c t so f l i ve r Hiandt hei renz yma t i chydr ol ys at esonant i oxi danta c t i vi t i eswe r es t udi ed.The DPPH r adi c als c avengi ngmet hodandt hehydr oxylr adi c ls a c a vengi ngmet hodwer e L l S edf ordet ec t i ng.Thel i ver Hihads t r ongant i oxi dantac t i vi t y.Themol a rc oncent r at i on o fl i ver Hipept i desr e qui r edt oi nhi bi t5 0q bo ft hea ct i vi t yo fDPPH r adi c a ls c avengi ng andhydr oxylr adi c a ls c a veng ingwer e1 5 7F L g′ mla nd1 35F l g, ' ml , r e s pe ct i ve l y. Thes er es ul t ss ugges t edt hatt hepor ci nel i ver Hiwasabl et os how ACE i nhi bi t or y ac t i vi t yandant i oxi danta ct i vi t y.andt hatmi ghtbeaus e f uls our c eo fphys i ol ogl C a l l y f unct i ona lf ac t or s . 1 . 日 的 る こ とか ら,積極 的 に補充す るこ とで治療効果が 期待 で きる こ とが報告 されて以 来, 多 くの臨床研 肝臓 は さまざ まな有効 成分の宝 庫 であ り. 古 く 究が な されてい る12.。 また,酵素 分解物 は低分子 か ら人 々は これ を食す るこ とで種 々の疾患 の治癒 ペ プチ ドを主成 分 とす るため に,消化性 お よび吸 や 回復 に役立 てて きた: ,肝臓 を酵 素 に よ り分解 し 収性 に優 れ,消化能力 の衰 えた老 人や病 人, タン て得 らj tる肝臓加 水分解物 には各種 ア ミノ酸, メ パ ク質の摂取 を必 要 とす る乳幼 児か らスポー ツ選 ク レオ シ ド, ヌ ク レオチ ド,低分子 のペ プチ ド, 手の 食生活 に まで貢献す るこ とが期待 され,す で ビタ ミン, ミネラル等が豊富 に含 まれてお り,機 に伊 藤ハ ム( 柵 よ り豚 肝臓酵素分解物 (レバー Hi ) 能障害 を起 こ した肝臓 で は これ らの成分が減 少す と して製 品化 され てい る ` j o この製 品 には.肝代 2 4 9 肝臓酵 素分解物 の新規生碑活性 機能の検索 謝改善作用,肝再生促進作 用, 肝解毒 機能改善作 0 . 5 5 4 mgを加 え て 反 応 を停 止 した。つ い で,酢 酸 用,抗 ウイルス作 用. アル コー ル性 肝障害治療 効 エ チ ル1 . 5 mは 加 えてACEの作 用 に よ り遊 離 した 馬尿酸 を振 とう抽 出 し,3 , 0 0 0 r pmで 1 0分 間遠心 分 この豚肝臓 酵素分解物 にはその他,肝臓酵素 分 離 を行 った後,酢 酸 エ チ ル層 1 mgを分取 して蒸 発 解物 中 に血圧調節 に関与 してい るACE( ア ンギ オ 乾固 ( 1 0 0o C,1 0分 間)した。乾 固 した馬尿酸 は1 M テ ンシ ン Ⅰ変換 酵素 ) 阻害作 用,肥満抑 制作 用, 塩 化 ナ トリウム溶 液 1 mg で溶 解 し,波 長2 2 8 n mに コ レステ ロー ル低 下作用等が 存在す る可能性 も示 お け る吸光 度 を測定 した。 唆 されてお り, それ らを含 む新 しい生理活性 機能 阻害 率 は,試 料 の吸光 度 をS. 試料 の代 わ りに の研究が求 め られて い る。近年 , いろいろな材料 超純 水 を加 えて 同様 に反応 させ た ときの値 をC, か らの ACE阻害 ペ プチ ドに関す る研 究 が 行 わ れ あ らか じめ反応停止液 を加 えて反応 させ た ときの てい る 値 をBと して次式 に よ り求 めた。 卜 川 l 。 また,われわれ も動物骨 成分 11 ' や豚 12 肉由来 のACE阻害ペ プチ ドの 同定1 … を行 って き た。 阻害率 ( 0 0) -i ( CIS) /( C-B) ixl O O 阻害活性 ( I C, ‖ ) は、_ L式 に よ り求 め られ る阻害 そ こで今 回は,肝臓 加水分解物 中 に存 在が期待 率が5 0 %を示す ときの阻害物 質濃 度で示 した。対 され るACE阻害 作 用 を示 す ペ プチ ドの 同定 と抗 照実験 と して,既 知のACE阻害物 質であ るカル ノ 酸化作 用 につ いて も検索 を行 ったので,得 られ た シ ンの ACE阻害活性 を測 定 した。 2 . 3 エ タノー ルに よる レバー Hi の分画 結果 を報告す る。 エ タ ノー ルに よる レバ ー Hi の分 画 は レバ ー Hi 2. 実験材 用 および 方法 を9 0 0 / oエ タノー ルに溶解 させ ,遠心 分離 ( 1 0 , 0 0 0× 2 . 1 実験 材 料 gl O分 間) した 。 遠心 分離後, 上 二清 と沈殿物 に分 伊 藤 ハ ム株 式 会社 製 レバ ー Hi を使 用 した。 な け,遠心 エバ ポ レー ターでエ タノー ルを除去 し, お,この レバ ー Hi は,豚肝臓 を酵素分解 し,特 異 それぞれ レバー Hi 上清 な臭気 を除去 した水溶性 のペ プチ ド粉 末であ る。 Hi 沈殿 ( Li ve rHi p . p. t . ) に分画 した。 2 . 2 ア ンギ オテ ンシ ン変換 酵 素 ( ACE)阻害 活性 の測定 ( Li ve i Hi s , U . p . )とレバー 2 . 4 高速液体 クロマ トグラフ ィー に よる分析 高速 液体 クロマ トグ ラフ ィー ( HPLC)に よる Cu s h ma nらの方法 1 5 】に準 じて,和光純薬工業株 分析 は ,TS Kg e lG2 0 0 0 SW、 カ ラム ( 7 . 8 mmⅠ . D. × 式 会社 製 ウサ ギ肺 由来 ACEとナ カ ラ イテ ス ク社 3 0 c m)を島津 製LC1 0 AD型 のHPLC装置 に接続 し 製合成基 質HHL ( Hi ppu r y1 LHi s t i d yl LLe u c i n e ) て行 ったo溶 出液 は2 0 mMT )ン酸緩衝液 を用 いて測 定 した。 を用 いた。 す なわ ち,試料 6 F L I に,6 0 mU/ mlACE溶液2 0 F L l お よび7 . 6 mM HHL5 0 F L l を添加 し,3 7 ℃ で3 0分 間反応 させ た。 ACEは, ホ ウ酸緩 衝 液 ( pH8 . 3 ) ( pH7 . 0) 2 . 5 レバー Hi の消化耐性 試験 レバ ー Hi を生 体 内 の消 化 酵 素 で分解 し, ACE 阻害活性 を測 定 した。す なわ ち,レバー Hi と各種 で潜解 し,HHLは,塩 化 ナ トリウム ( 和 光純薬 工 消化酵素 ( ペ プ シ ン, トリプ シ ンお よび α -キモ ト 業製,特級 ),0 . 2 5 Mホ ウ酸緩 衝液 を,それぞれ最 リプ シ ンを タンパ ク質 :酵素比 で 1 00:1となる よ 終 濃 度0 . 6 0 8 M,0. 1 Mに な る よ うに超 純 水 を用 い うに添加 し,ペ プ シ ンと トリプ シ ンは3 7 ℃ で 6時 て調 製 した溶 液 で 溶 解 した。 そ の 後 ,0. 1 N塩 酸 間, α -キモ トリプ シ ンは2 5 ℃で 6時 間反応 させ 2 5 0 平成 1 4 年 度食 肉 に関す る助成研 究調査 成果報告書 V o 1 . 21 2 03 . 1 2 財 団法 人 伊 藤記 念財 団 た、 」 反応 後 . 加熱 に よ り酵 素 失活 を行 い,遠 心 分 代 わ りに超 純 水 を加 えて 同様 に反応 舵 ( 1 0. 000×gl O分 間 ) し, 日 青の ACE阻 害 活 性 ′ させ た時 の値 をCと して次 式 よ り求 め た〔 ` 払)-( CI S) / Cx1 00 消去率 ( を測 定 した。 2. 6 ACE阻害 活性 化 囲 予の精 製 阻害活性 ( I C, ∩) は、仁式 に よ り求 め られ る阻吾 上清 の 最 もACE阻害 活 性 が 高 か っ た レバ ー Hi 00 / Oを示 す と きの 阻害物 質濃 度 で 示 した 。 対 率 が5 ACE阻害 活性 化 因子 を逆相HPLCにて 精 製 した。 照 実験 と して,既 知 の抗 酸 化物 質 で あ る還 元 型 グ HPLC装 置 はGLs ci encel ner t s i lODS1 2( 6. Omm ル タチ オ ンの消 去 活性 を測 定 した。 1 1 0AD I . Dx1 5 0mm) カ ラム を接 続 した 島津 製 LC型 を用 い た 二 2.7 DPPI iラ ジカル消 去 活性 の 測 定 3 . 結 果 お よび 考 察 国 内 の 主要 な疾 患 の うち,高 血圧 は比 較 的 i : . 要 1 -に 抗 酸 化 消去活性 の 測定 はDPPH分光 測 定 法 1 な疾 患 で あ る .高 血 圧 症 は,脳 ・心臓 な ど各種臓 1 . 1 di pl l eny1 2準 じて行 った。 す な わ ち ,DPPH ( 器 障 害 や 欠陥性 疾 患 の 危 険 因子 で あ り. 高齢 化社 ).MES緩 衝 液 ( pH6. 0㌦ エ タ ノー pi cr yl hydr azyl 会の進展 と と もに早 急 な予 防対 策 を講 じる必 要が 0分 ルの混 合溶 液 に試 料 を加 えて ,室 温 , 暗所 で 4 あ る。 近 年 , 食 品 中 に存 在 し,血 圧 上 昇 に関 与す oSpec1 600分光 光 度 間 反応 させ ,反応 後,島津 Bi るACEを阻害 して,高血 圧 防止 に役 立て よ うとす 計に よ り波 長517nmにお け る吸 光 度 を測 定 した 。 、Ll ' O る研 究 が ,数 多 く報 告 され て い る ' DPPHラ ジ カル消去 率 は,試 料 の吸 光度 をS,試料 も肝 臓 の 酵 素 分 解 物 中 にACEを 阻 害 して血 圧 上 の代 わ りに超 純 水 を加 えて 同様 に反応 させ た と き 昇 を抑 制 す るペ プチ ドの検索 を行 うため に以 下 の 。 の値 をCと して次 式 よ り求 め たL 実験 を試み た。 DPPHラ ジ カル消 去率 ( % )- , : 本研 究 で 3.1 高速 液体 クロマ トグラ フ ィー に よる分析 日C-S) ' Cixl OO 構成 酵 素 処 理 に よ り低 分 子 量 化 した レバ ー Hi ラ ジカ ル消 去 活性 ( I CJ は、上式 に よ り求 め ら 成 分 を, さ らに低 分 子量 成 分 を主 に含 む 画分 と比 町 早手 ' : が5 00 / Oを示す と きの 阻 書物 質濃 度 で示 れ る「 較 的 高分 子 量 成 分 を含 む 画分 に分 画す るため にエ した こ対 照 実験 と して .既 知 の抗 酸 化物 質 で あ る 上清 タ ノー ル沈 殿 を行 っ た。 分 画 後 の レバ ー Hi 還 元型 グル タチ オ ンの消 去活性 を測 定 した。 沈殿 の 分 予貰 分 布 を ゲルろ過 HPLCに と レバ ー Hi 2 . 8 安 息 香 酸 ヒ ドロキ シル化 法 Fi g.1)。 いず れ の試 料 も低 分子域 よ り分 析 した ( 安 息 香 酸 ヒ ドロキ シル化 法 はChungらの 方法 I T ' に準 じて 行 っ た。 す な わ ち, 1 00mM リ ン酸 緩 衝 に 主 要 な ど- クが 存 在 して い たO レバ ー Hi日青 よ りも低 分 子 城 の ピー クが 増 加 は 元 の レバ ー Hi pH7. 4)を 1 . 0mg ,試料 を0. 4m/ ,1 0mM FeSO」 液 ( ・ H1 0と1 0mM EDTA4Naの 混 合溶 液 を0. 2ml およ . 2mgを混 合 ・撹 拝 した の び安 息 香酸 ナ トリウム を0 0mM 過 酸 化水 素 水 を0. 2m抽]えて ,37℃ ,2 ち に1 時 間 反 応 させ た。 反応 後 . 直 ち に 島津 RF1 500蛍 光 分 光 光 度 計 に よ り. Emi s s i on407nm,Exci t a ㌔ t i on305nmを測 定 した _ 元 の レバ ー Hi よ り もわず か で あ るが 高 分 子 成 分 に富 む こ とが 明 らか に な った。 3. 2 レバ ー Hi お よびそ の エ タ ノー ル分 画物 の ACE阻害 活性 お よ び そ の エ タ ノー ル分 画物 の ACE レバ ー Hi 阻害 活性 を測 定 した ところ, 阻害 率 はいず れ の試 S ,試 料 の ラ ジ カ ル消 去 率 は, 試 料 の 吸 光 度 を 料 も タ ンパ ク質濃 度依 存 的 に 上昇 した。 この結 果 251 肝臓 酵素 分解物 の新規 生理 活性 機 能 の検索 ︼Hrhu 1 1 ー l n JJu 叫 爪 20 30 40 50 Re t e n t i o nTi me( mi n) 0 1 0 _l l U 1 0 情吊仙 川 川 川卜 -1 ∴・1 0 20 30 40 50 Re t e n t i o nTi me( mi n) 0 1 0 20 30 40 50 Re t e nt i o nTi me( mi n) Fi g. 1 HPLCpr of i l esofl i ver f i iと l ndt hei rf r act i ( ) mat es . A;Li ver Hi ,B;Li ver His . u. p‥C;Li ヽ ・ er Hip. p. L HPLCc ( ) ndi t i ( ) n;Col umn:TSK gelG2000SW、 1( 7. 8mm Ⅰ . D. ×30cm) El uent:20mM phos phat ebuf f er( pH7. 0) Fl ow r at e:0. 2mg ′n l i n Det ect i ol l:OD at21 5nm Mol ecul arwei ghtmar ker;( 1) Apr ot i ni n( 6. 500Da) , ( 2) Ri vof lavi n( 376Da) か ら得 られ たI Cぅ 。 値 をF i g . 2に 示 した。 レバ ー Hi は低 分子 城 に存 在 す る 叶能性 が 示唆 され た 。 3 . 3 自体 の I C5 0 値 は0. 24mg/mlと な り,既 知 の ACE阻 レバ ーHi 山来ACE阻害 ペ プチ ド群 のi F ] ' 化 耐性 害 物 質 で あ る カ ル ノ シ ンの I C 3 . 億 よ りも高 い 値 を レバ ー Hi を体 内 の消 化 酵素 で あ るペ プ シ ン, ト 示 した。 次 に, エ タ ノ ー ル で の 分 画 の 結 果, レ バ ーHi 上 清 のI C5 0 値 は0 . 1 0, レ バ ー Hi 沈殿 は リプ シ ンお よ び α-キ モ トリプ シ ンで 消 化 し, そ 0. 34mg/mJ で あ っ た。 この こ と とゲ ル ろ過 H PLC の消 化物 の ACE阻害活性 を測 定 した の 結 果 か ら, レバ ー Hi 由 来 の ACE阻 害 ペ プ チ ド の 結 果 , 未 分 解 の レバ ー Hi のI C、 = 値 が0 . 2 4mg′ ′ ml Li ver ・ Hi Li ver Hi 90% sup. Li ver Hi90% ppt . Car nosi n 0. 0 0. 2 0. 4 0. 6 0. 8 ( Fi g. 3ト そ 1. 0 1 C5 0( mg/ ml ) Fi g. 2 ACEi nhi bi t or yact i vi t i esofL i verHiandt hei rf r act i onat es . I C , ‖: c oncent r at i onofpr ot ei nr educedt oi nhi bi t5O9 , 00ft heACEact i vi t y 252 平 成1 4年 度食 肉 に関す る助 成研 究調査成果報告書 Vo1 . 21 2 03. 1 2 財 団法人 伊藤記念財 団 Li veトHi Pepsl n Tr ypsl n aChymot r ypsl n 0. 00 0. 05 0. 1 0 0. 1 5 0. 20 0. 25 1 C5 0( 〟g/ ml ) Fi g. 3 ▲ 1CEi nhi bi t or さ ,act i vi t i eso fl i verHiandt he i rhydr ol ys at es . I C, . ,;c onc ent r at i ono fpr ot e i nr educ edt oi nhi bi t5 0 0 / oo ft heACEa ct i vi t y. であ るの に対 し,ペ プ シ ン消 化物 が0. 1 9, トリプ い たC それ らのI C訓 値 は前者 が0 . 268F L g/ml ,後者 シ ン消 化物 が0. l l , α-キモ トリプ シ ン消 化 物 が が5. 87/ J g/ / mJ であった ( Fi g.4 B,Fi g.4 C)。 今後 0. 1 6mg/mJ であ り,すべ ての消化物 で活性 が上昇 さらに高い阻害活性 を示すペ プチ ドを単離 し,そ 由来のACE阻 した。 以上 の結 果 よ り, レバ ー Hi れ らの構造 を明 らか にす る必要がある。 害ペ プチ ド群 は生体内での酵素 に耐性 を有 し. し 3.5 抗酸化機能の測定 か もそ れ ら消化物 のACE阻害活性 は レバー Hi 自 活性酸素や フ リー ラジカルは,生体 内では種 々 体 よ りも高 くなったこ とか ら,体 内での消化酵素 の生体分子 を攻撃 し,生体膜の損傷や遺伝子 の障 に よる消 化 で新 た なACE阻害ペ プチ ドが生 成す 害 を生 じる。 これ らは各種疾患,発 ガ ン,老化の る可能性が示唆 された。 また,生体内酵素 による 要 因 とされてお り,生体 に吸収 されて抗酸化 ス ト 消化耐性 はこれ らのペ プチ ドが消化管部位 まで分 レスに働 く効果的な抗酸化剤 の開発が望 まれてい 解 されず に移行す る可能性 を示唆 している。 る。 トコフェロールやポ リフェノールが代表的な 3.4 レバー Hi 由来ACE阻害ペ プチ ドの精製 抗酸化剤であ るが, タンパ ク質 を加水分解す るこ 由来ACE阻害ペ プチ ドの精製 を 目的 レバ ー Hi とによ り不飽和脂肪酸 の 自動酸化 を抑制す るペ プ に.エ タノール分画で最 もACE阻害活性 が強かっ チ ドが生成す ることが認め られている。 そ こで, たエ タノール9 0 %上清 画分 を逆相 HPLCに よ り分 本研究で も肝臓 の酵素分解ペ プチ ドの抗酸化活性 Fi g.4 A) 。その結果,い くつかの画分で 画 した ( の有無 について検討 した。 ACE阻害活性 を有す る画分が存在 し,その中で非 食品の抗酸化機能 を評価す る方法 としては種 々 常 に強い活性 を有 している画分 は溶 出時 間23分か ら25分 に溶 出 していた画分Aと26分か ら27分 に溶 あ る。 また評価法 に よっては結果が一致 しない場 出 して い る画分Bで あ った。そ のI C訂直は前 者 が 合 もあ り,可能 な らば原理の異 なる 2つ以上の方 28. 7/ J g/mJ ,後者が22. 6/ J g/ / mJ であ った。次 にこれ 法 で 評 価 す る こ とが 望 ま しい。本 研 究 で は, らの画分 を同 カラムにて リクロマ トした結果,画 DPPH分 光 測 定 法 161 と安 息 香 酸 ヒ ドロキ シル化 分Aで溶 出時 間27-28分 の 画分 と画分Bの溶 出時 法 17'による分析 を行 った。 間28-29分 の画 分 に強 いACE阻害 活性 を有 して (1) DPPHラジカル消去活性 253 肝臓酵素分解物の新規生理活性機能の検索 t L [ u SMMl t !33t Jt!q 10 SV q 0 10 2 0 Re tent i onT im e( m i n) 3 0 4 0 C D U 1 J 0 l ・ ∈ 3 0 on Ti me ( mi n ) 3 CH I - U 7 I l 0 ヒ 二 ±-1 2 0 R e t e n t i 八 %) N 3 1 ・ 87 J J - 4 0 ′ ′ ′ ′ J 2 0 3 0 Re t e n t i o nTi me( mi n ) I C5 . : 5 g / m L ′ ′ ∧ ′ 、 - ・ -/ ・4・ ・ ・ 、ー u t t l S N M一t ! 3 3ttt!qJ[OSqV t ut t S M Nt t ! 3 3 t t t ! qJ[Oq SV 1 0 B1 9 ⊥ 4 0 Fi g. 4 Rever s e phas eHPLCpr of i l eso ft heac t i vef r act i on. A ;Chr omat ogr am ofa ct i vef r ac t i ona f t erGLs c i enc el ner t s i l ODS2c ol umn. HPLCc ondi t i on;Col umn:I ner t s i lODS2( 6. 0mm Ⅰ . D, ×1 5 0mm) Sol vents ys t em :00 / ot o3 0% CHぅ CN ( 5-35mi n)i n0. 1 q oTFA Fl ow r at e二1mg ′ ′ mi n Det ect i on:ODat22 5nm BI ,Rechr omat ogr aphyofa ct i vef r act i onA HPLCc ondi t i on:Col umn:I ner t s i lODS2( 6. 0mm Ⅰ . D. ×1 5 0mm) Sol vents ys t em :7 0 , ot o1 1 0 / oCH与 CN ( 1 5-35mi n)i n0. 1 % TFA ′mi n Fl ow r at e:1mg Det ect i on:ODat225nm C;Rec hr omat ogr aphyofa ct i vef r ac t i onB HPLCc ondi t i on;Col umn:I ner t s i lODS2( 6. 0mm Ⅰ . D. ×1 5 0mm) 1 0 / oTFA Sol vents ys t em :7% t o1 30 , oCH与 CN ( 1 5-45mi n)i n0, Fl ow r at e:1mg / ′ mi n Det e ct i on:ODat2 25nm 抗 酸化機能 としてDPPHラジカル消去活性 を測 自体租精製品であ ることか ら,その抗 酸 レバー Hi 定 した結果,濃度依存的 に阻害活性 が上昇 し, レ を生 化 機 能 は高 い と考 え られ る。 この レバ ー Hi バ ー Hi のI C5 。 値 は1 5 7 F L g/ ml を示 した ( Fi g.5 ・ A) 。 体 内の消化酵素で分解 した結果,ペ プ シン消化物 既 知 の抗 酸 化物 質 で あ る還 元 型 グル タチ オ ンの のI C5 0 値 は2 2 7 , トリプ シ ン消化物 は259, α-キモ I C5 ° 値 は1 5 F L g/ ml であ り,それ よ りも低 い ものの, トリプ シ ン消 化物 は1 7 0 〃g/ mJ であ り,いず れ の 254 平成 1 4年度食 肉 に関す る助 成研 究調査成果報告書 Vo l . 21 2 03. 1 2 財 団法 人 伊藤記 念財 団 Li ver ・ Hi Pepsl n Tr ypsm αChymot r ypsl n 0 50 1 00 1 50 20 0 25 0 300 250 300 1 C5 0( 〟g/ ml ) uv er Hi Pepsl n Tr ypsm αChymot r ypsl n 0 50 1 0 0 1 5 0 200 l C5 0( 〟g/ ml ) Fi g. 5 ▲ lnt i oxd; l t l \ でaCt i \ ' i t さ ,O fl i \ ' er Hiandt hei rhydr ol ys at e s . 1:▲ 1ct i ヽ i t yi nDPPHr adi c als e I i Vengl ngS ys t em 1L . t i t , i t ヽ -i n恒dr ox) , 1r a di c L , l ls ca vengi ngS ys t em r 3:▲ 消 化 物 も レバ ー Hi 自体 よ りも活性 が 若干低 下 し 235i l g, mlで あ り,DPPH消去 活性 を測 定 した とき たこ と同様 に活性 が低 下 した。 しか し, これ らの消化 (2) 安 息 香酸 ヒ ドロキ シル化法 に よる ラ ジカ 物 の活性 は還 元型 グル タチ オ ンよ りも高 か った。 以 上 の結 果 よ り,レバ ー Hi は比較 的高 い抗 酸化 ル消去活性 安 息 香 酸 ヒ ドロ キ シ ル化 法 を用 い て,試 料 の 機 能 を有す る こ とが明 らか に なった。 それ らの全 OHラ ジ カ ル消 去 能 を測 定 した 。DPPHラ ジ カ ル 活性 は生 体 内の酵 素 処理 に よ り若 干低 卜す る もの 消 去能 と同様 に濃 度依存 的 に阻害 活性 が 上昇 し, の依然 と して比較 的高 い抗 酸化 機能 を保持 してお I CJ直が 135FLg′mlで あ った (Fig.5B) ニ その結 果 . り,生 体 で機能す る可能性 が示 唆 され た。 既 知 の抗 酸 化 物 質 で あ る還 元 型 グ ル タチ オ ンの I C, . 個 は358pg, , ml とな り.レバ ー Hi と比較 す る と 4. 要 約 そ の 活性 は レバ ー Hi の 方 が 高 くな って い る こ と 今 回,生理 活性 機 能 と して肝臓加 水 分解物 中 に を が明 らか に なった。 また,消 化酵 素で レバ ー Hi 存 在 が 期 待 され る血 圧 上 昇 を抑 制 す るACE阻害 ‖ 値 は253, ト 消 化 した結 果 ,ペ プ シ ン消 化物 のIC、 活性 と多 くの疾 病 に関与 してい る ラ ジカルに対 す 40, α-キ モ ト リ プ シ ン は リ プ シ ン消 化 物 は 1 る消去 活性 を測 定 した。 2 5 5 肝臓酵 素分解物 の新 規/ I : . f 町田′ 壬 : _ 機能 の検索 そ の 結 果 , レ バ ー Hi の ACE阻 書 活性 は 他 の ACE阻 害 ペ プ チ ドの 親 指 製 品 よ り も比 較 的 高 い 活性 を有 して い る こ とが 明 らか に な った 一 、また, さ らに レバ ー Hi をエ タ ノー ル分 画 した 結 果, レ バ ー Hi r 日の ACE阻 害活 性 は低 分 子 量域 に存 在 す 高い活性 が 発揮 され る こ と も認 るペ プチ ドに よ を ) め られ た、 ノ今後 , そ れ らの 高 い活性 を 有 す るペ プ チ ドの 単離 ・ 精 製 を進 め て, レバ ー I i i 中 の ÅCE阻 害ペ プチ ドの構 造 解 析 を行 う必 要が あ る - 有 無 につ い て検 討す る 目的 で , DPPH分光 測 定 法 と安 息 香酸 ヒ ドロキ シル化 法 に よる分析 を行 った そ の結 果 ,レバ ー Hi 標 品は抗 酸 化 清作 を 有して い る こ と も明 らか に な っ たこ レバ ー Hi は高い肝 機 能 改 善 効 果 を有 す る こ とか ら. そ れ らの機 能 性 成 分 の検 索 を さ らに追 及す る 予定 で あ る こ いず れ に して も,レバ ー Hi は酵 素 分 解 され た低 分 子 ペ プチ ドか らな るた め に,消 化性 お よび吸収 性 に優 れ , 高齢 者 や乳 幼 児 の た め の健 康 食 品 と し て, あ るい は病 人の み な らず 健常 人や スポ ー ツ選 手 の体 力増 強 食 品 素材 と して 高 度 で 幅 広 い利 用 が 期 待 で きる。 文 献 l) 小 泉 f f ; ・ 夫 ,末 松 俊 彦 :臨 床 と研 究 ,4 9. 2 61 262 ( 1 6 89) 2) 平山 T . 坐:診断 と治癖.69.( ∼ ( う ー 6 8 日9 81 ) 31 本田和久 :食品 の 包 装 . 2 6. 4 6 5 0( 1 9 95) l 川券也. 横山 踊. 高橋 久 雄.許 斐 1) 奥山啓 ∴ 丸 L 健 二:新薬 と臨恥 し 1 6.1 5L ) 1 6 0( 1 9 97) . )) 鈴 木建 夫, 石 川 目黒 照 :日本 農芸 化学 会 f 二. 5 7.111 3 1 1 ′ 1 6 日983) ‖ 小 lgr i c . ( i) \I z l r L l yと I m2 1 .S. .lI i yos hi .S.こ l ndTと 1 1 1 こ I kこ しH :. Bi o1 . .L l hem ‥5 3. 27 ( う 327 97 1( 1 989) 7) 1 ' ( ) k( ) I と I mと 1 .K‥Chi bと 1 .I I .こ 1 1 1 d Y( ) s hi k; l W( , 1 .M.: t う i ( ) s c i .Bi ot ech. Bi ochem. . 5 6.1 51 1 1 5 45 日9 ( ) 1 ) ) バ) Wa ko.Y.Abe,1 一 . .Handa.T.こ l ndl dl i kaWこ 1 .S.: F( ) odSL l i .Tech1 1 01 .Res . . 5, 37 83 8( )( 1 ∼ ) チ ) ∼ ) ) リー 松 什利郎 .J l l 崎妃 -日本栄養・ 食糧学会誌.5 3. 7 7 85 ( 2 0O O) 1 ( ) - 未納 邦 夫 :日本 水庫J ? I : 会誌.( i 1 . 8628( i ( ∼r 1 9 ∼ ) A) ‖) , 十巨 : . 治リ 上 上島良介 ,河 掠 J T . t J:伊 藤 記念財 川 平成 11年 度 食肉 に 関 す る助 成 研 究 調査用告 守; .1 8, 33 831 5( 2 O( ) 0) 十巨二治り上 目: . 吉 良 介 , 河 垢 聡 :伊 藤 記念 呈 肌・ J l l l ) , l ′ 半成 1 2年 度 食肉 に 関 す る助 成 研 究 調 査用告. l 7 . .1 〔 ) . 2 6226 9( i ) 0 ( ) 1) 宣[ ・ . Kat 之 l yamと 1 .K‥FL l ChL l JI . .Sと l k; l t と 1 .: L Kこ 1 Wこ l hと I r こ 1 ,S. . 1 ' amaL 1 Chi .ド. .KawamL l r と 1 .Y.andl工 ugL I r uma \Ⅰ .: . J .: lni m.S° i . ,1 6. 41 7 42 4( 2 0O3) : ls l an: lust 1 4) K< 1 t ayama.K. .Tomat s u.ll . .FL 1 Chu.I I . .SL l gl ) , 之 I ma , 11 . ,I (awahar a S. .Y; l mauChi .K. .Kawan l ur ・ a .Y.and 13) 11 ∴▲ 1ni m. Sci . J . . 7 4. 5 358 ( i ) 0( ) 3) ll ugur uma . 1 5) CL l S human.D. W .:Bi ochemi c z l lPhar mac ol og) , .2 0. 1 637 1 647 ( 1 996) 1 6)須【 廿邦丸 分光学 的抗 酸 化 機能 評価.篠原和毅.鈴 木 建 夫. 卜野 川 修 一 編 著.1 ) 1 82 2t ' i .尤 林.束諒, A ( 2 0 01) Bi ot ec h,Bi oehem. , 61 ,11 81 2 3( 1 f ) 97 ' )
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