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宮崎大学学術情報リポジトリ
Title
肝臓酵素分解物の新規生理活性機能の検索
Author(s)
六車, 三治男; 西, 俊郎; 奥野, 真代; 山下, 真由子;
河原, 聡
Citation
平成14年度食肉に関する助成研究調査成果報告書, 21:
248-255
URL
http://hdl.handle.net/10458/3748
Date of Issue 2003-12
Right
Description
この研究は「伊藤記念財団」の助成を受けて行われまし
た。
2
4
8
平成1
4
年 度 食 肉 に関す る助 成研 究調査 成果報 告書 Ⅵ)
1
.
21
2
0
0
3
.
1
2 財 団法 人 伊 藤記 念財 団
肝臓酵素分解物 の新規生理活性機能の検索
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六単
三治男 ・ 西
俊郎 ・ 奥野
真代 ・ 山下
真 由子 ・ 河原
聡
(
宮崎 大学 農学 部)
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1
. 日
的
る こ とか ら,積極 的 に補充す るこ とで治療効果が
期待 で きる こ とが報告 されて以 来, 多 くの臨床研
肝臓 は さまざ まな有効 成分の宝 庫 であ り. 古 く
究が な されてい る12.。 また,酵素 分解物 は低分子
か ら人 々は これ を食す るこ とで種 々の疾患 の治癒
ペ プチ ドを主成 分 とす るため に,消化性 お よび吸
や 回復 に役立 てて きた:
,肝臓 を酵 素 に よ り分解 し
収性 に優 れ,消化能力 の衰 えた老 人や病 人, タン
て得 らj
tる肝臓加 水分解物 には各種 ア ミノ酸, メ
パ ク質の摂取 を必 要 とす る乳幼 児か らスポー ツ選
ク レオ シ ド, ヌ ク レオチ ド,低分子 のペ プチ ド,
手の 食生活 に まで貢献す るこ とが期待 され,す で
ビタ ミン, ミネラル等が豊富 に含 まれてお り,機
に伊 藤ハ ム(
柵 よ り豚 肝臓酵素分解物 (レバー Hi
)
能障害 を起 こ した肝臓 で は これ らの成分が減 少す
と して製 品化 され てい る `
j
o この製 品 には.肝代
2
4
9
肝臓酵 素分解物 の新規生碑活性 機能の検索
謝改善作用,肝再生促進作 用, 肝解毒 機能改善作
0
.
5
5
4
mgを加 え て 反 応 を停 止 した。つ い で,酢 酸
用,抗 ウイルス作 用. アル コー ル性 肝障害治療 効
エ チ ル1
.
5
mは 加 えてACEの作 用 に よ り遊 離 した
馬尿酸 を振 とう抽 出 し,3
,
0
0
0
r
pmで 1
0分 間遠心 分
この豚肝臓 酵素分解物 にはその他,肝臓酵素 分
離 を行 った後,酢 酸 エ チ ル層 1
mgを分取 して蒸 発
解物 中 に血圧調節 に関与 してい るACE(
ア ンギ オ
乾固 (
1
0
0o
C,1
0分 間)した。乾 固 した馬尿酸 は1
M
テ ンシ ン Ⅰ変換 酵素 ) 阻害作 用,肥満抑 制作 用,
塩 化 ナ トリウム溶 液 1
mg
で溶 解 し,波 長2
2
8
n
mに
コ レステ ロー ル低 下作用等が 存在す る可能性 も示
お け る吸光 度 を測定 した。
唆 されてお り, それ らを含 む新 しい生理活性 機能
阻害 率 は,試 料 の吸光 度 をS. 試料 の代 わ りに
の研究が求 め られて い る。近年 , いろいろな材料
超純 水 を加 えて 同様 に反応 させ た ときの値 をC,
か らの ACE阻害 ペ プチ ドに関す る研 究 が 行 わ れ
あ らか じめ反応停止液 を加 えて反応 させ た ときの
てい る
値 をBと して次式 に よ り求 めた。
卜
川
l
。 また,われわれ も動物骨 成分 11 '
や豚
12
肉由来 のACE阻害ペ プチ ドの 同定1
… を行 って き
た。
阻害率 (
0
0)
-i
(
CIS)
/(
C-B)
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O
O
阻害活性 (
I
C,
‖
) は、_
L式 に よ り求 め られ る阻害
そ こで今 回は,肝臓 加水分解物 中 に存 在が期待
率が5
0
%を示す ときの阻害物 質濃 度で示 した。対
され るACE阻害 作 用 を示 す ペ プチ ドの 同定 と抗
照実験 と して,既 知のACE阻害物 質であ るカル ノ
酸化作 用 につ いて も検索 を行 ったので,得 られ た
シ ンの ACE阻害活性 を測 定 した。
2
.
3 エ タノー ルに よる レバー Hi
の分画
結果 を報告す る。
エ タ ノー ルに よる レバ ー Hi
の分 画 は レバ ー Hi
2. 実験材 用 および 方法
を9
0
0
/
oエ タノー ルに溶解 させ ,遠心 分離 (
1
0
,
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0
0×
2
.
1 実験 材 料
gl
O分 間) した 。 遠心 分離後, 上
二清 と沈殿物 に分
伊 藤 ハ ム株 式 会社 製 レバ ー Hi
を使 用 した。 な
け,遠心 エバ ポ レー ターでエ タノー ルを除去 し,
お,この レバ ー Hi
は,豚肝臓 を酵素分解 し,特 異
それぞれ レバー Hi
上清
な臭気 を除去 した水溶性 のペ プチ ド粉 末であ る。
Hi
沈殿 (
Li
ve
rHi
p
.
p.
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.
) に分画 した。
2
.
2 ア ンギ オテ ンシ ン変換 酵 素 (
ACE)阻害
活性 の測定
(
Li
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Hi
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,
U
.
p
.
)とレバー
2
.
4 高速液体 クロマ トグラフ ィー に よる分析
高速 液体 クロマ トグ ラフ ィー
(
HPLC)に よる
Cu
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h
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nらの方法 1
5
】に準 じて,和光純薬工業株
分析 は ,TS
Kg
e
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0
0
0
SW、
カ ラム (
7
.
8
mmⅠ
.
D.
×
式 会社 製 ウサ ギ肺 由来 ACEとナ カ ラ イテ ス ク社
3
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m)を島津 製LC1
0
AD型 のHPLC装置 に接続 し
製合成基 質HHL (
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て行 ったo溶 出液 は2
0
mMT
)ン酸緩衝液
を用 いて測 定 した。
を用 いた。
す なわ ち,試料 6
F
L
I
に,6
0
mU/
mlACE溶液2
0
F
L
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お よび7
.
6
mM
HHL5
0
F
L
l
を添加 し,3
7
℃ で3
0分
間反応 させ た。 ACEは, ホ ウ酸緩 衝 液
(
pH8
.
3
)
(
pH7
.
0)
2
.
5 レバー Hi
の消化耐性 試験
レバ ー Hi
を生 体 内 の消 化 酵 素 で分解 し, ACE
阻害活性 を測 定 した。す なわ ち,レバー Hi
と各種
で潜解 し,HHLは,塩 化 ナ トリウム (
和 光純薬 工
消化酵素 (
ペ プ シ ン, トリプ シ ンお よび α
-キモ ト
業製,特級 ),0
.
2
5
Mホ ウ酸緩 衝液 を,それぞれ最
リプ シ ンを タンパ ク質 :酵素比 で 1
00:1となる よ
終 濃 度0
.
6
0
8
M,0.
1
Mに な る よ うに超 純 水 を用 い
うに添加 し,ペ プ シ ンと トリプ シ ンは3
7
℃ で 6時
て調 製 した溶 液 で 溶 解 した。 そ の 後 ,0.
1
N塩 酸
間, α
-キモ トリプ シ ンは2
5
℃で
6時 間反応 させ
2
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平成 1
4
年 度食 肉 に関す る助成研 究調査 成果報告書 V
o
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.
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2 財 団法 人 伊 藤記 念財 団
た、
」 反応 後 . 加熱 に よ り酵 素 失活 を行 い,遠 心 分
代 わ りに超 純 水 を加 えて 同様 に反応
舵 (
1
0.
000×gl
O分 間 ) し, 日 青の ACE阻 害 活 性
′
させ た時 の値 をCと して次 式 よ り求 め た〔
`
払)-(
CI
S)
/
Cx1
00
消去率 (
を測 定 した。
2.
6 ACE阻害 活性 化 囲 予の精 製
阻害活性 (
I
C,
∩) は、仁式 に よ り求 め られ る阻吾
上清 の
最 もACE阻害 活 性 が 高 か っ た レバ ー Hi
00
/
Oを示 す と きの 阻害物 質濃 度 で 示 した 。 対
率 が5
ACE阻害 活性 化 因子 を逆相HPLCにて 精 製 した。
照 実験 と して,既 知 の抗 酸 化物 質 で あ る還 元 型 グ
HPLC装 置 はGLs
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6.
Omm
ル タチ オ ンの消 去 活性 を測 定 した。
1
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I
.
Dx1
5
0mm) カ ラム を接 続 した 島津 製 LC型 を用 い た 二
2.7 DPPI
iラ ジカル消 去 活性 の 測 定
3
. 結 果 お よび 考 察
国 内 の 主要 な疾 患 の うち,高 血圧 は比 較 的 i
:
.
要
1
-に
抗 酸 化 消去活性 の 測定 はDPPH分光 測 定 法 1
な疾 患 で あ る .高 血 圧 症 は,脳 ・心臓 な ど各種臓
1
.
1
di
pl
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2準 じて行 った。 す な わ ち ,DPPH (
器 障 害 や 欠陥性 疾 患 の 危 険 因子 で あ り. 高齢 化社
).MES緩 衝 液 (
pH6.
0㌦ エ タ ノー
pi
cr
yl
hydr
azyl
会の進展 と と もに早 急 な予 防対 策 を講 じる必 要が
0分
ルの混 合溶 液 に試 料 を加 えて ,室 温 , 暗所 で 4
あ る。 近 年 , 食 品 中 に存 在 し,血 圧 上 昇 に関 与す
oSpec1
600分光 光 度
間 反応 させ ,反応 後,島津 Bi
るACEを阻害 して,高血 圧 防止 に役 立て よ うとす
計に よ り波 長517nmにお け る吸 光 度 を測 定 した 。
、Ll
'
O
る研 究 が ,数 多 く報 告 され て い る '
DPPHラ ジ カル消去 率 は,試 料 の吸 光度 をS,試料
も肝 臓 の 酵 素 分 解 物 中 にACEを 阻 害 して血 圧 上
の代 わ りに超 純 水 を加 えて 同様 に反応 させ た と き
昇 を抑 制 す るペ プチ ドの検索 を行 うため に以 下 の
。
の値 をCと して次 式 よ り求 め たL
実験 を試み た。
DPPHラ ジ カル消 去率 (
% )-
,
:
本研 究 で
3.1 高速 液体 クロマ トグラ フ ィー に よる分析
日C-S)
'
Cixl
OO
構成
酵 素 処 理 に よ り低 分 子 量 化 した レバ ー Hi
ラ ジカ ル消 去 活性 (
I
CJ は、上式 に よ り求 め ら
成 分 を, さ らに低 分 子量 成 分 を主 に含 む 画分 と比
町 早手
'
:
が5
00
/
Oを示す と きの 阻 書物 質濃 度 で示
れ る「
較 的 高分 子 量 成 分 を含 む 画分 に分 画す るため にエ
した こ対 照 実験 と して .既 知 の抗 酸 化物 質 で あ る
上清
タ ノー ル沈 殿 を行 っ た。 分 画 後 の レバ ー Hi
還 元型 グル タチ オ ンの消 去活性 を測 定 した。
沈殿 の 分 予貰 分 布 を ゲルろ過 HPLCに
と レバ ー Hi
2
.
8 安 息 香 酸 ヒ ドロキ シル化 法
Fi
g.1)。 いず れ の試 料 も低 分子域
よ り分 析 した (
安 息 香 酸 ヒ ドロキ シル化 法 はChungらの 方法
I
T
'
に準 じて 行 っ た。 す な わ ち, 1
00mM リ ン酸 緩 衝
に 主 要 な ど- クが 存 在 して い たO レバ ー Hi日青
よ りも低 分 子 城 の ピー クが 増 加
は 元 の レバ ー Hi
pH7.
4)を 1
.
0mg
,試料 を0.
4m/
,1
0mM FeSO」
液 (
・
H1
0と1
0mM EDTA4Naの 混 合溶 液 を0.
2ml
およ
.
2mgを混 合 ・撹 拝 した の
び安 息 香酸 ナ トリウム を0
0mM 過 酸 化水 素 水 を0.
2m抽]えて ,37℃ ,2
ち に1
時 間 反 応 させ た。 反応 後 . 直 ち に 島津 RF1
500蛍
光 分 光 光 度 計 に よ り. Emi
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on407nm,Exci
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㌔
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on305nmを測 定 した _
元 の レバ ー Hi
よ り もわず か で あ るが 高 分 子 成 分
に富 む こ とが 明 らか に な った。
3.
2 レバ ー Hi
お よびそ の エ タ ノー ル分 画物 の
ACE阻害 活性
お よ び そ の エ タ ノー ル分 画物 の ACE
レバ ー Hi
阻害 活性 を測 定 した ところ, 阻害 率 はいず れ の試
S
,試 料 の
ラ ジ カ ル消 去 率 は, 試 料 の 吸 光 度 を
料 も タ ンパ ク質濃 度依 存 的 に 上昇 した。 この結 果
251
肝臓 酵素 分解物 の新規 生理 活性 機 能 の検索
︼Hrhu
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か ら得 られ たI
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値 をF
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2に 示 した。 レバ ー
Hi
は低 分子 城 に存 在 す る 叶能性 が 示唆 され た 。
3
.
3
自体 の I
C5
0
値 は0.
24mg/mlと な り,既 知 の ACE阻
レバ ーHi
山来ACE阻害 ペ プチ ド群 のi
F
]
'
化
耐性
害 物 質 で あ る カ ル ノ シ ンの I
C 3
.
億 よ りも高 い 値 を
レバ ー Hi
を体 内 の消 化 酵素 で あ るペ プ シ ン, ト
示 した。 次 に, エ タ ノ ー ル で の 分 画 の 結 果, レ
バ ーHi
上 清 のI
C5
0
値 は0
.
1
0, レ バ ー Hi
沈殿 は
リプ シ ンお よ び α-キ モ トリプ シ ンで 消 化 し, そ
0.
34mg/mJ
で あ っ た。 この こ と とゲ ル ろ過 H
PLC
の消 化物 の ACE阻害活性 を測 定 した
の 結 果 か ら, レバ ー
Hi
由 来 の ACE阻 害 ペ プ チ
ド
の 結 果 , 未 分 解 の レバ ー
Hi
のI
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252
平 成1
4年 度食 肉 に関す る助 成研 究調査成果報告書 Vo1
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, α-キモ トリプ シ ン消 化 物 が
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Fi
g.4
B,Fi
g.4
C)。 今後
0.
1
6mg/mJ
であ り,すべ ての消化物 で活性 が上昇
さらに高い阻害活性 を示すペ プチ ドを単離 し,そ
由来のACE阻
した。 以上 の結 果 よ り, レバ ー Hi
れ らの構造 を明 らか にす る必要がある。
害ペ プチ ド群 は生体内での酵素 に耐性 を有 し. し
3.5 抗酸化機能の測定
か もそ れ ら消化物 のACE阻害活性 は レバー Hi
自
活性酸素や フ リー ラジカルは,生体 内では種 々
体 よ りも高 くなったこ とか ら,体 内での消化酵素
の生体分子 を攻撃 し,生体膜の損傷や遺伝子 の障
に よる消 化 で新 た なACE阻害ペ プチ ドが生 成す
害 を生 じる。 これ らは各種疾患,発 ガ ン,老化の
る可能性が示唆 された。 また,生体内酵素 による
要 因 とされてお り,生体 に吸収 されて抗酸化 ス ト
消化耐性 はこれ らのペ プチ ドが消化管部位 まで分
レスに働 く効果的な抗酸化剤 の開発が望 まれてい
解 されず に移行す る可能性 を示唆 している。
る。 トコフェロールやポ リフェノールが代表的な
3.4 レバー Hi
由来ACE阻害ペ プチ ドの精製
抗酸化剤であ るが, タンパ ク質 を加水分解す るこ
由来ACE阻害ペ プチ ドの精製 を 目的
レバ ー Hi
とによ り不飽和脂肪酸 の 自動酸化 を抑制す るペ プ
に.エ タノール分画で最 もACE阻害活性 が強かっ
チ ドが生成す ることが認め られている。 そ こで,
たエ タノール9
0
%上清 画分 を逆相 HPLCに よ り分
本研究で も肝臓 の酵素分解ペ プチ ドの抗酸化活性
Fi
g.4
A)
。その結果,い くつかの画分で
画 した (
の有無 について検討 した。
ACE阻害活性 を有す る画分が存在 し,その中で非
食品の抗酸化機能 を評価す る方法 としては種 々
常 に強い活性 を有 している画分 は溶 出時 間23分か
ら25分 に溶 出 していた画分Aと26分か ら27分 に溶
あ る。 また評価法 に よっては結果が一致 しない場
出 して い る画分Bで あ った。そ のI
C訂直は前 者 が
合 もあ り,可能 な らば原理の異 なる 2つ以上の方
28.
7/
J
g/mJ
,後者が22.
6/
J
g/
/
mJ
であ った。次 にこれ
法 で 評 価 す る こ とが 望 ま しい。本 研 究 で は,
らの画分 を同 カラムにて リクロマ トした結果,画
DPPH分 光 測 定 法 161 と安 息 香 酸 ヒ ドロキ シル化
分Aで溶 出時 間27-28分 の 画分 と画分Bの溶 出時
法 17'による分析 を行 った。
間28-29分 の画 分 に強 いACE阻害 活性 を有 して
(1) DPPHラジカル消去活性
253
肝臓酵素分解物の新規生理活性機能の検索
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抗 酸化機能 としてDPPHラジカル消去活性 を測
自体租精製品であ ることか ら,その抗 酸
レバー Hi
定 した結果,濃度依存的 に阻害活性 が上昇 し, レ
を生
化 機 能 は高 い と考 え られ る。 この レバ ー Hi
バ ー Hi
のI
C5
。
値 は1
5
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L
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ml
を示 した (
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・
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。
体 内の消化酵素で分解 した結果,ペ プ シン消化物
既 知 の抗 酸 化物 質 で あ る還 元 型 グル タチ オ ンの
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値 は2
2
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, トリプ シ ン消化物 は259, α-キモ
I
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ml
であ り,それ よ りも低 い ものの,
トリプ シ ン消 化物 は1
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であ り,いず れ の
254
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消 化 物 も レバ ー Hi
自体 よ りも活性 が 若干低 下 し
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mlで あ り,DPPH消去 活性 を測 定 した とき
たこ
と同様 に活性 が低 下 した。 しか し, これ らの消化
(2) 安 息 香酸 ヒ ドロキ シル化法 に よる ラ ジカ
物 の活性 は還 元型 グル タチ オ ンよ りも高 か った。
以 上 の結 果 よ り,レバ ー Hi
は比較 的高 い抗 酸化
ル消去活性
安 息 香 酸 ヒ ドロ キ シ ル化 法 を用 い て,試 料 の
機 能 を有す る こ とが明 らか に なった。 それ らの全
OHラ ジ カ ル消 去 能 を測 定 した 。DPPHラ ジ カ ル
活性 は生 体 内の酵 素 処理 に よ り若 干低 卜す る もの
消 去能 と同様 に濃 度依存 的 に阻害 活性 が 上昇 し,
の依然 と して比較 的高 い抗 酸化 機能 を保持 してお
I
CJ直が 135FLg′mlで あ った (Fig.5B)
ニ その結 果 .
り,生 体 で機能す る可能性 が示 唆 され た。
既 知 の抗 酸 化 物 質 で あ る還 元 型 グ ル タチ オ ンの
I
C,
.
個 は358pg,
,
ml
とな り.レバ ー
Hi
と比較 す る と
4. 要
約
そ の 活性 は レバ ー Hi
の 方 が 高 くな って い る こ と
今 回,生理 活性 機 能 と して肝臓加 水 分解物 中 に
を
が明 らか に なった。 また,消 化酵 素で レバ ー Hi
存 在 が 期 待 され る血 圧 上 昇 を抑 制 す るACE阻害
‖
値 は253, ト
消 化 した結 果 ,ペ プ シ ン消 化物 のIC、
活性 と多 くの疾 病 に関与 してい る ラ ジカルに対 す
40, α-キ モ ト リ プ シ ン は
リ プ シ ン消 化 物 は 1
る消去 活性 を測 定 した。
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肝臓酵 素分解物 の新 規/
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機能 の検索
そ の 結 果 , レ バ ー Hi
の ACE阻 書 活性 は 他 の
ACE阻 害 ペ プ チ ドの 親 指 製 品 よ り も比 較 的 高 い
活性 を有 して い る こ とが 明 らか に な った 一
、また,
さ らに レバ ー Hi
をエ タ ノー ル分 画 した 結 果, レ
バ ー Hi
r
日の ACE阻 害活 性 は低 分 子 量域 に存 在 す
高い活性 が 発揮 され る こ と も認
るペ プチ ドに よ を
)
め られ た、
ノ今後 , そ れ らの 高 い活性 を 有 す るペ プ
チ ドの 単離 ・
精 製 を進 め て, レバ ー I
i
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中 の ÅCE阻
害ペ プチ ドの構 造 解 析 を行 う必 要が あ る -
有 無 につ い て検 討す る 目的 で , DPPH分光 測 定 法
と安 息 香酸 ヒ ドロキ シル化 法 に よる分析 を行 った
そ の結 果 ,レバ ー Hi
標 品は抗 酸 化 清作 を 有して
い る こ と も明 らか に な っ たこ レバ ー Hi
は高い肝
機 能 改 善 効 果 を有 す る こ とか ら. そ れ らの機 能 性
成 分 の検 索 を さ らに追 及す る 予定 で あ る こ
いず れ に して も,レバ ー Hi
は酵 素 分 解 され た低
分 子 ペ プチ ドか らな るた め に,消 化性 お よび吸収
性 に優 れ , 高齢 者 や乳 幼 児 の た め の健 康 食 品 と し
て, あ るい は病 人の み な らず 健常 人や スポ ー ツ選
手 の体 力増 強 食 品 素材 と して 高 度 で 幅 広 い利 用 が
期 待 で きる。
文
献
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