宮崎大学学術情報リポジトリ Title Author(s) Citation URL LDを用いたLDVシステムの小型化とガス流動計測 田坂, 英紀; 前田, 裕司; 友松, 重樹 Memoirs of the Faculty of Engineering, Miyazaki University, 35: 223-228 http://hdl.handle.net/10458/439 Date of Issue 2006-08-30 Right Description LDを用いたLDVシステムの小型化 とガス流動計測 2 2 3 LD を用いた LDV システムの小型化 とガス流動計測 田坂 英紀 l )・ 前田 裕司 2) ・友松重樹 3 ) Mi iat m ur iz eo fLI ) VSys t e mbyLa s e rDi o deandGa sFl o wMe a s uI ℃me nt f i i d e no iTAS r AKA,Yu j iMAEDA, S hi g e k i TOMOMATS U Ab s t r ac t No w, ma ki ngt ol o wpo nut i o na n dl o wf ue lc o ns m pt u io ne ng inea rer e que s t e df ro mpr o bl e ms I ti si mpo rt n tt a ounde r s t n d, a and s uc hase nv ir o nme nt l po a nut i o nanddn, ngupo i fr e s o ur c e . t oc l a i& r g a sf lo wi na n e ng inei nd e t a lt i oa c h i e v et hi sde mand.The r ei sLas e rDo ppl e r o c i me t e r( LDV)aso neo ft heme a nt ome as ur eg asf lo w. I tc anbes idt a ha ti ti so neo ft he Ve l le x i bi hb, t o e fe c iveme t hdst t omi ni at ri u z et hee nt ir eLDVde ic v eandt ohpmV eme aS ur ingf me as ur eag asf lo wi na ne ng ineb yus ngt i hi sf ea t ur e . e nus e dasal ig hts o ur c eo f LDVc hang e di nt o I nr e c e ntye ar s , HeNel as e rwhi c hhass ohrbe La紀rDi o de( LD)byt hede v e l o pme nto fas e ic m o nduc t o re l e me nt , a nda_ g mt em im iat ur iz a t i o n wasa bl et obea c hi e v e d.The n,wem i ni at ur i z e dt hee nt i r eLDV d e ic v ei nc l udi ngLD l i ht g s o ur c ei nt hi sye r' a sr e s e a mh. Asar e s ul t , A l eLDVd e vi c ewa smi ni a t u iz r e db yu s i n gLDf o rt hel i hts g o u r c e , nd6 a 7% r e d u c ngwa i s a b l et ot 光a C h i e v e db yv o l u memo r et ha n t hep a s to n e ・Mo r e o v e r ,i twa sa bl et ot 光S h o n t w ha t mini a t ur iz e dLDLDVwa se fe c t i v ei nt heme a s u r e me n ti na ne n g l n e . 1 . まえがき 2 .L DV小型化 レーザ ドップラ流速計 ( I DV) の特徴の一つ として, 現在,内燃機関の低公害化,低燃費化,高効率化が求め 空間的分解能に優れているとい う長所がある。この特徴を られてお り,これ らの要求を実現 させるためには,シリン 生か し,シリンダ内のガス流動を計測するには,Ⅰ . DV ユ ダ内ガス流動の詳細を把握 し,解明することが重要である。 ニ ッ ト全体を小型化 し計測 自由度を向上 させ ることが有 従来の研究 1)では,シリンダ内ガス流動の傾向を把握す 効な手段の一つである。そこで,本研究においては Ⅰ . DV るため, レーザ流速計 ( LDV) を用いて研究を行ってき 光学系から発振 される 2 ビームの間隔を狭めることによ た.しか し,局所的計測であるがゆえ,自由度向上が I DV り, 光源部を含めたLDVユニット全体の小型化を図った。 を有効に使用するための一つの課題 となっている。近年の 研究では,レーザ光源に LDを使用することで小型化をは か り,その有効性が実証 されている 2)。 しか し,光源部以 2 . 1L DVユニッ トの小型化 従来の Ⅰ . DVでは,後方散乱によって計測を行 う場合, 外はまだ小型化の余地があ り,その有効性が実証 されてい 光源部 と受光部が独立 していた。 しか し,今回作成 した ない。 LDV ユニッ トは,光源部 と受光部が一体 となってお り, そこで,本研究では,光源部以外の小型化を実現 し,更 DVの移動が容易に 光学系の調整,計測位置変更に伴 うL なる計測 自由度向上を目指すことを目的 とする。 . DVユニ なった。ここで,参考までに従来使用 していた Ⅰ 1 )機械システム工学科教授 2)機 械システム工学専攻大朝碇生 ッ トを図 1に,新 しいⅠ . DVユニ ットを図 2に示す。 3)機械システム工学科助手 2 2 4 宮 崎 大 学 工 学 部 紀 要 r G e Li g h ts o u Co川 mator l enS otomu l t il i e r P h O p ti c als y s t 即 く ト > ■ l ll 第3 5号 7 T - lI ∪ 図 3 測定体積 図 1 LDVユニ ッ ト ( 小 型化前) よ ユ I 表 1 測定体積 2 5 0 Li g h tS o u r c e ∼ . 愚 妻 i = _∩ I: E j l! , 甘 : f . ' = ' : =口 妄 2 5 mm 5 01 mm 3 . 5 7 6 7. 1 2 5 ASl l L m] 5 . 31 4 8 2. 6 7 2 6 ml l mm] 1 . 3 5 0. 6 7 7 d mbm】 0 . 0 8 4 0. 0 8 5 Be a m 間隔 P h ot omul ti pl i er l I 毒 す ∼ P く 亡 ヽ 一 l ∂ P】 弓 図2 新L DVユニ ッ ト( 小型化後) 干渉縞間隔が約 2. 67〃 . m か ら約 5. 31〃m - と拡大 された。 これは トレーサの粒径 と深 く関係 し,ドップラ信号の検出 2 . 2 ビーム間隔と測定体積 に大きく影響 してくる。信号の検出は LDV計測 を行 う上 今回,LD Vユニ ッ トを小型化 させ るにあた り,ビーム で重要な項 目のひ とつである。測定体積内に複数の トレー 間隔をどれほど縮小 させ ることが望ま しいか,測定体積や サが混在す る状態では d r o po ut現象が起き,信号が検出さ 計測可能流速域な どか ら検討を行い,従来の 5 0mm か ら れない ときがある。 25 mm に縮小 した.まず,測定体積の説明を以下に示+. 現在当研究グループでは,エンジン内ガス流動計測を行 測定体積 とは,図 3に示す ように 2つの入射両光線の光 う際,計測対象であるシ リンダ内に最大粒径でも約 3〃m 差部が ドップラ信号観測可能な領域のことである。測定体 積を表すための定義式を以下に示す。 程度 トレーサを使用 して流体に追従 させている。 0mm の I DVでは,トレーサ粒径 3F Lm に ビーム間隔 5 . 67J Jm で,その比が 1: 0. 9で 対 して,干渉縞間隔が約 2 ビーム径 . ・ W-4人£ /7 t Wo あ り, トレーサ粒径 と同程度 しか干渉縞間隔がない.しか 測定体積の幅 : d m-W/c o sO司 入f /nWoc o s0 し,今回 ビーム間隔を 2 5 mm に したことによって,干渉 測定体積の長 さ :L-W/S n0=4人f i /7 t Wos n0 i 縞間隔が約 5. 31〟m とな り,その比が 1:1 . 8となった。 干渉縞の数 :Np-d m/ A S=2 ( W/A) t ana トレーサ粒径 と干渉縞間隔の関係を見た とき,トレーサ粒 -( 8 f /7 t Wo ) t a na 径が干渉縞間隔の半分か らそれ よりやや大きい時,理論上 ここで, レーザ波長 :九 最 も良質な信号を得 ることができる。 集光 レンズの焦点距離 :f 交差角 . ・ 0 コリメー ト光径 : Wo 干渉縞の間隔 : AS この結果か ら, ビーム間隔 5 0 mm 時には,干渉縞距離 に占める トレーサ粒径の割合が高 く,血℃po ut発生率も高 かったのではないか と予想 され る。 ビーム間隔を 2 5mm ここで,ビーム間隔を 5 0mm か ら 25 mm に したことに よって形成 され る測定体積の変化を表 1に示すと にす ることによって,この問題が幾分改善 され,良質な信 号を得 られや すくなったと考えられ る。 2 2 5 LDを用いたLDVシステムの小型化 とガス流動計測 3 . 性能綿 3. 2 旋回流容器による性能試験 小型化 によ りレーザ光 の ビーム間隔が 5 0 mm か ら 3 . 1 回転円盤による性能試験 25 mm に縮小 されたことに伴い, レーザ光による干渉縞 今年度の研究において,小型化 された LDV装置が,実 間隔が 2 . 67F L m か ら5. 31F L m に拡大 した.ここで,重要 際に問題なく機能 し,正確 に流速を計測することが可能で 視 しなければならないのが,流速測定の際流体に追従 させ あるか確認する必要がある。そこで,理論的に速度が算出 る トレーサの存在である。数値的にみると理論上問題ない できるアクリル回転円盤によってその実験を行った。 と言える。しか し,本当に問題がないか,実際に現在本研 実験方法 としては,図 4に示す ように,モータに取 り付 究で使用 している トレーサ ( グラン ド-ノ t , )を用いた流速 けたアク リル回転円盤 に レーザ光によってできた測定体 測定を試み,確認する必要性がある。そこで,意図的に定 積を当て,この位置か ら中心までの距離 とモータの回転数 常流を発生 させることのできる,旋回流容器を製作 し実験 によって速度を算出 し,これを真値 とした。そ して,真値 を行った。概略を図 6に示す。 と トラッカで信号処理 された電圧か ら求まる速度 とを比 較 した。さらに,今回は流速の方向成分を知ることができ Las e rbe am i nci dentyi nd oy るよう周波数シフタを用いている。そこで,周波数シフタ の有無によって,流速値に差があるなどの影響がないかの 確認も合わせて行い,相対比較 した。 実験結果を図 5に示す。図は,縦軸にそれぞれ周波数シ フタ有 りと無 しの場合の実測値を表 し,横軸を真値 とした。 実験の結果,図か らも分かるように周波数シフタ有 りの場 合,無 しの場合 ともに実測値が理論値 と一致 してお り,小 型化 された LDVが十分に機能 していることがわかった。 以上より周波数シフタの有無に関係なく,新 しい Ⅰ 」 ) Ⅴ 図 6 旋回流容器概略 が流速測定に使用可能であることが言える。 5 0 0, 3 0 0 0 , 6 0 0 0 r pm 実験条件 として, フアン回転数を 1 とし,中心軸か ら±4 0mmまで,1 0mm毎に,計 9箇所 計測地点を設け,それぞれの流速を比較 した。散乱方式 と しては,後方散乱方式を用いた。周方向,軸方向の平均流 速の結果を図 7,舌は1 ノ 強 さの結果を図 8にそれぞれ示す。 図 7,8は縦軸に流速,横軸に中心か らの距離をとってい る。 図 4 回転円盤計損概 略 u]Ll ! 30T 3^ ut a !M ︻sJ 0 4 6 2 8 8 2 02460821 回目 01 21 4) 61 8 1 0 1 21 4】 62 83 l n 拍 ) 其 値( 4 6 2 8 2 40 02 c c 404 0 0 2 一 ● 2 2′ 1 ●・1 : 6 l - ハイレンジ、シフタあり - 其値 . 2 。1 回日 ▲2 回日 .B V 震 鞘 ( S ・ u) : . 0 8 . ミドルレンジ,シフタなし - 夷値 : 2 g1 回日 -0 15 0 0 r p m + 心 ・ ・ ・ 船 ・ 1 6 . 2 0 2 4 _ 2 8 ・ 6 0 5 0 ・ 40・ 30・ 201 1 0 0 1 0 2 0 304 05 06 0 r i n g p o i n t 【 m Me a s u ロ掴 目 図 5 回転円盤計測結果 n] 3 0 0 0 r pm 6 0 0 0 r p r n 場 強 が ㌔ ・ = ・ 6 0 ・ 5 0 40 ・ 3 0 ・ 2 0 ・ 1 001 02 03 04 05 06 0 Me a s 叩n gP Oi n t【 n nl ] 図 7 平均流速 ( 左図 :周方向 右図 :軸方向) 宮 崎 大 学 工 学 部 紀 要 q l 5 つ ム 5 1 一 ヽ 一 つ︼ ・ I O. ︻ s J 主 音SU a l U laCIUaln n L -∼ 1 5 00r pm ベトー1 5 00r pm + 3 000r pm 0 6000r pm . { ト3000r pm + 6000r pm A 4 I . . J- d/A J Y- ン 凡 . ㌔ . A , . I . . . h \ T d r 601 501 40301 201 1 00 1 0203040506 0 Me a s u r i n gp o i n tl mm] C ooH ng water C o mb u s ti o nc h a mb er - - 、≠ _也 _小 〆 一 ′止 i c ndw/ cryli A \ n ・ \・ 主 h . p h 第3 5号 / / ; wi ∩ jack e t o / / G Iass ∫ / :. .. . /L. i p f / l ロ 一 m\廿 . 一〇 一q ー 605 04030201 00 1 0203 0405 060 Me asu nn gp o l n tl r r u n】 r 図 8 舌はし 強さ ( 左図 :周方向 右図 :軸方向) 図 7より,平均流速,乱れ強さともにおおよそ ところは回 転数に比例 して増加 していることが うかがえる。とくに壁 図 9 計測用シリンダ- ツド 面付近では乱れ強 さが増加 している。これは,容器内取 り 付けてある観測用窓よって,容器形状がこの付近で大きく 変形 しているためであると考えられる。また,壁面付近で 4 . 2 実験方法及び実験条件 は流速が減少傾向にある。これは,壁面の摩擦による影響 本研究では,前述の供試機関を機関回転数 1 000r pm, が考えられる。回転数を上げ,流速が増加すると,この兆 機関冷却水 8 0 ℃に設定 し実験条件の同一化 と観測窓の曇 候が顕著に現れていることからも裏付けられる。 り防止を図 り,モータで駆動運転 し流速を計測 した。また, 0 m/ S近 くでも問題なく計測できることが また,流速 3 データ収録区間は圧縮上死点前 9 00 か ら排気上死点後 確認できた。この流速値はフアン回転数,計測位置か ら考 300までの4 800区間について4 0〝S( 0. 24 ?) 毎に 2 000 えても妥当な数値であると言える。よって,エンジン内流 データを収録 し, 母集団数を 1 0 サイクル以上採取 した。 速測定においても十分適用可能であると考えられる。 詳細な実験条件を表 2に,計頚帽: 置を図 1 0にそれぞれ 示す。計頚帽: 置は全 3 9地点で,ピス トン頂面部を Z-0 4 エンジン内ガス流動計測 小型化 した LDVが流速計 として,既存するものと比べ としてある。Z-0の Ⅹ軸上では,軸方向の流速も計測す ることとした。また,Y-1 0 ,Z-1 7の計測位置は,ビー 遜色ない精度で計測できているか, 小型化 したメリットが ム間隔を 5 0mmから25mmにしたことで,集光 レンズ f 十分に発揮 されているかを確認,証明することを最大の目 2 0 0 mmの条件でも計測可能 となった点である。 集光 レンズ f 的とし,エンジン内ガス流動計測を行った。 表 2 エンジン内計測条件 4 . 1 供試機関 本研究で使用 した供試機関は,実験用に改造を加えた三 光源 Ⅰ D ( レーザダイオー ド) 波長 6 63 nm 散乱方式 後方散乱方式 とピス トン- ツ ドの上部にそれぞれ延長 したシ リンダラ 散乱粒子 グラン ド-ル イナ とピス トンを取 り付け,さらに計測用シリンダ- ツド 周波数 シフ ト 8 MHz を取 り付 けて あ る。 ボア ×ス トロー クは 8 4. 0mmX TRACⅠ く ER RANGE 90. 0mm,排気量 498. 5 ∝ で,焼室形状はパンケーキ型 と サンプ リング間隔 なっている。 サンプ リング時間 4 0×2 04 8 〃S シュラウ ド覆い角 1 2 0 0 計測区間 準) ( 圧縮上死点基 BTDC9 0 0- ArDC1740 計測位置 Ⅹ=3 5 -+3 5 ( 5 mm 毎) 周方向 ( 3 9地点) ※図 1 0参照 菱製 R52R 型 4サイクル単気筒エンジンである。 この機 関は,純正のシ リンダ- ツドを取 り外 し,シリンダライナ 計測用シリンダ- ツ ドば,レーザ光を燃焼室内部に入れ るため,側壁部 にシ リンダ中心 を通 る水平面上に直径 36. 0mm の穴が 2つあ り,ガラスの観測窓が設置できる。 図 9に計測用シ リンダ- ツドの概略を示す。 吸気バルブには,シリンダ内にスワールを発生 させるた め,シュラウ ドの覆い角が 1 2 00のバルブを使用 した。 ng h RJ NGE O. 5 5 0 M比 ( 0. 1 V伽mz ) 4 0 〃S ( 2 0 4 8個) Y±0, 1 0 LDを用いたLDVシステムの小型化 とガス流動計測 H H H H ︻ s p ]^ h! o ot a ^ut Z a M 4 03 ふ′ L 0⊥2 . A 0 . ふふ 1 0ふ 0. 人2 ′ L 0 4 2 2 7 1 Y oY彦htJ ) k eV 8 千 / cyl i nd erh e一 T V 〉 ) ⊥ ( 〈 〈 4. 3. 2 周方向についての考察 / X P C s s y t l 図 1 1 ,1 2,1 3に示す周方向平均流速は,Z =1 0,Y±0 の Ⅹ軸上の位置を基準とし,Z =1 7 ,Y=1 0と計測位置を 図1 0 計測位置 移動 させたときの結果について比較を行った。グラフは縦 軸に流速値,横軸に時間経過を示すクランク角をとった。 図1 1 ,1 2において,基本的に計測位置が中心から外側 4. 3 計測結果及び考察 回転円盤,旋回流容器の実験にて,定常状態で小型化 した新 しい LDV が十分に機能 していることが証明でき に行 くにつれて流速 も大きくなるが,もっとも外側 Ⅹ=± 40 mm の計測位置では流速が減少 している。 これはシリ ンダ壁面における摩擦の影響によるものだと思われる。 た。 これを踏まえ,次に非定常 伏態において問題なく機 また,ピス トン上死点前 6 0 0付近,吸気バルブから新 能 しているかの確認を行 う必要性がある。そこで,エン しく気体が吸入 された直後 とい うこともあ り,流速の変動 ジン内ガス流動計測を行った。 が激 しいことがわかる。そ して,上死点後 3 0 0付近から 本研究では,小型化 した Ⅰ . DVが流速計として,既存 は, Ⅹ軸上のどの計測位置においても流速変動が少なく安 するものと比べ遜色ない精度で計測できているか,小型 定 した状態になっている。 とくに中ノ L イ寸近 Ⅹ=0の位置に 化 した効果が十分に発揮 されているかを確執 証明する おいては,ほとんど周方向の流れは発生 していないことが ことを最大の目的として実験を行った。 わかる. しか し,中心より±1 0mm 離れると 5-1 0m/ S の流速が発生 していることから,上死点後 30 0以降は渦 4. 3. 1 既存データとの比較 の中心が Ⅹ=0の位置にあると言える。このような流れを 図1 1に,今年度行ったガス流動計測の流速結果 と, 形成する要因 としてはスワール流の存在が影響 している 既存データとの比較を示す。 これを見る限 り,今回得た ものと思われ る。言い換えれば,本実験で使用 している 流速結果 と過去の結果がほぼ一致 していることがわかるO 1 200 シュラウ ドバルブが効果的にスワール流を形成 し よって,小型化 された Ⅰ . DV が既存するものと比べ遜色 ていると言える。 ない精度で,正確に流速を計測できていると言える。多 また今回,ビーム間隔を 2 5mm にしたことで,Ⅰ . DV 少の誤差が 2つL のデータに生 じる原因としては,エンジ を水平方向に トラバースさせ,Y=1 0の位置での計測が可 ン内ガス流動が,完全な同一条件もとで発生 していない 能 となった.これにより,バルブに近い位置まで測定体積 ことがある。他の原因 としては,ビーム間隔を狭めたこ を持っていくことができ,ガス流動に対するバルブの影響 とによる測定体積の変化や,ノイズの影響などが考えら を調李することが可能 となった。結果を図 1 3に示すムⅩ れる。 軸上の流速 と比較すると,Ⅹ=0から2 0mm まではほぼ同 じような傾向を示 し,Ⅹ=3 0 mm の位置ではⅩ軸上の流速 に比べ,バルブ付近の流速が遅 くなっている。これは,供 2 2 8 宮 崎 大 学 工 学 部 紀 要 試機関がサイ ドバルブであるため,排気バルブが影響 して いるもの と思われる。 図1 4にシ リンダ- ツ ド直下において,その結果を示+. 第3 5号 4. 3. 3 軸方向についての考察 軸方向平均流速の結果を図 1 5に示す。まず,周方向に 比べ非常に小 さい流れであることがわかる。また,圧縮行 おおよその流れの傾向 としてはZ=1 0の時に類似 している 程 において中心付近では周方向 と同 じく周期的変動を伴 が,シ リンダヘッ ド直下では時間が経過 しても各計測位置 った流れであるが,正負の流速域で複雑な流れ となってお における流速に差が少なく,5-1 3m/ Sに集 中している。 り,どの計測位置でも上昇流,下降流な どの明確な平均的 シ リンダ壁面に加 え,シ リンダ- ツ ド面による摩擦や上方 な流れは確認できない と言える。これは,スワール流 によ に流れの行 き場がないことが影響 していると考えられ る。 って形成 されている渦の中心が傾きを持ってお り,圧縮 ・ 膨張過程 においてその位置が複雑 に変動 しているためで あると考えられる。 u]^ 倉 oop^ut 2 a y V ︻sJ [ S \ 丘 > 甘 30t a^uda V V 6 0 1 2 0 】 0 6 0 Cr a n ka n de0l d e g . 1 8 0 図1 5 軸方向平均流速 ( Y=0,Z=1 0) 5 結論 Ⅰ . DV利用価値向上のため小型化を行い,その有効性を 示すべ く定常,非定常状態における計測実験を行った。そ して得 られた結果に基づいて評価を行い,以下の結論を得 た。 ( 1 ) ビーム間隔を 5 0mm か ら 25mm に縮小す ることで LDVユニ ッ ト全体の小型化に成功 し,その有効性を 示す ことができた。 ( 2 )小型化 した Ⅰ . DVによ りエンジン内ガス流動の計測を 図1 3 バルブ付近周方向平均流速 作土0,Z=1 0) 行い,十分に小型化 したことによる効果が発揮でき, エ ンジン内ガス流動の計測範囲拡大に繋がった。 [ S \ ∈︼> 倉 3 0T a ^u t 2 9 M 参考文献 1 )田坂英紀 ・佐藤忠教, 「 内燃機関」, 森北出版 ( 1 995) 2)小原剛, 「レーザーダイオー ド光源による LDV 開発 と計測」, 平成 1 4年度宮崎大学大学院修士論文 3) レーザー計測ハン ドブ ック編集委員会, 「レーザー計 測ハ ン ドブ ック」 , 丸善 ( 1 993) 図1 4 シリンダ- ツ ド真下周方向平均流速 ( Y=0,Z=1 8)
© Copyright 2024 ExpyDoc