View/Open - 宮崎大学

宮崎大学学術情報リポジトリ
Title
Author(s)
Citation
URL
LDを用いたLDVシステムの小型化とガス流動計測
田坂, 英紀; 前田, 裕司; 友松, 重樹
Memoirs of the Faculty of Engineering, Miyazaki
University, 35: 223-228
http://hdl.handle.net/10458/439
Date of Issue 2006-08-30
Right
Description
LDを用いたLDVシステムの小型化 とガス流動計測
2
2
3
LD を用いた LDV システムの小型化 とガス流動計測
田坂 英紀 l
)・
前田 裕司 2) ・友松重樹 3
)
Mi
iat
m
ur
iz
eo
fLI
)
VSys
t
e
mbyLa
s
e
rDi
o
deandGa
sFl
o
wMe
a
s
uI
℃me
nt
f
i
i
d
e
no
iTAS
r
AKA,Yu
j
iMAEDA, S
hi
g
e
k
i
TOMOMATS
U
Ab
s
t
r
ac
t
No
w,
ma
ki
ngt
ol
o
wpo
nut
i
o
na
n dl
o
wf
ue
lc
o
ns
m pt
u
io
ne
ng
inea
rer
e
que
s
t
e
df
ro
mpr
o
bl
e
ms
I
ti
si
mpo
rt
n tt
a
ounde
r
s
t
n d,
a
and
s
uc
hase
nv
ir
o
nme
nt
l po
a
nut
i
o
nanddn,
ngupo
i
fr
e
s
o
ur
c
e
.
t
oc
l
a
i&
r
g
a
sf
lo
wi
na
n e
ng
inei
nd
e
t
a
lt
i
oa
c
h
i
e
v
et
hi
sde
mand.The
r
ei
sLas
e
rDo
ppl
e
r
o
c
i
me
t
e
r(
LDV)aso
neo
ft
heme
a
nt
ome
as
ur
eg
asf
lo
w.
I
tc
anbes
idt
a
ha
ti
ti
so
neo
ft
he
Ve
l
le
x
i
bi
hb,
t
o
e
fe
c
iveme
t
hdst
t
omi
ni
at
ri
u
z
et
hee
nt
ir
eLDVde
ic
v
eandt
ohpmV
eme
aS
ur
ingf
me
as
ur
eag
asf
lo
wi
na
ne
ng
ineb
yus
ngt
i
hi
sf
ea
t
ur
e
.
e
nus
e
dasal
ig
hts
o
ur
c
eo
f
LDVc
hang
e
di
nt
o
I
nr
e
c
e
ntye
ar
s
,
HeNel
as
e
rwhi
c
hhass
ohrbe
La紀rDi
o
de(
LD)byt
hede
v
e
l
o
pme
nto
fas
e
ic
m
o
nduc
t
o
re
l
e
me
nt
,
a
nda_
g
mt
em
im
iat
ur
iz
a
t
i
o
n
wasa
bl
et
obea
c
hi
e
v
e
d.The
n,wem
i ni
at
ur
i
z
e
dt
hee
nt
i
r
eLDV d
e
ic
v
ei
nc
l
udi
ngLD l
i
ht
g
s
o
ur
c
ei
nt
hi
sye
r'
a
sr
e
s
e
a
mh.
Asar
e
s
ul
t
,
A
l
eLDVd
e
vi
c
ewa
smi
ni
a
t
u
iz
r
e
db
yu
s
i
n
gLDf
o
rt
hel
i
hts
g
o
u
r
c
e
,
nd6
a
7% r
e
d
u
c
ngwa
i
s
a
b
l
et
ot
光a
C
h
i
e
v
e
db
yv
o
l
u
memo
r
et
ha
n t
hep
a
s
to
n
e
・Mo
r
e
o
v
e
r
,i
twa
sa
bl
et
ot
光S
h
o
n t
w
ha
t
mini
a
t
ur
iz
e
dLDLDVwa
se
fe
c
t
i
v
ei
nt
heme
a
s
u
r
e
me
n
ti
na
ne
n
g
l
n
e
.
1
. まえがき
2
.L
DV小型化
レーザ ドップラ流速計 (
I
DV) の特徴の一つ として,
現在,内燃機関の低公害化,低燃費化,高効率化が求め
空間的分解能に優れているとい う長所がある。この特徴を
られてお り,これ らの要求を実現 させるためには,シリン
生か し,シリンダ内のガス流動を計測するには,Ⅰ
.
DV ユ
ダ内ガス流動の詳細を把握 し,解明することが重要である。
ニ ッ ト全体を小型化 し計測 自由度を向上 させ ることが有
従来の研究 1)では,シリンダ内ガス流動の傾向を把握す
効な手段の一つである。そこで,本研究においては Ⅰ
.
DV
るため, レーザ流速計 (
LDV) を用いて研究を行ってき
光学系から発振 される 2 ビームの間隔を狭めることによ
た.しか し,局所的計測であるがゆえ,自由度向上が I
DV
り,
光源部を含めたLDVユニット全体の小型化を図った。
を有効に使用するための一つの課題 となっている。近年の
研究では,レーザ光源に LDを使用することで小型化をは
か り,その有効性が実証 されている 2)。 しか し,光源部以
2
.
1L
DVユニッ トの小型化
従来の Ⅰ
.
DVでは,後方散乱によって計測を行 う場合,
外はまだ小型化の余地があ り,その有効性が実証 されてい
光源部 と受光部が独立 していた。 しか し,今回作成 した
ない。
LDV ユニッ トは,光源部 と受光部が一体 となってお り,
そこで,本研究では,光源部以外の小型化を実現 し,更
DVの移動が容易に
光学系の調整,計測位置変更に伴 うL
なる計測 自由度向上を目指すことを目的 とする。
.
DVユニ
なった。ここで,参考までに従来使用 していた Ⅰ
1
)機械システム工学科教授 2)機 械システム工学専攻大朝碇生
ッ トを図 1に,新 しいⅠ
.
DVユニ ットを図 2に示す。
3)機械システム工学科助手
2
2
4
宮 崎 大 学 工 学 部 紀 要
r
G
e
Li
g
h
ts
o
u
Co川 mator l
enS
otomu
l
t
il
i
e
r
P
h
O
p
ti
c
als
y
s
t
即
く
ト
>
■
l
ll
第3
5号
7
T
-
lI
∪
図 3 測定体積
図 1 LDVユニ ッ ト (
小 型化前)
よ
ユ
I
表 1 測定体積
2
5
0
Li
g
h
tS
o
u
r
c
e
∼
.
愚 妻
i
=
_∩
I:
E
j
l!
,
甘
:
f
.
'
=
'
:
=口
妄
2
5
mm
5
01
mm
3
.
5
7
6
7.
1
2
5
ASl
l
L
m]
5
.
31
4
8
2.
6
7
2
6
ml
l
mm]
1
.
3
5
0.
6
7
7
d
mbm】
0
.
0
8
4
0.
0
8
5
Be
a
m 間隔
P
h
ot
omul
ti
pl
i
er
l
I
毒 す
∼
P
く
亡
ヽ
一
l
∂
P】
弓
図2 新L
DVユニ ッ ト(
小型化後)
干渉縞間隔が約 2.
67〃
.
m か ら約 5.
31〃m - と拡大 された。
これは トレーサの粒径 と深 く関係 し,ドップラ信号の検出
2
.
2 ビーム間隔と測定体積
に大きく影響 してくる。信号の検出は LDV計測 を行 う上
今回,LD
Vユニ ッ トを小型化 させ るにあた り,ビーム
で重要な項 目のひ とつである。測定体積内に複数の トレー
間隔をどれほど縮小 させ ることが望ま しいか,測定体積や
サが混在す る状態では d
r
o
po
ut現象が起き,信号が検出さ
計測可能流速域な どか ら検討を行い,従来の 5
0mm か ら
れない ときがある。
25
mm に縮小 した.まず,測定体積の説明を以下に示+.
現在当研究グループでは,エンジン内ガス流動計測を行
測定体積 とは,図 3に示す ように 2つの入射両光線の光
う際,計測対象であるシ リンダ内に最大粒径でも約 3〃m
差部が ドップラ信号観測可能な領域のことである。測定体
積を表すための定義式を以下に示す。
程度 トレーサを使用 して流体に追従 させている。
0mm の I
DVでは,トレーサ粒径 3F
Lm に
ビーム間隔 5
.
67J
Jm で,その比が 1:
0.
9で
対 して,干渉縞間隔が約 2
ビーム径 .
・
W-4人£
/7
t
Wo
あ り, トレーサ粒径 と同程度 しか干渉縞間隔がない.しか
測定体積の幅 :
d
m-W/c
o
sO司 入f
/nWoc
o
s0
し,今回 ビーム間隔を 2
5
mm に したことによって,干渉
測定体積の長 さ :L-W/S
n0=4人f
i
/7
t
Wos
n0
i
縞間隔が約 5.
31〟m とな り,その比が 1:1
.
8となった。
干渉縞の数 :Np-d
m/ A
S=2
(
W/A)
t
ana
トレーサ粒径 と干渉縞間隔の関係を見た とき,トレーサ粒
-(
8
f
/7
t
Wo
)
t
a
na
径が干渉縞間隔の半分か らそれ よりやや大きい時,理論上
ここで,
レーザ波長 :九
最 も良質な信号を得 ることができる。
集光 レンズの焦点距離 :f 交差角
.
・
0
コリメー ト光径 :
Wo 干渉縞の間隔 : AS
この結果か ら, ビーム間隔 5
0
mm 時には,干渉縞距離
に占める トレーサ粒径の割合が高 く,血℃po
ut発生率も高
かったのではないか と予想 され る。 ビーム間隔を 2
5mm
ここで,ビーム間隔を 5
0mm か ら 25
mm に したことに
よって形成 され る測定体積の変化を表 1に示すと
にす ることによって,この問題が幾分改善 され,良質な信
号を得 られや すくなったと考えられ る。
2
2
5
LDを用いたLDVシステムの小型化 とガス流動計測
3
. 性能綿
3.
2 旋回流容器による性能試験
小型化 によ りレーザ光 の ビーム間隔が 5
0
mm か ら
3
.
1 回転円盤による性能試験
25
mm に縮小 されたことに伴い, レーザ光による干渉縞
今年度の研究において,小型化 された LDV装置が,実
間隔が 2
.
67F
L
m か ら5.
31F
L
m に拡大 した.ここで,重要
際に問題なく機能 し,正確 に流速を計測することが可能で
視 しなければならないのが,流速測定の際流体に追従 させ
あるか確認する必要がある。そこで,理論的に速度が算出
る トレーサの存在である。数値的にみると理論上問題ない
できるアクリル回転円盤によってその実験を行った。
と言える。しか し,本当に問題がないか,実際に現在本研
実験方法 としては,図 4に示す ように,モータに取 り付
究で使用 している トレーサ (
グラン ド-ノ
t
,
)を用いた流速
けたアク リル回転円盤 に レーザ光によってできた測定体
測定を試み,確認する必要性がある。そこで,意図的に定
積を当て,この位置か ら中心までの距離 とモータの回転数
常流を発生 させることのできる,旋回流容器を製作 し実験
によって速度を算出 し,これを真値 とした。そ して,真値
を行った。概略を図 6に示す。
と トラッカで信号処理 された電圧か ら求まる速度 とを比
較 した。さらに,今回は流速の方向成分を知ることができ
Las
e
rbe
am i
nci
dentyi
nd
oy
るよう周波数シフタを用いている。そこで,周波数シフタ
の有無によって,流速値に差があるなどの影響がないかの
確認も合わせて行い,相対比較 した。
実験結果を図 5に示す。図は,縦軸にそれぞれ周波数シ
フタ有 りと無 しの場合の実測値を表 し,横軸を真値 とした。
実験の結果,図か らも分かるように周波数シフタ有 りの場
合,無 しの場合 ともに実測値が理論値 と一致 してお り,小
型化 された LDVが十分に機能 していることがわかった。
以上より周波数シフタの有無に関係なく,新 しい Ⅰ
」
)
Ⅴ
図 6 旋回流容器概略
が流速測定に使用可能であることが言える。
5
0
0,
3
0
0
0
,
6
0
0
0
r
pm
実験条件 として,
フアン回転数を 1
とし,中心軸か ら±4
0mmまで,1
0mm毎に,計 9箇所
計測地点を設け,それぞれの流速を比較 した。散乱方式 と
しては,後方散乱方式を用いた。周方向,軸方向の平均流
速の結果を図 7,舌は1
ノ
強 さの結果を図 8にそれぞれ示す。
図 7,8は縦軸に流速,横軸に中心か らの距離をとってい
る。
図 4 回転円盤計損概 略
u]Ll
!
30T
3^ ut
a
!M
︻sJ
0
4
6
2
8
8
2
02460821
回目
01
21
4)
61
8
1
0
1
21
4】
62
83
l
n
拍
)
其
値(
4
6
2
8
2
40
02
c
c
404
0
0
2
一
●
2
2′
1
●・1
:
6
l
- ハイレンジ、シフタあり
- 其値
.
2
。1
回日
▲2
回日
.B
V
震
鞘
(
S
・
u)
:
.
0
8 . ミドルレンジ,シフタなし
- 夷値
:
2
g1
回日
-0
15
0
0
r
p
m
+
心
・
・
・
船
・
1
6
.
2
0
2
4
_
2
8
・
6
0
5
0
・
40・
30・
201
1
0
0
1
0
2
0
304
05
06
0
r
i
n
g
p
o
i
n
t
【
m
Me
a
s
u
ロ掴 目
図 5 回転円盤計測結果
n]
3
0
0
0
r
pm
6
0
0
0
r
p
r
n
場 強 が ㌔ ・
=
・
6
0
・
5
0
40
・
3
0
・
2
0
・
1
001
02
03
04
05
06
0
Me
a
s
叩n
gP
Oi
n
t【
n
nl
]
図 7 平均流速 (
左図 :周方向 右図 :軸方向)
宮 崎 大 学 工 学 部 紀 要
q l
5
つ
ム 5
1
一
ヽ
一
つ︼
・
I
O.
︻
s
J
主 音SU
a
l
U
laCIUaln n
L
-∼
1
5
00r
pm
ベトー1
5
00r
pm
+ 3
000r
pm
0 6000r
pm
.
{
ト3000r
pm
+ 6000r
pm
A
4
I
.
.
J-
d/A
J
Y-
ン
凡
.
㌔
.
A
,
.
I
.
.
.
h
\
T
d
r
601
501
40301
201
1
00 1
0203040506
0
Me
a
s
u
r
i
n
gp
o
i
n
tl
mm]
C
ooH
ng water
C
o
mb
u
s
ti
o
nc
h
a
mb
er
-
- 、≠ _也 _小
〆
一
′止
i
c ndw/
cryli
A
\ n
・
\・
主
h
.
p
h
第3
5号
/
/
;
wi
∩
jack
e
t
o
/
/
G Iass
∫
/
:.
..
.
/L. i
p
f
/
l
ロ
一 m\廿 .
一〇 一q
ー
605
04030201
00 1
0203
0405
060
Me
asu
nn
gp
o
l
n
tl
r
r
u
n】
r
図 8 舌はし
強さ (
左図 :周方向 右図 :軸方向)
図 7より,平均流速,乱れ強さともにおおよそ ところは回
転数に比例 して増加 していることが うかがえる。とくに壁
図 9 計測用シリンダ- ツド
面付近では乱れ強 さが増加 している。これは,容器内取 り
付けてある観測用窓よって,容器形状がこの付近で大きく
変形 しているためであると考えられる。また,壁面付近で
4
.
2 実験方法及び実験条件
は流速が減少傾向にある。これは,壁面の摩擦による影響
本研究では,前述の供試機関を機関回転数 1
000r
pm,
が考えられる。回転数を上げ,流速が増加すると,この兆
機関冷却水 8
0
℃に設定 し実験条件の同一化 と観測窓の曇
候が顕著に現れていることからも裏付けられる。
り防止を図 り,モータで駆動運転 し流速を計測 した。また,
0
m/
S近 くでも問題なく計測できることが
また,流速 3
データ収録区間は圧縮上死点前 9
00 か ら排気上死点後
確認できた。この流速値はフアン回転数,計測位置か ら考
300までの4
800区間について4
0〝S(
0.
24
?)
毎に 2
000
えても妥当な数値であると言える。よって,エンジン内流
データを収録 し,
母集団数を 1
0 サイクル以上採取 した。
速測定においても十分適用可能であると考えられる。
詳細な実験条件を表 2に,計頚帽:
置を図 1
0にそれぞれ
示す。計頚帽:
置は全 3
9地点で,ピス トン頂面部を Z-0
4 エンジン内ガス流動計測
小型化 した LDVが流速計 として,既存するものと比べ
としてある。Z-0の Ⅹ軸上では,軸方向の流速も計測す
ることとした。また,Y-1
0
,Z-1
7の計測位置は,ビー
遜色ない精度で計測できているか,
小型化 したメリットが
ム間隔を 5
0mmから25mmにしたことで,集光 レンズ f
十分に発揮 されているかを確認,証明することを最大の目
2
0
0
mmの条件でも計測可能 となった点である。
集光 レンズ f
的とし,エンジン内ガス流動計測を行った。
表 2 エンジン内計測条件
4
.
1 供試機関
本研究で使用 した供試機関は,実験用に改造を加えた三
光源
Ⅰ
D (
レーザダイオー ド)
波長 6
63
nm
散乱方式
後方散乱方式
とピス トン- ツ ドの上部にそれぞれ延長 したシ リンダラ
散乱粒子
グラン ド-ル
イナ とピス トンを取 り付け,さらに計測用シリンダ- ツド
周波数 シフ ト
8
MHz
を取 り付 けて あ る。 ボア ×ス トロー クは 8
4.
0mmX
TRACⅠ
く
ER RANGE
90.
0mm,排気量 498.
5
∝ で,焼室形状はパンケーキ型 と
サンプ リング間隔
なっている。
サンプ リング時間
4
0×2
04
8 〃S
シュラウ ド覆い角
1
2
0
0
計測区間 準)
(
圧縮上死点基
BTDC9
0
0- ArDC1740
計測位置
Ⅹ=3
5
-+3
5
(
5
mm 毎)
周方向 (
3
9地点) ※図 1
0参照
菱製 R52R 型 4サイクル単気筒エンジンである。 この機
関は,純正のシ リンダ- ツドを取 り外 し,シリンダライナ
計測用シリンダ- ツ ドば,レーザ光を燃焼室内部に入れ
るため,側壁部 にシ リンダ中心 を通 る水平面上に直径
36.
0mm の穴が 2つあ り,ガラスの観測窓が設置できる。
図 9に計測用シ リンダ- ツドの概略を示す。
吸気バルブには,シリンダ内にスワールを発生 させるた
め,シュラウ ドの覆い角が 1
2
00のバルブを使用 した。
ng
h RJ
NGE
O.
5
5
0
M比
(
0.
1
V伽mz
)
4
0 〃S (
2
0
4
8個)
Y±0,
1
0
LDを用いたLDVシステムの小型化 とガス流動計測
H H H
H
︻
s
p ]^ h!
o
ot
a
^ut
Z
a
M
4
03
ふ′
L
0⊥2
.
A
0
.
ふふ
1
0ふ 0.
人2
′
L
0 4
2
2
7
1
Y
oY彦htJ
)
k
eV
8
千
/
cyl
i
nd
erh
e一
T
V
〉
)
⊥
(
〈
〈
4.
3.
2 周方向についての考察
/ X
P
C
s
s
y
t
l
図 1
1
,1
2,1
3に示す周方向平均流速は,Z
=1
0,Y±0
の Ⅹ軸上の位置を基準とし,Z
=1
7
,Y=1
0と計測位置を
図1
0 計測位置
移動 させたときの結果について比較を行った。グラフは縦
軸に流速値,横軸に時間経過を示すクランク角をとった。
図1
1
,1
2において,基本的に計測位置が中心から外側
4.
3 計測結果及び考察
回転円盤,旋回流容器の実験にて,定常状態で小型化
した新 しい LDV が十分に機能 していることが証明でき
に行 くにつれて流速 も大きくなるが,もっとも外側 Ⅹ=±
40
mm の計測位置では流速が減少 している。 これはシリ
ンダ壁面における摩擦の影響によるものだと思われる。
た。 これを踏まえ,次に非定常 伏態において問題なく機
また,ピス トン上死点前 6
0
0付近,吸気バルブから新
能 しているかの確認を行 う必要性がある。そこで,エン
しく気体が吸入 された直後 とい うこともあ り,流速の変動
ジン内ガス流動計測を行った。
が激 しいことがわかる。そ して,上死点後 3
0
0付近から
本研究では,小型化 した Ⅰ
.
DVが流速計として,既存
は,
Ⅹ軸上のどの計測位置においても流速変動が少なく安
するものと比べ遜色ない精度で計測できているか,小型
定 した状態になっている。 とくに中ノ
L
イ寸近 Ⅹ=0の位置に
化 した効果が十分に発揮 されているかを確執 証明する
おいては,ほとんど周方向の流れは発生 していないことが
ことを最大の目的として実験を行った。
わかる. しか し,中心より±1
0mm 離れると 5-1
0m/
S
の流速が発生 していることから,上死点後 30
0以降は渦
4.
3.
1 既存データとの比較
の中心が Ⅹ=0の位置にあると言える。このような流れを
図1
1に,今年度行ったガス流動計測の流速結果 と,
形成する要因 としてはスワール流の存在が影響 している
既存データとの比較を示す。 これを見る限 り,今回得た
ものと思われ る。言い換えれば,本実験で使用 している
流速結果 と過去の結果がほぼ一致 していることがわかるO
1
200 シュラウ ドバルブが効果的にスワール流を形成 し
よって,小型化 された Ⅰ
.
DV が既存するものと比べ遜色
ていると言える。
ない精度で,正確に流速を計測できていると言える。多
また今回,ビーム間隔を 2
5mm にしたことで,Ⅰ
.
DV
少の誤差が 2つL
のデータに生 じる原因としては,エンジ
を水平方向に トラバースさせ,Y=1
0の位置での計測が可
ン内ガス流動が,完全な同一条件もとで発生 していない
能 となった.これにより,バルブに近い位置まで測定体積
ことがある。他の原因 としては,ビーム間隔を狭めたこ
を持っていくことができ,ガス流動に対するバルブの影響
とによる測定体積の変化や,ノイズの影響などが考えら
を調李することが可能 となった。結果を図 1
3に示すムⅩ
れる。
軸上の流速 と比較すると,Ⅹ=0から2
0mm まではほぼ同
じような傾向を示 し,Ⅹ=3
0
mm の位置ではⅩ軸上の流速
に比べ,バルブ付近の流速が遅 くなっている。これは,供
2
2
8
宮 崎 大 学 工 学 部 紀 要
試機関がサイ ドバルブであるため,排気バルブが影響 して
いるもの と思われる。
図1
4にシ リンダ- ツ ド直下において,その結果を示+.
第3
5号
4.
3.
3 軸方向についての考察
軸方向平均流速の結果を図 1
5に示す。まず,周方向に
比べ非常に小 さい流れであることがわかる。また,圧縮行
おおよその流れの傾向 としてはZ=1
0の時に類似 している
程 において中心付近では周方向 と同 じく周期的変動を伴
が,シ リンダヘッ ド直下では時間が経過 しても各計測位置
った流れであるが,正負の流速域で複雑な流れ となってお
における流速に差が少なく,5-1
3m/
Sに集 中している。
り,どの計測位置でも上昇流,下降流な どの明確な平均的
シ リンダ壁面に加 え,シ リンダ- ツ ド面による摩擦や上方
な流れは確認できない と言える。これは,スワール流 によ
に流れの行 き場がないことが影響 していると考えられ る。
って形成 されている渦の中心が傾きを持ってお り,圧縮 ・
膨張過程 においてその位置が複雑 に変動 しているためで
あると考えられる。
u]^ 倉 oop^ut
2
a
y
V
︻sJ
[
S
\
丘 > 甘 30t
a^uda
V
V
6
0
1
2
0
】
0
6
0
Cr
a
n
ka
n
de0l
d
e
g
.
1
8
0
図1
5 軸方向平均流速 (
Y=0,Z=1
0)
5 結論
Ⅰ
.
DV利用価値向上のため小型化を行い,その有効性を
示すべ く定常,非定常状態における計測実験を行った。そ
して得 られた結果に基づいて評価を行い,以下の結論を得
た。
(
1
) ビーム間隔を 5
0mm か ら 25mm に縮小す ることで
LDVユニ ッ ト全体の小型化に成功 し,その有効性を
示す ことができた。
(
2
)小型化 した Ⅰ
.
DVによ りエンジン内ガス流動の計測を
図1
3 バルブ付近周方向平均流速 作土0,Z=1
0)
行い,十分に小型化 したことによる効果が発揮でき,
エ ンジン内ガス流動の計測範囲拡大に繋がった。
[
S
\
∈︼> 倉 3
0T
a
^u
t
2
9
M
参考文献
1
)田坂英紀 ・佐藤忠教, 「
内燃機関」, 森北出版 (
1
995)
2)小原剛, 「レーザーダイオー ド光源による LDV 開発
と計測」, 平成 1
4年度宮崎大学大学院修士論文
3) レーザー計測ハン ドブ ック編集委員会, 「レーザー計
測ハ ン ドブ ック」
, 丸善 (
1
993)
図1
4 シリンダ- ツ ド真下周方向平均流速 (
Y=0,Z=1
8)