3級 学科試験 - 金融財政事情研究会

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2006年度5月実施
ファイナンシャル・プランニング技能検定
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3級 学科試験
実 施 日 ◆ 2006年5月28日(日)
試験時間 ◆ 10:00∼12:00(120分)
★ 注 意 ★
1.本試験の出題形式は,○×式30問,三答択一式30問です。
2.筆記用具,計算器具(プログラム電卓等を除く)の持込みが認められています。
3.試験問題については,とくに指示のない限り,2005年10月1日現在施行の法令
等に基づいて解答してください。
4.試験時間中は,乱丁・落丁,印刷不鮮明に関する質問以外はお受けできません。
5.不正行為があったときは,すべての解答が無効になります。
6.解答用紙の注意事項を必ずお読みください。
7.その他試験監督者の指示に従ってください。
《退席時の注意事項》
試験開始後60分経過した時点で中途退出できます。中途退出をする場合には,監
督者に解答用紙を必ず手渡してください。問題用紙はお持ち帰りください。
試験終了時間10分前からは退出できません。試験終了後,監督者が解答用紙を回
収しますので,着席したままお待ちください。
○この試験の模範解答は5月28日(日)午後5時30分以降,当会のホームページ上で見ることができます。
○7月5日(予定)に受検者全員に合否通知書を送付するほか,当会ホームページ上で合格者の受検
番号を掲載してお知らせします。
(http://www.kinzai.or.jp/ginou/)
厚生労働大臣指定試験機関 社団法人 金融財政事情研究会
〒160-8529 東京都新宿区南元町19 TEL.03-3358-0771
【第1問】 次の各文章((1)~(30))を読んで,正しいものおよび適切なものには①を,誤って
いるものおよび不適切なものには②を,解答用紙にマークしなさい。
〔30問〕
(1) ファイナンシャル・プランナーのAさんは,Bさんから相続対策の相談を受けた。相続
税の負担を軽減したいというBさんの要望が非常に強いので,Aさんは顧客の立場に立つ
のが第一と考え,Bさんが保有している無記名の割引債券について,保有者が特定されに
くいことでもあり,相続財産から除外できるとアドバイスした。
(2) 健康保険などの職域保険の被保険者およびその被扶養者,生活保護を受けている世帯を
除いて,市町村または特別区の区域内に住所がある人は,全員が国民健康保険の被保険者
となる資格を有するが,加入するか否かは任意である。
(3) 公的介護保険の被保険者は,市町村または特別区に住所がある65歳以上の第1号被保険
者と,市町村または特別区に住所がある40歳以上65歳未満の医療保険に加入している第2
号被保険者に分かれる。
(4) 個人年金は,受取方法によって,一般に,被保険者が生存している限り年金を受け取る
ことができる「終身年金」
,被保険者の生死に関係なく一定期間だけ年金を受け取ることが
できる「有期年金」
,一定期間中被保険者が生存している限り年金を受け取ることができる
「確定年金」に大別できる。
(5) 国民生活金融公庫を通じて行われる「国の教育ローン」の教育一般貸付は,返済期間が
原則として最長10年,融資限度額が学生・生徒1人につき200万円以内,金利は固定金利で
ある。
(6) 家族のリスクマネジメントを考えるに際して,生命保険への加入を検討する場合,世帯
主が死亡するリスクは考慮しなければならないが,配偶者が死亡するリスクは考慮する必
要はない。
(7) 生命保険会社が経営破綻に陥った場合,生命保険契約者保護機構に加入していれば,す
べての保険契約について,保険金額,年金額,給付金額等は100%補償される。
(8) 生命保険の保険料は,
運用によって予定される収益分が一定の利率で割り引かれており,
この割引に使用する利率を予定利率という。したがって,予定利率を高く見込むと,保険
料は安くなる。
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〈2006.5 3級・学科〉
(9) 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)では,自動車事故によって他人を死傷させた場
合の損害賠償やガードレールなどの「モノ」に対する損害賠償および加害者自身の車やケ
ガについての損害などが補償対象とされている。
(10) 個人事業主が,事業用の建物,営業用什器・備品について火災で損害を受けたことによっ
て損害保険契約に基づく保険金を受領した。その保険金は,全額が事業所得として課税対
象となる。
(11) 一般に,景気の拡大局面においては,企業の生産活動や販売活動が活発になり,設備投
資などに向けるための資金需要が増加し,金利が上昇する。
(12) 証券投資信託の受益者が,信託期間中に換金する方法には,買取請求と解約請求とがあ
る。
(13) 表面利率が2%,残存年数が1年の債券(額面100円)を99円で取得した場合の単利最終
利回りは,2%である。
(14) 外貨預金において,顧客が外貨を円貨に交換する時に適用される為替レートをTTSとい
い,逆に顧客が円貨を外貨に交換する時に適用される為替レートをTTBという。
(15) 上場会社に関するインサイダー情報を有しているその会社の役員は,その重要事実が公
表された後であっても,当該会社の株式の売買を行うことは禁止されている。
(16) 所得税は,一部の所得を除き原則として総合課税とされ,各種所得の金額を合計した総
所得金額に対する税額を計算する。その税率は,超過累進税率となっており,所得が増え
るほど税率が高くなる構造になっている。
(17) 居住者であって非永住者に該当しない個人については,国内において生じた所得か国外
において生じた所得かを問わず,原則として所得税の課税対象とされ,納税義務を負う。
(18) 個人のゴルフ会員権の譲渡益が所得税の長期譲渡所得に該当する場合には,譲渡益を限
度とする最高50万円の特別控除を受けることはできない。
(19) 所得税額の計算において,小規模企業共済等掛金控除は,算出税額から支払った掛金の
全額を控除することができる税額控除の一つである。
〈ファイナンシャル・プランニング技能検定〉
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(20) 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡は,原則として消費税の課
税対象となる。
(21) 不動産の登記事項証明書とは,登記事務がコンピュータ化された登記所で,従来の不動
産の登記簿謄本または抄本に代わるものとして交付を受けることのできる証明書である。
(22) 「建物の区分所有等に関する法律」
(区分所有法)の規定は,居住用の区分所有建物に関
して適用されるものであり,店舗・事務所のみの区分所有建物に関しては適用されない。
(23) 個人が,譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地・建物等を譲渡した
場合の課税長期譲渡所得金額に対する税率は,特別の優遇税率の適用を受ける場合を除い
て,所得税15%,住民税5%の合計20%である。
(24) 事業用借地権は,もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的として,存続期間が20年
以上として設定される借地権である。
(25) 会社型の不動産投資信託は,投資法人が投資証券を発行して投資家から資金を調達し,
この資金や借入金などで主として不動産に投資するものである。
(26) 死因贈与によって取得した財産は,贈与税の課税対象となる。
(27) 成年後見制度は,認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力が不十分である人
が,財産管理や契約等の法律行為を自分で行うことが困難である場合などに,これらの人
を保護・支援する制度である。
(28) 相続や遺贈によって財産を取得した人が,その相続開始前3年以内にその相続に係る被
相続人から財産の贈与を受けている場合であっても,
「贈与税の配偶者控除」
の適用を受け
た控除額に相当する部分の価額は,相続税の課税価格に加算されない。
(29) 遺産の総額(相続税の課税価格の合計額)が遺産に係る基礎控除額を超える場合におい
て,
相続税額の計算を行ったときに,
納付すべき税額が算出される相続人または受遺者は,
相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に相続税の申告書を提出しなけ
ればならない。
(30) 被相続人の死亡によって,相続人(相続の放棄をした人や相続権を失った人を除く)が
受け取った生命保険金の保険料の負担者が被相続人である場合には,一定の金額までは相
続税が非課税となっている。
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〈2006.5 3級・学科〉
【第2問】 次の各文章((31)~(60))の(
)内にあてはまる最も適切な文章,語句,数字ま
たはそれらの組合せを1)~3)のなかから選び,その番号を解答用紙にマークしなさ
い。
〔30問〕
(31) キャッシュフロー表は,現在の収支状況や今後のライフイベントをもとに将来の収支状
況や貯蓄残高等を予想して表形式にしたものであるが,キャッシュフロー表における可処
分所得は,一般に,収入から所得税・住民税と(
)を差し引くことにより把握する。
1) 基本生活費
2) 住宅ローン返済額
3) 社会保険料
(32) 退職後に毎年一定額を受け取りたいと思っている人が,退職時に必要な元本(目標貯蓄
額)を確保するため,これから退職まで複利で運用しながら積立を続けるとした場合,毎
年必要となる積立額は,積立期間および利率に応じて,
「目標貯蓄額×(
)
」により
求めることができる。
1) 減債基金係数
2) 年金終価係数
3) 年金現価係数
(33) 国民年金の保険料に関し,学生納付特例制度,若年者納付猶予制度,法定免除,申請免
除により保険料の免除を受けた被保険者等は,年金の支給を受けるまでの間であれば,最
長
(
)
前まで遡って保険料免除期間の全部または一部について保険料を追納できる。
1) 2年
2) 5年
3) 10年
(34) 過去に厚生年金保険に加入したことがあったが,最後の被保険者期間が国民年金の第3
号被保険者だった人は,老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給するための裁定請求書を,原
則として(
)に提出する。
1) 住所地の市区役所または町村役場
2) 住所地を管轄する社会保険事務所
3) 最後の勤務先管轄の社会保険事務所
〈ファイナンシャル・プランニング技能検定〉
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(35) 現金に代わる決済手段として種々のカードが発行されているが,一般に銀行等のキャッ
シュカードをそのまま使って,加盟店での買い物等の利用代金がそのつど即時に利用客の
銀行等の口座から引き落とされる仕組みのものを(
)と呼んでいる。
1) クレジットカード
2) デビットカード
3) プリペイドカード
(36) 簡易保険の加入限度額(16歳以上の場合)は,原則として被保険者1人当り( ① )
万円であるが,
20歳以上55歳以下で加入後4年以上を経過している場合,
一定条件のもと,
既契約の保険金額を含めて最高( ② )万円まで加入できる。
1) ① 500
② 1,000
2) ① 1,000
② 1,300
3) ① 1,000
② 1,500
(37) 総合福祉団体定期保険は,契約者を団体とし,被保険者を団体の所属員とする(
)
更新の定期保険で,団体が定める福利厚生規程の支払財源を確保することを目的とした保
険である。
1) 1年
2) 5年
3) 10年
(38) 契約者(保険料負担者)
・被保険者を夫,死亡保険金受取人を妻とする定期保険特約付終
身保険で,夫の死亡により3,000万円の死亡保険金が妻に支払われた場合,相続税の課税価
格に算入される金額は,
(
)である。なお,夫の法定相続人は,妻と子A,子Bであ
り,子Bは相続の放棄をしている。
1) 2,500万円
2) 2,000万円
3) 1,500万円
(39) 医療に対して保障を用意する際,
( ① )として用意する方法,
( ② )として用意
する方法の2種類が考えられる。
( ① )として準備したとすると,手軽に準備でき管理
も楽ではあるが,主契約の解約に伴い医療保障が( ③ )ことに注意しなければならな
い。
1) ① 医療特約
② 医療保険
③ 減額される
2) ① 医療特約
② 医療保険
③ なくなる
3) ① 医療保険
② 医療特約
③ 短くなる
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〈2006.5 3級・学科〉
(40) 損害保険の保険料は,大数の法則,収支相等の原則などのほか,損害保険は補償を目的
としているため,被保険者は支払われる保険金により利益を得るものではないという
(
)の原則に基づいて計算される。
1) 保険料即収
2) 利得禁止
3) 保険料不可分
(41) 経済成長率とは,一国の経済がどの程度成長しているかをみるもので,現在は通常,
(
)を指す。
1) 国民総所得(GNI)の成長率
2) 国内総生産(GDP)の成長率
3) 国民総生産(GNP)の成長率
(42) 投資信託の受益者が負担する投資信託のコストには,
購入時の販売手数料とその消費税,
および運用や管理の対価として支払う(
)などがある。
1) 口座管理手数料
2) 信託報酬
3) コンサルティング料
(43) ある投資家が,平成18年に同一銘柄の追加型株式投資信託を基準価額10,000円で3口,
12,000円で2口,計5口購入した場合,この投資家の個別元本は(
)と計算される。
なお,この投資家は,購入後収益分配金は受け取っていないものとし,また,この投資家
には購入時信託財産留保額の徴収はないものとする。
1) 10,000円
2) 10,800円
3) 11,000円
(44) 投資において,株式,債券,外貨建資産,預貯金等の資産クラスによる資産配分のこと
を,一般に(
)という。
1) アセットアロケーション
2) デリバティブ
3) スワップ
〈ファイナンシャル・プランニング技能検定〉
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(45) 証券会社自身の財産と証券会社が顧客から預かっている資産は,原則として分別保管さ
れているので,証券会社が破綻した場合でも,顧客の資産は顧客に返還されることになる
が,分別保管の義務に反する等何らかの事情により,顧客の資産を円滑に返還できない場
合などに備えて,
(
)の仕組みが設けられている。
1) 預金保険制度
2) 保険契約者保護機構制度
3) 投資者保護基金制度
(46) 公的年金等の収入は所得税の雑所得に該当し,公的年金等控除を受けることができる。
次のうち,所得税における公的年金等に該当しないものは(
)である。
1) 過去の勤務に基づき使用者であった者から支払われる年金
2) 郵便局の取り扱う年金保険
3) 老齢基礎年金,老齢厚生年金
(47) 会社に勤務していた人が退職により受け取る退職手当等は,
恒常的な所得ではないため,
収入金額から( ① )を控除し,その控除後の残額の( ② )が所得税の退職所得の
金額となる。
1) ① 給与所得控除額
② 全額
2) ① 退職所得控除額
② 2分の1
3) ① 50万円の特別控除額
② 2分の1
(48) 所得税の不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち,
(
)
に相当する部分
の金額は,損益通算の対象とならない。
1) 固定資産税・都市計画税
2) 貸家の修繕費等
3) 土地等を取得するために要した借入金の利子
(49) 医療費のうち,所得税の医療費控除の対象にならないものの例としては,
(
)があ
る。
1) 一般的な義歯の購入費用
2) 保健師による療養上の世話の対価
3) 人間ドックなどの健康診断の費用(疾病は発見されなかった)
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〈2006.5 3級・学科〉
(50) 所得税では,一定の所得について源泉徴収制度を採用しており,給与所得については,
その給与の支払者が,支払時に所定の所得税を源泉徴収し,原則として(
)までに
納税者に代わって納税する。
1) 当月末
2) 翌月10日
3) 翌月末
(51) 下図は相続税についての路線価図の一部であるが,この図からは,
(
)であるとい
うことがわかる。
360D
1) 路線価が1㎡当り360千円
2) 固定資産税評価額が1㎡当り360千円
3) 路線価が3.3㎡当り360千円
(52) 不動産取引について宅地建物取引業者と結ぶ媒介契約には,
「一般媒介契約」
「専任媒介
契約」
「(
)
」の3種類がある。
1) 専属媒介契約
2) 専属専任媒介契約
3) 特殊媒介契約
(53) 都市計画法の市街化区域内では,原則として土地の面積が(
)㎡以上の開発行為
を行う場合には,都道府県知事等の許可を受けなければならない。
1)
1,000
2)
3,000
3) 10,000
(54) 所得税における不動産所得の計算上,
(
1) 減価償却費
2) 不動産所得に係る所得税
3) 貸地の取得に係る借入金の利息
〈ファイナンシャル・プランニング技能検定〉
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)は必要経費として認められない。
(55) 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」
の規定により,
新築住宅の売買契約においては,
売主は買主に引き渡した時から(
)年間,住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた
瑕疵について担保責任を負う。
1) 1
2) 2
3) 10
(56) 一般の贈与税の計算では,
( ① )については贈与税の課税価格に算入せず,その年の
1月1日から12月31日までの1年間に贈与により取得した財産の価額の合計額を計算し,
この合計額から( ② )を差し引いた後の課税価格に贈与税の税率を乗じて贈与税額を
計算する。
1) ① 非課税財産
② 基礎控除額や配偶者控除額
2) ① 住宅取得資金
② 非課税財産
3) ① 生命保険金
② 在外財産
(57) 個人が贈与を受け,贈与税について暦年課税制度を選択した場合,その年中に贈与を受
けた財産の価額の合計額が(
①
)を超えるときは,原則として贈与を受けた年の
( ② )までの間に,贈与を受けた人が贈与税の申告を行わなければならない。
1) ① 110万円
② 年末
2) ① 110万円
② 翌年2月1日から3月15日
3) ①
② 翌年2月16日から3月15日
38万円
(58) 遺言書を発見した相続人は,遺言者の死亡後,遅滞なくその遺言書を( ① )に提出
して,検認を請求しなければならないが,
( ② )遺言については検認の手続をする必要
がない。
1) ① 簡易裁判所
② 自筆証書
2) ① 地方裁判所
② 秘密証書
3) ① 家庭裁判所
② 公正証書
(59) 相続や遺贈によって財産を取得した者の相続税額から差し引かれるもの(税額控除)と
して,
(
)
,配偶者に対する相続税額の軽減,障害者控除,外国税額控除がある。
1) 贈与税額控除,未成年者控除,相次相続控除
2) 遺産に係る基礎控除,贈与税額控除,相次相続控除
3) 債務控除,遺産に係る基礎控除,生命保険料控除
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〈2006.5 3級・学科〉
(60) 相当の地代方式による地主とその同族会社との土地の賃貸借契約は,地価の( ① )
が前提であり,この方法は同族会社に( ② )が徐々に移ることを利用した相続対策と
いえる。
1) ① 安定
② 借家権
2) ① 低下
② 借地権
3) ① 上昇
② 借地権
〈ファイナンシャル・プランニング技能検定〉
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