第3章 1 計画の基本理念と目標 基本理念 %を超える「超高齢社会 」となり 、年 々高 齢化が進んでいる 。この傾向は 、いわゆる「 団塊の世代 」が今後 、高齢者世代と なることもあり 、 一層進んでいくものと予想される 。 わが国では平成 19 年に高齢化率 21 、 、 一方 核家族化に伴う独居高齢者の増加や認知症高齢者の増加など 高齢者を 、 、 取り巻く社会環境は大きく変化しており 加えて高齢者への虐待 振り込め詐欺 、 や悪質商法に代表される金銭問題等 高齢者に対する権利侵害が大きな社会問題 となっている 。 、 、 「 こうした諸問題等の解決には 各行政施策等による支援のほか いわゆる 地 」 、 、 域力 による支援が重要な役割を果たすものと思われ また 高齢者誰もが住み 「 」 、 慣れた環境で 尊厳ある生活 を営むことが 更なる地域の活力向上にも寄与す るものと考える 。 、2015 年(平成 27 年 )の高齢者像を念頭におき 、本市が目指すまち づくりの基本理念を以下のように掲げ 、その実現に向けて推進していくこととす る。 そのため 基本理念 高齢者一人ひとりが自分らしく 22 、笑顔で過ごせるまち 2 基本目標 本市では ていく 。 、 次の項目を基本理念実現のための基本目標とし 、 各施策を展開し (1 )安全で安心できる暮らしの支援 高齢者の方が安全で安心して暮らしていくことができる社会づくりのた 、保健・福祉施策のみならず市民 、医療機関 、地域の社会資源(インフォ ーマルサービス等 )が 、それぞれの役割を果たしながら一体となり 、地域全 体で高齢者を支えあう システム の確立に取り組む 。 特に今後増加が予想される独居高齢者や 、認知症高齢者の尊厳ある生活実 現のため 、見守り体制等を整備し 、家族からの相談等への対応及び夜間や緊 急時の対応の一層の充実を図る 。 め (2 )生活の質的向上を目指した効果的・効率的な支援 、高齢者の立場に立っ た適切な サービス 提供を行うため 、居宅 サービス や地域密着型 サービス の充 実に努めるとともに 、介護給付等費用の適正化等による介護保険制度の円滑 な運営に取り組む 。 また 、それぞれの個別 ニーズ に対応した効果的・効率的な サービス 利用促 進のため 、ケアマネジメント の質的向上に努めるとともに 、地域支援事業を はじめとする各種福祉施策の実施により 、高齢者の方がより質の高い生活を 送ることができるように支援する 。 可能な限り自立した生活を送ることができるように (3 )地域で自分らしく 、楽しく過ごすことができる生活の支援 高齢者の方が住み慣れた地域の中で自分らしく 、楽しく過ごしていくため に 、生きがいづくりや社会参加を支援するとともに 、自らの知識や経験を地 23 域の中で生かすことができる環境づくりに取り組む 。 、 健康で生き生きとした生活を送ることができるよう 、 予防給付や地域 支援事業など介護予防の取組を推進するほか 、 総合的・継続的に支援するため 地域包括支援 センター 機能の充実を図るとともに 、 保健・医療・福祉等の関係 機関による ネットワーク 構築を推進する 。 また 3 基本目標達成のための今後 3 年間 年度 )の重点施策と具体的方策 (平成 21 年度 ~ 平成 23 、第 4 期事業計画期間内に次の 8 項目を掲げ 、 重点施策として取り組んでいく 。 基本目標の達成のために 今後3年間の重点施策 総合的介護予防システムの構築 地域包括ケアシステムの充実 認知症対策の推進 高齢者の地域活動や社会参加促進 権利擁護・虐待防止 介護保険サービスの質の向上 介護人材の育成・確保 療養病床の円滑な転換 (1 )総合的介護予防 システムの構築 ア 保健・医療・福祉の連携 、 一体的に取り組むことで 、 高 齢者や家族の ニーズ に 、 より対応した効果的・効率的な支援を目指す 。 保健・医療・福祉等関係機関が連携し 24 イ 地域支援事業の新たな展開 、 認知症高齢者や独居高齢者の増加や 虐待等社会問題が表面化する中 地域支援事業について次のように一部見直し等を行い 体で支えていく ① システムづくりを目指す 。 、 、 高齢者を社会全 介護予防一般高齢者施策 、 介護予防教室の実施回 数を増やす等 、地域住民の方が幅広く参加できるよう体制整備を図る 。 また 、 早めからの介護予防への取組を促すために 、 保健 センター を 主体に 、 既存の健康教室等のほか 、 新たに運動器の機能向上を目指し た通所による体操教室を試行的に導入することとする 。 なお 、 第 4 期計画においては実施する各事業の評価分析への取組を 強化し 、 必要に応じ事業の見直し等を行い 、 施策の適切な運営に努め ることとする 。 介護予防に関する理解・知識を深めるため ② 介護予防特定高齢者施策 第 3 期事業計画期間内では を大幅に下回ったが 、特定高齢者数・施策利用者数が見込み 、 新規の要介護等認定者が依然として毎年多数出 現する現状からも生活機能が低下している又はそのおそれがある高齢 。 要介護状態となることを予防 しいつまでも自立した生活が送ることができるよう 、 訪問等による積 極的な生活機能評価受診の勧奨等 、 施策全般に実施体制の強化を図る こととする 。 なお 、 介護予防一般高齢者施策同様 、 第 4 期計画においては実施す る各事業の評価分析への取組を強化し 、 必要に応じ事業の見直し等を 行い 、 施策の適切な運営に努めることとする 。 者は地域に相当数いるものと思われる 25 ③ 家族介護支援事業 、高齢者及び介護者を問わず一体的に参加 を促すために 、 介護予防教室に一本化することとする 。 家族介護者交 流事業については 、 介護者の負担軽減・介護者間での情報共有等を図 るため 、 引き続き実施することとする 。 なお 、 従来一般高齢福祉施策の家族介護支援事業として展開してき た家族介護用品支給事業 、 及び在宅寝たきり家族介護慰労金支給事業 については 、 財源の安定的な確保の観点も踏まえ 、 順次地域支援事業 として実施することとする 。 家族介護教室については ④ その他事業 認知症高齢者等の増加に伴い社会問題となっている高齢者の権利侵 、 害については 成年後見制度利用支援事業の一層の利用推進を図る等 未然防止体制の強化を図る 。 、 、福祉用具・住宅改修支援事業については 、 高齢者やその家族 の ニーズ に一体的に支援する観点から 、 地域包括支援 センター が実施 する総合相談支援事業等に集約することとする 。 なお 、 食の自立支援事業等については 、 引き続き実施する 。 また ウ 高齢者福祉事業の展開と見込み 、充 実した生活を送ることができるよう 、 地域の各団体の協力のもとに 、 生 きがいづくりや社会参加を促進する 。 高齢者が活動しやすい場や役割を 提供することにより 、サービス の受け手としてだけでなく 、 担い手とな ることができる地域社会づくりを行う 。 今後ますます高齢化 、 核家族化が進む中で 、 支援を求める内容が多様 化している現状を踏まえ 、 それぞれの ニーズ に対応できるよう事業の展 高齢者が地域社会において長年培った豊かな経験と知識を生かし 26 。 また 、 必要に応じ随時事業の見直しを行い 、事業の適 正実施を目指す 。 開を図っていく ① 生活支援施策 ( ( ( ( ( ア サービス事業 新宮地域における 、公共交通機関の利用ができない地区に住む高齢 者を対象とした 、地域内の医療機関への送迎を継続するとともに 、地 域内の生きがいづくり活動を行う施設等への送迎を実施し 、心身の健 康づくりを支援する 。 イ 軽度生活援助事業 独居高齢者等の生活を支援するために 、 日常生活を営む上で必要 な軽作業を対象として 、シルバー 人材 センター に作業を依頼し 、 在 宅生活への支援を行う 。 ウ はり 、きゅう及び マッサージ施術費助成事業 70 歳以上の高齢者の健康状態を維持するために 、 はり 、 きゅう及 び マッサージ の施術を受けたときの費用の一部を助成することによ り健康への意識向上を図り 、活動的な生活を送るための支援を行う 。 エ 福祉電話貸与事業 経済上の理由から電話のない独居高齢者に電話機を貸与し 、 安否 確認や各種相談が行える体制を整備する 。 オ 高齢者 バス利用費助成事業 高齢者の通院 、 娯楽 、 買い物等の外出の機会を増やすために 、 移 動手段となる バス の利用にかかる費用の一部を助成することにより 、 引きこもりの防止を図り 、 心身ともに健康で活動的な生活を送るこ とができるよう支援する 。 なお 、 外出支援 サービス 事業及び高齢者 バス 利用費助成事業につ ) 外出支援 ) ) ) ) 27 、 現在 、 市で拡張を検討している デマンドタクシー と連携し て 、 より効果的に事業が推進できるよう努める 。 いては カ ( ) 生活管理指導短期宿泊事業 、 社会的適応が困難な状況にある在宅高齢者について 一時的な短期 宿泊施設への入所により日常生活についての指導及び支援を行なう ② 。 緊急通報体制等整備施策 ( ア ) 緊急通報 サービス事業 、 緊急時に対応できる体制 を整備するとともに簡易相談のできる システム を形成する 。 また 、モデル 事業で実施した 「 児童見守り システム」 を基に 、 よ り効果的な安否確認を含めた見守り 、緊急対応 システム を構築する 。 独居高齢者宅に緊急連絡装置を設置し ③ その他施策 ( ア ) 高齢者生活福祉 センター 山間地域の高齢者福祉の拠点としてより長く在宅生活が送れるよ サービスを行っていく 。 イ 生活支援 ハウス う在宅支援 ( ) 、 一時的な生活の場 を提供するとともに 、 生活管理指導を併せて行い 、 安心して在宅生 活を送ることができるよう支援する 。 独居高齢者等の生活の不安を解消するために ( ウ ) 敬老事業 長年にわたり社会の発展に寄与してきた高齢者を敬愛し 祝福するために敬老会を開催する 、 長寿を 。 また 、 長寿者に敬老祝い金を給 、敬老の意を表する 。 <敬 老 会 > 75 歳以上の高齢者を対象に開催する 。 <敬老祝い金 > 80 歳 、米寿 、90 歳 、白寿 、100 歳以上の高齢者 に給付する 。 付し 28 ( エ ホーム入所措置 入院加療を必要とせず 、 環境上や経済上の理由により在宅生活が 困難な高齢者に対して 、 心身の健康保持と生活の安定を図るために 入所措置等の対応に努める 。 ) 養護老人 エ インフォーマルサービスの活用 高齢者に対して 、 地域における支援を高めるために 、 民生児童委員に よる福祉に関する連絡・支援体制の整備や 、ボランティア や住民 グルー プ等による地域活動 (インフォーマルサービス)の育成と支援に努め 、 その活用や連携のための体制の整備を図る 。 オ 住民意識の向上 、地域全体が関心を持ち あう コミュニティ 形成が重要である 。地域の様 々 な機関との連携のもと 、 幅広い地域 ケアネットワーク を構築していくことによって 、 地域の隅 々 にまで理解がいきわたり 、 住民全体の意識の向上を図るものとする 。 高齢者の社会参加促進や介護予防に関しては (2 )地域包括ケアシステムの充実 ア 地域包括支援 センター機能の充実 センターを設置し 、包 括的支援事業 ( 総合相談支援事業 、 権利擁護事業 、 介護予防 マネジメン ト事業 、包括的・継続的 マネジメント 事業 ) を実施しているが 、 認知症 高齢者や独居高齢者の増加 、 虐待等高齢者の権利侵害の社会問題化等に 伴い 、 これらに対し総合的・継続的に支援する機関及び地域の介護予防 拠点として 、今後その役割はますます重要になってくるものと思われる 。 本市では平成 18 年 4 月に市直営で地域包括支援 29 、第 4 期計画期間内においては 、次のようにその機能の一 層の充実を図ることとする 。 ① 認知症に関する相談支援体制の強化を図る 。 ② 相談後の見守りによる状態把握等事後 フォロー 体制の強化を図る 。 ③ 虐待や金銭詐欺等問題に対し 、 成年後見制度の積極的活用等 、 高齢 者の権利擁護に関する相談支援体制の強化を図る 。 したがって 、地域包括支援 センターでは 、平成 19 年 4 月から介護予防支援業 務を併せて実施しており 、 引き続き公平・中立な立場での マネジメント 業務に努め 、 適正な介護保険給付を推進するとともに 、 介護支援専門員 等従事者の一層の質的向上に努める 。 また 川之江地域 【地域包括支援センター設置図 】 土居地域 伊予三島地域 川之江支所 土居支所 本庁地域包括 支援 センター 新宮地域 新宮支所 イ センターの活用 在宅介護支援 センター は 、 従来から地域住民に身近な場所として 、 高 齢者に対し 、 福祉に関する情報提供・相談を行ってきており 、 こうした 在宅介護支援 30 ノウハウは 、今後も活用していくことが重要である 。したがって 、 第 4 期計画においても 、 引き続き地域包括支援 センター を補完する窓口 として 、 地域密着型の相談・支援機能を中心に 、 地域住民への身近な協 力機関として位置づける 。 ウ 関係機関のネットワーク構築 要援護の高齢者が 、 住み慣れた自宅や地域で安心して生活するために は 、 地域で総合的に支えあう仕組みが必要である 。 地域包括支援 センタ ーでは 、民生児童委員 、 自治会 、ボランティア、保健・医療・福祉の専 門家 、サービス 事業所 、 生活 センター、 警察 、 司法 、 行政等の関係機関 と連携し 、ネットワーク の構築に努めており 、 第 4 期計画においても引 き続き充実を図る 。 エ 支援者の質的向上 関係機関の ネットワーク を有機的に機能させるためには 、 構成員各自 が情報を共有し 、 共通認識を持つ必要がある 。 地域包括支援 センター を 中心に定期的に ケース 会議を開催したり 、研修会を実施することにより 、 支援者全体の資質の向上を図っていく 。 また 、 主任介護支援専門員による介護支援専門員への相談支援体制の 整備にも取り組む 。 オ 情報提供・情報共有 地域 ケアシステム が円滑に機能するためには 、 関係各機関が社会資源 や利用者に係る情報等を共有し合い 、 相互が共通認識のもと一体的な支 援を展開することが不可欠である 。 各保健福祉制度や社会資源に関する情報等については 、パンフレット や社会資源 マップ( 仮称 ) の作成を行うとともに 、 当該情報の周知体制 を整備する 。 なお 、 個人情報の活用に際しては 、 今後もその保護に十分な配慮を行 実績や 31 う必要がある 。 (3 )認知症対策の推進 、 、 近年認知症高齢者は増加の一途をたどっており 厚生労働省によると 2005 、2015 年(平成 27 年 )には 250 万人に急増すると予測されて いる 。 これらの状況を反映し 、 本市においても高齢者相談の中で 、 寝たきり 等に関する内容にくらべて 、認知症に関する相談内容が大幅に増加している 。 しかし相談を受けた際に 、 医療機関を受診していない 、 介護保険 サービス の利用がない 、 家族介護は限界に達している場合が多数見受けられることな どから 、 認知症を正しく理解し 、 早期発見・早期対応につながるような取組 を推進していく必要がある 。 年現在 169 万人 ア 認知症の正しい理解 、 認知症を正しく理解 し 、 偏見を取り除くことである 。 そのために 、 認知症の理解 、 認知症の 予防 、 早期発見・早期対応等についての講演会の開催や 、リーフレット や パンフレット の作成・配布等による普及啓発活動を行うことが重要で ある 。 認知症対策を進めていく上で最も重要なことは イ 、早期発見・早期対応 認知症については 、 生活習慣の改善等により予防可能なものも多く 、 また 、 早期に適切な治療を行うことで進行を緩やかにしたり 、 原因疾患 の治療により大幅に症状が改善された例も少なくないため 、 認知症を早 期に発見し 、 医療機関での受診や介護 サービス 利用等の対応を行うこと が不可欠である 。 したがって保健・医療・福祉等関係者の連携を強化し 、 情報共有によ 予防 32 る早期発見・早期対応等ができるように体制の整備に努めるとともに 相談支援体制の一層の充実を図ることとする 。 、 ウ ネットワークづくり 、 市内のど の窓口においても一貫した対応ができるように 、 関係職員については 、 研修による スキルアップ と綿密な連絡体制及び情報共有化を図ることが 重要である 。 また 、 地域のかかりつけ医や サポート 医との連携体制づくりや認知症 の程度に応じた包括的・継続的な サービス の提供 、 認知症家族会の設立 や家族交流会等家族への支援体制づくり 、 認知症 サポーター や近隣同士 が連携して行う地域での見守り体制の構築など 、ネットワーク づくりの 推進が必要である 。 認知症について気軽に相談できる窓口を開設するとともに (4 )高齢者の地域活動や社会参加促進 ア 生きがいづくり(閉じこもり・うつ予防対策の推進) 加齢による身体機能の衰え 、 仕事の喪失 、 家族・社会との交流の減少 等は閉じこもりを招き 、 うつの引き金にもつながっていくことがあるた め 、 日頃から高齢者が生きがいをもち 、 充実した生活を送っていくこと が大切である 。 そのために 、 高齢者が集う場や 、 積極的に参加できる活 動の場の充実をはかることにより 、 社会的な孤立となる要因を予防し 、 肉体的・精神的な健康や生きがいづくりにつなげていく必要がある 。 イ 地域住民活動の育成・指導 、見守り推進体制 、生涯学習や スポー ツ活動 、趣味の活動等に積極的に参加していくことなどによって 、 生き 高齢者が充実した心豊かな暮らしを送るためには 33 がいのある生活をしていくことも重要である 。 、高齢者自身が サービス の受け手としてだけでなく 、 担い手になることも期待されており 、 豊富な経験や能力を活かしながら 気軽に社会参加 、 活動ができるしくみを構築する必要がある 。 また 、 地域の各施設等が相互に連携し 、 高齢者が社会参加できるしく みを確立するとともに 、 自治活動等を通じての近隣住民相互による見守 り・助け合いについて支援等を行っていく必要がある 。 地域においては ウ ふれあいいきいき サロン活動支援 、 社会福祉協議会で行っている 「 ふれあいいきいき サロン」は 、 生きがいや仲間づくりを目的に 、 誰もが気軽に参加できる 。 そして 、 そ の支援を通じて高齢者が楽しく穏やかに時間を過ごし 、 相互の交流や活 動していく中で 、 孤独感を解消し 、 閉じこもりを防ぐだけでなく 、 認知 症予防体操等を活用することによって 、 認知症予防効果も期待すること ができる 。 現在 エ ボランティア活動支援 、ボランティア 活動は 、 既に地域や社会を支 える有用な システム となりつつある 。 そのため 、 今後は ボランティア を 必要とする人 、ボランティア 活動に参加したい人それぞれの ニーズ を的 確に把握し 、ボランティア 組織の育成と支援をすることにより 、 参加者 高齢化が進んでいく中で が地域にその活動の輪を広げていくことができるような体制づくりが必 。 また 、ボランティア 活動は 、 人 々 に生きがいを感じさせ 、 喜びや心の ゆとりが心身の健康につながることから 、 高齢者の生きがい活動の場と しても期待でき 、 高齢者が自ら率先して ボランティア 活動を発展・継続 要となる 34 させることのできる体制づくりを目指していく必要がある オ 。 社会福祉協議会の役割 々 な問題を把握し 、 行政や保健・医療・福 祉の各専門機関と協議を行いながら 、 解決にむけての具体的な取組を行 っていくとともに 、 介護保険事業をはじめ高齢者在宅福祉支援活動や介 護予防活動 、ボランティア 活動等をより充実させ 、 地域の見守り・助け 合い体制がより拡充されるよう 、 各機関の要となる役割を果たす必要が ある 。 地域で暮らす上で起こる様 (5 )権利擁護・虐待防止 平成 18 年 4 月から「 高齢者虐待防止法 」の施行に伴い 、行政の役割が明 確化された 。 虐待に関する相談は 、 年 々 増加傾向にあり 、 個 々 の ケース について 、 多 くの問題が複雑に重なり合い 、介入や干渉ができにくい家庭内等での出来事 であることから 、対応の難しさがある 。このため 、体制の整備が求められて いるところである 。 ア 早期発見・早期対応 、 住民一人ひとりが知識や理解 を深めることが重要である 。したがって住民への普及啓発活動の充実や 、 相談窓口の明確化等相談体制の整備等に取り組む必要がある 。 また 、 高齢者に接する機会の多い ホームヘルパー や ケアマネジャー な どの介護従事者 、 通所施設等の福祉関係者 、 医師や保健師などの医療関 係者等に対して研修の機会をつくり 、 理解を深め問題意識を高めていく 必要がある 。 問題を早期に発見・対応するためには 35 イ ネットワークづくり・各支援体制整備 地域包括支援 センター が中心となり 、 高齢者と関わりのある住民・関 係機関との ネットワーク 化を図り 、 発見から調整までの一貫した サポー ト体制の整備を推進する 。 また 、ネットワーク の整備に併せ 、 介護者に対する支援や各制度 成年 後見制度 、 地域福祉権利擁護事業 、 やむを得ない事情による老人福祉措 置等 の利用促進を図る 。 ( ) ウ 事後 フォロー体制の整備 再発の防止等の観点から 、 定期的な支援内容の見直しや 、虐待を行っ ケア、 新たな問題に対する早期発見・早期対応を行う 等 、 相談後においても継続的に関わりを持ち 、 必要な支援を行うことが 重要である 。 したがって 、 第 4 期計画においては 、 在宅介護支援 センター、 保健 セ ンター、民生児童委員 、 地域住民及び各 サービス事業所等関係機関等と の連携による見守り支援 、 事後 フォロー 等の体制の整備に努める 。 ていた家族等への (6 )介護保険サービスの質の向上 ア 介護給付等費用適正化事業 住民が負担する介護保険料や税金が 、 真に要介護認定者の自立支援に サービス に使われるよう 、介護給付等に要する費用の適正化は 重要な課題となっている 。 平成 20 年 3 月に県が策定した「 愛媛県介護給付適正化 プログラム」に 基づき 、 県と保険者が一体となって適正化の取組を進め 、 介護給付の適 正化の一層の推進を図るものとする 。 主要適正化事業は次の 5 項目である 。 つながる 36 ① 認定調査状況 チェック 現在介護保険担当課では 3 名の専属の認定調査員を雇用し 、調査を 。 専属の調査員のほか市直営の居宅介護支援事業所や地域 包括支援 センター、 保健 センター 等の ケアマネジャー などにも適宜調 査を依頼し 、 市の直営率を上げているが 、 その割合は全体の 4 分の 1 程度にとどまっている 。 今後は専属調査員の増員を図るとともに 、 委 託分の認定調査結果の チェック ・点検をこれまで以上に充実させる 。 また 、認定審査の適正化として 、一次判定から二次判定への軽重度変 更率の合議体間の平準化に向けた取組を行う 。 ② ケアプラン の点検 利用者の自立支援に資する適切な ケアプラン であるか等に着目した ケアプランの点検を実施する 。 行っている ③ 住宅改修の点検 住宅改修の事前相談の際 導・助言等を行う 認作業を行う ④ 。 、必要に応じ施工者や ケアマネジャー に指 。 また 、 担当職員による事前訪問調査や改修後の確 医療情報との突合・縦覧点検 国保連合会介護給付適正化 び縦覧点検を行う ⑤ 。 システムを活用し 、 医療情報との突合及 介護給付費通知 現在も行っている介護給付費通知を引き続き実施する 。 3 ヵ月に 1 サービス 利用者へ介護給付費通知を送付し 、 給付金額や回数を確認 してもらうことにより架空請求や過剰請求を防止する 。 回 37 イ 介護相談員派遣事業(ふれあい相談員) 、 訪問相談活動により利用者の要望 、不満 、悩み等を介 護 サービス 事業者につないでいくという橋渡しの役目を担い 、 介護 サー ビスの改善、向上につなげている 。平成 20 年度は「ふれあい相談員 」と して 18 名委嘱しており 、介護保険施設( 介護老人福祉施設・介護老人保 健施設・介護療養型医療施設 ) 及び グループホーム や居宅 サービス 事業 所等を 2 人 1 組で定期的に月 1 ~ 2 回訪問している 。 平成 19 年度におい て訪問施設数 22 ヵ 所 、相談延件数 5,260 件となっている 。また 、月 1 回 ふれあい相談員連絡会を開催し 、 活動報告 、 情報の提供・共有 、 提言を することにより連携を図っている 。 今後も市民からの相談に応じることにより 、 介護 サービス の質的向上 への働きかけ 、 認知症対策をはじめとする利用者及び家族の権利擁護の 促進 、 地域包括 ケア に関わっていく等様 々 な役割を担っていくことが期 待される 。 介護相談員は ウ 苦情相談体制整備 介護保険制度等に関する相談 、サービス 利用に関する苦情等は引き続 、また高齢者に関する総合相談や権利擁護に ついては地域包括支援 センター を窓口とする 。 苦情は内容に応じて当事者から事情を聞き 、調査のうえ早期の解決を図 る 。このうち保険者で解決に至らない事例については 、愛媛県 、愛媛県国 民健康保険団体連合会 、愛媛県介護保険審査会との連携により解決を図る 。 き本庁及び各支所福祉窓口 エ 四国中央市介護支援専門員連絡協議会 四国中央市介護支援専門員連絡協議会は 、介護支援専門員に関する専門 的教育及び研究を通してその専門性を高め資質・職業倫理の向上及び介護 38 保険に関する知識・技術の向上と各職種間の連携・情報交換を図ることを 、平成 16 年 9 月に設立され 、平成 20 年度会員数は正会員 229 名 、 賛助会員 27 事業所である 。 介護支援専門員は要介護者等の生活を支える要であり 、 より利用者の立 場に立った質の高い サービス 提供のため 、その資質向上が一層期待される 。 また 、 高齢者を取り巻く環境の変化や多様化する ニーズ 等への対応を求 められることで 、 大きな精神的負担となっている現状もあり 、 会員相互の 連携により 、 情報や問題意識の共有及び事例検討による解決策の模索を図 るなど介護支援専門員への支援が重要となっている 。 今後 、 介護支援専門員連絡協議会がますます発展し 、 会員相互の支援体 制が強化されていくことが望まれる 。 目的に (7 )介護人材の育成・確保 近年 、 我が国においては 、 少子高齢化の進行や世帯構成の変化 、 国民の ライフスタイルの多様化等により 、国民の福祉・介護 サービスへの ニーズ が増大するとともに 、 認知症等に対するより複雑で専門的な対応が求めら れるなど 、 質的にもより多様化 、 高度化している状況にある 。 これらの ニ ーズ に対応する福祉・介護人材は 、質・量の両面において一層の充実が求 められている 。 限られた労働力の中から 、 国民の ニーズ に的確に対応でき る質の高い福祉・介護人材を安定的に確保していくことは緊急の課題であ 、福祉・介護制度を維持する上で 、不可欠の要素であるといえる 。 「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本 今般 、 的な指針 」 が改正され 、 経営者 、 関係団体等並びに国及び地方公共団体が 行うべき人材確保のための取組が改めて整理された 。 この指針では 、 り ① 就職期の若年層から魅力ある仕事として評価・選択されるようにし さらには従業者の定着の促進を図るための 39 「労働環境の整備の推進 」 、 ② ③ ニーズに的確に対応し 、 質の高い サ ービスを確保する観点から 、 従業者の資質の向上を図るための 「キャリ アアップの仕組みの構築 」 今後ますます増大する福祉・介護 サービスの仕事が今後の少子高齢社会を支える働き がいのある仕事であること等について理解し 、 福祉・介護 サービス 分野 への国民の積極的な参入・参画が促進されるための 「 福祉・介護 サービ スの周知・理解」 国民が福祉・介護 、 ④ 介護福祉士や社会福祉士等の有資格者等を有効に活用するため 潜在的 「 有資格者等の掘り起こし等を行うなどの 潜在的有資格者等の参入の促 進 ⑤ 」 サービス 分野において 、新たな人材として期待される 、 他 分野で活躍している人材 、高齢者等の「 多様な人材の参入・参画の促進 」 福祉・介護 、 福祉・介護人材確保のために関係者が連携して 行うべき取組を整理している 。 また 、平成 20 年通常国会において「 介護従事者等の人材確保のための介 護従事者等の処遇改善に関する法律 」が成立し 、 「介護従事者の処遇改善の ための緊急特別対策 」 として 、 平成 21 年度介護報酬改定率を 「 3.0 %」 と することが決定された 。 今後さらなる介護従事者の人材確保や処遇改善が図られるよう 、 市とし ての取組について検討を進めて行くこととする 。 の5つの視点を柱として (8 )療養病床の円滑な転換 ア 療養病床の再編成について 病院 、 診療所の病床のうち 、 医学的な管理のもとに療養を行う療養病 床については 、 現在 、 医療保険の適用となる医療療養病床と 、 介護保険 の適用となる介護療養病床がある 。 国は医療構造改革の一環として 、 平 40 、この療養病床を再編成する方針である 。 具体的には 、 介護保険適用の介護療養病床は全廃 、 医療保険適用の医 療療養病床は縮小することとし 、 これらの全廃 、 縮小された施設は 、 介 護老人保健施設等の介護保険施設への転換を進める 。 本市における療養病床からの転換については 、 愛媛県地域 ケア 体制整 備構想及び愛媛県地域保健医療計画との整合性を確保し 、 必要定員総数 を計画に見込むこととする 。 成 23 年度末までに イ サービス の提供と相談体制の構築 療養病床の再編成にあたっては 、 現在 、 療養病床を利用している患者の行 き場がなくなることがないよう 、 また 、 将来にわたって 、 医療・介護の適切 な サービス が継続して提供されるよう考慮し 、 取組む必要がある 。 退院患者 の処遇については 、転換等を行う病院 、診療所が主になり行うこととなるが 、 市では地域包括支援 センター が窓口となり支援体制を構築することとする 。 退院患者への適切な介護 41 ▼ 施策の体系 基本理念 高齢者一人ひとりが自分らしく 、笑顔で過ごせるまち 基本目標 3 年間の重点施策 総合的介護予防 安全で安心できる システムの構築 暮らしの支援 地域包括 ケアシステムの充実 認知症対策の推進 生活の質的向上を 目指した効 果的・効 高齢者の地域活動や社会参加の 率的な支援 促進 権利擁護・虐待防止 地域で自分 らしく 、 介護保険 楽しく過ご すことが サービスの質の向上 できる生活の支援 介護人材の育成・確保 療養病床の円滑な転換 42
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