合金の凝固の際に起 る容積變化 に就て(第3報) 單一共 晶型 - J-Stage

第10號 合 金 の凝 固 の際 に起 る容 積 變 化 に就 て(第3報) 519
合 金 の凝 固 の 際 に起 る容 積 變 化 に就 て(第3報)
單 一共 晶型 合金 系 に關 す る研 究(Ⅲ)
高
瀬
孝
夫*
Takao Takase:
On the Volume Changes of Some Eutectic Alloys, Cd-Bi, Pb-Sn, Pb-Sb and
Cd-Zn Systems, during Solidification,
(1). The mixture rule is applicable for the volume change during solidification of four eutectic alloys of the
Pb-Sn, Cd-Zn, Pb-Sb and Sn-Zn systems.
(2). The mixture rule does not apply for the volume change of the Cd-Bi system, that is, the actual volume
shrinkageis larger than the calculated value because its specificvolume in liquid state is larger than the calculated value.
(3). In the Pb-Sn system, as the mixture rule is applicable for the specific volume in the solid and liquid
states, the volume shrinkage is calculated, the values of which agree well with the observed values by the author, but
not with the Goodrich's. Regarding this disagreement, the author has given some elucidations.
(4). In the Pb-Sb system, the volume change is also calculated, the values of which Agreewell with the
Goodrich's result.
(5). Since the mixture rule is applicable for the specific volume of the solid and liquid states of the Cd-Zn
system, the volume shrinkage during solidification is calculated.
This alloy system is so volatile and has large solidification interval that observation of the volume shrinkage
by Honda's thermo balance is difficult.
(6). It is proposed that relation curves between the volume changes during solidification and compositions
in the simple eutectic alloy systems may be divided into four types.
(Received June 4, 1938)
し,計 算 値 との差 が, 0.002, 37cc, 2.18%で
Ⅰ.緒
言
極 めて 大 きい 。
依 つ て,著 者 は この 原 因 を明 らか にす る爲, Cd-Bi合
金
び
系 全 系 に 亘 り,凝固 に際 し ての容 積 變 化 を測 定 した 。そ の
Sn-Bi兩 合 金 系 の凝 固の 際 に起 る容 積 變 化 の實 測 値 が,
結 果,獨 り共 晶合 金 の み な らず,こ の 系 の い づ れの 合 金
著者 は,第1報(1)及
び 第2報(2)に
於 てPb-Cd及
混合の法 則 に よつ て 求 めた 計 算 値 と よ く一 致 す る事 を 報
も,そ の 凝 固收 縮 量 が 混 合 比 に よる計 算 値 よ り極 めて大
告 して 置 いた。
き い。 この 事 實 は,本 合金 系 の液 相 に 於 け る比 容 が,混 合
本第3報 は,斯 る 事 實が 他 の單 一 共 晶型 合 金 系 に存 在
す るか 否か に就 て,先 づPb-Sn,
及びCd-Biの5合
Zn-Cd,
Pb-Sb,
Sn-Zn
金 系の 共 晶合 金 につ き,凝 固 に際 して
比 に よる計算 値 よ り極 めて 大 きい事 に基 因 す る もの で,
凝 固時 又は 凝 固 後 に基 因せ ざる事 を確 證 し得 た 。 斯 る事
に述 べ た 方 法 に よ
實 は,合 金 の凝 固 に 際 して 起 る容積 變化 を計算 に よつ て
求む るに 當 り,液相 に 於 け る比 容 が,凝 固收 縮 量 に大 な る
つて,混合 比 に よ り容積 變 化 を算 定 した 。 この際,上 記 の
影 響 を 及ぼ す 一 例 で,極 め て 重 要 且 興 味 あ る事實 と云 は
5合 金 系 を選 んだ の は,之 等 合 金 系 の成 分 金 屬 は,い づ
ね ば な らぬ。
の容量變 化 量 を測 定 し,續 い て第1報
れ も,比較 的低 融 で あ る爲,計 算 に必 要 なデ ターが,今 日
迄 多 くの測 定 者 に依 つ て精 密 に測 定 され 且 それ 等 の結 果
が可成 良 く一致 して 居 る爲 で あ る。
之等5合 金 系 の 結 果 に よ る と, Cd-Bi系
の共 晶合 金 以
次に, Pb-Sn系
及びPb-Sb系
に就 き,液 相 及 び 固 相
に於 け る比 容が 混 合 比 に よる計算 値 に よ く一致 す る事 實
を確 か め て,凝 固時 の容 積變 化 を算 定 し た。Pb-Sn系
に
就 て は,既 に第1報
測
の緒 言 で述 べ た如 く, Goodrichの
外 は,總 て,實 測 値 が混 合 比 に よ る計 算 値 と よく一 致 し,
定結 果が あ る。彼 の結 果 に よる と,凝 固 收 縮 率 と成 分 と
凝 固に際 して 起 る容 積變 化 に混 合 の法 則 が適 用 出來 る。
の 關 係 は 曲線 的 で あつ て, Pb50%,
然 る に, Cd-Bi系
の み は凝 固 收 縮 量 の 實測 値 が 混 合 比
Sn50%合
金 附近 に
收 縮率 の最 少値 が あ り,又 合 金 全 體 を通 じで凝 固收 縮 率
に よる計算 値 よ り極 め て大 き い.即 ち,こ の共 晶 合 金 の
に凝 固範 圍 の影 響 が判 然 して ゐ ない。 この 事 實 を彼 は,
凝固變 容量 は,計 算 値 で は0.001, 02cc, 0.95%の
液 相 に於 け る合金 の混 合 状 態 の特 異 性 に よ る もの と考 へ
て 居 る。 然 し,そ れ に對 し首 肯 出來 る證 明 を與 へ て居 な
示 す可 きに,實 測 値 で は0.001, 35cc, 1.23%の
膨脹 を
收 縮 を示
い 。 依 つ て,著 者 は,本 合金 系 に就 き,凝 固 收縮 と成 分 と
*大
阪帝 國 大學 金 屬工 業 研 究 所
(1)
高 瀬,本
誌, 2 (1938),
77.
(2)
高 瀬,本
誌, 2 (1938),
134.
。
の關 係 を計 算 に よつ て求 め,次 い で, Pb60%及
び共晶
合金 の著 者の實測値が計算値 とよく一致 する事 を確か め
520 研
た 。Goodrichは,
Pb100∼75%合
Pb-Sb系
究 に就 て も亦,凝 固 收 縮 率 を
_??_
Toepler
金 に就 き測 定 した の で あ る が,そ の 結
果 は上 記Pb-Sn系
vl=0.152,
の 場 合 に 比 すれ ば,著 者 の 計 算 値 と
40cc で あ る か ら,上2式
よ く一致 す る。 但 し收縮 率-成 分 曲線 に 於 て,共 晶 を挾 ん
でPb側
第2巻
松 山博
よ り
に,著 者 の結 果 の 如 く,凝 固範 圍の 最大 な る固溶
限度 成分 に,收 縮 率 の最 大 値 が 存 在 して 居 ない の は,純 鉛
•@ Vs=0.143,
10cc,
•Ý
30cc
V=0.009,
及び_??_
士
(凝固收 縮率)
の凝 固收 縮 率 の測 定 値 が,著 者 並 び に從 來 迄 の他 の 測 定
=6.1%を
得 る。
者 に よる結 果 よ り大 きい 爲 と考 へ ら る。
又Sbに
續 い て,凝 固時 に起 る容 積 變 化 の測 定 が 困難 と考 へ ら
於 て は,
る 玉合 金 系 に就 き,豫 め固 相 及 び 液 相 に於 け る比 容 の實
測 値 と,混 合 比よ り求 めた 計 算 値 との關 係 を知 れ ば,凝 固
の 際 に起 る容 積 變 化 を容 易 に求 め得 る事 の 一例 として,
Zn-Cd合
金 系 に就 き計 算 を行 つ た。Zn-Cd系
は,蒸 發 し
易 い爲,凝 固 收縮 量 の實測 が 困難 と考 へ られ,且Znの
多
い 合金 は,凝 固 範 圍が 相 當大 きい 爲,著 者 の如 く熱天 秤 法
に よつ て,凝 固 收 縮 量を正 確 に測 定 す る事 及 び,こ の 合金
に適 當 な媒 液 を得 る事 等 困難 な もの と想像 さる。
以 上,各 代 表 的 合金 系 の結 果 か ら考 察 して,單 一共 晶型
合 金 系 の凝 固 の際 に起 る容積 變 化 と成 分 との關 係 曲線 を
4種 類 に分 け て見 た。 而 し て,各 々の 種 類 に屬 す る代 表
Fig,
的 合 金 系 を擧 げ て,單 一 共 晶 型 合 金 系 の凝 固 の際 に起 る
29.
容 積 變 化 の研 究 を終 へ る事 に した。
_??_松 山博士
Ⅱ.實 驗 並 び に 計 算 結 果
(1)
共
晶
著 者 は, Pb-Sn,
の5合
合
Vl=0.15375cc 金
Zn-Cd,
Pb-Sb,
Sn-Zn,及
に述 べ た 計算
Table
法 に よつ て,混 合 比 に よ る凝 固 變 容 量 を算
21cc, ∂V=-0.001,
46ccを
士
得 る。
次 に,成 分金 屬 の 固 體 及 び 融 體 の 膨 脹 係 敷 は, Table 20
びCd-Bi
金 系 の 共 晶 合 金 に 就 き,夫 々凝 固 に 際 し て の 容 積
變 化 を測 定 し,續 い て第1報
松 山博
で あ る の で, Vs=0.155,
に示 す デ ター を採 用 した 。
20.
The Mean Expansion
Coefficients
of Pure
Metals.
定 した 。 以上5合 金 系 の共 晶 成分,共 晶點
及 び 共 晶 點 に於 け る 各 成 分 金 屬 の 溶 解 度
は, Fig. 29の 平衡 圖 に示 す 通 りで あ る。 勿
論 之 等 平衡 圖 はHansenの
著 書(16)に あ る
もの を採 用 した。 計 算 に必 要 な,各 金 屬 の
凝 固 點 に於 け る融 體 及 び 固 體 の 比 容V1及
Vsは, Pb, Sn, Cd, Biの4金
屬 は 第1
報Table
3に 示 す 著 者 の 實 測 値 を採 用 し, Zn及
Toepler(24)及
びSbは
び 松 山 博 士(25)の 實 測 結 果 を 見 る と,次 の 事
項 が 知 られ て 居 る の で,凝 固 變 容 量 の 計 算 に 必 要 な デ タ
ー は 總 て ,計 算 に よつ て 容 易 に 求 め 得 る 。
即 ち, Znに
於 て は,
Fig. 30∼34は,上
21∼25は
記5共
晶 合 金 の 實 測 結 果 で, Table
混 合 比 に よ る計 算 値 と實 測 値 と の 比 較 で あ る。
之 等 の 結 果 よ り,共 晶 合 金 の 凝 固 點 の 融 體 及 び 固 體 の
比 容,及 び 凝 固 に 際 し て の 比 容 變 化 量,同 變 化 率 は,實 測
値 と 計 算 値 がCd-Bi合
金 系 を 除 い て は,い づ れ も良 く一
致 す る事 が 判 る 。
(3) Toepler, Ann. d. Phys. u. Chem., 5 (1894), 343.
(4) 松 山,金 屬 の 研 究, 6 (1929), 410.
※ こ の 數 値 を 用 ひ て
,松 山 博 士 はVlを
計 算 し,そ の 計 算
値 が 博 士 の 實 測 値0.152, 40ccと
よ く一 致 す る 事 を 確 か
め て 居 られ る。
Cd-Bi合
金 系 の 共 晶 は,計 算 で は0.001,
の 膨 脹 を 示 す が,實 測 で は0.001,
示 し,そ の 差 が0.002,
37cc,
35cc,
2.18%で
02cc, 0.95%
1.23%の
收縮 を
極 め て 大 き い 。この
相 違 は,液 相 に 於 け る比 容 が 計 算 値 よ り極 め て 大 き い事
第10號 合 金 の凝 固 の 際 に起 る容 積 變 化 に就 て(第3報) 521
に基 因 す る もの と考 へ ら る ゝが,更
に確 證 を得 る爲 に,本 合 金 系 の各 成
分 合 金 に就 き,凝 固 變 容 量 を測 定 し,
詳 し くその 原 因 を確 か めて 見 た。 次
項 は その 結 果 で あ る。
(2) Cd-Bi合
金系
Table 26及 びFig. 35∼36は,凝
固變 容 量 と成 分 乃 至 状態 圖 との 關 係
を示 す 實 驗 結 果 で あ る。Cdは 凝 固
の際 收 縮 し, Biは 膨 脹 す るの で,凝
Fig.
30.
Fig.
32.
固變 容 量 と成分 乃 至状 態 圖 との 關 係
曲線 はSn-Bi系
Fig.
Fig.
33.
Table
21.
Pb-Sn
System.
Table
22.
Cd-Zn
System.
Table
23.
Pb-Sb
System.
31.
Fig.
に 類 似 す る もの と
34.
522 研
Table
•¦
The
Eutectic
26.
究 Table
24.
Sn-Zn
Table
25.
Cd-Bi System.
第2巻
System.
The Volume Change of the Cd-Bi Alloys during Solidification (Observed)
Temp.
of the
Cd-Bi
Alloys
is
144•‹.
想 像 され る が,
晶
に混 合 比 に よる計 算 値 と實測 値 との比 較 で,實 測 値 が計
算 値 よ り凝 固收 縮 量 が極 め て大 きい 。 共 晶 に よ る容 積變
に於
化 は實 測 値 では收
實 測 で は,共
よ りCd側
て, Cd 80%附
縮 を 示 し て居る
近 の 合 金 は,以
が,計 算 値 では却
上 の 合 金 よ り凝
つ て膨 脹 を示 して
固範 圍 が小 さい
居 る。
に 不 拘,凝
固收
以 上 の 如 く,實
縮 量 に 餘 り差 異
測値 と 計 算 値 と
を有 せ ず し て,
が,著 し く相 違 す
凝 固 範 圍の 影響
る こ と は,本 合 金
が 判 然 し ない。
系に 於 い て,液 相
こ の 點Sn-Bi
系 のSn側
に於 け る比 容が 次
とは
餘 程 趣 き を異 に
す る。
Table
Fig.
35.
36及
Fig.
36.
に述 べ る如 く計 算
値 よ り著 し く,膨 脹 して 居 る事 に基 因 す る もの で あ る。
凝 固變 容 量 は,液 相 點 と固 相 點 の比 容 の差 に よつ て求
27, Fig .
びFig.
37
めらる ゝ理 であ るか ら,本合金系に於て,液相點 及び固相
點の比 容の實測値 と混合 比 に よる計 算 値 とを比較 する
第10號 合 金 の凝 固 の際 に起 る容 積 變 化 に就 て(第3報) Table 27. The Volume Change of the Cd-Bi Alloys during
Solidification (Calculated by applying the Mixture Rule)
と, Table
28及
びTable
29に
示 す 如 く,固 相 點(こ の 場
Table 29.
The Specific Volume of the Cd-Bi Alloys
at Liquidus Temp. (Liquid)
於 で は, Fig. 38に
Fig. 39の
523
示 す 如 く直 線 的 で あ るが,融
如 く, CdにBiが
體 で は,
加 は る に つ れ て,次 第 に そ の
合 は共 晶 點 で144°)に 於 て は,實 測 値 と計 算 値 と は+0.38
%∼-0.05%の
實 驗 誤 差 的 範 圍 内 で 極 め て 良 く一 致 す
るが,液 相 點 で
は そ の 開 きが
膨 脹率 は増 加 しCd40∼60%で
最 大 とな り漸 次減 少 す
る。
本 合 金 系 の 平 衡 圖 は 主 と して, Hansenの
著書 にあ る
2.65%∼1.12%
も の を 採 用 した
で,計 算 値 に 比
が,初 晶 點 及 び 共
して 極 めて膨 脹
晶 點 は著 者 の熱 天
して居 る。
秤 に よる實 測 値 を
用 ひた 。 共 晶 點 は
144° でHansen
上 記 の 事 實 は,
單 一共 晶型 合 金
の著 書 の もの と一
系 に於 て,固 體
に 於 て は,そ の
致 す る。
比 容 は成 分 と共
(3)
に,混 合 の 法 則
Fig.
38.
Pb-Sn
合金系
に よつ て變 化 す
本 合金 系 に就 て
る けれ ど も,融 體 に於 て は そ の比 容 が 混 合 比 よ り極 めて
は,既 述 した 如 く,
Fig.
37.
Goodrichの
膨 脹 して居 る合 金 系 の一 例 を示 す もの で あ つ て,固 體 に
研究
結 果 が あ る。而 し
Table
28.
The
at
Specific
Eutectic
Volume
Temp.
of
(144•‹.
the
Cd-Bi
て その 結 果 に よる
Alloys
Solid)
と, Pb50%Sn
50%附
近 に 收縮
率 の 最 小 値 があ
り,且 合 金 系を 通
Fig.
39.
じて凝 固範 圍 の影
響 が 判 然 しな い。之 等 の 原 因 と して 合 金 の 凝 固 範 圍以
外 に,彼 は液 相 に 於 け る 合 金 の比 容 の 特 異 性 を
擧げ
て
居 る。 即 ち彼 の 結 果 よ り考 ふれ ば,液 相 に於 て は,そ の比
容 が 混 合比 に よる比 容 より 相 當小 さ くな けれ ば な らぬ 事
に な る。 松 山 博 士(8)の 低 融 合 金 の 融 體 に 於 け る比 容 の 測
定 に よれ ば,混 合 比 に よ る比 容 よ り一 般 に 大 き い 。 從 つ
て, Pb-Sn系
に 特 にGoodrichの
如 き結 果 が 存 す るか 否
524 研
究 か は,彼 の 推 論 の みで は未 だ 充分 と云 ひ難 い。
第2巻
本 系 の 共 晶合 金 の共 晶温 度 に 於 け る 固 體 比 容 の 實測 値
依 つ て著 者 は本 合 金 系 につき,先 づ300° の液 相 に於 け
る比 容 を熱 天 秤 に よつ て 測 定 し,そ れ と 成 分 との 關 係 及
び混 合 比 に よる計 算 値 とを 比 較 した 。 勿 論300° に於 け
が,混 合 比 に よ る計算 値 と よ く 一 致 す る事 か ら容 易 に考
へ得 る。
上 記 の 如 く,著 者 に よつ て 明 らか に され た 事 實 を知 れ
融 體 の比 容 は膨 脹 係 數 に よつ て 算 定 し
ば,本 合 金 系 の凝 固 に際 して の收 縮量 を計 算 に よつて 容
た 數 値 を採 用 した 。Table 30及 びFig. 40は その 結 果 で
易 に求 め得 る理 で あ る。依 つ て著 者 は凝 固 に際 しての比
るPb及
びSnの
Table
30.
Pb-Sn
The
Specific
Alloys
Volume
of
容 收 縮 量,收 縮 率 を求 め,こ れ と成 分乃 至状 態 圖 との 關 係
the
を明 ら か に し た 。 そ の 結 果 はTable
at 300•‹(Liquid)
Fig. 42で,
Fig. 42に はGoodrichの
32. Fig. 41及 び
結 果 を も掲 載 した
Table 32. The Volume Change during Solidification
the Pb-Sn Alloys. (Calculated by the Mixture Rule.)
•¦
Calculated
value
by
the
data
of Present
Writer
計 算 値 と實 測 値 と
が 一 致 し,そ の 變 化
率 は+O.75%∼
-0.10%で
實驗 誤 差
的 範 圍 内 で あ り,
Goodrichの
推 論 し
た 如 き事 實 は 存 在 し
な い。
が,著 者 の 結 果 と
又 固 體 に 於 け る常
温 の 比 容(26)と 成 分
共 晶 を 挾 んでPb
と の 關 係 は, Fgi. 40
側 は極 めて 相違 し
及Table
示
て 居 る。著 者の 結
した如 く混 合比 に よつて求 めた 計 算 値 と よ く一致 す る。
果 で は,共 晶 を挾
この關 係が 共 晶温 度 に於 て も保 持 され る事 は固體 で は,
ん で, Pb, Sn側 の
結 晶 の 機械 的 混合 物 で あ る事 及 び 前項(1)に 述 べ た如 く,
固溶 限度 成分 に夫
々收 縮 量 の 極 大値
31に
Table 31. The Specific Volume of the Pb-Sn
Alloys at Ordinary Temp. (Solid)
を有 し,凝 固 收縮
量 に及 ぼ す凝 固範
圍の 影 響 を表 は し
て居 り, Goodrich
Fig.
41.
の結 果 の 如 く, Pb
50%,
Sn50%合
金 附 近 に收 縮 率の
最 小 値 は 存在 しな
い。 本 計 算 に 用ひ
た 平 衡 圖 は,本 多
一 阿 部 兩 氏(15)の
もの で あ る。
(26) Landolt Table, (1923), 592.
Fig.
42.
第10號 合 金 の凝 固 の際 に起 る容 積 變 化 に 就 て(第3報) (4)
Pb-Sb合
Table
金系
本 合 金 系 に 就 て は,同 じ くGoodrichがPb100∼75%
間 の合 金 に 就 て 實 測 し て 居 る。Pbは
し, SbはBiと
34,
Pb-Sb
525
The
Specific
Alloys
Volume
of
the
at330•‹(Liquid)
凝 固 に 際 して 收 縮
同 様 膨 脹 す る。 從 つ て 本 系 の 凝 固 變 容 量
と成 分 乃 至 状 態 圖 と の 關 係 曲 線 は, Sn-Bi系
もの と考 へ ら る ゝが, Sbの
事,及 びSbの
膨 脹 量 のBiに
と類 似 す る
比 して 少 な い
多 い合 金 は凝 固 範 圍 が極 め て大 き い等 の
爲,そ の 結 果 もSn-Bi系
に 比 し て 相 當 興 味 あ る もの が 得
られ る と 想 像 さ れ る。
又Goodrichの
結 果 も,前 記Pb-Sn系
の 結 果 に比 し
て,理 論 的 に 了 解 し得 ら れ る點 が 多 い。 依 つ て,著 者 は 凝
固變 容 量 の 計 算 を 行 ひGoodrichの
算 に は先 づ,固
結 果 と比 較 した 。計
體 及 び 融 體 の 比 容 と混 合 比 に よ る 計 算 値
との 關 係 を知 つ て 置 く必 要 が あ る こ と は 既 述 した 通 り
で ある。
固體 に 於 け る 常 温 の 比 容(27)と 成 分 と はTable
びFig.
43の
如 くPb-Sn系
•¦
Calculated
Value
by
Matsuyama's
data.
事 實 が 知 ら れ た か ら,本 合 金 系 の 凝 固 に 際 して の 比 容 變
化 量,同 變 化 率 を 計 算 し,之 と 成 分 乃 至 状 態 圖 と の 關 係 を
求 む る と 夫 々Table
35, Fig. 44及
びFig.
45の
如 き結
Table 35. The Volume Change during Solidification of the
Pb-Sb Alloys. (Calculated by the Mixture Rule.)
33.及
の場 合 と 同 様 で あ る。 又 こ
Table 33. The Specific Volume of the
Pb-Sb Alloys at Ordinary Temp.
の關係 は共 晶温 度 迄保 持 され る。 融 體 に於 て は,本 合 金
系全系 に亘 つて比 容 を測 定 せ ずPb100∼80%合
金 につ
き330°
の比
果 を得 る。Fig.
45に
い た が,前 記Pb-Sn系
はGoodrichの
の 場 合 に比 し て,そ の 數 値 及 び 曲
容 を 測 定 し
線の傾向 は著者
た。そ の 結 果
の 結 果 と 一致 す
はTable
る。然 し彼 の 結
34
の 如 くで 混 合
果 に は,Pb97%
比 に よ る計 算
の固溶限 度 成 分
値 と一 致 す
に凝 固 收 縮率 の
る, Pb80%
極 大値 は 存 在 し
以 下 の合 金 に
な い。
又著 者 の 結 果
於 て もFig. 43
Fig.
Sb100%の330°
43.
に 示 す 如 く
で は, Fig. 44に
Pb
示 す 如 く,初 晶
100,
87, 80%及
90,
び
Sbに
の 比 容 が 略 々 一 直 線 上 に あ る 事 よ り,
混 合 比 に よ る 計 算 値 と 一 致 す る も の と考 へ ら る 。 上 記 の
(27) Landolt Table, (1923), 593.
結 果 を掲 載 して 置
Fig.
る 。Fig. 44で
變 容 量 は,大 部
44.
分 收 縮 を 示 し, Sn-Bi系
よる凝 固
のBi側
はPb97%とPb80%に
と 餘 程 趣 き を異 に す
夫々比 容收縮量
526 研
の 極 大 値 が あ る が, Fig. 45の
究 第2巻
Zn側
收 縮 率 曲 線 で は, Pb80%
の 極 大 値 は 消 失 して 居 る 。
Fig.
側 よ り凝 固 範 圍
本合金系
の 影 響 が 大 き
の 平衡 圖 は
い。 本 系 の 平衡
Hansenの
圖 はHansenの
著書に よる
著 書 に よる もの
もの を採 用
を 採 用 し た が,
し た が,計
計 算 に 必 要 な初
算 に必 要 な
晶 點 はLorenz,
初 晶點 が 明
Plumbridge(30)
記 され てな
の もの を採 用 し
い の で,初
た。
45.
晶 點 は 遠 藤 博 士(28)の 結 果 を 採 用 し た 。
(5)
Zn-Cd合
の 方 がCd
Fig.
金系
本 系 の 液 相 に 於 け る比 容 に 就 て は, Table
36の
松 山博
46.
Table 38. The Volume Change during Solidification of
the Zn-Cd Alloys. (Calculated by the Mixture Rule)
士(8)の 測 定 値 が あ り,混 合 比 に よつ て 求 め た 測 定 値 と よ
く 一 致 す る 。 固 體 に 於 て も 同 様,常 温(29)に 於 て はTable
37に
示 す 如 く,混 合 比 と 一 致 す る 。 上 記 の 比 容-成
Table
36,
Zn-Cd
The
Specific
Alloys
at
Volume
400•‹
分關
of the
(Liquid)
Ⅲ.結
•¦
Calculated
by
applying
Matsuyama's
data.
果 に對
す る考 察
Table 37. The Specific Volume of the Zn-Cd
Alloys at Ordindry Temp. (Solid)
共 晶合 金 の凝 固
に際 して の容積變
化 が 混合 比 に よつ
て 求 めた 計算 値 と
よ く 一 致 す る事
は,固 相 及 び液相
に於 て合 金 の比容
が混 合 の 法則 に從
ふ事 を 示 す もの
係 を圖 示 す る と, Fig. 46の
Fig. 47及
Zn側,い
びFig.
48の
で,單 一 共 晶型合
如 くな る 。斯 くの 如 き 關 係 を
知 つ て,凝 固 に 際 し て の 容 積 變 化 を計 算 す る とTable
如 くな り,共 晶 を挾 ん でCd及
38,
金 系 に斯 る事 實の
び
存 在 す る事 は 首肯
づ れ も固 溶 限 度 成 分 に ,收 縮 量 の 極 大 値 が あ り,
し 易い 事で あ る。
Fig.
(28)
遠 藤,金
屬 の 研 究, 2 (1925),
(29) Landolt Table, (1931), 326.
47.
但 し,こ の 事實が
694.
(30) Lorenz, Plumbridge, Z. anorg. allg. Chem., 83 (1913) 232.
第10號 合 金 の凝 固 の際 に 起 る容 積 變 化 に就 て(第3報) 總 ての單 一共 晶型 合 金 系 の共 晶 合 金 に適 用 出來 な い事 は
Cd-Bi系 の結 果 か ら判 る。
元來,單 一共 晶型 合 金 系 に 於 て,固 體 の 比 容 に混 合 の法
Fig.
527
これ に 屬 す る合 金 系 は,兩 成 分 と も凝 固 に際 し收 縮 し
液 相 及 び 固相 に於 け る比 容 が混 合 比 に近 い 合 金 系 の場 合
でFig. 49に 示 す 如 き曲線 を な し,例へば 前 記Pb-Cd系,
則 の適 用 出來 る 事 は,
Pb-Sn系,
合金が成分金屬結晶の
これ に屬 す る。
Zn-Cd系
等
機 械 的 混 合 物 で あ る事
この際,二 成 分 金 屬 は,
か ら首 肯 され 易 い。 但
いづ れ も凝 固 の 際收 縮 を
し液 相 に於 て は,そ の
混 合 の状 態 は,固 體 に
示 す もの で あ る か ら,共
晶合 金 の凝 固收 縮 量 は
,
於 け る場 合 と自 らその
成分金屬の融體の膨脹係
趣 き を異 に す る。
數 が 固體 の それ より も大
48.
而 し て,液
相 に於 て
きい 限 り,※成 分 金 屬 自
は混合 の法則 に多 少 の容 積 の變 化 を生 ず る合 金 系 も存 在
體 の凝 固點 で の凝 固 收 縮
す る事 は,松 山博 士(8)の 理 論 的 計算 か ら も了解 出來 る。
量 か ら混 合比 で求 めた 計
而 して,そ の容 積 の 混 合 比 との相 異 は,合 金 系 に よ り,殆
ん ど混合 比 に近 い もの,又 混 合比 と 著 し く相 異 す る もの
が ある譯 で,前 記5合 金 系 の 内, Cd-Bi系
合金 系 は前者 に 屬 し,獨 りCd-Bi系
Fig.
49.
算 値 よ り小 さく な る理 で
あ る。
を 除 いた 他 の
(2) 共 晶 を挾 ん で,一 つ の金 屬側 に は固 溶 限 度 成分 に
の み は液 相 に於 け る
極 大 値 を有す るが,他 の 金 屬 側 に は 固溶 限 度 成 分 以 外 に
比容が混合 比 に して極 め て膨 脹 して居 る。 この 結 果,凝
極大 値 を有 す るか 又 は極 大 値 を有せ ず して極 め て大 きい
固 收縮量 が 混 合 比 よ り大 き い 事 に な る。 斯 く,液 相 に於
彎 曲 を有 す る合 金 系.
け る比容 が混 合比 と相 違 す る合 金 系 は單 一 共 晶型Cu-Sn
以外 には相 當 存 在 す る。(例へ ば, Pb-Bi系,
系, Zn-Sb系
等)
次 に, Pb-Sn合
Sn50%附
Sn-Cd系,
これ に 屬 す る合金 系 は上 記(1)の 場 合 に比 し,一 成 分 は
收縮 し一 成 分 は膨 脹 す る事 が 相 違 す る。而 して共 晶 を挾
ん で收 縮 す る成分 金 屬側 の 固溶 限度 成分 に は收 縮 量 の 極
金 系 のGoodrichの
結 果 に, Pb50%,
近 に收 縮 率 の最 小 値 の 存在 す る事 及 び凝 固範
大値 が 存 在 す るが,膨 脹 す る成分 金 屬側 は初 晶 自體 の 膨
脹 と凝 固 中の 固體 及 び融 體 との 收縮 が 方 向相 反 す る故,
圍の影響 の存 在 し ない 事 は,著 者 の研 究 結 果 か ら考 察 し
それ 等 の 相 互 關係 に よつ て極 大 値 を有 す る場 合 もあ り又
て,吟味 の餘地 が 殘 され て 居 る。又Pb-Sb系
極 大 値 を有 せ ず して 大 きい彎 曲 を與 へ る場合 もあ る。
Fig.50のA及
びBは そ の 例 で ,こ の 種 に はSn-Bi,
んでPb側
の最 大 固 溶 限 度 成 分(Pb97%)に
の 共 晶 を挾
凝 固收 縮 量
の最大値 の存 在 す る事 は 理 論 的 に 考 へ て 當然 の事 で,
Gocdrichの
結 果 に最 大 値 の存 在 しな い事 はPbの
凝固
收縮率 の測定 値 が 大 きい爲 と考 へ ら る。 而 し て 事 實,彼
の測定値 は著 者 及 び 從 來 迄 の 他 の測 定 者 に よ る結 果(2),
よ り相當 大 きい。 著 者 の 比 容 變 化 量-成 分 曲線 に於 て,
共晶 よ りSb側 でSb20%附
近 の 合 金 に極 大値 が存 在 し,
之が收縮 率-成 分 曲線 に於 て
消失して居 るの は,PbにSb
が加 はるにつ れ て,凝 固 時 の 比 容 收 縮 量 ∂Vの 減 少 し方
が,初 點 晶の比 容Vl.pの 増 加 し方 よ り少 な い爲 で あ る。
Ⅳ.單
一 共 晶 型 合 金 系 の凝 固 の 際 に起 る
容 積 變 化 と成 分 と の 關 係 曲 線 の 分 類
既 に詳述 した第1∼3報
よ り,著者 は單 一 共 晶型 合金 系
Fig.
Pb-Sb,及
50.
A
Fig.
びAl-Si系(31)等
50.
B
が あ る。 この 場 合 共 晶 合 金 の
の凝 固の際 に起 る容 積變 化 と成 分 との 關 係 曲 線 を次 の4
凝 固 收 縮 量 は(1)の
種 類に大 別 し て見 た 。而 して 總 て の 單 一 共 晶 型合 金 系 は,
ら混 合 比 よ り計 算 した 値 よ り小 さ い と は 限 ら ず,大
それ等 の 内い づれ か に屬 せ し め得 るで あ ら う。
きい
※ 今 日 迄 實 測 さ れ た 金 屬 の 融 體 の 膨 脹 係 數 は 固 體 の そ れ よ
(1) 共 晶 を挾 ん で,夫 々成分 金 屬 側 に於 て,凝 固範 圍の
最 大な る 固溶 限度 成分 に極 大 値 を有 す る合 金 系 。
場 合 の 如 く成 分 金 屬 自 體 の 收 縮 量 か
り一般 に大 き い。
(31)
高 瀬, Al-Cu系
と も に 第6報
に發 表す る 。
528 研
究 か,小 さ いか 又 は 等し いか で あ る。 即 ち凝 固 の際 收縮 す
第2巻
これ に 屬 す る合 金 系 は,液 相 に於 け る比 容 一 成 分 曲線
る金 屬 は共 晶 温 度 が 低 けれ ば低 い程,そ の 温度 で の收 縮
が混 合 比 よ り著 し く相違 して居 る場 合 で 前記Cd-Bi系
量 は小 さい理 で あ るが,凝 固 の 際 膨 脹 す る金 屬 は,共 晶 温
如 きは これ に 屬 し,一 例 を示せ ばFig. 52の 如 くな る。
度 が低 い程 その 温 度 で の膨 脹量 は大 き くな る理 で あ る。
Ⅴ.總
依 つ て,收 縮,膨 脹 の 組 合 せ に よる共 晶合 金 の凝 固變 容 量
は,共 晶 成分,共 晶温 度,成 分 金 屬 の凝 固 變 容 量 及 び固 體
及 び 融體 の膨 脹 係 數 に よつ て定 まる もの で あ る。例 へ ば,
Sn-Bi系
の 共 晶 合金 は計 算 値 よ り大 き くPb-Sb系
の共
晶 は小 さい。又等 しい共 晶 合 金 も理 論 的 には 存在 し得 る。
(3)共 晶 を挾 ん で,一 つ の成 分 金 屬側 に は固 溶 限 度 成
分 に極 大 値 を有 す るが,他 の 金 屬 側 に は極 大 値 又 は大 き
い彎 曲の存 在 しな い合 金 系 。
の
括
以 上 研 究結 果 を總 括 す る と大 略次 の通 りで あ る。
(1) Pb-Sn,
Cd-Zn,
Pb-Sb,
Sn-Zn及
びCd-Bi5合
金 系 の共 晶合 金 に就 き,凝 固 變 容 量 を實 測 並 び に計算 に
よつ て求 む る とCd-Bi系
を除 い ては,い づ れ の合金 も混
合 の法 則 が 適 用出 來 る。
(2) Cd-Bi系
に於 て は,獨 り共 晶 合 金 の み な らず他 の
合 金 に於 て も,凝 固 收 縮 量 の 實 測 値 が 混合 の法 則に よつ
これ に 屬 す る合 金 系 と して は,一 成 分金 屬 側 の初 晶 の
て求 めた 計算 値 よ り著 し く大 きい 。 これ は液 相 に於 け る
凝 固變 容 量 に,凝 固 範 圍又 は膨 脹係 數 の 影響 の小 さい場
比 容 が混 合 比 よ り著 し く大 きい 爲 で あ る。
合 で あ つ てFig. 51Aの
(3) Pb-Sn系
に於 て,固 相 及 び液 相 の 比 容 と成分 との
關 係 を求 め て,混 合 の 法 則 が適 用 出來 る事 を知 つた 。而
如 き曲 線 を なす 。 これ に 屬す る
して凝 固 收 縮 量 と成分 との關 係 を 計 算 に よつ て求 め,著
者 の實 測 値 と その計 算 値 が よく一 致 す る事 を確 か めた。
然 し,之等 の 著 者 に よ る結 果 はGoodrichの
實 測 値 と相
當異 な る。この相 違 す る原 因 に就 き若 干 の 考 察 を試 みた。
(4) Pb-Sb系
の液 相 及 び 固 相 に 於 け る比 容 に 混 合 の
法 則 の適 用 出來 る事 實 を確 か め,計 算 に よつ て凝 固 收縮
量 と成分 との 關 係 を求 めた 。 その 結 果 はGoodrichの
測 値 と よ く一 致 す るが,共 晶 を挾 ん でPb側
實
の 固溶 限度
成分 に收 縮 量 の 最 大値 の存 在 しな い點,著 者 の 結果 と異
な る。これ はGoodrichの
Fig.
51.
A
Fig.
51.
著 者並 び に從 來 迄 の他 の測 定 者 に よる數 値 よ り大 きい爲
B
合 金 系 はAl-CuAl2(31)系
でAl側
は極 大 値 を 有 す
(4) 著 者 の熱 天 秤 に よ る方法 で は凝 固收 縮 量 測 定の困
難 と考 へ られ る合 金 系 につ き,豫 め,液 相 及び 固 相 に よる
の如 き も
比 容 に混 合 の法 則 の適 用 出 來 る事 實 を知 れ ば,實 測 を行
の が 共 晶 を挾 ん で 兩 成 分
はな くて も計 算 に よつ て,そ の收 縮 量 を求 め得 る一例 と
な い 。CuAl2側
金 屬 側 に 存 在 す る もの と
してCd-Zn系
假 定 す れ ばFig.
關 係 を求 めた 。
51Bに
の 凝 固收 縮 量 を計算 し,そ れ と成分 との
示 す如 き殆 ん ど直 線 に近
(5) 既述 し た研 究 結 果 よ り,單 一共 晶 型 合金 系 の凝 固
い も の が 得 ら れ る理 で あ
に際 して 起 る容積 變 化 と成 分 との 關 係 曲線 を4種 に分 け
て考 へ て 見 た 。而 して各 々種 類 に屬 す る代表 的合 金 系 を
る。
(4)上
52.
で あ る。
は存 在 し
る がCuAl2に
Fig.
純 鉛 の 凝 固 收 縮 量 の測 定値 が,
記(1), (2), (3)い
づ れ に も屬 し な い 合 金 系 。
擧げた。