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2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
許さない会 会報
第22号
( 1 )
第22号
国労 5・27 臨大闘争弾圧を許さない 会
▼連絡先
葉山法律事務所
東京都港区南青山 5-10-2 第2九曜ビル 505 号室
電話 03-3797-3690 FAX 03-3797-3950
▼郵便振替口座00120−1−576168 国労五・二七弾圧を許さない会
▼ホームページ http://www008.upp.so-net.ne.jp/yurusanai/
日本労働運動再生の視野に立って
戸塚秀夫さん(東京大学名誉教授)
この本は今の日本の中でなるべく沢山の方に届
ける価値があると思っております。なぜそう思っ
ているかと言いますと、5・27 事件というのは多
少知るにつけて、ちょっと考えられない事件だと
いうのが、私の率直な印象であります。
私は 1930 年生まれ。戦前は軍国少年で、戦後の
日本社会民主化の過程をやや左翼に偏しながら眺
めてきた、運動も多少やってきた人間ですが、そ
ういう人間からすると、こんな事件が日本で起き
出版記念パーティーに 91 人参加。講演する戸塚秀夫さん
想定外の事件です。私が死ぬ前にこういう事件に
ることは到底想像できなかったということです。
私は文章の前半で「戦前に戻してはならない」
と書きました。1945 年に労務法制審議会ができて、
遭遇したということはとんでもないことです。
ただこの本をみなさんにぜひ読んでいただきた
いと私が思ったのは、そういう想定外の事件がな
戦後労働組合法の法案をつくっていくわけですが、
その時僕らの先輩が強調したのは、戦前の労働組
ぜ起きたかということを理解する上では実に立派
な、第 1 部の二つの論文が入っていることです。
合運動を弾圧した諸法規、刑法とか暴力行為等処
罰に関する法律は、労働組合運動に絶対に適用さ
木村さんと佐藤先生の二つの論文を読むだけで、
この事件が偶然起きた事件ではなくて、起こるべ
せてはならないということで、それが出発点だっ
たわけです。今度の事件はまさにそれを堂々とやっ
くして起きたことがよくわかると思います。
私の理解しているポイントを申し上げますと、
ていこうとしている。これがとんでもない事件だ
と私が思っている大きな理由のひとつです。
さらにそれに輪をかけているのが、この刑事弾
国鉄分割・民営化の過程で、国鉄改革法 23 条の仕
組みについて、当時の政府は国会で「決して組合
差別はしない」「一人も路頭には迷わせない」と
圧事件を起こしていく過程で、こともあろうに国
労の役員の方が関与しているという話です。私は、
いう言葉のもとに国家的ペテンにかけた。そうい
うものにまずは非常に甘く対応した。こんな鋭い
高校の教師をやって以来大学の教師をやめるまで、
総評傘下の組合運動をやっていました。その総評
牙があることを国労弁護団の方も正確には理解し
ていなかったのではないか。そしてその罠に落ち
の組合運動の中で、民間がつぶれてもパブリック
セクターでは国労があると、ずっと思ってきたわ
込んだ。そして、みなさんご存知のように、地方
労働委員会では連戦連勝だった中で、98 年5月の
けですが、その国労の役員がこの刑事弾圧に手を
貸した。これは今までの記録を拝見するところで
は間違いないと私は思っているのですが、本当に
東京地裁判決でとてつもない逆転にぶつかったわ
へきれき
けです。国労弁護団にとっても晴天の霹靂だった
のではないかと想像しています。国労の役員の方
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第22号
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
2006年7月25日
たちもどうしたらいいかわからないという状態の
抜け出せないかもしれないと感じ
中で、いわゆる「4党合意」といったものに飛び
ついていったという経過だったんだろうと私は思
ています。
そういう点ではこの本はとても
います。
ただ「4党合意」というのは、首を切られた人
たちにとっては到底許すことはできないし、労働
いい本だと思うのですが、二つだ
けコメント風に申し上げます。
私はキーパーソンと信頼関係を結
委員会で闘ってきた方にとっても到底許すことは
できない状況があります。したがって「4党合意」
ぶと運動はよく見えてくるということを言ってき
ました。ただ、それだけではダメだということを
路線というものに踏み込んだ時に、反対運動が起
きるのは当然であって、その反対運動の行き着く
北海道の闘争団とお会いして、自分の調査論とい
うものは足りないところがあると思うようになっ
先にこの事件が起きたと、私は理解しています。
今朝伺った国労共闘の方の話の中で、今度の国
てきました。キーパーソンを動かしている草の根
の活動家の方々の信条、考えをもっと正確につか
労全国大会の中では「4党合意」と似たような政
治解決路線を強行しようとする危険性もあるとい
うお話がありました。これをなんとか食い止める
みとるやり方があったのではないかと思いました。
この本の主要部分は私の言うキーパーソンが書
いている。必ずしもそうでないのは、東理恵さん、
ことができないかと考えた時に、国鉄闘争全体を
総括した時に、何が問題だったのかということを
小泉鈴美さんです。音威子府に行って『負けてた
まるか、家族と共に、仲間と共に』という感動的
みんながもっと立ち入って議論する時期に来てい
るのではないかと思いました。
なパンフレットを頂きました。この中で私の胸に
響くのは、奥さん方の発言もさることながら、お
その議論をする時の、私なりのキーワードは、
文章の後半のところに書きましたが、「組合民主
子さん方の作文です。心ならずもこの闘争に巻き
込まれる中で何をつかんだか、何を言いたいかが
主義」ということではないかと思います。
私は最近、下山さん、塚本さんとご一緒して、
おといねっぷ
北海道の稚内、名寄、音威子府、旭川の闘争団を
書いてある。私は、すばらしい本だと思うが、こ
の本にそういう観点での内容がもっと入ると、こ
れからみなさん方が働きかける相手である多くの
回ったのです。ご案内くださったのは「国鉄闘争
に連帯する会」事務局長の山下俊幸さんですが、
国民の方々と対話のきっかけが生まれてくるので
はないかと思ったのが一つの注文です。
その道々で聞いたことは、「4党合意」の時に実
は極めて怪しい不正確な情報が流されていたとい
もうひとつは、無罪と国労再生をかちとろうと
いうことが繰り返し出てくるわけですが、私は、
うことです。その不正確な情報を前提にして、
「4党合意」を押し通そうとしたという流れが明
らかにあった。組合民主主義の前提は、情報の公
みなさんがおやりになっている運動はもっと広い
視野で目標を設定できる運動に事実上踏み出して
いるのではないかと思っています。それは、戦後
開にあります。私は「4党合意」の過程を知って
「情報を組合員に公開する、日本の国民に広く公
の政治・社会システムをここまでずたずたにして
しまった状況の中で、これからの日本の政治・社
開するという精神がなければ、こんなものが通る
はずがない」とエッセイに書いたことがあります
会システムをどうしたらいいのか、みんなが考え
ている。それに突っ込んでいく切り口をこの運動
が、どうも今度伺ったところでは、私どもの近く
にいらした偉い先生もその怪しげな情報を流しな
の中でみなさんが提起されているのではないかと
いうのが私の考えです。今度の大会で国労再生が
がら「4党合意で収束したらどうか」というよう
なことを説いて回ったということで、私は本当に
研究者の一人として恥かしく思いました。
できると思っている方はここにはいらっしゃらな
いと思います。しかし、この運動の中で日本の労
働運動・社会運動の視野をもっと大きなスケール
これから立て直す上では、組合民主主義という
ところに力点があって、それは組合員を信頼し、
で広げて、現在起こっている様々な社会運動との
連帯を広げる、世直しをしていくという視野に立っ
国民を信頼して、自分たちの路線というものを情
報を公開しながら、国民と共に議論するという姿
た時には、国労再生だけでなくもっと未来の明る
い運動になるのではないかと思っています。
勢に戻らない限りは、この国労の陥った沼からは
(出版記念パーティーでの講演
文責は会報編集部)
2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
否せよ!
『 奴隷の道を拒
国鉄闘争』
−5・27 事件と
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出版記念パーティー
7月 12 日、日比谷グリーンサロンで、花輪不二男さんを事務局
として呼びかけられた『奴隷の道を拒否せよ−5・27 事件と国鉄
闘争』出版記念パーティーが、91 人の参加で盛大な会として開催
されました。以下、パーティーでの発言を紹介します。
(文責 編集部)
○花輪不二男さん(世田谷地区労顧問)
東京西部で運動をやら
せて頂き、本にも関わり
を書き、そういう経緯か
ら君が事務局をやれとい
うことになりました。
この裁判もこんなひど
いことが裁判かよという
意外性を持っています。1年以上も拘束され被告
とされた皆さんは大変な苦労をされているのです
が、逆に元気な姿で闘っているのを見て、私たち
も励まされている関係ではないかと思います。
出版記念パーティーに 91 人が参加
国鉄 1047 名問題を解決することによって日本の
労働運動ないし市民運動の行く末を占っていく意
味があると思います。本は、最初はドキッとする
上回る労働 協約を結べと
言われた時 に、それを拒
ような題名でしたが、考えてみれば、今日のよう
に雇用関係をずたずたにされ、働きたければ文句
否しました 。多分九州が
最後までそ れを拒否した
を言わずに働けという時代はやはりひどすぎる。
労働者の権利も人権もない世の中になりつつあり、
ということ で、結果とし
て九州本部 書記長を追わ
時宜を得た題名になったのかなと納得していると
ころです。
れることになったのです。
当時、武藤国労本部委員長と参議院副議長をして
ともあれ今の政治情勢は危ないところにきてお
り、皆さんは危機的な気持ちで今の情勢を見てお
られると思います。私もこういうお付き合いの中
いた小柳さん(国労初代委員長)が来て、それを
結んだら君が国労本部委員長だよと取り引きをや
られたことがあります。今静かに考えて、その時
で、自分も一生初志を貫徹できる人間としてみな
さんと共に歩む、励まし合うような関係でいきた
私がそれを飲んで国労本部委員長になっていたら、
多分証人に呼ばれたであろうと今つくづくと思い
いなと思っています。これを契機にこれからの運
動、人間関係、すべての問題について絆を強めな
ます。本に執筆もさせていただきましたが、戦争
の道を歩まないためにもこの闘いはある。戸塚先
がら闘っていこうではないかということで、開会
の挨拶にしたいと思います。今日は本当にありが
とうございます。
生が大きな視野でと言いました。この運動がそう
いう運動になっていくべきではないかと思って私
も頑張っていきたい。そういう思いを込めて乾杯
○手嶋浩一さん(国労九州本部元書記長)
をさせていただきたい。
5・27 闘争が最後の無罪を獲得するまで、みな
私は、国労九州本部にいて、国労会館を返すこ
とになる 202 億円問題ですね、それと共同宣言を
さんと頑張りたいと思います。
乾杯!
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第22号
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
○芹澤壽良さん(高知短期大学名誉教授)
2006年7月25日
皆様もご承知のように、
も示すことなく「労働組合の仮面を被った暴力集
団」などという空疎で乱暴な独断はその一例でしょ
国鉄労働者 1047 名解雇反対
闘争は、20 年という大変長
う。
こういう状況を克服し、多様な共同行動を発展
い歴史を重ねながら、関係
労働組合や労働者の共同や
大同団結がなかなか構築さ
させ、日本の労働組合運動の再生と強化のために、
私は、皆さん方に改めて、「労働組合運動の理論」
を日本の憲法・労働法制の根幹(人権保障)を押
れなかったために、その弱
点が会社や政党・政府サイ
さえ、労働組合の基本的性格と任務、政党・政派
との関係、国内外の共同・統一行動の歴史的経験、
ドに利用され、幾多の苦難
を余儀なくされてきました。
現状の科学的分析や評価などと結びつけて学習す
ることを訴えています。
そうしたなかでも、不法な人権侵害は絶対に認
めないとする国鉄労働者が、仲間や家族の深い信
頼と絆に支えられて粘り強く闘い続けてきた結果、
私は、これからも 1047 名解雇撤回闘争の勝利と
5・27 事件の無罪判決の獲得まで出来る限り関係
者の皆様とともに頑張っていく積りでおります。
それが主力となって、困難を乗り越えて、まだ決
して強固とは言えませんが、当事者を中心とする
(当日の発言の趣旨を汲んで書き改めたものです)
新しい共同の運動の道を切り開いてきたと思って
います。
○師岡武男さん(元新聞労連書記長)
この数年の権力が意図的に仕組んだ5・27 事件
と果敢に法廷闘争を進めている皆さんも 1047 名闘
に書いています。さっき戸
塚さんが、ここに書いてい
争全体の前進の一翼を担っていることはいうまで
もありません。
私は、東京地裁の鉄建公団訴訟9・15 判決を契
る人はキーマンだとおっしゃっ
たのですが、どうも誉め言
葉ではなさそうですね。私
機とする 1047 名当事者主体への運動の流れから、
国鉄闘争に関った有力な労働組合組織がその積極
もそう思います。ここに書
けと言われた時に、いつも
的な成果や教訓を学び取って前向きに総括し、よ
り太く、より広範な共同、大同団結をめざす新し
同じことを書いてもおもしろくないし、読む方も
つまらないだろうなと思って気にしながら書いて
い方向を打ち出すことなく、依然として既存の組
合組織中心の運動を優先させ、自主的な当事者主
いるのですが、しかし書いてみると、知らないこ
とを勉強をしたり、責任感もある程度感じざるを
体の運動に否定的な姿勢をとり続けようとしてい
ると見ています。どうしてもっと素直に闘いの経
験や成果を評価し、いろいろな形の共同行動や統
得なくなるわけです。
それから、みなさんが沢山書いている。それを
読むと、私自身が励まされる。自分がやっている
一行動、そして大同団結の持つ力量と可能性を信
じられないのでしょうか。
ことはどうもこんなことではまずいなと励まされ
るということもあります。やはり本をつくるのは、
それは、有力な労働組合組織の幹部・活動家層
に根強い経験主義、左右のセクト主義、官僚主義、
なかなかいいことだなと思います。
私はキーマンでも何でもありませんけれども、
権威主義的な政党・政派依存など、こうしたこと
が絡み合って運動の現状分析における狭い見方を
労働運動家だというつもりできました。新聞記者
をやっていて、労働記者も長いことやっていたの
生みだし、戸塚先生がはじめに触れられた労働組
合運動の最高原則とされる組合民主主義も軽視・
無視されて、路線や方針決定における自由闊達な
ですが、私は新聞記者ということで物を考えたこ
とはなくて、私が考えることは運動家としてどう
なのかということでした。今でもそう思いながら、
大衆討議が出来なくなり、結局、指導的な幹部・
活動家層の既成観念が決定力を発揮することにな
細々と運動に参加させてもらっているのですが、
運動家として最近の情勢を考えますと、本当にど
るのではないか。たとえば、春闘、安全問題で地
域住民とともに闘う動労千葉に対して、何の根拠
うもこれはまずいことになってきたなと思います。
この本に書かれていることを引用しますと、下
私はこの本の 132 ページ
2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
第22号
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山さんが書いておられる中に、今の日本の憲法改
正論の中で労働法規を改正しようという人は誰も
安保の時代から総評系労働運動は人数の動員力に
おいて市民運動・文化運動などの中心になってき
いないと。つまり労働基本権というのは憲法、日
本人に定着している。しかし、それにも関わらず
たけれど、思想的なリードの力は全然ないと思っ
てきました。私は、「政府側が官公労のストライ
労働基本権は今や風前の灯のように危ないところ
に来ている。憲法で常識になっていることが実は
キが暴力だなどと言っている。ゼネストだって誰
にも暴力を加えるものではない。組織的な正当な
空洞化されつつあるということに、私は運動家と
して危機感を持ちます。
闘いだということを闘いそのもので立証すること
だ。さらに職場闘争などを強めて、それで上司の
それからもう一つ、芹澤さんが書かれた中に、
ドイツの多分イェーリングの『権利のための闘争』
の本から借りたと思うのですが、「闘争なくして
言うことをはねのけていく。それが最大の宣伝だ」
と話した。
最後の頃、総評は春闘で月 1 万円のベースアッ
権利なし」ということだと思う。労働三権も闘争
なくして権利なしだと私は思います。労働運動を
プを掲げていた。当時、マニラ郊外のラボタスと
いう港の埋立地に建っている日本企業で、フィリ
私がやろうと思っているのは、闘争なくして権利な
しだと思っているからであります。今、労働三権
ピン労働者が 100 円の日給を2倍に値上げしろと
ストライキを起こした記事を新聞で読んだ。大木
が危なくなっているので、一人の運動家として、
もう大したことはできませんが、分相応に何かし
なければいけないと思っているところであります。
事務局長に総評として全面的な支援声明を出した
上で、だからこそ我々のベースアップをという要
求なら国民にもっと浸透するかもしれない、組織
○針生一郎さん(美術評論家)
内部だけが賃上げの特権を持っているやり方では
国民の支持は得られないと言ったのです。しかし
私事ですが、昨年の夏に
妻が亡くなって、80 歳で一
全然効果がなく、新聞には4段組の意見広告で野
間宏とか左幸子とか「私たちも支持します国民春
人暮らしになり、家事雑用
が非常に多くて、原稿がな
闘を」という顔写真と言葉が掲げられた。ところ
が自民党は大新聞の2ページを使って「散らさな
かなかはかどらないのです。
去年からのものが一杯たまっ
ていて、発起人として原稿
いでください咲きかけた物価安定の花を ストで
問題が解決するでしょうか」というキャッチフレー
ズの広告を出した。その時総評はつぶれると私は
を書いてくれと言われた時
にむずかしいとお断りした。
思ったのですが、やはり数年後につぶれました。
中曽根が「国鉄分割・民営化は官公労の労働運
この本を見ますと、発起人として書かなかったの
は私ともう一人だけで、私が今日来たのはそれが
動をつぶすためにやった。うまくいった」と首相
をやめて公然と言っている。私は、首を切られた
なにより申し訳ないということからであります。
先ほど戸塚さんが言われたように、日本の労働
国労組合員を支援する中野公会堂での集会で今言っ
たような話をしました。国労は、中曽根のだまし
運動の再生の兆しが、市民運動・住民運動をもリー
ドするような思想的な最先端に立たなければなら
ないと思います。
討ちで首を切られた何千人の労働者を自分たちの
組織の問題として抱え込むなら、初めて労働運動
として再生するのではないかと希望をもって臨ん
総評が高野実議長の時に、地域ぐるみの労働闘
争を始めて、国民文化会議をつくりました。常任
だのです。しかし、国労は「4党合意」で解雇者
を考慮しないという方針を出したと聞き、もうダ
運営委員長の日高六郎さんの誘いで私も常任運営
委員に加わっていました。総評の春闘の度に事前
メだと思った。中野駅前の飲み屋で二次会があり、
割り勘が原則で払うと言ったが、講師からはもら
に一流ホテルに呼ばれて、春闘にこれだけの広報
宣伝費を計上しているが、どういう宣伝をしたら
えないと言われた。私は二次会まで国労の親方日
の丸意識が続いて、解雇撤回のために闘えるのか
いいかと論議した。彼らの考えは新聞に意見広告
を出す位だ。私は岩井事務局長から槙枝議長‐大
木事務局長の時代まで毎年やっていました。60 年
と疑いを抱きました。今日は 3000 円を入口で取ら
れました。この方がずっとさわやかです。これな
らこの闘争は絶対に勝利します。
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第22号
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
2006年7月25日
○塚本健さん(東京大学名誉教授)
○一瀬敬一郎さん(主任弁護人)
私は一昨年の鈴木勉さ
ん(当時、国労東京地本
弁護団はほぼ全員、出版記念パーティーに参加
させて頂いています。次回7月 26 日で検察側立証
役員)が出てくるまでは
公判の傍聴に参加してい
ました。鈴木さんが出て
が終わり、8月から弁護側立証に入ります。その
前に本ができて、5・27 裁判の闘争陣形が社会的
にも認知される局面に入っていることは、私たち
もうこの裁判は解決した
んじゃないかと思ってい
弁護団としても嬉しく思っています。
しかし、5・27 裁判は刑
たのです。ちょうどその
頃寒いところに座っていて体調を崩しまして、そ
事裁判ですので、法廷闘争
として被告側・弁護側がしっ
れ以来傍聴しないで、今日久しぶりに傍聴しまし
た。
かりと主導権を握る。それ
と法廷外の裁判支援陣形が
最初5・27 裁判の傍聴に行った時に、私は「中
核派の裁判の法廷はどこですか」と受付に聞きま
した。「ああ、向山事件(共同謀議)の裁判です
がっちりと手を組んだ時に
初めて無罪を現実的に獲得
できる展望がでるわけです。
ね」と言われました。向こうはそういうふうに捉
えているのかとビックリしました。
これまで弁護側は、検察官
の1時間弱の主尋問に対して、5∼7期日を使っ
労働者が労働者の一方のセクトをつぶすために
こういう事件をデッチあげた。こういう事件は日
た反対尋問をやってきた。そこで切り開いた地平
をいよいよ弁護側立証で全面展開する段階に入り
本ではなかったのです。
戦前の朝鮮で、共産主義者が2つのセクトに分
ます。
大きく言いますと、9月 27 日から証人尋問に入
かれていて、自分たちこそが本流だと主張して、
相手をつぶすためにアジトを警察に通報し、自分
たちが生き残りコミンテルンの本流だと認めさせ
ります。来年の3月までは事件の経緯に関わる証
人、現場に行った被告以外の方に証言していただ
きたいと思っています。その過程で、国鉄分割・
ようとしました。それ以外には、労働者が労働者
を売るといったことは聞いたことがありません。
民営化が国家的不当労働行為であって、いかに労
働者の権利と人権を踏みにじって、労働組合を破
労働者の運動がいくつかの党派に分かれてきて、
種々の団体をつくることは、戦後の労働者運動の
壊する攻撃であったのか。そして現在 1047 名闘争
として発展している闘いが何と対決しているのか。
進展の結果だと思いますが、自分たちが労働者で
あることを忘れて、何々党員だということが先に
くると問題だと思います。最近は統一戦線という
その大きな根幹的なところを「4党合意」「3与
党声明」「5・27 臨大」までの過程を全面展開し
ていきたいと思っています。
ことが言われていますが、自分たちが労働者であ
ることをもう一度考え直すことが必要だと思いま
来年4月以降、約1年と3か月位かけて被告人
質問を行いたい。被告は8人いる。長い人は4∼
す。
戦時中、「戦争は、いやだ」という学生にたい
5期日話してほしいと思っています。我々は反対
尋問でぎりぎりとやってきたのですが、それを上
して「君はそれでも日本人か」という言葉が投げ
かけられた。その時、その人は「自分は日本人だ
回る我々の考え方、この事件に対する捉え方を出
し切り、裁判官にきちんと真実を伝える。国鉄闘
けれども、その前に人間だ」と答えました。
私たちもまず労働者です。労働者がなんらかの
党派の人間になってそちらの方を先に考えるよう
争のことにおいても、現場のことにおいても、す
べての面で出し切るということなくして、労働刑
事裁判としての我々の裁判は勝利することはでき
になると、それが労働者の統一を進める上での障
害になると思います。
ないのです。
何故に5・27 大会の日に宿舎にビラまき・説得
今回の事件も、労働者が労働者を売ったという
ことは、そのひとつの極限の現象だと思います。
活動に登場したのか、いかなる意味でそれが百パー
セント正義なのかということを被告を先頭に証言
していただく。
2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
第22号
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検察官側は中核派の機関紙『前進』などを出し
全に右翼の巣窟と化しています。みなさんの闘い
てきて、中核派と国労共闘の関係などの彼らのス
トーリーを出してきていますが、我々は国労共闘
も非常に困難を受けると思いますが、共に闘って
いきましょう。
とは何か、支援の立場とはどういうことかといっ
たことを全面的に展開していこうと思っています。
○田中康宏さん(動労千葉委員長)
判決は 2009 年3月頃つまり 2008 年度中に出る
ということだと思います。これから約2年間の闘
私もこの本を読ませてい
ただきまして、本当にいい
争を最後の勝利までもう一度気を引き締めて頑張っ
ていきたいと思っています。弁護団は最後まで、
被告団、みなさんとの団結を強めて最後まで闘っ
本だと思いました。
私は、5・27 臨大闘争
弾圧粉砕 の闘いは、1 04 7
ていきます。よろしくお願いします。
名解雇撤回闘争そのものだ
と思っています。なんとし
○藤田勝久さん(元板橋高校教員)
板橋高校卒業式事件の藤
ても 1047 名の解雇撤回闘
争に勝利したい。勝利するためには5・27 の運動
田勝久と言いますが、親父
が職業軍人で永久に勝つと
を本当に大きくできるか。これは車の両輪であっ
て、絶対に分けることはできないと考えています。
いうので名付けました。裁
判で負けたので名前を変え
ようと思っています。
私たちはこの間 1047 名闘争について「政治解決」
路線に落ち込んでいるのではないかという危惧を
持っています。この間、「政治解決」路線をめぐっ
私は 1941 年生まれで現
在 65 歳です。判決の日に
ていろいろなことが言われ、例えば 1047 名闘争が
風化しているという議論があるわけです。確かに
朝早く起きてテレビを付け
たら、公安2課の課長が万引をしたと。板橋高校
20 年経ちますから 1047 名闘争が風化していると
いう側面がある種の根拠になって、「政治解決」
事件においては3月 11 日、卒業式の2週間後に公
安2課が突入してきた。朝9時から夕方6時半ま
を求めるしかないのではということが、国労本部
のみならず、支援をする共に闘ってきた仲間から
で実況見分した。教員にも3時間にわたる聞き取
りをした。これは万引2課の創作事件なのです。
「教頭が止めたにも関わらずコピーを配布し、止
も出てきているのが現状です。
しかし、絶対にそうではない、1047 名闘争は絶
対に風化していないと思っています。例えば、動
めたにも関わらず保護者に向かって話し続けた」
というデッチあげを行って、それをやらなければ
労千葉が反合・運転保安闘争ということを 30 年間
言い続けています。30 年間言い続けていても、別
威力業務妨害事件に問えないという形で、裁判で
彼らは立証を続けていったわけです。
にこれは絶対に風化していないわけですね。
一方、1047 名闘争は、20 年前 1990 年3月に解
そして、村瀬という東京地裁の次席裁判官は、
弁護団の提出証拠をすべて認めていた。我々の味
方のようなふりをして1年間騙し続けた。我々は、
雇になった事件です。だけどこれは国鉄分割・民
営化反対闘争で、絶対に風化するはずがないわけ
です。なぜかと言えば、今あらゆる労働者が民営
いろいろな証拠その他をさらに出したかったけれ
ども、3月末に異動があると彼が言うから、村瀬
化というリストラ攻撃にあっているからです。20
年前の国鉄闘争と、10 年前の 1047 名闘争と、今
に託したわけです。見事に彼に騙された。有罪判
決を受けた。こういう経緯です。
の 1047 名闘争では、中身が全く違っているという
ことです。このことに 1047 名闘争の当事者自身が
今や日本における三権分立、立法・行政・司法
の司法の一角は完全に崩れました。東京地方裁判
気が付かなければいけないと僕は思っています。
風化どころか 1047 名闘争に対する多くの労働者
所は東京都庁裁判所、あるいは警視庁公安2課裁
判所、あるいは東京地検公安部裁判所と言うほか
ないと。あらゆる事象を丸呑みした判決を出して
の期待の声は数倍に大きくなっているはずです。
今、「政治解決」路線に陥っていることの一番の
問題点は、自分の解雇撤回闘争の持っている意義
いく。今非常に国策的な動きの中で、裁判所は完
と位置を、当事者である 1047 名自身が自覚をして
( 8 )
第22号
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
2006年7月25日
いない、本当の意味で闘いの中心になっていない
ことだと思っています。
もう一点、それに関連してこの闘争で思うのは、
情勢をつくるため、憲法を
変えるために国労をつぶし
すことを決意してやったん
先ほど戸塚先生も言われたことですが、労働組合
運動にとって一番必要なのは、現場の労働者自身
だと。こんな不当労働行為
は犯罪ですよね。首相なら
の闘いによって、官僚化していく労働組合の幹部
を変えていくという、いわばエネルギーですね。
いいのか。
これを断罪して 1047 名
現場から労働運動を再生していくエネルギーが、
本来であれば本当に勝利に導いていくただ一つの
力のはずです。残念ながら私たちが見るに、今の
が闘ってきた。今度は「4
党合意」で、首を切った責任がないことを大会を
開いて決めろと。ここまで介入された例はない。
1047 名闘争はそうはなっていない。どうしても今
の現状の中からこれをこう組み合わせていけば解
それに反対した原告団が統制処分を受け、その
統制処分に反対した組合員が5・27 弾圧を受けた。
決がつくのではないか、裁判でこういう判決が出
たから解決がつくのではないか、こういう繰り返
いわば「4 党合意」という国家的不当労働行為、2
0 年前の改革法 23 条、これに対して体を張って闘っ
しになっているのではないかと思えてなりません。
今の裁判闘争を闘っている国労の原告団の仲間
てきた者が処分や弾圧を受けている。
今、改憲攻撃の前に立ちはだかる最大の闘いが、
たちは、国労から統制処分を受けながら自分たち
で独自に闘いを起こしてきた。そういう力を秘め
た、まさに現場から今の労働運動のあり方を変え
1047 名闘争と5・27 臨大闘争弾圧を許さない闘い
であり、それを今まで闘い抜いてきたのだと胸を
張ってみんなの前に明らかにして全国大会に向かっ
ていく、こういう力を秘めた運動だと思っている
のです。1047 名闘争で牽引した時に、そのもとに
ていきたいと思います。
バッチ事件で 87 年から争ってきました。今も年
集まってくる膨大な労働者がいると思います。
その場合に、今の労働運動の現状とはいろいろ
4回3日間の出勤停止攻撃を受けながら、バッチ
をつけてJR東日本の中で闘っている組合員がい
な意味で対立・対抗し、下からの声を結集してい
く運動にならざるを得ません。国労本部のあり方
ます。闘争団の闘いとJR本体の闘いが本当に結
びつくことを願って、私たちは「国労再生」を掲
とはどうしても対立せざるを得ないでしょう。全
労連という今のあり方とも対立せざるを得ないで
しょう。だけれども現場からの闘いを積み上げる
げてきました。さらに、国鉄闘争が改憲阻止の闘
いとして 20 年間国家的不当労働行為と闘ってきた
わけです。そうしたすべての力を体現した、全国
ことによって、国労本部だって引き下がれないよ
うに巻き込んでしまえばいい。全労連もそうです。
大会に向かっての闘いを全力で取り組みたいと思
います。そして、被告、弁護団、全国の許さない
そういう運動展開ができないものか。そうした時
に、1047 名闘争は数万とか数十万規模の労働者の
会の仲間と共に、改憲阻止の最先頭に国鉄労働運
動が立つことを決意表明したいと思います。
怒りの声を集めて政府を揺るがして、絶対勝利で
きる。 そういう水路に5・27 闘争がなってほし
○小田原紀夫さん(日本キリスト教団牧師)
い。私たちも微力ですが、闘うことをお誓いして
発言とします。
この本につい てはかな
りおもしろく読みました。
同じような趣旨 の本であ
○吉野元久さん(国労新橋支部)
7 月末の国労大会にむかって、一点だけ決意を
まりおもしろく ないもの
も沢山あるので すが、本
述べたいと思います。
5・27 の弾圧を受けながら、弾圧を食い破って
音で言いますと 、私も呼
びかけ人の一人 で何もし
8名の「コクロウエイト」が家族も含めて不屈に
闘っています。この闘いは国鉄闘争の原点に関わ
る重大な闘いだと思っています。
ないでいるのが 申し訳な
く思うくらい、背筋をしゃんとさせなきゃと思い
ました。
先ほど出ました中曽根の言葉を借りれば、今の
こういう本がもっと売れるようでなければなら
2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
第22号
ない、内輪で買っているだけではダメだと思いま
○佐藤昭夫さん(早稲田大学名誉教授)
す。本気でやらない限り、内容として勝ったから
といって裁判で勝つことにはならないことは皆さ
みなさん、今日の出版記念
会にお集まりいただいてあり
んご存知だと思います。やはり大衆運動の力で勝
ち抜いていくという力を見せない限り無理だと思っ
ています。それなりに闘っていくつもりですので、
がとうございます。許さない
会運動の発展のために一層力
を尽していただけるようお願
みなさん一緒に頑張りましょう。
い申し上げます。
労働者の権利というのは、
( 9 )
特定の労働組合の権利ではな
く、労働者一人ひとりの権利です。
司会
○山川博康さん
(許さない会事務局次長・
スタンダード・ヴァキュー
ム石油自主労働組合書記長)
5・27 弾圧との闘いもそうですが、労働組合の
組合員個人個人が執行部の間違った方針を正すと
いうことが必要で、組合がやらないなら自分たち
がやるという主体的運動が、日本の他のいろいろ
な運動と結びついて将来をつくっていくのだと思
います。
個人個人の闘いについては最高裁でも認めてい
○木村信彦さんとアール企画の紹介
○被告全員の紹介とお礼
ます。組合が闘いをやめても個人個人の救済を受
ける権利に関わりはないのだ、と。
中曽根が「国労をつぶすために分割・民営化を
やった」と言っていることに対して、その国労が
なんの反発も示していない。この状況で関西では
港合同の大和田幸治さんなどが運動を始めた。
社民党の辻元清美代議士に頼んで議員質問をやっ
てもらった。これに対し「労働組合の性格、傾向
又は従来の運動方針のいかんによって、特定の労
働組合に対し不合理な差別的取扱いをすることは、
使用者だけでなく総理大臣をはじめとする公務員
も許されない」と、小泉純一郎の名前で政府回答
(06.6.18)をよこしているのです。
国労はそういうことを宣伝もしない。我々がこ
の運動を担うしかないということです。
今、共謀罪というもともと組合をつぶすための
法律ですが、それをまた日本で復活強化しようと
している。反対する共同行動の集会も 21 日に予定
されています。憲法9条改悪反対の百万人署名運
動にもできる限り署名を集めていただきたい。
労働運動は、職場闘争と政治的な全国闘争と2
つの柱がなければ発展しない、労働運動が発展し
ないと平和はつぶされる、そういう関係にあるわ
けです。どうぞよろしくお願いします。
( 10 )
第22号
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
2006年7月25日
○下山房雄さん(九州大学名誉教授)
宮島尚史先生から「今日
〝♪
武器はみんな捨てろ
武器はみんな捨てろ
はぜひ行きたいが行けない。
皆さまによろしく」との伝
海の底に 海の底に 武器はみんな捨てろ もう
戦争は嫌だ 傷つき倒れるのは 俺たちだけだよ
言があります。もし彼が来
たなら今日は 92 人の集まり
となりました。予想を超え
傷つき倒れるのは
る大勢の方が集まって、8
人の被告にとってはすごい
励ましになったと思うので、
そのことを一番喜びたいと思います。
俺たちだけだ
♪〟
(歌った後は拍手喝采!)
団結用意!
5・27 裁判無罪判決めざして、団結ガンバロー!
ガンバロー! ガンバロー!
まとめに代えて別のことをやります。
私は今 73 歳ですが、半世紀前 20 歳の時もあっ
たのです。先ほどの法政の学生のように元気でし
た。大学の3年生の時に新大久保の音楽センター
に通う中央合唱団の 19 期研究生だったのです。
その時、仲間3人で『東京−北京』という歌を
つくりました。これは文革に反対して苦難の道を
経てきた潮流の日中友好協会で今でも歌い続けら
れています。その中央合唱団時代にいろいろな歌
を覚えました。
現在歌われることがほとんどない歌で、今の時
期に適切だと思う歌をふと思い出しました。それ
はね、「武器はみんな捨てろ」という歌なんです。
(「歌ってください!」と声があがり、下山さん
は素晴らしい歌声で歌ってくれた)
下山さんの音頭で、団結ガンバロー!
2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
裁判闘争の現段階と
今後の課題
第22号
( 11 )
検察立証を破綻に追い込み、怒涛
の弁護側立証へ! 河村健夫さん(弁護人)
1 国労5・27 臨時大会闘争弾圧裁判は、7月 26
いう「かき集め/寄せ集め被害者集団」の暴露、
日の 61 回公判をもって検察官立証が終了し、以後、
弁護側立証へ移る。この機会に、今までの訴訟経
②有罪立証の決め手のはずだった鈴木ビデオの映
像を突きつけられ絶句し、自分の経験と違うこと
過を振り返り今後の展望を述べる。
を認めざるを得なくなる証人たち、③追い込まれ
て毒喰らわば皿までとばかりに、検察官との打ち
2
従来の訴訟経過
裁判の経過は、大別すると3期に分けられる。
第1は、裁判開始直後の攻防である初動期。第2
合わせを繰り返して意志一致を図る証人たち、と
いう惨たんたる結果であった。
は、公安警察官遠山・貞山及び国労本部派鈴木証
人の尋問を中心としたビデオテープ採用をめぐる
攻防期。そして第3は、「被害者」と称する証人
検察官立証の失敗は恐らくは検察官も自覚して
いるものと思われる。証人の窮状を救おうとする
無理で無駄な異議の連発がそれを裏打ちしている。
たちに対する証人尋問の時期である。
本事件においては、それぞれの時期ごとに大き
3
な成果を勝ち取った。
まず第1期においては、傲岸不遜な公判担当検
る。
検察官立証の破綻を引き継ぎ、被告人らの無罪
察官牧島某に対し、弁護団/被告団が一体となっ
て厳しい異議を叩き付け、検察官の起訴状及び冒
を確実にするためには、弁護側立証においていさ
さかの気の弛みも許されない。有罪率 99 %を超え
頭陳述がいかに事実と反しているかを暴いた。被
告団と弁護団は、5回にわたる圧巻の意見陳述を
行い、正々堂々と自らの行動の正当性を語りかけ
る日本の刑事裁判制度、そして「司法改革」の名
の下に刑事被告人の諸権利が奪われつつある現状
において、無罪を勝ち取るためには相応の努力が
た。その結果、裁判所も本件を労働基本権に関わ
る労働刑事裁判であると認めるに至った。
必要となる。
本件は、国鉄分割・民営化/4党合意/3党声
第2期においては、現場を撮影していたビデオ
テープをめぐり、撮影者である国労本部派鈴木某
明といった一連の国鉄改革の延長線上に発生した
事件である。従って、その不当労働行為性を理論
の証人尋問に成功し、国労本部派と公安警察との
間の癒着について衝撃的な証言を引き出した。撮
影直後にダビングテープを公安警察に差し出し、
的にも(学者)、実践的にも(労働運動活動家)
証人尋問により明らかにしてゆくことが必要不可
欠である。また、本件が被告人らによるビラまき・
酒田東京地本委員長(当時)が「ひどくやられて
いるでしょう」などと弾圧を要請していた事実は、
説得活動であることを明示し、被告人たちが現場
ホテル前でビラを配って訴えた必然性を明らかに
想像を超えた本部派の堕落を曝け出した。公安警
察官遠山・貞山に対する尋問は、暴露された事実
し、被告人たちの人生を賭けた抗議行動の意味を
示すためには、充実した被告人質問が必要である。
を上塗りする結果を得た。
そして、第3期に至り、検察官立証の核心は崩
ともに十分な準備が不可欠である。
壊したと評価できる。検察官は6人もの自称「被
害者」を証人請求し(共謀の成立を導こうとして
請求した池田証人を含めれば7人)、ビデオテー
常に感謝とともに訴えていることであるが、こ
の裁判において傍聴体制の充実は大きな意味があ
る。検察側証人が反対尋問によって崩れてゆく時
プによる映像とあわせて「嘘も繰り返せば真実と
なる」という方法論で押し渡ろうとした。
のような爽快感はないかもしれないが、被告人た
ちの真摯な労働運動への取り組みや人生に対する
しかし、法廷で待っていたのは、①暴行を受け
たという認識すらない人物を国労本部派と公安警
誠実な姿勢は心の琴線が触れることになろう。弁
護団の一員としてその機会を楽しみにしている。
察が一体となって説得して被害届を提出させたと
弁護側立証の展望
このような攻勢的な状況の中、弁護側立証に移
4
傍聴体制の重要性
ぜひ、弁護側立証でも傍聴席にお越しを!
﹁国労 5・
臨大闘争弾 圧を許さない 組合員 交流会﹂が、 5月
日都
京 地裁 反 動 判決 か ら 腰が 折れ た 。 我々 組
合 員が 本部 を変 えな い と ダメだ 。 5 ・
裁 判で 無罪 を絶 対に かち とる。 日に 一
度 九州 か ら 上京 し、 財政 負担 は常 識で は
考 えられ な い 。 しか しな ん と して も突 破
し 勝つ しか ない 。仲 間を 増や すこ とだ と
内で開 催され 、首都圏の 国 労組合員約 名が参加し ました 。 国労組合員
の ﹁ 国労5・ 臨大闘争 弾圧を許さ ない 会集会 ﹂は初め て で、交流 も兼
ねて有意義 な交流会 となり ました 。
被 告団か らは 、富田益行 さん 、原田 隆司 さん 、 羽 廣憲さん 、向山 和光
さん が参加 し、あい さつ を受けました 。
闘い への 決 起を訴え ました 。
その 後、 弁護 団の 大口 昭彦 弁護 士、 許
さな い 会の 佐藤 昭夫事務局 長か ら貴重 な講演をし ていた だき 、質疑・討
思い ます。 結集軸 をつ くっ てい く。
鉄建 公 団 訴訟 の 参 加申 し込 み を 佐藤 さ
ち 破っ て職 場 復帰 した か ら こそ 処分 を恐
れ ず資 本 と闘 える 。今 年の 尼 崎 事故 周
年 弾劾 集会 で はつ いに 分会 の 旗 を立 てる
論、交流を し ました 。
最 後に 交流会 をよびか けた 組合員か ら﹁裁判闘 争 が検察側 立証か ら弁
関 西の 富田さ んは、﹁私た ちが弾圧 され て以降 、外は大変 だった と思
う。 外での 闘い が僕らの 闘い を支えて くれた 。 関 西で も署名 を各職場で
こ とがで きた 。 関西の 国労 組合員 は 名
参 加し 、4 党 合意 反 対 派の 国労 組合 員の
護側 立証に入っ てい く節目 で、被告だ けでなく国 労組合員自 身 がこの 闘
争 を 自分の もの として闘っ て勝っ てい くことを意 志統一する ために、今
ん の 力 を借 り て やっ た 。 本部 を絶 対に 許
さ ない 。 国 労を 再生 しよ う。 夏か ら弁 護
集 会 と なっ た 。安 全闘 争、 10 47 名闘
争 の 先 頭で 闘い 、 国労 再生 しよ う﹂ と、
日は 集 まっ てい た だきまし た 。確認 し てほしいの は、集 まっ て くれた 会
員一 人ひ とり が 、自らの 職 場で、職場 闘争 を闘い ながら会員 を一人 増や
起 した のか 。 自ら の 首 を組 合が 切ろ うと
し た こ とへの 怒り です 。 私た ち の 闘いは
個 別資 本との 闘い では なく 、完 全な 階級
すこ とです。そ して傍聴体 制の 強 化で す。被告は 遠い 所か ら 毎回公 判に
来て いる わけで 、我々 とり わけ首都圏 の 国労組合 員は、毎回 傍聴にか け
つ け 、裁判所に 対して、我 々の 力で無 罪をかちと る決意を見 せる意味で
決 意を表明し ました 。
九州 の羽 廣さ んは 、﹁ 5・
に な ぜ決
数百 筆集め て送 っ て くれた 。職場復帰 して年休も ない 中で裁 判に 来て 頑
張っ てきた 。尼 崎事故が起 きた 。儲 け だけが優先 され 安全が 無視され て
27
側立証に入ってい く。傍聴席 を満杯にし、
無 罪獲 得・ 国労 再生 にむ けて 闘お う﹂ と
20
27
も傍 聴席 を埋め よ う。被告 団と弁護団 を勇気づけ てい くこと を確認 した
い ﹂とまとめの 提起をし、組合員交流会 を締め くくり ました 。
30
闘 争に な っ てい る。 私 は 歳で解 雇され 、
怒 りは 日々 増 して い ま す。 国労 本部 は東
27
1
いる 。職場で資 本と闘わな かった ら事 故が起きる 。我々自身 の 問題だと
い うこ とで 関 西で 闘っ てい る。 弾圧 を打
50
27
27
25
一人会員を増やそう! 傍聴席を埋める結集をしよう!
弁 護 側 立 証 に 入 る に あ た り、 国 労 組 合 員 の 会 員 が 職 場 で
5・27 国労
組合員の
許さない会
集会の報告
2006年7月25日
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
第22号
( 12 )
ここに集まった人たちが5・ 臨大闘争弾圧をしっかり
理解し語れるようになることと、裁判の傍聴が大事
休 憩 を はさ ん で質 疑を 行い ま した 。
・
いろ ん な 質問 があり まし た が、 弁護 側
立証 につ い て の 質問 に、 検察側 立証 は
名 の 参加で
行い ました 。
今 まで 許 さな い 会 東海 では 被告や 被告の 家族 などを 講師 に 招き 、集
相手 の 矛 盾点 をつ け ばよ かった が、 自
分た ちが 立証 しよ う とな る と、 記憶 が
日、名古屋 市で 許さな い 会 東海主催の 講演会 を
会 を行 っ てきまし た が、今回 は夏か らの 弁護側立証の 開始をひ かえ、こ
の 間の 裁判の 展開 などについ てじっ くり 話を聞きた い と思い 、 河村健夫
薄れ たり 、記 録が散 逸し たりし て難 し
い面 があ る が やり き りた い との お 話 で
した 。
6月
27
弁護 士を招きました 。
集会 の 最初に桐 村 剛代表か ら主催者 あい さつ 。 国 労本部の姿 勢、とり
わけ5・ 臨大闘争弾 圧につい ての姿勢 を厳し く批判され まし た 。
35
6 ・ 25 東 海
許さ ない会
集会の報告
25
( 13 )
第22号
講 演と 質疑 で 1時 間半 におよ ぶ河 村
さん の 話 で 5・ 臨 大闘 争弾圧の 本 質
・
続い て都築 明事 務局 長か ら 経過報告が なされ まし た 。今年に 入り 賛同
会員を 2名新た に 獲得した こ となど、会 の この 間の 活動が報告 され まし
と勝 利の 展望 も鮮 明 に示 された と思 い
ます。
27
た 。 許さな い 会 東 海は こ の 8 月で結 成 3年 に な り ます が、 今後も 許さ
ない 会 運動を広めよ う との 発言で報告を締め くくり ました 。
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
やす く 、テ ン ポよ く 話され 、参 加 者は 話
に 引 き込 ま れ 、 熱 心に 聞い て い ま し た
︹写真︺。
続い て河村弁護 士の 講演を 受けました 。河村さん はB 5で 4 ペ ージの
レ ジ ュ メ を 用 意し 、 それ に 沿っ て 分か り
連絡会 、三 重労組 交流センタ ー、愛知労 組交流センタ ーか らの アピ ール
を受けました 。
本部の 屈服 を弾劾し、 現場で元気に 闘っ ている 報告でした 。
カン パ アピ ール をはさん で 、田中国賠 裁判を支援す る小 林さ ん とST
合同 労 組か らの 連 帯の あい さ つ 、ス 労自 主、とめよ う 戦争 への 道 !岐阜
こ の 後 、関 西か ら か けつ け参 加され
た 被告 の 富田益行 さんの 発言 を受けまし た 。裁判を闘いつつ 国 労西日本
27
私 が 印象 に 残っ た のは 、 ここ に 集 まっ
た人 が 5
臨 大闘争弾 圧をし っかり と理
・
2006年7月25日
・
解し 語れ る よ うに な るこ と 、そ う しな け
れ ば 運 動を 広 め られ ない 旨 の 発 言 と、 裁
被告の保釈後、運動に緊張感がやや欠如し、弛緩する面 もあり ました が、
参加 した 名 の 仲 間と 無罪獲 得 国 労再生 を改め て 確認 し あい 、 運動の
拡大に向けた 一致 を勝ち取れた と思い ます。
︵事務局 富田︶
今回 の 集会は、 集会参加者 や内容にお い て も充実し た 集会だ と評価で
きます。最初は被告の保釈奪 還という火急の 課題のため奮 闘し ました が、
・
が伝わる 発言でした 。
判に ぜ ひ傍 聴 に 来 て くだ さ い 、 法 廷ド ラ
マ を見 るよ う な充 実 した 裁 判で す との 発
言で す 。河 村 さん の この 裁 判を 闘 う熱 意
27
35
( 14 )
第22号
被告の近況
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
2006年7月25日
鉄建公団訴訟原告団の上京行動に参加して
鉄建公団訴訟原告団は、6月 12 ∼ 16 日北海道・
九州から 50 人規模の上京行動に取り組み、私も参
羽廣 憲さん(国労小倉地区闘争団・被告)
争だけでなく、職場で闘う組合員が主人公の組合
に変えていくことです。その道は派手さはなくて
も着実に進んでいることを感じました。
加しました。全体の行動は、闘争・争議や集会へ
の参加、裁判や労働委員会の傍聴、労働組合回り
佐藤委員長、「訴訟やれ」の野次に立ち往生
など多様に取り組まれましたが、私は 15 日国労バッ
ジと服務規律での処分撤回を求める労働委員会闘
16 日は、昼に国土交通省への申し入れを行い、
午後6時半から日比谷野音集会に参加しました。
争、その夜の「日の丸・君が代」強制反対で処分
された教員を支援する集会など、そして 16 日の日
比谷野音集会に参加しました。
集会の冒頭に国労本部の佐藤勝雄委員長があい
さつしましたが、「訴訟はどうするのだ」「被害
届を取り下げろ」「4党合意を総括せよ」など大
JRの国労組合員の現場からの闘いと結合
きなヤジが会場のあちこちからわき起こり、発言
が途切れるあり様でした。原告団からは、「いつ
15 日午後1時から都庁で、国労バッジと服務規
律を口実とした不当処分撤回を求める労働委員会
になったら裁判をやるのだ」「騙されないぞ」な
ど、怒りをぶちまけるヤジが飛びました。
の調査がありました。傍聴に原告団 15 名が参加し、
申立人や組合員ら総勢 40 名で、JRの代理人(鉄
佐藤委員長は「訴訟の準備をする」と言いまし
たが、闘う姿勢はなく「政治解決」と称する権力・
建公団の代理人と同じ弁護士)や管理職を圧倒し
ました。調査では、先行事件に、今もバッジを付
け続け出勤停止3日の処分を年4回受けている仲
資本への屈服であることが明らかになりました。
上京した原告団全員が壇上に上り、酒井原告団
長が「まだ提訴していない闘争団員は地位確認を
間の申し立てた事件の併合が決定され、「社員管
理台帳」提出命令を求める申立が公益委員会議に
含めた訴訟に立ち上がろう」と強く訴えました。
原告団が先頭になってオルグに入る決意
付されることが決まりました。
JR各社は、分割・民営化以来バッジに憎しみ
17 日上京闘争団の総括会議では、「本部が訴訟
を集中し、20 年にわたり処分を続けています。関
西の5被告はバッジを付け続け、一時金カット、
しても地位確認のないもので先行事件の足を引っ
張るだけ」「本部に頼らず訴訟しようとオルグに
昇進試験の権利剥奪などの不利益を受け続けてい
ます。バッジ問題では総計約3万人が処分され、
処分撤回の労働委員会闘争が取組まれてきました。
入ろう」と率直な意見が出され、全体の意志とし
て集約されました。1047 名闘争は4件の鉄建公団
訴訟を軸に進むことは明らかです。7月 27 ∼ 28
99 年 11 月最高裁で処分不当の判決が確定しJR
東日本は国労に謝罪し賃金カット分に利息を付け
日国労全国大会は、訴訟をやるかどうかが最大の
焦点になるでしょう。12 月 22 日時効期限を前に
て支払いましたが、その後も処分を続けています。
JR東日本は 02 年3月に処分を訓告から減給や
議論は沸騰するでしょう。議論は、「組合員を警
察に売り渡した幹部役員」が弾劾されると同時に、
出勤停止へと激化させました。国労本部は分割・
民営化直後に勤務時間中のバッジ着用指示を出し
中曽根元首相の「国労を解体した」と誇る発言に
示される、国家権力の労働組合への介入と弾圧が
ましたが、処分に耐えかねると役員は職場では外
し、4党合意で資本に屈服し、処分に抗議するこ
ともなくなりました。原則的な組合員は職場で付
断罪されざるを得ません。権力による労働組合破
壊の象徴が本件です。この裁判での弾圧を許さな
い闘いは、国労再生の推進軸の一つであり、労働
け続け、独力で闘いを続けているのです。
JR本体の闘いなしに、解雇撤回・JR復帰の
基本権を回復する道筋を示す位置をしめています。
私は、遠からず国労本部が打倒され、闘う国労
勝利はありません。合理化・外注化、安全無視な
どで仲間が苦闘しています。国労再生は 1047 名闘
に再生される日が来ることを信じています。その
ために裁判と鉄建公団訴訟などを全力で闘います。
2006年7月25日
国 労大 会
に
むけて訴 え
る
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
第22号
( 15 )
政治決着の「仮象作り」
のために、国労本部が
「詫び状」提出
国労共闘全国協議会
「5・27 臨大前夜」情勢を
想起する。「国労本部は1か月以内に臨時大会を
開催し、二つの矛盾を解消しろ」「さもなくば四
打ち破ろう!
党合意を離脱する」等と甘利らに言われて開催し
たのが、5・27 国労第 69 回臨時全国大会だった。
7月 15 日、新橋交通ビルにおいて、東日本本部
主催の全分会長会議が開催された。当初は東京地
本が招集していた分会長会議であったが、事実上
7月 27 日から開催される第 74 回定期全国大会方
針の根回しを意図した「事前謀議」であった。
分会長会議では、不採用事件を巡る裁判闘争に
その結果、「原告団を除名しろ」「最高裁上告を
下ろせ」との支配介入に屈服し、あまつさえこれ
に反対した組合員ら8名を権力に売り渡した。
原告団を「セクト主義集団」
「妨害勢力」と罵る怪文書
ついての「大会追加方針」と目される「中闘・弁
護団一任」案が配布され、中労委で和解協議が進
められている「配転・出向 40 事件」に、新たに
「バッチ事件」を加える、「包括的和解」という
年内政治和解論のオンパレードとなった。
7月全国大会に向かって、様々な内部文書が飛
び交っている。いずれも本部の政治和解路線を支
持し、四党合意の破綻を居直り、かつ破綻の責任
ところで国労本部は、7月4日に中央執行委員
会を開き、前代未聞とも言えるJR東日本社長清
を原告団の独自行動におしつけ、1047 名国鉄闘争
陣形のすべてを「セクト主義集団」「妨害勢力」
野智宛の「詫び状」提出を決めた。その理由は、
6月 12 日の鉄道建設機構に対する鉄建公団訴訟原
と罵倒する「吉田メモ」、「N文書」と言われる
チャレンジグループらの「怪文書」だ。
告団の要請行動を口実として、翌 13 日の国労本部
の「三島、貨物署名」の受け取りを国土交通省が
拒否する事件があり、さらに6月 23 日の株主総会
その一方では、「解雇撤回・JR復帰要求では
政治解決の窓口で相手にされない」「地位確認訴
訟は改革法の枠組みへの挑戦であり、政治解決と
での二瓶支援共闘議長らの行動を口実に、JR東
日本が「バッチ事件」和解協議の拒否を通告した
相容れない」等と主張してきた国労弁護団長の宮
里弁護士は、近々東大教授に就任するという。国
ことだ。
相手がこれで、どうやって「年内決着」や「政
労弁護団や日本労働弁護団とも縁を切るというこ
とか。
治和解」が成り立つのか? 切羽詰まった佐藤勝
雄らは、急きょ組合員には極秘裏に、7月4日の
私たちは、1047 名国鉄闘争と5・27 臨大闘争弾
圧を打ち破る闘いが一体であることを改めて確信
国交省への拒否署名の再提出に併せて、この「詫
び状」提出を決めたのだ。一点、政治決着の「仮
象作り」のためにだ。
し、和解路線の息の根を止める7月全国大会の闘
いを進めよう。
私たちは、02 年4月 26 日の「三与党声明」を
( 16 )
第22号
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報
8・21 ∼ 22
全国代表者会議合宿
許さない会の全国代表者会議を以下の要項で開
催する予定です。8月 22 日からいよいよ弁護側立
証に入り、裁判闘争の正念場が到来します。
全国からの報告と交流をすると同時に、無罪獲
得・国労再生へむけて許さない会運動の展望と課
題を率直に論議していきたいと思います。詳細は
別途ご案内します。
○日時:8月 21 日(月)13 時∼ 22 日(火)11 時
○場所:都内
★06 年4∼5月会計報告
(2006 年5月 31 日現在)
●前月繰越金
<今後の公判日程と法廷>
法廷
月 日
曜
開廷時間
法廷
第62回 8月 22 日
火
13 時 15 分 104 号
第63回 9月6日
水
13 時 15 分 104 号
第6 4 回 9月 27 日
水
13 時 15 分 104 号
第65回 10 月 18 日
水
13 時 15 分 104 号
第66回 11 月8日
水
13 時 15 分 104 号
第67回 11 月 29 日
水
13 時 15 分 104 号
第68回 12 月 27 日
水
13 時 15 分 104 号
第69回 07 年1月 10 日 水
13 時 15 分 104 号
第70回 1月 31 日
水
13 時 15 分 104 号
第71回 2月 14 日
水
13 時 15 分 104 号
第72回 3月6日
火
13 時 15 分 104 号
第73回 3月 28 日
水
13 時 15 分 104 号
第74回 4月 18 日
水
13 時 15 分 104 号
第75回 5月9日
水
13 時 15 分 104 号
第76回 5月 30 日
水
13 時 15 分 104 号
第77回 6月 13 日
水
13 時 15 分 104 号
第78回 7月4日
水
13 時 15 分 104 号
第79回 7月 25 日
水
13 時 15 分 104 号
第80回 8月2日
木
13 時 15 分 104 号
第81回 9月5日
水
13 時 15 分 104 号
第82回 9月 26 日
水
13 時 15 分 104 号
第83回 10 月 10 日
水
13 時 15 分 104 号
第84回 10 月 31 日
水
13 時 15 分 104 号
第85回 11 月 14 日
水
13 時 15 分 104 号
第86回 12 月5日
水
13 時 15 分 104 号
第87回 12 月 26 日
水
13 時 15 分 104 号
1,040,673
●収入
賛同会費
カンパ
パンフ代収入
集会参加費
1,209,000
15,700
0
3,900
合計
1,228,600
●支出
消耗品費
52,681
通信運搬費
297,101
印刷費
166,700
会場費
19,425
交通費
17,380
資料費
6,800
法廷対策費
1,019,325
法対関係印刷費
159,545
雑費(振込手数料)
8,670
合計
2006年7月25日
1,747,627
●収支差引残高
2,269,273 − 1,747,627 = 521,646
(460 万円の借入金があります。従って現在
407 万 8354 円の赤字!)
※保釈金の弁護士保証の 400 万円は別会計
※『奴隷の道を拒否せよ-5・27 事件と国鉄
闘争』本の会計は別会計にしています
(07 年分は 7 月 12 日の公判で確認されたもの)