Hakuba Meeting

第 73 回 耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会 サテライトシンポジウム(主催:信州大
学医学部耳鼻咽喉科学講座
会長:宇佐美 真一教授(信州大学医学部耳鼻咽喉科学講
座)/ 協賛:MED-EL Medical Electronics)が、6 月 25 日から 26 日にかけて白馬東急ホテ
ル(長野県北安曇郡白馬村)にて開催された。
国内外からの参加者は、メディカルドクター65 名(34 施設)、スピーチセラピスト 39 名
(29 施設)、来賓・講師 35 名、大学関係者 23 名が参加し、スタッフを含めると総勢 200
人が集まる盛大なシンポジウムとなった。シンポジュウムのタイトルは、”New Trends in
Hearing Implant Science - EAS and VSB Work shop in Hakuba-”と題され、メドエル社の
Hearing Implant の新しいトレンドについて活発な意見交換がなされた。
メディカルドクターコースでは、1 日目は残存聴力活用型人工内耳(EAS: Electric
Acoustic Stimulation) 、2 日目は人工中耳(Vibrant Soundbridge (R))について臨床成績
や使用経験について、国内外の講師より最新の知見についてプレゼンテーションが行われ、
参加者から好評を得た。特に信州大学宇佐美教授が発表された、“Round window
approach”は、以前は不可能とされた人工内耳の埋め込みの際に残存聴力を温存するための
画期的な手術手技として注目を集めており、海外からの招待者からも日本の医師の技術の高
さに賞賛の声が上がった。又人工中耳のセッションにおいても、既に臨床経験の多いミュン
ヘン大学の Joachim Müller 教授や、マンチェスター大学の Kevin Green 先生、ルベルク大
学の Barbara Wollenberg 教授ら海外からの招待者への、日本の医師からの専門的な質問や
意見が活発に飛び交い、今後の人工中耳治験への日本の医師の意欲の高さが窺われた。
スピーチセラピストコースでは、人工内耳の両耳装用、早期介入、人工内耳と音楽、聴覚
リハビリ・評価の教材の紹介、人工内耳と言語発達といった言語聴覚士の先生方の関心の高
いトピックについての講演があり、満席の会場で参加者の先生方は熱心に聴講されていた。
特に、言語聴覚士の先生が直接関わる可能性がある人工内耳と言語発達、現在関わっている
もしくは今後関わる可能性がある両耳装用、人工内耳と音楽ついて、また最近のトピックで
ある残存聴力活用型人工内耳についての質問が多く関心の高さが窺われた。
今回のシンポジウムを通して、日本の人工聴覚市場において、メドエルがリーダーカンパ
ニーとして今後大きく飛躍していくのではという予感を参加者に強く印象づけることが出来
た。