事業者版 - 三重県

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うみ
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「み のサイ
三重みらいネット
http://www.sea.pref.mie.jp
o
携帯電話からも
このアドレスでどうぞ
活動団体の紹介
交流の場として、皆様の活動
状況を発信するページを2種類
提供します。
1つは「活動団体の紹介」の
ページで、最近の取組状況の結
果を掲載していきます。
もう1つは「メッセージ」の
ページです。皆様の行われるイ
ベントの紹介や、会員の募集な
どにご活用ください。
生き物調査情報
生き物画像が満載です。
市場に水揚げされたものや、
川や海で捕まえたものなど、い
つ、どこで、どんな生き物がい
たかという情報が集められてい
ます。
うみの恵み
水質調査情報
豊かな自然に恵まれ、たくさんの生き物をはぐくんできた「みえのうみ」。海、川あるいは山で、私
たちはさまざまな生き物たちと出会うことができます。しかし、私たち人間が便利な暮らしを追い
求めてきたために、
今、
「みえのうみ」
は生き物たちにとって、
すみやすい、
かつての豊かな
「みえのう
み」
ではなくなりつつあります。
山…川…海…。水を仲立ちにそれらは1つにつながっています。美しい「みえのうみ」を次代に伝
えるためには、山で、川で、海で、さまざまな取り組みが必要です。農林水産業に携わる私たちも「み
えのうみ」の一員です。山、川、海からさまざまな形で、たくさんの恩恵を受けています。私たち人間
の日々の営みは、
海とつながっています。
「みえのうみ」のために何ができるのでしょうか?
まず、私たちが「さかなの目」をもって、日々の営みを見直してみることから始めてみてはどうで
しょうか。
今回、その一助となる「さかなの目」
診断ハンドブックができました。
このハンドブックは、
鈴鹿川流域、阪内川流域、英虞湾周辺流域をモデル流域として、その流域に住む人たちが集まり、ワ
ークショップによる検討を重ね、
作り上げたものです。
このハンドブックを使って、まずは「さかなの目」で日々の営みを見直し、環境にやさしい農林水
産業に取り組んでいきましょう。
2003年3月 環境学習情報
◆はじめに
◇山・川・海はひとつ………………………………2
◇「さかなの目」で診断してみよう………………3
◆事業者の診断
1.米づくり…………………………………………4
2.茶栽培……………………………………………5
3.海苔養殖…………………………………………6
4.真珠養殖…………………………………………7
三重県で水揚げされる魚介類
の新鮮な情報を提供しています。
各漁業協同組合より市場の情
報(速報)を提供いただき、今、
海が育んでいる恵みの情報を分
かりやすく皆様にお届けします。
水質調査は、様々な公共機関
が、いろいろな場所で行ってい
ます。その情報を提供しています。
たくさんの方が、身近な環境
について勉強されています。こ
こでは、どのような取組をして
いるかを紹介しています。ぜひ、
情報交換の場としてご利用くだ
さい。
このサイトでは、三重県の海域、流域の情報もたくさん提供しています。また、山・川・海と暮らし
に関する様々な情報にリンクが張られていますので、ご利用ください。
このサイトは携帯電話からもアクセスできます。また、E-mailによる情報配信も行っています。
皆様からの情報により育つサイトです。たくさんの情報の提供をお待ちしております。
E-mail : [email protected]
◆参考
◇山に木を植える……………………………………8
◇もっと知りたい……………………………………9
◆資料コーナー………………………………………10
はじめに
山・川・海はひとつ
山・川・海がひとつにつながってい
ることを知っていますか。山に降った
雨は、川や地下水となり海に流れ込み
ます。そして、その水は蒸発して雲を
つくり、再び山に雨を降らせます。こ
のように水は、山・川・海を絶えず循環
しています。そして、魚たちの栄養と
なる窒素やリンなども、この水の動き
にのって山から海へ運ばれていきます。
山・川・海はひとつにつながってい
ます。美しい「みえのうみ」、豊かな「み
えのうみ」を創りあげていくには、海
だけでなく、山や川での取り組みも大
切です。山や川を大事にすることが、
海を守ることにつながるのです。
「さかなの目」で診断してみよう
水が山・川・海を循環する中で、農林水産
業ほど、その恩恵を受けている産業はない
でしょう。
「みえのうみ」の一員として、美し
い「みえのうみ」を次代につないでいく責任
もあります。それぞれの生産活動の中で、ど
のようなことに気をつければよいでしょうか。
「さかなの目」
になって、
診断してみましょう。
このハンドブックでは、
「米づくり」
「茶栽培」
「海苔養殖」
「 真珠養殖」の4つについて、診
断ができます。自分たちのやり方が、魚にと
ってどれくらいやさしいのか、診断してみ
ましょう。
【地球上の水循環】
【診断のしかた】
①診断するテーマを選びます。
→ 米づくり 茶栽培 海苔養殖 真珠養殖
②各テーマには6つのチェック項目があります。
そのチェック内容のことを行っていれば○、
そうでなければ×です。
③診断結果(○か×か)は各チェック項目の ○×
に書き込みます。
④○の数で、魚にとってどれくらいやさしいや
り方なのかが分かるようになっています。
判定
A(○が5∼6個):さかなに非常にやさしい
B(○が3∼4個):さかなにやさしい
C(○が1∼2個):さかなに少しやさしい
0個):さかなにあまりやさしくない
D(○が
単位:1,000k㎥/年
参考)J.W.M.La Riviere:サイエンス、11,52(1989)
●「さかなの目」で、
「米づくり」
「茶栽培」
「海苔養殖」
「真珠養殖」を診断
【山・
・
・川・
・
・海】
米づくり(→P4)
海苔養殖(→P6)
〔松本高志氏 提供〕
〔金萬智男氏 提供〕
川や海を汚さない
(水質が悪いと魚は生きていけません)
余計な栄養分を川や海に流さない
(富栄養化が進むと赤潮や青潮が発生し、
魚を死なせてしまいます)
茶栽培(→P5)
〔三陸河北新報社 提供〕
2
真珠養殖(→P7)
〔日本真珠輸出組合 提供〕
3
事業者の診断
1.米づくり
チェック1
○×
種子消毒の際に使用し
た消毒液の廃液を適切
に処理している。
チェック4
○×
除草機による田の草取
りや合鴨農法など、農
薬を減らす努力をして
いる。
判定→
チェック
○の数
A
5∼6個
チェック2
2.茶栽培
○×
近隣農家と相談し、代
掻きや田植えの日をず
らして、一斉に利排水
しないようにしている。
チェック5
○×
刈り取り後の稲わらを
田にすき込み、地力回
復に役立てている。
B
3∼4個
C
1∼2個
チェック3
○×
油粕や魚粉など、有機
肥料を使うようにして
いる。
チェック6
○×
畜産農家と協力して、
稲わらの堆肥化を行っ
ている。
D
○×
草を敷いたり、深耕を
行ったり、土づくりに
力を入れている。
チェック4
○×
油粕や魚粉など、有機
肥料を使うようにして
いる。
判定→
チェック
○の数
0個
A
5∼6個
チェック2
肥料の効果を高めるた
めに中耕を行っている。
チェック5
人手やにわとりによる
除草、天敵となる昆虫
の利用など、農薬を減
らす努力をしている。
B
3∼4個
C
1∼2個
●温湯消毒
●窒素神話
種子消毒の際、消毒液を使用せず温湯消
毒
(約60℃の湯に種籾を浸けて殺菌する方法)
を行えば、有害な廃液が出ることもありま
せん。
温湯消毒用の機械も市販されています。
窒素をやるほどアミノ酸が増えて、おい
しいお茶ができるという「窒素神話」がある
ようですが、お茶の木が実際に吸収する窒
素は、10アールあたり約25kgと言われてい
ます。通常、この何倍もの窒素が撒かれてい
ます。
機械による温湯消毒
〔石井昭一氏 提供〕
○×
肥料のやりすぎになら
ないよう、適切な施肥
量を守っている。
チェック6
○×
コラム
米ぬかは水田に撒くと肥料になります。
その上、水面に米ぬかの膜ができて、除草効
果も得られます。
チェック3
○×
コラム
●米ぬか撒き
○×
茶畑周辺の地下水の水
質を定期的にチェック
している。
D
0個
敷き草による土づくり
〔相藤農園 提供〕
●土づくり
根系の環境改善を行うことが肥料を減ら
すことにつながっていきます。不足しがち
な石灰や苦土の補充を行い、十分に耕すこ
とも重要です。
●合鴨農法
飼育・管理がむずかしい合鴨農法ですが、
除草・除虫双方に効果があるだけでなく、合
鴨の糞は有機肥料となります。
●にわとり農法
合鴨による有機無農薬農業
〔中央米穀(株)提供〕
4
チェック1
茶畑でにわとりを放し飼いすると、米づ
くりの合鴨と同じように、除草・除虫効果に
加え、
有機肥料を使っていることになります。
にわとりによる有機無農薬農業
〔有機栽培宇治茶童仙房茶舗 提供〕
5
事業者の診断
3.海苔養殖
チェック1
○×
密殖にならないよう、
海苔網の間隔には、余
裕をもたせている。
チェック4
○×
アオノリや珪藻類を駆
除するために、まめに
干出を行っている。
判定→
チェック
○の数
A
5∼6個
チェック2
4.真珠養殖
○×
海での作業中に、タバ
コの吸い殻やゴミを海
に捨てたりしない。
チェック5
○×
色落ちして製品になら
ない海苔を海に投棄す
ることなく、適切に処
分している。
B
3∼4個
C
1∼2個
チェック3
○×
海苔網に引っかかった
ルアーやビニル袋など
のゴミを海に捨てずに
持ち帰っている。
チェック6
○×
ロープや浮球に付着し
た貝やゴミを海に投棄
することなく、適切に
処分している。
D
チェック4
○×
貝掃除で除去したフジ
ツボなどの不要生物を
海に投棄することなく、
適切に処分している。
チェック
○の数
0個
○×
廃棄処分になる小さな
稚貝を海に投棄するこ
となく、適切に処分し
ている。
判定→
コラム
A
5∼6個
チェック2
○×
密殖にならないよう、
筏に吊す真珠籠の間隔
には、余裕をもたせて
いる。
チェック5
○×
珠を取り出す時に出る
肉片や貝殻などを海に
投棄することなく、適
切に処分している。
B
3∼4個
C
1∼2個
チェック3
○×
筏の上での作業中に、
タバコの吸い殻やゴミ
を海に捨てたりしない。
チェック6
○×
養殖場周辺の水質や底
質を定期的にチェック
している。
D
0個
コラム
●海苔養殖と窒素・リンの循環
●ヘテロカプサ
海苔は海から窒素やリンなどの栄養分を
吸収して育ちます。
そして、海苔の体内には、
窒素が5%程度、リンが0.5%程度含まれて
いると言われています。
そのため、
海苔養殖は、
陸域から流入した余計な窒素やリンを海域
から回収し、海が富栄養化するのを防ぐこ
とにつながります。
近年、ヘテロカプサというプランクトン
による赤潮が発生するようになり、英虞湾
の真珠養殖に大きな被害が出たこともあり
ました。
英虞湾では、長年の真珠養殖により、
アコヤ貝のフンなどで海底にヘドロがたま
っています。このヘドロがヘテロカプサの
温床になっているとも言われています。
浮球の清掃
〔金萬智男氏 提供〕
●密殖
●密殖
海苔網の間隔を狭くした密殖の状態では、
海水の流動性が低くなるため、珪藻類やア
オノリが付着しやすくなります。これを除
去するために、余計に酸処理を行うような
ことがあれば、海に悪影響を及ぼしかねま
せん。
真珠籠の間隔を狭くした密殖の状態では、
海水の流動性が低くなるため、エサとなる
植物プランクトンの不足や水質悪化が起こり、
アコヤ貝の成長に悪影響を及ぼすことにな
ります。
干出によるアオノリ駆除
〔金萬智男氏 提供〕
6
チェック1
海中に吊された真珠籠
〔三重県真珠養殖漁業協同組合 提供〕
浜揚げ作業
〔三重県真珠養殖漁業協同組合 提供〕
7
参考
山に木を植える
もっと知りたい
日本各地で漁業者が山に落葉広葉樹を植える
活動がおこなわれるようになってきています。
平成10年には、
初めて
「全国漁民の森サミット」
が開かれ、各地の取り組みは1つになり、全国規
模の展開となってきました。
三重県では平成10年から毎年1回、宮川の
上流域で「三重漁民の森造成事業」がおこなわれ
ています。
この事業は、漁業者自らが水の源である落葉
広葉樹の森を造成することによって、森が川や
海にもたらす恩恵を再確認すること、水と森の
大切さと海の環境保全を広く一般の人にも理解
してもらうことを目的としたものです。
こういった地道な活動が、美しく豊かな「みえ
のうみ」につながっていきます。
三重漁民の森造成事業
「みえのうみ」に関する情報、流域環境の改善に関する情報など、もっと知りたくなったら、
きいてみましょう。そして、自分でもっと調べてみましょう。
まずはここに!
三重県農林水産商工部水産物供給チーム(みえのうみ事務局)
〔三重県漁業協同組合連合会 提供〕
今では、桑名市から尾鷲市までの漁業者
やボランティアら、約300人が参加する事
業となりました。モミジやヤマザクラ、コ
ナラなどの苗木を植えています。
美しい「みえのうみ」維持・創造プロジェクトを推進している県の担当グループです。美し
く豊かな「みえのうみ」を次代に伝えるために、
「さかなの目」になって日々、業務に携わって
います。主に海の環境保全や水産資源の保全に関する仕事をしています。
「みえのうみ」につ
いて、ききたいことがあったら、まずはここにたずねてみましょう。
ホームページでは「みえのうみ」に関するさまざまな情報も見られます。また、このハンド
ブックもダウンロードできますので、ご利用ください。
〒514-8570 三重県津市広明町13
TEL: 059-224-2584 FAX: 059-224-2608
URL: http://www.sea.pref.mie.jp
主催 :三重県下漁協 三重漁連
(社)三重県緑化推進協会
テーマ:
「海・山・川はひとつ」
お役立ちリンク
●落葉広葉樹の森のはたらき
落葉広葉樹は、根を大きく張り、互いにそ
の根を絡ませ合います。そのため、土壌中に
すき間が多く、雨水は浄化されながら地下
水となって少しずつ流れ出していきます。
魚のすみかを荒らすような土砂災害なども
起こりにくくなっています。
また、落ち葉が微生物によって分解され
て腐葉土となり、栄養分の多い豊かな土壌
がつくられます。その栄養分は川へと流れ
出し、やがて海まで運ばれて植物プランク
トンのエサとなります。植物プランクトン
が増えれば、それをエサとする動物プラン
クトンも増え、さらにそれをエサとする魚
が増えます。このようにして、魚の多い豊か
な海がつくられるのです。
落葉広葉樹の森は、
自然の浄化装置であり、
自然のダムであり、栄養分供給源でもある
のです。
伊勢湾総合対策協議会(三重県総合企画局経営企画チーム)
【森と海の関係】
URL: http://www.pref.mie.jp/souki/gyousei/isewan/
森のある山
森のない山
三重県科学技術振興センター水産研究部
URL: http://www.mpstpc.pref.mie.jp/SUI/
海の博物館
URL: http://www.umi-net.toba.mie.jp/hakubutsu/
栄養
三重県漁業協同組合連合会
栄養
URL: http://www.jf-net.ne.jp/mie/
土砂
栄養
栄養
植物
プランクトン
全国真珠養殖漁業協同組合連合会
URL: http://homepage2.nifty.com/zenshinren/
栄養
栄養
栄養
国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所河川管理課
URL: http://www.cbr.mlit.go.jp/mie/
東紀州のおさかな大百科(三重県紀北県民局農林水産商工部)
やせた海
URL: http://www.u-net.or.jp/~owsnorin/suisan/fishindex2.html
地産地消ネットワークみえ(三重県農林水産支援センター需要創造グループ)
URL: http://mie.ecodes.ne.jp/titi/
豊かな海
8
9
資料コーナー
みえのうみは今
閉鎖性水域である伊勢湾や英虞湾は、陸域から流
入した栄養分が滞留しやすいため、富栄養化により
毎年、赤潮や青潮が発生し、漁業に影響が出ています。
伊勢湾では赤潮発生延べ日数が、年間500日
に達し、赤潮は恒常的な現象となっています。さ
らに英虞湾などでは、ヘテロカプサというプラ
ンクトンによる赤潮が毎年発生するようになり、
カキや真珠の養殖に大きな被害が出ています。
また、夏場を中心に毎年、貧酸素水塊があらわれ、
青潮による被害が出ています。
●伊勢湾の貧酸素水塊
●三重県の赤潮
●英虞湾の底質
伊勢湾の貧酸素水塊は、5月頃から見られるこ
ともあります。例年7月になると湾中央部に広がり、
8∼10月にかけて拡大して、三重県沿岸に寄っ
てきます。通常、水温が下がる11月に入ると解
消されます。
三重県における赤潮発生件数は、昭和50∼
60年代に比べるとだいぶ減ってきていますが、
ここ数年は横這いです。赤潮は伊勢湾だけでなく、
熊野灘北部や志摩度会など、他の海域でも発生
しています。
英虞湾では、生活排水と養殖による汚濁によ
って湾内の水質と底質が悪化し、養殖漁業に問
題が発生しています。1992年に新型の悪性赤
潮ヘテロカプサが大量発生し、真珠養殖に大き
な被害が出ました。ヘテロカプサの発生は、底
質の悪化が原因ではないかと言われています。
7月
(トン)
9月
2
1
1
3 5
2
3
4
4
5
※1972∼92年を平均化したものです。
※図中の数値は、底層で水中に溶けている酸素の量です。
(単位ppm)
80
70
60
50
40
30
20
10
0
S56 S59 S62
迫子
3.83
2.24
0.70
2.13
神明
2.92
賢島
0.55
大崎
浜島
0.02
3.33
2.83
間崎
0.10
0.22
波切
1.19
0.56
御座
N
立神
1.02
0.10
0.43
船越
0.82
1.01
越賀
和具
H2
H5
H11 H14
H8
0
1
2
3
片田
布施田
2.15
4km
深谷
mg/g
英虞湾における底質全硫化物量分布(2001年)
※水産用水基準では全硫化物0.2mg/g以下とされています。
(年)
青潮による被害
みえの漁業は今
富栄養化の影響で、伊勢湾や英虞湾では毎年
のように、赤潮や青潮が発生しています。伊勢湾
や英虞湾は、魚たちにとって、すみにくい海にな
りつつあります。そのため、漁獲量も年々減少し
てきています。桑名名物のハマグリなどは、今や
ほとんど採れなくなりました。
漁業も採る漁業から育てる漁業へと重点を移
し、海苔やカキなどの養殖も盛んに行われてい
ます。しかし、ここでも海苔の色落ちや赤潮によ
るカキの大量死など、富栄養化によって大きな
被害が出ています。英虞湾の真珠養殖では、夏場
になると、ヘテロカプサによる赤潮を避けるた
めに、筏を湾外に移動するなど、対策に苦慮して
います。
●絶滅の危機
●漁獲量の減少
●養殖への影響
ハマグリは伊勢湾で採れる代表的な二枚貝で、
桑名の名物としても知られています。しかし、漁
獲量は激減し、昭和50年代以降は、ほとんど採れ
なくなっています。今では、輸入のシナハマグリ
が店先に並ぶこともあります。
伊勢湾では、魚類も貝類も徐々に漁獲量が減
少してきています。最盛期であった昭和57年頃
は、
合計で7万トン近くの漁獲量がありましたが、
近年はその半分以下の3万トン程度まで落ち込
んでいます。
三重県では英虞湾を中心に古くから真珠養
殖が盛んに行われてきました。しかし、底質の
悪化などを背景に赤潮が発生し、アコヤガイが
大量死することも度々起きています。真珠の生
産量は年々減少し、現在は10,000kgを大きく
割り込んでいます。
(トン)
5,000
60,000
80,000
3,500
70,000
3,000
50,000
2,000
40,000
1,500
30,000
1,000
20,000
500
10,000
50,000
その他
貝類
魚類
60,000
2,500
0
(kg)
(トン)
4,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
S S S S S S S S S S S S S S S S S H H H H H H H
30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 1 3 5 7 9 11 13
伊勢湾におけるハマグリの漁獲量の推移
10
鵜方
塩屋
3.46
三重県の海域における赤潮発生件数の推移
伊勢湾における貧酸素水塊の発生状況
伊勢湾の赤潮
熊野灘北部
志摩度会
伊勢湾
(年)
S56
S59
S62
H2
H5
H8
H11
H13
(年)
伊勢湾における漁獲量の推移
0
S41 S45 S49 S53 S57 S61
H2
H6
H10
(年)
三重県における真珠生産量の推移
11
終 わりに
みえのうみ・流域で見られる生き物
伊勢湾や英虞湾のような閉鎖性水域では、海水の入れ替えが進みにくい上、生
活排水や農林水産業も含めた産業排水の過度な流入、干潟や藻場の消失による水
質浄化機能の低下を背景に、水質や底質の悪化が深刻な状況にあります。これま
でに伊勢湾では、東京湾、瀬戸内海とともに総量規制による汚濁負荷量の軽減が
図られ、英虞湾ではヘドロの除去や汚れた海底をきれいにする薬の散布が行われ
るなど、美しい「みえのうみ」を次代に伝えるための取り組みが進められてきま
した。しかし、こういった規制や事業だけでは、今の危機的な状況から抜け出す
ことは困難です。水や物質の循環といった観点から流域全体に目を向け、そこに
住む一人ひとり、生産活動に携わる一人ひとりが考え、行動することが求められ
ています。
大切なのは、流域で暮らし、生産活動に携わる私たち自身が「さかなの目」に
なって、日々の営みを見直し、さらに、美しい「みえのうみ」を次代に伝えるた
めに何ができるかを考え、それを実行していくことです。このハンドブックをそ
の始めの一歩に役立てていきましょう。
※ここに載っている生き物以外にもたくさんの生き物がいます。
川で見られる生き物たち
コ イ
カワムツ
ア ユ
サワガニ
全長1m。河川の中下流域や
湖沼にすむ。雑食性で貝類や
水草を食べる。上顎に2対の
ひげがあるのが特徴。
全長15cm。主に西日本に生
息する。雑食性。春から夏に
かけてが産卵期。
全長20cm。秋に下流域で生
まれ、海に下って越冬し、翌春
遡上する。縄張を形成する習
性がある。
甲幅3cm。水のきれいな谷川
にすむ。夏はほとんど水の中
に入らない。雌は水中で稚ガ
ニを孵化させる。
干潟・浅瀬で見られる生き物たち
2003年3月
この「さかなの目」診断ハンドブックは、「さかなの目」ワークショップの成
果をもとに、編集・作成されています。
ヒイラギ
ヨシエビ
ヤマトオサガニ
ハマグリ
全長15cm。内湾や沿岸の砂
泥底にすむ。河川の汽水域に
もいる。前下方に突き出した
口で、底生動物を吸い込む。
体長15cm。内湾の水深10
∼30mの砂泥底にすむ。体
表が細かい毛で被われてい
るのが特徴。
甲幅3.5cm。干潟の深いと
ころに穴を掘ってすむ。眼に
長い柄がついているのが特
徴。
殻長8.5cm。河川からの淡
水が混じる干潟にすむ。か
つて、桑名付近でよく獲れ
た。
●ハンドブック作りに参加した人たち(鈴鹿川流域 阪内川流域 英虞湾周辺流域)
青木良衛 青木幹夫 浅田正雄 稲垣知美 岩間申一 大橋純郎 岡本一郎 落合良已 木原寿代 黒岩秀利 小坂尚照 駒谷俊 桜井好基 宍戸薫 高島信彦 中村哲生 中山伸 西村恭子 畑中英樹 平野浩之 福井貴俊 舟橋憲治 古市武巳 堀口佳伸 松谷律子 矢田二三夫 柳田行徳 山際則明 山田美香 山本坦 米山テツ 和田泰行
(敬称略)
さかなの目診断ハンドブック
事業者版
発行 :2003年11月 第2 版
編集 :(株)UFJ総合研究所
発行 :三重県
写真協力:(財)東海水産科学協会・海の博物館
海で見られる生き物たち
アカカマス
マコガレイ
コモンフグ
シャコ
全長50cm。沿岸の浅い海の
表層を群泳する。小魚などを
食べる。
全長45cm。水深100mより
浅い砂底や砂泥底にすむ。両
眼の間に鱗があるのが特徴。
大分県日出の城下鰈は有名。
全長20cm。水深100m以浅
にすむ。体は小棘で被われて
いる。卵巣・肝臓は猛毒、精巣・
皮膚・腸は強毒。
体長15cm。内湾の水深50m
くらいまでの泥底にU字形
の穴を掘ってすむ。小魚やエ
ビなどを食べる。
参考)講談社ペック編「詳細図鑑 さかなの見分け方」講談社