ニュースフラッシュ 1 金属資源情報 情報 平成 26 年 12 月 17 日 Vol. Vol.21 No.49 ニュース フラッシュ ニュース・フラッシュ 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 調査部 ニュース・フラッシュは、インターネットでも御覧になれます。記事検索も行えます。 htt ttp://mric.jogmec.go.jp/ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― [中南米] チリ:再生可能エネルギー発電出力は前年比 56 %増の 1.91GW に達する チリ:CODELCO、尾鉱流路利用の小水力発電所建 、尾鉱流路利用の小水力発電所建 設の国際入札を開始 チリ:Molymet 社、融資契約により 200 百万 US$の 資金を調達 チリ:Anglo American、チリの銅鉱山資産の売 、チリの銅鉱山資産の売 却計画を推進 チリ:2014 年 10 月の非鉄金属生産実績 チリ:鉱業開発プロジェクト投資額は前年比 45 %の減少 ブラジル: Anglo American、 、Minas-Rio 鉄鉱石 プロジェクト、中国向け鉄鉱石の第 2 便を出荷 ペルー:Hochschild 社、コスト削減のため役員 減俸へ ペルー:Constancia 銅プロジェクト、2015 銅プロジェクト、 年第 2 四半期に商業生産開始 ペルー:JP Morgan、Volcan 社の権益 20 %を 2 億 8,000 万 US$と評価 コロンビア:Cordoba Cordoba Minerals 社、San Matias 金・銅プロジェクトの探査結果を公表 グアテマラ:鉱業・採石業労働組合委員長、鉱 鉱業・採石業労働組合委員長、鉱 業ロイヤルティ引き上げに対する異議申立を支 持 グアテマラ:加 Goldcorp 社、鉱業ロイヤルティ 引き上げにより投資を再検討 グアテマラ:大統領、鉱業ロイヤルティ引き上 大統領、鉱業ロイヤルティ引き上 げ法案に署名 メキシコ:加 Excellon Resources 社、La Platosa 多金属鉱山に対する莫大な投資が水泡に帰す可 能性が高まる メキシコ:労働社会保障省、鉱業における早急 労働社会保障省、鉱業における早急 な職業訓練実施の必要性を指摘 の必要性を指摘 メキシコ:Sinaloa 州の港湾拡張により新たな 州の港湾拡張により 貨物取扱品目として銅精鉱を追加 ドミニカ共和国: :鉱業がドミニカ共和国の経済 成長を推進 ホンジュラス:加 加 Glen Eagle Resources 社、金 精製工場の買収に合意 [北米] 米:EPA、Florence Florence 銅プロジェクトの試験生産 設備の認可案を受領 米:Freeport-McMoRan McMoRan 社のアリゾナ州 Miami 銅 製錬所が操業を再開 米:連邦議会、アリゾナ州 Rio Tinto‐BHP 銅鉱 山開発に向けた土地交換を承認 加:Endako モリブデン鉱山が操業を一時休止へ 加:Strateco 社、ケベック州政府に 1.9 億 C$の 損害賠償を請求 加:Taseko 社、銅価格下落の対応策を公表 [アフリカ] DR コンゴ:EITI 遵守国の認定取消のおそれ、25 遵守国の認定取消のおそれ、 社が 2012 年度報告書を未提出 年度報告書 ウガンダ:鉄鉱石埋蔵量 鉄鉱石埋蔵量 2.6 億 t が賦存か、ア フリカの主要鉄鉱石生産国となる可能性も [オセアニア] 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー 分野の主要プロジェクトを発表 分野の主要プロジェクトを発表(その 1) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー 分野の主要プロジェクトを発表 分野の主要プロジェクトを発表(その 2) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー 分野の主要プロジェクトを発表 分野の主要プロジェクトを発表(その 3) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー 分野の主要プロジェクト見通しを発表 分野の主要プロジェクト見通しを発表(その 4) 豪: BHP Billiton、新会社の名称を発表 Billiton [アジア] インドネシア:2015 015 年 3 月にレアアースプラン トが稼働開始予定 ―――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ニュースフラッシュ 2 チリ:再生可能エネルギー発電出力は前年比 56 %増の 1.91GW に達する メ デ ィ ア 報 道 に よ る と 、 2014 年 10 月 末 時 点 で の 非 在 来 型 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー (non-conventional renewable energy: NCRE、再生可能エネルギーのうち大規模ダム・流れ 込み式水力発電を除くもの)発電出力は 1.91GW に達し、前年同時期より 56 %増となった。10 月の NCRE 実績発電量は電力供給システム全体の 9.6 %となる 571GWh であり、昨年同期の 82.8 %増であった。 稼働している NCRE 発電所の出力を発電様式別でみると風力発電(836MW)が最大であり、バイ オマス(461MW)、小水力発電(343MW)、太陽光発電(222MW)が続く。また、建設中の発電所の総 出力は 756MW となっており、様式別では太陽光発電(456MW)、小水力発電(129MW)、太陽熱発電 (110MW)の順となっている。発電所建設事業としては、出力総計 14.4GW の事業が環境認可承認 済みであり、5.34GW の事業が承認待ちである。 チリ政府は 2025 年までに総発電量の 20 %を NCRE により賄うとする計画を策定しており、 Bachelet 大統領の電力政策では、2014~2025 年に新規に導入される発電力の 45 %を NCRE に よる発電とすることを規定している。 (2014. 12. 09 サンティアゴ 山本邦仁) チリ:CODELCO、尾鉱流路利用の小水力発電所建設の国際入札を開始 CODELCO は、2014 年 12 月 4 日付けニュースリリースで、El Teniente 銅鉱山(第 VI 州)の尾 鉱流路を利用する小水力発電所の建設に係る国際入札を開始したことを発表した。 尾鉱流路利用としては世界初となるこの水力発電事業の最大出力は 3MW である。同社は、2008 年以来実施してきた研究および実証試験の結果は、複数の尾鉱流路を活用することで、12~ 14MW の発電が可能であることを示唆するとしている。同社は発電会社を設立し、SIC(中央供給 システム)に販売する予定。 本事業は同社の鉱山操業における非在来型再生可能エネルギー利用推進の一環であり、 Chuquicamata 銅鉱山(第 II 州)の太陽光発電(1MW)や Gabriela Mistral 銅鉱山(第 II 州)の太陽 熱利用プラントに続く事業となる。 (2014. 12. 09 サンティアゴ 山本邦仁) チリ:Molymet 社、融資契約により 200 百万 US$の資金を調達 メディア報道によると、Molymet 社は、2014 年 12 月 9 日付で 200 百万 US$のシンジケートロ ーン契約に署名した。銀行団は、Bank of America、BBVA Chile、BancoEstado、Scotiabank、 HSBC、みずほ銀行、三井住友銀行、Banco Santander などで構成される。返済期間 5 年の契約 で調達される資金は、モリブデン生産を行う同社の運転資本に活用される。 (2014. 12. 09 サンティアゴ 山本邦仁) チリ:Anglo American、チリの銅鉱山資産の売却計画を推進 メディア報道によると、Anglo American はグローバルな観点で戦略的でない資産の売却に取 りかかっており、チリに関しては、Mantos Blanco 鉱山、Mantoverde 鉱山、El Soldado 鉱山、 Chagres 製錬所の売却を計画している。 Mantos Blanco 鉱山、Mantoverde 鉱山については来年 2015 年上半期に査定を始めるとみら ニュースフラッシュ 3 れ、El Soldado 鉱山、Chagres 製錬所について、現在、これらの資産に関心を持っている側と 交渉段階にあるとされる。また、これらの資産の売却とともに社員の解雇を計画しており、Mark Cutifani 社長の説明によれば、社員の数は、2017 年までに 162,000 名(2013 年)から 102,000 名に減らす予定である。銅事業部門では約 5,000 名が解雇される模様。 Anglo American は、チリにおける銅事業としては、Los Bronces 鉱山における生産および Collahuasi 鉱山の将来の拡張といった事業を優先していく方針であり、銅部門ではほかにペル ーの Quellaveco プロジェクトに注力する計画である。 (2014. 12. 10 サンティアゴ 山本邦仁) チリ:2014 年 10 月の非鉄金属生産実績 COCHILCO(チリ銅委員会)の月報電子版によると、チリの 2014 年 10 月非鉄金属生産実績(速 報)は下表のとおり。 銅の生産量は、前年同月比 2.6 %減の 49.12 万 t であり、46.33 万 t の 9 月生産量と比較す ると 6.0 %増となった。2014 年 1~10 月期の銅生産量は前年同期比 0.1 %増の 474.59 万 t である。 モリブデンの生産量は、前年同月比 28.1 %増の 4,325 t であり、3,835 t の 9 月生産量と 比較すると 12.8 %増となった。2014 年 1~10 月期のモリブデン生産量は前年同期比 29.9 % 増の 39,996 t である。 チリの非鉄金属生産実績 2014 年 10 月 2014 年 1~10 月 2013 年 1~10 月 生産量 生産量 生産量(参考) 銅(千 t) 491.2 4,745.9 モリブデン(t) 4,325 39,996 金(t) 3.9 銀(t) 135.2 (2014. 12. 12 サンティアゴ 4,740.8 増減 0.1 %増 30,801 29.9 %増 36.2 41.0 11.7 %減 1,165.0 989.2 17.8 %増 山本邦仁) チリ:鉱業開発プロジェクト投資額は前年比 45 %の減少 メディア報道によると、2014 年 10 月現在、鉱業審議会(Consejo Minero)に加盟している鉱 山会社が実施している鉱業開発プロジェクトの投資総額は 163.99 億 US$で、前年(299.49 億 US$)に比べ 45 %減少した。 減少の理由は、Caserones 銅鉱山プロジェクト、Ministro Hales 銅鉱山プロジェクト、 Mantoverde 淡水化プラントプロジェクトといったプロジュクトが建設を終了し操業を開始し たためである。来年 2015 年上半期には、Antucoya 銅鉱山プロジュクト(投資額:19 億 US$)、 Escondida 銅鉱山 OGP1 プロジェクト(投資額:38.38 億 US$)の建設が完了する見込みである。 鉱業セクターでは、いくつかのプロジェクトが評価段階で止まっていることが懸案となって おり、Antofagasta Minerals 社の Centinela プロジェクトが、2013 年 10 月から 2014 年 10 月 までに開発投資が決定された唯一の新しいプロジェクトである。 Joaquin Villarino 会長は、「ここ 2、3 年の内に開始が考えられるプロジェクトはないよう ニュースフラッシュ 4 だ。チリは銅生産量を維持、もしくは増加させなければならないとしたら、これは厄介な問題 である」と述べた。 (2014. 12. 12 サンティアゴ 山本邦仁) ブラジル: Anglo American、Minas-Rio 鉄鉱石プロジェクト、中国向け鉄鉱石の第 2 便を出 荷 メディア報道によると、Anglo American は、Minas-Rio 鉄鉱石プロジェクトからの中国向け 鉄鉱石の第 2 便の出荷を終えた。9 月下旬の鉱山操業許可取得、10 月下旬の初出荷、そして今 回の出荷第 2 便と、プロジェクトは順調に立ち上がっている模様。同社は、今後 18 カ月で 26.5 百万 t/年のフル生産操業に移行することに注力する。 (2014. 12. 15 サンティアゴ 山本邦仁) ペルー:Hochschild 社、コスト削減のため役員減俸へ 2014 年 12 月 11 日付け地元紙によると、Hochschild Mining 社(本社:英国)は、コスト削減 の一環として 2015 年 1 月以降の役 員報 酬の減俸を発表 した。 この措置に伴い 、Eduardo Hochschild 社長の年俸は現在の 77 万 US$から 40 万 US$へと削減されるほか、その他役員報酬 も 30 %の削減となる。 Hochschild Mining 社が役員報酬の減俸を行うのは、2013 年 7 月に続き 2 回目である。 (2014. 12. 15 リマ 岨中真洋) ペルー:Constancia 銅プロジェクト、2015 年第 2 四半期に商業生産開始 2014 年 12 月 15 日付け地元紙によると、Hudbay Minerals 社(本社:カナダ)は、2014 年内に 予定されていた Constancia 銅プロジェクト(Cusco 州)の生産開始は数週間程度遅れ、商業生産 は 2015 年第 2 四半期に開始される見通しを明らかにした。 同社は 2014 年に Constancia 銅プロジェクトに 6 億 7,800 万 US$を投資している。 なお、商業生産開始後は 1 日に 80,000 t の粗鉱処理を行い、年間 82,000 t の銅を生産する 見通しとなっている。また港までの精鉱の輸送は、道路及び鉄道の双方を利用する計画となっ ている。 (2014. 12. 15 リマ 岨中真洋) ペルー:JP Morgan、Volcan 社の権益 20 %を 2 億 8,000 万 US$と評価 2014 年 12 月 12 日付け地元紙によると、メキシコ資本の Grupo Mexico が Volcan 社(本社: ペルー)の 20 %の権益を買収することを目的とした交渉を、約 1 か月前に開始した件に関して、 米国の銀行持株会社 JP Morgan は、Volcan 社の権益 20 %の時価総額は約 2 億 8,000 万 US$で あり、Grupo Mexico の資産の 1.2 %程度で、取引としては小規模なものであるとの分析を行 った。 (2014. 12. 15 リマ 岨中真洋) コロンビア:Cordoba Minerals 社、San Matias 金・銅プロジェクトの探査結果を公表 2014 年 12 月 2 日付け業界紙によると、Cordoba Minerals 社(本社:カナダ)は San Matias 金・銅プロジェクト(Cordoba 県)の探査結果を公表した。 ニュースフラッシュ 5 これによると、26,000ha におよぶ Montiel East、Montiel West 及び Costa Azul におけるボ ーリングの結果、コア長 123mで銅 0.74 %、金 0.60g/t を含有する鉱化作用が際立っている。 地表調査やボーリングコアから採集する試料の分析結果から 2015 年のボーリングによる探査 対象地を決定することになると同社は言及している。 Cordoba Minerals 社は、2009 年創設で本社をカナダ・バンクーバーに置く。ラテンアメリ カで活動を行っており、2011 年に Minatura International LLC から買収した San Matias 金・ 銅プロジェクトでは 11 %の権益を持つ。 (2014. 12. 15 リマ 岨中真洋) グアテマラ:鉱業・採石業労働組合委員長、鉱業ロイヤルティ引き上げに対する異議申立を支 持 2014 年 12 月 5 日付け業界紙等によると、Mario Orellana 鉱業・採石業労働組合委員長は、 グアテマラ議会で可決、承認された鉱業ロイヤルティの引き上げに対し、鉱業企業や鉱業界が 検討している法的な異議申立を支持する旨を明らかにした。 同委員長によると、鉱業ロイヤルティーの引き上げは、証券取引所に上場している鉱業企業 に対しネガティブな影響を与えるとともに、鉱業活動における競争力を後退させ、また、違法 採掘を引き起こす。 従来の鉱業ロイヤルティは、鉱業法で規定された売上高に対する 1 %と、ボランタリーなロ イヤルティとして貴金属(金、銀及びプラチナ)に関しては売上高に対する 4 %を加算した合計 5%の税率であったが、今回の引き上げにより 10 %の税率となり、2015 年 1 月 1 日に施行が 予定されている。 農工商金融委員会(CACIF)は、今回の鉱業ロイヤルティ引き上げは他法令に抵触する可能性 があるほか、 2015 年度予算は財政管理協定と歳出への債務使用禁止に違反しており、その上、 透明性が欠如していると指摘するほか、グアテマラ商工会議所の Fernando López 会頭は、法 的措置に関し弁護士と協議を行っている。 (2014. 12. 15 縄田俊之) メキシコ グアテマラ:加 Goldcorp 社、鉱業ロイヤルティ引き上げにより投資を再検討 2014 年 12 月 5 日付け業界紙等によると、加 Goldcorp 社(本社:バンクーバー)は、先のグアテマ ラ議会で可決、承認された鉱業ロイヤルティの引き上げにより、グアテマラにおける今後の投資計 画を再検討する旨を明らかにした。 同社によると、同国に保有する Marlin 金・銀鉱山の本年における金生産量は 5.8 t と見込んで いるが、鉱業ロイヤルティの引き上げにより投資計画を再検討する必要が生じるとともに、財政面 に対するインパクトから鉱山寿命の終了が早くなる可能性を懸念している。 なお、グアテマラ議会で可決、承認された鉱業ロイヤルティの引き上げに関しては、Otto Pérez Molina 大統領による法案署名が必要となる。 一方、同国の主要産業団体は、鉱業ロイヤルティの引き上げに対し、法的に異議申し立てを行う ための検討を実施している。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) ニュースフラッシュ 6 グアテマラ:大統領、鉱業ロイヤルティ引き上げ法案に署名 2014 年 12 月 10 日付け業界紙等によると、Otto Pérez Molina 大統領は、先のグアテマラ議 会で可決、承認された鉱業ロイヤルティ引き上げを含む増税に関する法案に署名した。 鉱業ロイヤルティ引き上げにより、ニッケル及びヒスイの生産を除くほぼ全ての鉱業に対し、 大幅な増税が適用されることとなる。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) メキシコ:加 Excellon Resources 社、La Platosa 多金属鉱山に対する莫大な投資が水泡に帰 す可能性が高まる 2014 年 12 月 5 日付け業界紙等によると、刑事・行政訴訟担当第 2 地方裁判所は、加 Excellon Resources 社(本社:トロント)が Durango 州に保有する La Platosa 多金属鉱山における 1,100ha(その内、鉱山操業用地は 10ha)の共有地賃貸契約の無効訴訟に関し、同社が共有地を 所有する居住民の人権を侵害したとして、同社に対し 2013 年度における同賃貸料約 8 百万ペ ソ(61.5 万 US$)の支払いを科す旨の裁定を下す見通しである。 この背景として、2012 年に鉱業労働組合や農民連合等の斡旋により同鉱山の共有地を所有す る居住民は、同社が共有地の賃貸契約を遵守していないとして、100 日間に亘り同鉱山へのア クセス道を封鎖した。その後、行政当局及び同鉱山の操業を支持する近隣住民等の働きかけに より同封鎖は解除されたが、共有地賃貸契約の無効に関する訴訟へと発展した経緯を有する。 なお、同社は、同封鎖により 25 百万 US$の損失を被った。 本裁定により、今後、場合によっては共有地の使用が不可能となり同鉱山の閉山の可能性も 秘めており、その場合、直接雇用者の約 200 世帯及び 800 人以上の間接労働者が解雇・失業と なるほか、現在同社により地域社会への還元として実施されている周辺インフラ、学校、病院 等に関する整備費用としての 3 百万ペソ/年の支援が終了する可能性も指摘されている。 なお、同鉱山が閉山となる場合、同社が同鉱山の探鉱・採掘に対しこれまでに投資してきた 20 億ペソ以上が水泡に帰す可能性も懸念されている。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) メキシコ:労働社会保障省、鉱業における早急な職業訓練実施の必要性を指摘 2014 年 12 月 10 日付け業界紙等によると、労働社会保障省は、メキシコにおける 1 か月当た りの鉱山事故発生件数が 7~8 件であることに鑑み、鉱山事故の削減を目的として、鉱山労働 条件の改善とともに、鉱山労働者の能力を向上させるための職業訓練を早急に実施することの 必要性を指摘した。 同省専門家によると、メキシコ国内には多様な採掘方法の鉱山が存在し、それぞれにおいて 雇用者が安全に関し責任を有しているが、事故の多くは崩落や重量物運搬の際に発生している。 こうした点を踏まえ、鉱山労働者の安全対策を目的とした鉱業フォーラムの実施が必要となり、 また、同フォーラムでは火薬の取扱いや安全問題等を講義することが求められる。 なお、労働関係法令に違反した場合、雇用者は、労働者最低賃金の 50~5,000 倍(3,188~ 318,850 ペソ)の範囲で罰金が科せられる。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) ニュースフラッシュ 7 メキシコ:Sinaloa 州の港湾拡張により新たな貨物取扱品目として銅精鉱を追加 2014 年 12 月 11 日付け業界紙等によると、運輸通信省は、最近開港した Sinaloa 州 Topolobampo 港に関し、新たにターミナルの拡張工事を来年着工する旨発表するとともに、本 拡張工事終了後には、同ターミナルにおける新たな貨物取扱品目として鉱物、特に銅精鉱が追 加される可能性を示唆した。 なお、同ターミナルの拡張により、メキシコ国内の太平洋岸における商業貨物取扱量が、年 間 10%増加することが見込まれる。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) ドミニカ共和国:鉱業がドミニカ共和国の経済成長を推進 2014 年 12 月 11 日付け業界紙等によると、José Ramón Peralta 大統領府官房大臣は、2014 年に おける鉱業部門の GDP 成長率は対前年比 24.1 %で、他の産業部門(建設部門 10.7 %、サービス部 門 8.2 %、医療・健康部門 8.2 %、金融・保険サービス部門 7.8 %、教育部門 6.7 %、工業部門 5.7 %)と比べ最も高い成長率を記録するとの見通しを示すとともに、鉱業部門がドミニカ共和国 の経済成長を推進している旨を明らかにした。 同大臣によると、2014 年における同国の GDP 成長率は 7.0 %と見通しており、2015 年も引き続 き高い成長率を維持するとともに、鉱業の貢献が期待できる。 高い鉱業成長の最大の要因は、加 Barrick Gold 社(本社:トロント)及び加 Goldcorp 社(本社: バンクーバー)が権益比率 60:40 で同国に保有する Pueblo Viejo 金・銀鉱山によるもので、2014 年における金生産量は 32.7~34.8 t に達する見通しである。 一方、鉱業・石油会議所によると、2014 年における鉱業部門への投資額は約 62 億 US$に達し、 雇用に関しても直接雇用者数及び間接雇用者数の合計で約 75 千人の雇用を創出する見通しである。 なお、Falconbridge Dominicana 社(Glencore の現地法人)が保有する Falcondo ニッケル鉱山に 関しては、2013 年 10 月にニッケル市況の低迷を理由に一時閉鎖に踏み切り、現在まで操業停止が 継続している。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) ホンジュラス:加 Glen Eagle Resources 社、金精製工場の買収に合意 2014 年 12 月 4 日付け業界紙等によると、加 Glen Eagle Resources 社(本社:モントリオール) は、Gestion Cobra Gold International 社が保有する Cobra Oro de Honduras 社の株式 80 %を買 収する契約が合意に達した旨を発表した。 Glen Eagle Resources 社によると、本買収によりホンジュラス南部のニカラグアとの国境付近に 位置する金精製工場の権利を 100 %保有することとなる。 同社は、ニカラグアに保有する La Libertad 金鉱山にも金精製工場を保有しており、来年 1 月早々 には両金精製工場における生産体制を、商業レベルとして許容できるレベルにまで引き上げること を計画している。なお、La Libertad 金鉱山における金回収率は本年 7 月の段階で 70 %に達して おり、その後も順調に回収率が向上している。 (2014. 12. 15 メキシコ 縄田俊之) 米:EPA、Florence 銅プロジェクトの試験生産設備の認可案を受領 2014 年 12 月 9 日、Taseko Mines Limited(Taseko 社)は、AZ 州の Florence 銅プロジェクト ニュースフラッシュ 8 に つ い て 、 連 邦 環 境 保 護 庁 (Environmental Protection Agency: USEPA) よ り Underground Injection Control(UIC)に係る認可の原案を受領したと発表した。同プロジェクトは 24 本の 生産井で構成される原位置回収法(In-Situ Copper Recovery)での生産が計画されており、現 地での注入井の建設、操業を規制する UIC 認可は生産試験設備の操業に要求される最終的な規 制の指標になる。 今後、60 日間のパブリックコメントを踏まえて、必要に応じて修正が行われ、最終的に認可 書が発行される。 (2014. 12. 9 バンクーバー 山路法宏) 米:Freeport-McMoRan 社のアリゾナ州 Miami 銅製錬所が操業を再開 2014 年 12 月 12 日付 け 地 元 報道 は 、 2014 年 11 月 13 日 か ら操 業 を 停 止し て い た米 Freeport-McMoRan Inc.(FCX)が所有する AZ 州 Miami 銅製錬所が 12 月 7 日から通常生産に戻っ たと報じている。 同製錬所は FCX が米国に保有する唯一の銅製錬所で、米国全体の生産量の約 14 %に相当す る 180,000 t/y の生産能力を有している。11 月 12 日に転炉から溶湯(molten copper)が流出し、 火災が発生した事で操業を休止していたが、損傷した電気炉の修理完了により操業が再開され た。 (2014. 12. 12 バンクーバー 山路法宏) 米:連邦議会、アリゾナ州 Rio Tinto‐BHP 銅鉱山開発に向けた土地交換を承認 2014 年 12 月 13 日の報道によれば、Rio Tinto が 55 %、BHB Billiton が 45 %保有する AZ 州 Resolution 銅鉱山プロジェクトの開発に向けた私有地と国有林との土地交換に関する法案 を連邦議会が承認したことが明らかとなった。 Resolution プロジェクトは、AZ 州南東部の Magma 銅鉱山(1912 年~1996 年)の近くに位置し、 鉱床は地表下 1,500~2,130 m の深部に胚胎している。予測鉱物資源量 17.3 億 t、平均銅品位 1.52 %、計画値での年間銅生産量 45 万 t/y は、北米最大、世界でも最大級の生産規模となる プロジェクト。 2013 年 11 月、連邦政府の許認可を求める鉱山操業計画を提出しているが、開発計画地に鉱 業が禁止されている国有林 671 ha が含まれていることから、Rio Tinto は当該国有林と私有地 の土地交換を 9 年前から提案していた。 (2014. 12. 15 バンクーバー 山路法宏) 加:Endako モリブデン鉱山が操業を一時休止へ 2014 年 12 月 10 日、米 Thompson Creek Metals Company Inc.(Thompson Creek 社)は、低迷 するモリブデン価格を理由として、BC 州で操業中の Endako モリブデン鉱山を 12 月末で一時停 止すると発表した。これに伴い、同鉱山に勤務する定額給の従業員の約半数が解雇され、退職 費用として 1.7 百万 C$が必要となる見込み。また、時間給の従業員についても今後 60 日後か ら操業再開まで一時帰休となる。 Endako 鉱山では、2014 年に実施した操業改善が貢献して、長引くモリブデン不況でも収益 を維持してきたが、今後さらに価格が弱含む可能性がある事から、25 %の JV パートナーであ る双日株式会社との間で、操業の一時休止の合意に至った。 ニュースフラッシュ 9 (2014. 12. 10 バンクーバー 山路法宏) 加:Strateco 社、ケベック州政府に 1.9 億 C$の損害賠償を請求 2014 年 12 月 11 日、加 Strateco Resources Inc.(Strateco 社)は、同社が保有する QC 州 Matoush ウラン探鉱プロジェク トに関し、同州の持続 的開発・環境・気候変 動撲滅省(Ministry of Sustainable Development, Environment and the Fight Against Climate Change)の大臣や同 州政府による誤った行動が同社の資産に損失を与えたとして、同州政府を相手取った 190 百万 C$の損害賠償請求を同州最高裁判所に起こした事を明らかにした。 Strateco 社は、2006 年から 2012 年の間、Matoush プロジェクトに対して毎年平均 20 百万 C$の 投 資 を 行 っ て き た が 、 2013 年 11 月 7 日 、 特 定 グ ル ー プ の よ る 社 会 的 受 容 (Social Acceptability)の欠如を州政府に指摘され、同プロジェクトの後期探鉱ステージの実施に不可 欠な大臣の認可証明書の発行が拒否されていた。同社の主張は次のとおり。 同州では新旧の鉱業法(2013 年 12 月に鉱業法改正法案が成立)において、ウランの探鉱・ 採掘が認められており、州政府は同プロジェクトに約 30 の許認可を与えている。 州政府が推進する北部計画で記載された 11 の鉱業プロジェクトの中に同プロジェクトが 含まれている。 法令等に定義されていない概念である「Social Acceptability」が何を意味するのかに関 する説明を未だ受けていない。 こうした状況下で、同プロジェクトの継続は現実的ではなく、望まずして撤退を余儀なく された。 (2014. 12. 11 バンクーバー 山路法宏) 加:Taseko 社、銅価格下落の対応策を公表 2014 年 12 月 11 日、Gibraltar 銅・モリブデン鉱山を操業する Taseko Mines Limited(Taseko 社)は 30 百万 l b(約 13,600 t)に対して 2015 年 6 月までを期間とするプットオプション契約 の締結を発表した。行使価格は Q1 が 3.0U$/l b(約 6,612U$/t)、Q2 が 2.9U$/lb(約 6,392U$/t)。 Gibraltar 鉱山の 2013 年度生産量(100 %ベース)は 121 百万 l b(約 54,800 t)であり、30 百 万 l b は Taseko 社の持分生産量(75 %)の約 30 %に相当する。なお、2014 年 1-9 月の生産量 は 110 百万 lb(100 %ベース)。 Taseko 社によれば、ヘッジ取引は 2009 年から始めており、同社のような小規模な生産者に とって、資源価格が変動する時期におけるキャッシュフローの安定化を図るための戦略である と説明している。また、同鉱山のコストは 80 %がカナダドル建てで構成されており、現在の カナダドル安において、米ドルでのヘッジは有利に働くとしている。 (2014. 12. 11 バンクーバー 昆野 充登) DR コンゴ:EITI 遵守国の認定取消のおそれ、25 社が 2012 年度報告書を未提出 2014 年 12 月 9 日付メディア報道によれば、DR コンゴは、2014 年 12 月 31 日までに 2012 年 度の報告書を提出できない場合、採取産業透明性イニシアティブ(EITI:Extractive Industries Transparency Initiative)から遵守国(Compliant Country)としての認定を取り消されるおそ れがある。DR コンゴの EITI 代表 Mack Dumba 氏によれば、2014 年 11 月末までに報告義務であ った 2012 年の生産量及び税金及びロイヤルティ支払額に関して、同国内の 25 社が未だ未提出 ニュースフラッシュ 10 であり、その中には 2012 年度の会計監査を実施していない企業又は納税額を証明できない企 業も存在しているという。これを受けて、同国 Martin Kabwelulu Labilio 鉱業大臣は 2014 年 11 月末に Katanga 州を訪れ、Katanga 州鉱業大臣の Audax Sompwe Kuanda 氏のほか、Katanga 州の EITI 代表を務める Thierry Kabamba 氏と会談を行っている。なお、DR コンゴは 2014 年 7 月に EITI の遵守国に認定されたばかりであった。 (2014. 12. 15 ロンドン 竹下聡美) ウガンダ:鉄鉱石埋蔵量 2.6 億 t が賦存か、アフリカの主要鉄鉱石生産国となる可能性も 2014 年 12 月 8 日メディア報道によれば、ウガンダ地質調査所(Department of Geological Survey and Mines of Uganda, DGSM)による地質調査の結果、同国南西部に埋蔵量 2 億 t のヘ マタイト鉱床を発見し、南東部には埋蔵量 6,000 万 t のマグネタイト鉱床が賦存しているとし て、アフリカにおいて重要な鉄鉱石生産国となる可能性があるとしている。ただし同国では 2012 年に鉄鉱石の輸出が禁止されていることから、生産された鉄鉱石は全て国内向けとなる。 (2014. 12. 15 ロンドン 竹下聡美) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー分野の主要プロジェクトを発表(その 1) 2014 年 11 月 26 日、連邦政府・資源エネルギー経済局(BREE)は、定例報告書「Resources and Energy Major Projects October 2014」を発表。同報告書によれば、資源・エネルギー分野に おいて、2014 年 10 月末時点で民間企業が最終投資判断(FID)を行っているプロジェクト及び建 設中プロジェクト(Committed Stage プロジェクト)は 44 件(2,277 億 A$)で、6 か月前の 2014 年 4 月末の 48 件(2,289 億 A$)をわずかに下回った。1年前の 2013 年 10 月末時点では、63 件 (2,401 億 A$)であったことから、Committed Stage プロジェクトは件数、投資額とも減少傾向 にある。 一方、2014 年 5 月から 2014 年 10 月末までの直近 6 ヶ月で新たに FID が行われた主要プロジ ェクトは 3 件(6 億 A$)で、件数及び投資額とも過去 10 年間で最低の数字となった。 (2014. 12. 12 シドニー 伊藤浩) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー分野の主要プロジェクトを発表(その 2) 2014 年 11 月 26 日 に 連 邦 政 府 ・ 資 源 エ ネ ル ギ ー 経 済 局 (BREE)が 発 表 し た 定 例 報 告 書 「Resources and Energy Major Projects October 2014」によれば、資源・エネルギー分野に おける 2014 年 10 月末時点での Committed Stage プロジェクトは 44 件(2,277 億 A$)で、その 内訳は鉄鉱石プロジェクト 6 件(120 億 A$)、非鉄金属プロジェクト 5 件(23 億 A$)、石炭プロ ジェクト 9 件(55 億 A$)、LNG・石油プロジェクト 13 件(1,971 億 A$)、インフラ関連プロジェ クト 10 件(99 億 A$)であった。 Committed Stage の鉄鉱石プロジェクトは 2014 年 4 月末時点で 5 件(119 億 A$)となっており、 2014 年 5 月以降 Committed Stage から Completed Stage(建設完了 Stage)に移行したプロジェ クトは 0 件で、一方 Feasibility Stage から Committed Stage に移行したプロジェクトが 1 件 あった事から、10 月末時点での Committed Stage プロジェクトの件数は 1 件増えて、6 件とな り、投資額は 2014 年 5 月末時点とほぼ同等の 120 億 A$となった。 Committed Stage の石炭鉱山プロジェクトは 2014 年 4 月末時点で 10 件(65 億 A$)となってお り、2014 年 5 月以降 Committed Stage から Feasibility Stage に後退したプロジェクトが 1 ニュースフラッシュ 11 件発生した一方、Committed Stage から Completed Stage(建設完了 Stage)に移行したプロジ ェクト及び Feasibility Stage から Committed Stage に移行したプロジェクトがなかったこと から、10 月末時点での Committed Stage プロジェクトの件数は 1 件減少の 9 件となり、投資額 も 2014 年 4 月末時点から 10 億 A$減少し 55 億 A$となった。 (2014. 12. 12 シドニー 伊藤浩) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー分野の主要プロジェクトを発表(その 3) 2014 年 11 月 26 日 に 連 邦 政 府 ・ 資 源 エ ネ ル ギ ー 経 済 局 (BREE)が 発 表 し た 定 例 報 告 書 「Resources and Energy Major Projects October 2014」によれば、2014 年 5 月から 2014 年 10 月末までの間に完工した資源・エネルギー分野の主要プロジェクト(Completed Stage プロ ジェクト)は 5 件(12 億 A$)となった。6 か月前に発表された 2013 年 11 月から 2014 年 4 月末に 完工したプロジェクトの投資額は 256 億 A$で、過去最高の Completed Stage プロジェクト額(303 億 A$)を記録したその前の 6 か月(2013 年 5 月から 10 月末)に次ぐ過去 2 番目の金額となった が、一転して今回(12 億 A$)は過去 10 年間で最も低い額となった。 (2014. 12. 12 シドニー 伊藤浩) 豪:資源エネルギー経済局、資源・エネルギー分野の主要プロジェクト見通しを発表(その 4) 2014 年 11 月 26 日 に 連 邦 政 府 ・ 資 源 エ ネ ル ギ ー 経 済 局 (BREE)が 発 表 し た 定 例 報 告 書 「Resources and Energy Major Projects October 2014」によれば、最終投資判断(FID)が行 われる資源・エネルギー分野の主要プロジェクト(Committed Stage プロジェクト)の投資額見 通しは 2012 年 10 月末時点をピークとして、その後減少する傾向であり、前回の見通しよりも 一部さらに悪化している。 BREE は通常ケースと楽観ケースの 2 つのシナリオで予測しており、Likely Scenario(通常ケ ース・蓋然性のあるシナリオ)においては、BREE が半年前に発表した見通しから大きく変わら ず、2015 年 6 月の投資額を 2,300 億 A$(2014 年 10 月末と同額)、2016 年 6 月を 1,600 億 A$、 2017 年 6 月を 750 億 A$と予測している。一方、Possible Scenario(楽観ケース・可能性のあ るシナリオ)においては、前回発表から 10~20 %の下方修正を行っている。2015 年 6 月の投 資額は 2,400 億 A$(前回 2,700 億 A$から 11 %引き下げ)と 2014 年 10 月実績(2,300 億 A$)から 若干増加するが、2016 年 6 月に 2,300 億 A$(前回 2,700 億 A$から 15 %引き下げ)、2017 年 6 月に 1,900 億 A$(前回 2,400 億 A$から 20 %引き下げ)、さらに 2019 年 6 月に 900 億 A$(前回 1,000 億 A$から 20 %引き下げ)への減少を予測している。 なお、Committed Stage プロジェクトは 2 年前の 2012 年 10 月末時点がピークで(2,684 億 A$)、その後、2013 年 10 月末時点で 2,401 億 A$、2014 年 4 月末時点で 2,289 億 A$、今般 2014 年 10 月末時点で 2,277 億 A$と漸減している。 (2014. 12. 12 シドニー 伊藤浩) 豪: BHP Billiton、新会社の名称を発表 2014 年 12 月 8 日、BHP Billiton(BHPB)は分社化する新会社の名称を「South32」とすること を発表した。新会社に移管されるアルミニウム、石炭の一部、マンガン、ニッケル、銀のオペ レーションの事業の多くが南半球で行われている事、また南緯 32 度付近には本社機能を持つ パース(豪州)及びバックオフィスのグローバル機能を持つヨハネスブルグ(南アフリカ)が位 ニュースフラッシュ 12 置 す る 事 に 由 来 し て い る 。 新 会 社 は オ ー ス ト ラ リ ア 株 式 市 場 (ASX)を 主 要 取 引 所 (Primary Listing)とし、ヨハネスブルグ株式市場(JSE)及びロンドン株式市場(LSE)をセカンダリーリス ティング先とする。上場の実施は、当局による全ての許認可が取得に至り次第、取締役決議を 行い、2015 年 3 月に株主への説明書の配布、同 5 月に臨時株主総会による株主決議を経て完了 する見込み。 (2014. 12. 15 シドニー 矢島太郎) インドネシア:2015 年 3 月にレアアースプラントが稼働開始予定 2014 年 12 月 10 日付地元メディアによると、PT Timah Tbk(Timah)は、レアアース鉱物の鉱 山エリアとして、バンカ及びブリトゥン島における鉱業事業許可(IUP)の準備をしている。探 査は、レアアース処理ミニプラントの商業的操業が可能となる 2015 年 3 月に開始される予定 である。Timah の Sukrisno 取締役は、レアアースミニプラントの建設は 2015 月 1 月に完了す る見込みであると述べた。 Timahはバンカ・ブリトゥン州Tanjung Ular工業区域のレアアースプラント建設に200億IDRの投 資を行っており、レアアースの生産能力は50kg/日だという。 Sukrisno取締役によれば、プラントの操業が順調ならば、バンカ・ブリトゥンにおけるレアアー ス鉱山の開発のために鉱業事業許可の準備も予定しているという。鉱山開発までの期間は、レアア ース生産に錫スラグ及び錫製錬副産物のみを使用するとのこと。 (2014. 12. 15 ジャカルタ事務所 山本耕次) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありませ ん。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポ ートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負い かねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である 旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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