医用画像処理学(2)
基本概念(2)
(教科書pp.15-37)
有村秀孝
画像の座標系
2003年ノーベル賞(MRI)
ノーベル生理学・医学賞
x
Z
y
The Nobel Assembly at Karolinska
Institutet has awarded the Nobel
Prize in Physiology or Medicine
jointly to Paul Lauterbur and Peter
Mansfield for their discoveries
concerning "magnetic resonance
imaging". These discoveries made
it possible to develop modern
magnetic resonance imaging, MRI,
which represents a breakthrough
in medical diagnostics and
research. Worldwide, more than
60 million investigations with MRI
are performed each year.
画像の座標系と2次元配列との対応
ピクセルサイズがどのようにして決まるか?
横方向のピクセル数:2048
PixelSize  96mm / 2048  46.875m
ピクセルサイズがどのようにして決まるか?
横方向のピクセル数:2048
PixelSize  177mm / 2048  86.426m
x
PixelSize  AS / N
or  AL / N
x: X線焦点
x
人体
As
AL
X線画像検出器
ピクセル数=N
医用画像データの例
画像
画素サイズ
深さビット
マトリックスサイズ
X線写真
50 - 150 m
10-12
2048x2048
CT
0.1 – 1.0 mm
12
512 x 512
MRI
0.5 – 2 mm
12
SPECT
2.0 弱 mm
8
US
0.2 – 0.3 mm
8
256x256 - 512x512
128 x 128 – 512 x 512
512 x 512
ピクセル値ヒストグラム
(gray level histogram)
横軸に画素値(ピクセル値)、縦軸にそれぞれの画素値に対応する画素の数
をとったグラフ
画素値(ピクセル値)
(1)下の図の画像のピクセル値のヒストグラムを描きなさい。ただし、横
軸、縦軸の名前(レジェンドと言います)、目盛を書くこと。
(2)この画像を保存するためには、最低何ビット必要ですか。
(3)ピクセル値が5の座標を答えなさい。
1
1
1
1
1
2
3
1
1
3
5
2
1
2
2
2
5000
-1106
-980
-854
-728
-602
-476
-350
-224
-98
28
154
280
406
532
658
784
910
1036
1162
1288
ピクセル値ヒストグラム
(gray level histogram)
バックグランド
肺野
脂肪
筋肉
3000
度数
1000
骨
-1000
CT値
ヒストグラムの性質
入力画像のヒストグラムと画像表示
縦軸は輝度値
ピクセル値ヒストグラム
胸部単純X線写真
筋肉、
脂肪
背景(空気)
肺野
頭部三次元MR画像
のヒストグラム
灰白質
仮の脳実質領域内のカウント
8000
白質
6000
脳脊髄液
4000
2000
脂肪領域
0
0
1000
ボクセル値
(平成20年度卒研生中村君作成)
MRI
T1強調画像
MRI
T2強調画像
MRI
プロトン強調画像
MRI
FLAIR強調画像
ピクセル値と輝度の諧調変換
同じピクセル値
の差でも諧調変
換によって、輝度
の差を大きくする
ことができる。
ΔC2
輝度
ΔC1
ΔP
ピクセル値
ΔC1 < ΔC2
ピクセル値プロファイル(1次元画像)
ヒストグラムと2値化処理
人体を1(白)、背景(人体以外
の空気)をゼロ(黒)として2値
化
連結成分とラベリング
連結成分:2値画像で、連結した1画素の領域
ラベリング(ラベル付け):連結成分ごとに番号を付けること。
3つの連結成分
2値化処理とラベリング
元画像
2値画像
ラベリング画像
点処理
入力画像の注目画素のピクセル値を使って計算を行い、その結果を同じ座標
の出力画像のピクセル値とする。例:諧調変換、2値化処理など
注目画素:処理の対象となっている画素
局所処理
入力画像の注目画素とその近傍のピクセル値を使って計算を行い、その結果を同じ座
標の出力画像のピクセル値とする。
畳込み積分と線形システム
関数f(x)とh(x)との畳込み積分(convolution)

f ( x)  h( x)   f ( )h( x   )d

τ:x方向の移動量
線形システムの条件
線形システム
g ( x)  L[ f ( x)]
加法性:L[a1 f 1( x)  a2 f 2( x)]  a1g1( x)  a2 g 2( x)
f(x)
定常性:L[ f ( x   )]  g ( x   )
PSF
g(x)
h(x)
線形システム応答を畳込み積分で表現
g ( x)  f ( x)  h( x)
FT
G()  F () H ()
ここで、f(x)としてインパルス(δ関数)を入力すると、出力はG(ω)=H(ω)となり、
システム伝達関数(周波数応答関数) H(ω)が求められる。画像の分野では、
H(ωはMTF(modulation transfer function)と呼ばれ、h(x)は点広がり関数
(point spread function)と呼ばれる。
局所処理の具体的な方法
畳込み積分処理、空間フィルター処理、微分フィルターなど。
画像処理におけるフィルタ処理(畳込み積分)
出力画像g
h1
h2
h3
h4
h5
h6
h7
h8
h9
フィルタh
9
f  h   fihi  g
g
i 1
f1
f2
f3
f4
f5
f6
f7
f8
f9
Prewittフィルタ(x方向)
平均化フィルタ
1/9
1/9
1/9
-1
0
1
1/9
1/9
1/9
-1
0
1
1/9
1/9
1/9
-1
0
1
入力画像f
Sobelフィルタ(x方向)
Laplacianフィルタ(二階微分)
1
1
1
0
1
0
-1
0
1
1
-8
1
1
-4
1
-2
0
2
1
1
1
0
1
0
-1
0
1
8近傍
4近傍
局所フィルタ処理の例
1/9
1/9
1/9
0
1
0
1/9
1/9
1/9
1
-4
1
1/9
1/9
1/9
0
1
0
平均化フィルター(ノイズ低減)
ラプラシアンフィルター
(2次微分フィルターで、エッジ強調)
ImageJ: Process/Filters/Convolve
平均化フィルタ処理の例
1/9 1/9 1/9
1/9 1/9 1/9
1/9 1/9 1/9
ラプラシアンフィルタ処理の例
0
1
0
1
-4
1
0
1
0
例:フーリエ変換
細線化処理(2次元)の例
2値化画像
細線化処理画像
Classification of Small Candidates based on Local
Structure(細線化処理(3次元)の例)
Short branch : High
likelihood of aneurysm
VOI with Small candidates
Distance-transformed image
Skeleton image
Searching for short branch
Skeleton image
Non-short-branch
Short-branch type
Bifurcation type
Single-vessel type
領域拡張法による肺野と気管の抽出
肺野と気管の抽出
領域拡張法による気管の抽
出
細線化処理による気管の
中心線抽出(構造解析)
肺野はリスク臓器.気管の構造解析により,
肺野の機能への影響を推定する.
(九州大学福田麻里子氏作成)
37
Determination of Search Region for Initial Candidates
Original image
Dot-enhanced image
Segmented main
vessels
Dilation of segmented
vessels (search region)
Search region in dotenhanced image
Search region in
original image