Luncheon seminar LS 26 第 79 回日本循環器学会学術集会 ランチョンセミナー 26 イメージングイノベーション 循環器診断の将来 2015 年 4 月 25 日(土) 12:50∼13:40 (大阪国際会議場 10F 1006/1007) 自治医科大学附属病院 企画経営部医療情報部 CTA 座長 MRA 共催セミナー特設会場1 演者 1 興梠 貴英 先生 虚血性心疾患の MRI: 撮像の TIPS と診断のピットフォール 高瀬クリニック 天沼 誠 先生 演者 2 コアラボにおいて求められるもの ∼データベースの重要性∼ 帝京大学医学部附属病院 循環器内科、 日本カーディオコア 上妻 謙 先生 【セミナーチケットに関するご案内】 昼食をご用意しておりますが、ご参加にはあらかじめ ランチョンセミナーチケット(無料)が必要です。なお、 先着順の受付となりますので予めご了承ください。 ●セミナーチケット配布時間 ・4 月 25 日 7:00 ∼ 12:20 ●セミナーチケット配布場所 ・大阪国際会議場 5F ホワイエ ・リーガロイヤルホテル大阪 3F ロビー ・グランフロント大阪 B2F コングレコンベンションセンター ポスター会場内(ホール B・C) 共催: 第 79 回日本循環器学会学術集会 東芝メディカルシステムズ株式会社 -9 FSLS 26 第 79 回日本循環器学会学術集会 ランチョンセミナー 26 イメージングイノベーション 循環器診断の将来 自治医科大学附属病院 企画経営部医療情報部 座長のことば 興梠 貴英 先生 医療の目的は患者の利益となるような治療を行うことであるが、そのためには正しい知識を用いて正しい診断を行う重要となる。 臨床的に正しい知識は一朝一夕に作られるものではなく、また理屈をつなげたり基礎実験から得られた知見を直接応用したりしてできるものでも ない。やはり数多くの臨床研究や臨床試験等を行っていく中で徐々に構築されていくものである。しかし、残念ながら日本の臨床試験においては昨 今様々な杜撰さや不正が明らかになった。こうしたことが起こる原因は数多くあり、何か一つ変えれば全てうまくいくというものではないが、臨床試 験に参加する医療従事者のデータ精度に関する知識や関心が低いことも一因である。循環器領域では画像とそれを解析した結果が臨床試験で重要 な役割を果たすことが多いが、精度管理をきちんと行わないと施設ごとにばらばらな撮像装置や読影のために、解析した結果が施設間のばらつき を見ていただけだったということにもなりかねない。上妻先生には循環器画像を高い精度で管理し、信頼性の高い解析結果を提供するコアラボに ついて御講演いただく。 一方、近年の循環器診療において MRI は欠くべからざるモダリティとなってきており、その重要性はますます高くなっている。しかし比較的新し いだけに、たとえば循環器領域で頻出する遅延造影についてもその原理が十分理解されているとは言えない。そのため、単なるアーチファクトを シグナルと間違えて診断することにもなりかねない。もちろん正しく診断できるようになるためには経験も重要ではあるが、原理を理解していると より早く確実に診断能力を培うことができるだろう。また今後もMRI を用いた新しい診断手法が出てくると思われるが、そうしたときにも原理が理 解できているとその意義と限界に関する判断がしやすくなる。天沼先生には放射線科医の立場から虚血性心疾患の MRI について撮影原理を含めて 御講演いただく。 演者 1 虚血性心疾患の MRI: 撮像の TIPS と診断のピットフォール 高瀬クリニック 天沼 誠 先生 Kimらによる遅延造影 MRI における心筋梗塞巣の描出以来、MRI は虚血性心疾患の評価において重要な画像診断モダリティの地位を確立し、陳 旧性および急性期梗塞における病巣の範囲と性状の診断、冠動脈中等度狭窄における虚血診断、非造影 MR angiography による冠動脈狭窄診断 などその応用は多岐にわたる。一方で MRI 撮像原理の複雑さは循環器医師にとって、心臓および心疾患に対する知識・経験不足は放射線科医師に とって臨牀応用上での障壁であり、多くの施設では両者の相補的協調関係が築かれているとはいえない。爆発的に検査数の増加している心臓 CTと 比較すると心臓 MRI の利用はなお限定的である。 cine MRI, perfusion MRI, 遅延造影, MR angiography などの撮像法はパルス系列の種類からみると SSFP 法や高速 spin echo 法などに分 類されるがこのような撮像技術からのアプローチは通常の臨牀応用の観点からは必ずしも重要ではなく、得られるコントラストについてのある程度 のパターン認識があれば基本原理は知らなくても多くの場合画像の解釈は可能である。しかし撮像方法の概略を理解しておくことは病態の正しい理 解とともに画像コントラストの改善や、解像度の改善、artifact の同定や抑制を可能とする方法論につながる。さらに特定の病態においては撮像原 理に関する知識の欠如が誤った解釈、ひいては誤った治療方針につながる危険性もある。 本講演では放射線科医の立場から、虚血性心疾患の MRI に限定して撮像法の基本的な考え方とともに、循環器医師諸先生方に理解しておいて欲 しい画像解釈の上でのポイントやピットフォールにつき概説する。特に (1)T2 強調画像における高信号の意味づけとこれを明瞭化するための工夫(2 遅延造影法と通常の造影 MRI における “造影効果”の意味の違いとこれにもとづくコントラスト解釈の留意点(3)SSFP 画像のコントラストの特徴 とMR angiography において生じる偽陽性・偽陰性所見などについて実際の臨床例を提示しながら解説する。 演者 2 コアラボにおいて求められるもの 帝京大学医学部附属病院 循環器内科、日本カーディオコア 上妻 謙 先生 コアラボとは Core Laboratory(Core Lab)の略称で、臨床試験におけるデータの解析を行う第 3 者機関である。 客観的に臨床試験の解析を行い、データをまとめて提出する役割をもつ。近年、利益相反の問題もあり、大きな臨床試験や定性的なスコア などを用いるものに関して自施設でのデータ解析では論文の査読に際して信用されず、論文として採択されないことが多い。画像データに関して は、コアラボにて臨床情報をわからないようにして集中解析するデータが常に求められているといえる。また臨床試験には GCP (Good Clinical Practice)が適用され、個人情報保護やデータ管理の厳格さが求められており、大量の個人情報を扱うコアラボでは、この点での対応も重要である。 日本カーディオコアは、医療機関から独立した循環器関係の画像解析を集中して行う組織で、2003 年に設立され、欧米の代表的なコアラボで 学んできたいくつかの大学や病院の循環器専門医を中心に運営をしており、若手の循環器医やコメディカルが参加して、後述するような冠動脈イン ターベンション、血管内治療などの臨床試験、市販後調査、臨床治験のデータ解析を行ってきた。GCP に準拠した、個人情報保護及び標準業務手 順書 (SOP)を備え、試験に求められるプロセスの一貫性およびデータの各種検証システムの確立をしており、東芝メディカルシステムズによる進化 し続ける解析データベースがあって、治験に対応できる体制を整えている。2012 年にはプロセスの品質保証であるISO9001の認証取得を行った。
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