オーストラリアの投資環境 2017/03号

情報提供資料
オーストラリアの投資環境
2017年3月9日
~良好なGDP成長率を受け、利下げ観測が後退~
3月1日に発表された豪州における10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、前年比+2.4%となりまし
た。前期(7-9月期)は同+1.9%と2009年以来の低い伸び率となりましたが、今回は再び2%台に回復したほ
か、市場予想中央値(ブルームバーグ調べ)の+2.0%も上回る結果となりました。
品目別にみると、家計消費が前年比+2.6%、政府支出が同+11.9%と、GDP成長率の押し上げに寄与しまし
た。また、輸入が同+3.3%に対し輸出が同+8.9%となり、純輸出の伸びも押し上げに貢献しました。
今回GDP成長率が改善したことは、2月上旬に豪州準備銀行(RBA)が公表した金融政策報告書で、前期の下
振れにつながったいくつかの要因は「一時的」と表明していたことと整合する結果となりました。市場では、
RBAが2016年8月に政策金利の引き下げを決定以降、「引き下げの効果を見極めつつ、追加利下げの必要性を模
索しているもの」と捉えられていました。しかし、今回のGDP成長率の改善を受け、RBAがしばらくは利下げを
行わないと考える市場参加者が増加する中で、豪ドルは指標発表後に上昇する局面がみられました。なお、3月
7日に開催されたRBA理事会では据え置きが決定されています。
このような環境下で、今後もリスク回避の動きなどによって豪ドルは一時的に下落する局面は想定されますが、
中長期的には底堅い推移になると予想します。
豪州のGDP成長率と品目別の寄与度
7
(前年比、%)
(2010年1-3月~2016年9-12月:四半期)
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
1Q
1Q
1Q
1Q
1Q
1Q
1Q
家計消費
政府消費
総固定資本形成
在庫増減
純輸出
(年)
GDP
出所:オーストラリア統計局およびデータストリームが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来における豪州のGDP成長率と品目別の寄与度を示唆、保証するものではありません。
商号等/
加入協会/
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
アセットマネジメントOne株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
1
2月の豪ドル相場は、対米ドル、対円共に上昇。
相場動向
2月の豪ドルは、対米ドル、対円共に上昇しました。貿易収支や雇用統計などの豪州経済指標が堅調な内容を示
す中、米国早期利上げ観測がやや後退したことが米ドル安豪ドル高の要因となりました。また、中国の貿易収支で
輸入が予想を上回ったことも豪ドル高要因となりました。
今後の見通し
もみ合いの展開を予想
豪ドルは対米ドルで、高値警戒感もあることからもみ合いの展開を予想します。引き続き豪州の良好なファンダ
メンタルズと安定した鉄鉱石価格などが豪ドルの下値を支える要因になると思われます。
プラス要因
マイナス要因
・豪州経済の改善
・鉄鉱石など市況価格の安定
・豪州経済のリバランス(鉱業輸出中心の経済から、
農産物・乳製品輸出などの拡大によるバランスのと
れた経済への移行)
・米国利上げペースに対する警戒感
・豪州準備銀行(RBA)による豪ドル高けん制発言
図表2:中国向け鉄鉱石価格の推移
図表1:豪ドルの推移
(2014年2月28日~2017年2月28日:日次)
(2017年1月31日~2017年2月28日:日次)
(円)
92
豪
ド
ル
高
豪
ド
ル
安
豪ドル/円(左軸)
豪ドル/米ドル(右軸)
(米ドル)
0.78
(米ドル)
160
90
0.77
120
88
0.76
80
86
0.75
40
84
0.74
1月31日
2月10日
2月20日
0
14年2月
図表3:豪州実質GDP成長率
(2006年9-12月~2016年9-12月:四半期)
(前期比、%)
2.0
図表4:豪州
(万件)
4
1.5
3
1.0
0.5
0.0
15年2月
16年2月
住宅着工許可件数と住宅ローン件数
(2012年1月~2017年1月:月次)
※住宅ローン件数は2016年12月まで
住宅着工許可件数(左軸)
住宅ローン件数(右軸)
06年12月
09年12月
12年12月
15年12月
(万件)
8
6
2
4
1
2
0
0
▲ 0.5
▲ 1.0
17年2月
12年1月
14年1月
16年1月
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来における豪ドルの推移、中国向け鉄鉱石価格の推移、豪州実質GDP成長率および豪州の住宅着工許可件数と住宅ローン
件数を示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
2
豪ドルの為替レートの推移
(円)
(米ドル)
(2014年2月末~2017年2月末:月次)
110
1.1
17年2月末
豪
ド
ル
高
豪
ド
ル
安
100
1.0
1ヵ月前
90
0.9
80
0.8
70
0.7
6ヵ月前
1年前
豪ドル/円(左軸)
豪ドル/米ドル(右軸)
60
14年2月
3年前
16年2月
4
0.7586
(0.9%)
0.7519
(11.1%)
80.48
(7.3%)
90.88
(1.8%)
0.7141
(7.2%)
0.8925
※カッコ内は期間騰落率
17年2月
主な先進国の政策金利の推移
(%)
85.57
(0.9%)
77.76
(▲ 5.0%) (▲ 14.2%)
0.6
15年2月
(基準日:2017年2月末)
対円
対米ドル
86.36
0.7656
-
主な先進国の10年国債利回り
(%)
4
(2014年2月末~2017年2月末:日次)
(2017年2月末)
3.23%
ニュージーランド(NZ)
3
3
2
1
2
1.5
豪州
米国
0
1
0.06%
ユーロ圏
日本
0.21%
0
▲1
14年2月
2.39%
2.72%
15年2月
16年2月
日本
17年2月
ドイツ
米国
豪州
NZ
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)からマネタリーベー
スに変更されています。また、2016年1月の金融政策決定会合では、日銀の当座預金の一部に▲0.1%のマイナス金利の導入を
決定しました。
主な先進国のREIT指数の推移
主な先進国のREIT配当利回り
(2014年2月末~2017年2月末:月次)
180
160
(2017年2月末)
(%)
6
豪州
米国
日本
4.59
3.64
3.83
日本
米国
4
140
120
2
100
0
80
14年2月
15年2月
16年2月
17年2月
豪州
※主な先進国のREIT指数の推移は2014年2月末を100として指数化。
各国の指数はS&P各国REIT インデックス(現地通貨ベース、配当込み)を使用。
※主な先進国のREIT配当利回りは、S&P各国REIT インデックス 平均配当利回りを使用。
出所:ブルームバーグおよびS&Pが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来における豪ドルの為替レートの推移、主な先進国の政策金利、10年国債利回り、REIT指数の推移およびREIT
配当利回りを示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
3
オーストラリアのマクロデータ
(2014年2月~2017年1月:月次)
(前月比、千人)
100
80
雇用者数(左軸)
失業率(右軸)
(2014年2月~2017年2月:月次)
(%)(前年比、%)
7.5
10
7.0
60
6.5
40
6.0
20
5.5
0
▲ 20
▲ 40
14年2月
15年2月
16年2月
20
ナショナル・オーストラリア銀行企業信頼感指数
15
130
ウエストパック消費者信頼感指数(右軸)
8
120
6
110
4
100
5.0
2
90
4.5
0
4.0
▲2
80
※小売売上高データは2017年1月まで
14年2月
(2014年2月~2017年1月:月次)
ナショナル・オーストラリア銀行企業景況感指数
小売売上高(前年比)(左軸)
15年2月
16年2月
70
17年2月
(2014年1-3月~2016年10-12月:四半期)
(%)
4
インフレ率
インフレ率加重中央値
3
10
2
5
1
0
2~3%
0
▲5
14年2月
インフレ目標
15年2月
16年2月
14年3月
(2014年2月~2017年1月:月次)
(億豪ドル)
60
貿易収支
15年3月
16年3月
(2014年2月~2017年1月:月次)
(10億豪ドル)
100
外貨準備高
80
30
60
0
40
▲ 30
20
▲ 60
14年2月
0
15年2月
16年2月
14年2月
15年2月
16年2月
出所:ブルームバーグおよびIMFが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来におけるオーストラリアの各種経済指標の推移を示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
4
投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項
【投資信託に係るリスクと費用】
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