6 空間図形 - 新興出版社啓林館

6 空間図形
中学数学 1 年 3-2①
球の計量
球の公式
球の表面積や体積を求める公式は,特に生徒が暗記に頼ってしまいがちな箇所ですが,暗記の覚え込みだけで得
た知識は,定着が悪く,応用も効きにくくなります。実験等を通してしっかりとイメージをつかませたいところです。
1年でこの学習を終えると,3 年の図形の単元まで立体を扱うことがないので,それまでに公式自体を忘れてしまっ
ていても,自分で考え方を思い出し,公式を再発見できるような指導を心がけましょう。
4
球の体積の考え方の例 -π
r³
3
具体物での実験をもとに公式を導きます。
2r
r
円がぴったり
入る円柱
2
=
=
×ー
3
2
球の体積は円柱のー
3
円柱の体積は半球の 3 倍(実験にて確認)
→円柱の体積から球の体積を求める
球の表面積の考え方の例 4πr²
❶公式提示から実験で確認
半球にひもを
ま き つ け,そ
の 2 倍の長さ
のひ もで 円を
つくる
球の直径と等しい長さの半径をもつ円になった
円の面積=π
(2r)
² (rは球の半径)
=4πr²
❷球の表面積=円柱の側面積(アルキメデスの発見)
2πr
r
2r
円がぴったり
入る円柱
r
=
2r
球の表面積 = 円柱の側面積 → 円柱の側面積を求める
❸球の体積と表面積の関係から
A D
S
B C ¹
球の表面積を細分化して,
それぞれを高さが半径の
角錐と考える
球の体積=角錐の和
1
= ー×
(球の表面積)
×
(半径)
3
変形すると
1
球の表面積=
(球の体積)
×3×
(ー)
半径
4
球の体積 ー
πr³をあてはめて求める
3
さらにくわしくお知りになりたい場合
啓林館教師用指導書 1年朱註 p194 ~196,248
教授用資料
7 資料の活用
中学数学 1 年 3-2②
小学校での学習の概要と指導の留意点
小学校で学んだデータ分析
統計で扱うデータには,大きく分けて質的データと量的データの 2 種類があります。小学校からの学習を通じて,
質的データの分析から量的データの分析へと推移していくことがわかります。それぞれの分析手法は個別に学んでき
ていますが,実際にテーマを決めてデータを収集し,分析を行う際には,質的データや量的データが混在するのが
普通で,分析の目的や文脈に合わせて,それぞれの手法を使い分けなくてはなりません。小学校で学んだグラフな
ども合わせて活用できるよう,復習を促しましょう。
質的データ…性別や血液型など,分類された項目に関するもの
棒グラフ
(小 3)
項目ごとに集計し,その大小を比較するために用いる
円グラフ・帯グラフ
(小 5)
構成比率を比較するために用いる
量的データ…50m走の記録や通学時間など数値で得られるもの
折れ線グラフ
(小 4)
平均
(小 5)
度数分布表・柱状グラフ
(小 6)
時系列データの変化を把握するために用いる
量的データに対して用いられる分析手法
度数分布表
中学 1 年で学ぶ度数分布表や柱状グラフは,小学 6 年で既習の内容です。題材が生活に近い身近な事例から社
会的な問題に関わる事例になったり,分析するデータの数が多くなったりするなどの違いがあります。
「度数分布表」という用語は中学 1年ではじめて出ること,
小学校で「柱状グラフ」と学んだグラフを「ヒストグラム」
と呼ぶことにも注意しましょう。
●小学 6 年
表
●中学 1年
柱状グラフ
度数分布表
さらにくわしくお知りになりたい場合
啓林館教師用指導書 1年 指導研究編 p85 ~ 86 / 啓林館教師用指導書 1年 朱註 p202~205
ヒストグラム
度数分布多角形
教授用資料