経済学部 YAMAMOTO 経営学講座 CYO J I 山 本 長次 教授 「企業者史研究」 「経営史研究」 「経営理論研究」 [キーワード] 日本型企業システム,経営理念,企業家活動,企業統治(コーポレート・ ガバナンス),国際経営,企業の社会的責任(CSR),経営と政治 経 営 の 歴 史 と 理 論 を た ず ね て , 日 々 新 た に ! 研究紹介 ◆研究概要 本研究室は,企業家に注目し,人物及び思想の形成,経 営理念の確立,企業家活動,企業統治,国際経営への展 開,地域及び社会への貢献,そして経営と政治との関係 等について,研究を進めています. さん じ ◆「日本的経営の祖」武藤山治の研究 鐘紡の経営者で「日本的経営の祖」といわれる武藤山 治(18671934)の研究をライフワークとしており, 終身雇用制度及び年功序列制度といった日本型人的資源 管理システムや日本型生産システムの形成過程などにつ いて分析しています.武藤は,留学やワシントンDCで 開催された第 1 回国際労働会議(1919 年)への代表と しての出席のために渡米経験があるほか,中国への事業 展開(在華紡)やブラジル移住事業なども推進したため, 彼の研究を通じて,今日につながる国際経営についても 理解できます.また武藤は,政治革新のために政党を結 成し,衆議院議員としても活躍しました.行財政改革や 社会政策の実施なども提言していることから,彼の政治 活動の分析を通じて,政治のあり方についても,有益な 示唆が得られます. 武藤は,佐賀にも縁があった人物です.1916 年,現 在は「どんどんどんの森」となっている地に佐賀紡績と いう企業が設立されますが,第1次 世界大戦後の慢性不況期に経営が 行き詰まり,武藤に相談がなされま す.その結果,今日のダイワボウの 一前身会社であった錦華紡績によ る再建に導かれ,1986 年まで操 業がなされた経緯もあります. (最近の研究成果として,『武藤山 治』(日本経済評論社,2013 年) 【右写真】を発刊しました.) ◆佐賀出身の歴史的企業家等の研究 企業者史研究については,武藤山治のほか,市村清(リ コー,三愛石油ほか)や森永太一郎(森永製菓)といった 佐賀出身の歴史的企業家や,地元企業 の企業家も対象として行っています. そこで,これらの研究発表,さらに, 社史の作成依頼への対応等について も,進めていきたいと考えています. 最近の研究成果として,『市村清と佐 賀』 (岩田書院,2014 年) 【右写真】, 「森永太一郎と伊万里及びアメリカ」 (『佐賀学3』海鳥社,2017 年)な どがあります. ◆佐賀県内の近代化遺産や地域資源の調査研究 経営史研究や地域研究の関連から,佐賀県内の近代化遺 産や地域資源(観光面や特産物等)の調査研究にたずさわ ったほか, 『鳥栖市誌 第4巻 近代・現代編』 (2009 年), 『基山町史 下巻』(2009 年)なども執筆しました.現 在も引き続き,佐賀県内自治体の市史の編纂にたずさわる 一方,歴史関係や行財政関係の審議会の委員等もつとめて います. ◆農業分野への展開 武藤山治のブラジル移住事業先は,アマゾン川流域のパ ラー州・トメアスという場所で,現在,この地では,環境 保全と農業収入の両立を図るアグロ・フォレストリー(森 林農業)という取り組みがなされています.そこで,農業 分野に対しても考察の範囲を広げ,経営研究や経営教育研 修に取り組んでいます. 掲載情報 2017 年 2 月現在 企業・協同組合・ 自治体関係者等の皆様へ 一言アピール 「経営の神様」と称せられているパナソニックの創業者,松下幸之助は,「国も,地方自治体 も,企業も,そして個人も,皆,経営をしている」と考えておりました.そのような経営の歴 史的変遷や方向性について取り纏める事業,経営方法についての検討や考察などをしてみたい とお考えの方は,ご相談ください. 産学・地域連携機構より 経営の歴史や展望を取り纏める場合,その目的を明確にしたうえで,適切な編纂プロセスが必 要です.山本長次教授は,経営史研究者を「長期的視点に立った監査役」と例えます.会社や 団体等のアイデンティティーを見つめ直したいとお考えの方は,お問い合わせください. 佐賀大学 佐賀大学 研究室訪問記 産学・地域連携機構 (佐賀県佐賀市本条町1番地) (お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課 TEL:0952-28-8416 E-mail:[email protected]
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