点 P , が + + 点 Q + ,

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□
点 P 𝛼,𝛽 が 𝛼 $ + 𝛽 $ + 𝛼𝛽 < 1 をみたして動くとき,点 Q 𝛼 + 𝛽,𝛼𝛽
く範囲を図示せよ。
の動
(岐阜大)
解法パターン
文字で置き換えた場合,置き換えた文字が実数でなければならないことに注意!!
<解説>
点 Q 𝛼 + 𝛽,𝛼𝛽
の動く範囲を求めるために
まず 点 Q 𝛼 + 𝛽,𝛼𝛽
x 座標 𝛼 + 𝛽 を 𝛼 + 𝛽 = 𝑥 とおき
y 座標 𝛼𝛽 を 𝛼𝛽 = 𝑦 とおきます.
これにより点 Q の座標は 点 Q 𝑥,𝑦 と表せます.
そして x と y との間に成り立つ関係式を求めます.
問題文に 点 P 𝛼,𝛽 は 𝛼 $ + 𝛽 $ + 𝛼𝛽 < 1 をみたして動くとあります.
𝛼 $ + 𝛽 $ + 𝛼𝛽 = 𝛼 + 𝛽 $ − 𝛼𝛽 ですから 𝛼 $ + 𝛽 $ + 𝛼𝛽 < 1 のとき 𝛼 + 𝛽 $ − 𝛼𝛽 < 1 が成り
立ちます.
ここで 𝛼 + 𝛽 = 𝑥,𝛼𝛽 = 𝑦 ですから 𝑥 $ − 𝑦 < 1 すなわち 𝑦 > 𝑥 $ − 1 が成り立ちます.
つまり 𝑥と𝑦 との間には 𝑦 > 𝑥 $ − 1 という関係式が成り立ちます.
の
しかし,これで終わりではありません! 解法パターンの登場です.
𝛼,𝛽 は点 P の x 座標,y 座標をそれぞれ置き換えたモノですから
「𝛼,𝛽は実数である」という隠れた条件があることに注意!!です.
つまり 𝛼,𝛽 が実数であるために 𝑥,𝑦 がみたすべき条件も考えなければなりません.
今 𝛼,𝛽 と 𝑥,𝑦 との間には 𝛼 + 𝛽 = 𝑥,𝛼𝛽 = 𝑦 という関係があります.
ここで思い出してほしいのが解と係数の関係です.
解と係数の関係は,本来
2
4
3
3
「2 次方程式 𝑎𝑥 $ + 𝑏𝑥 + 𝑐 = 0 𝑎 0 の 2 つの解を 𝛼,𝛽 とすると 𝛼 + 𝛽 = − ,𝛼𝛽 =
が成り立つ」
というものですが,これを逆に言えば
「𝛼 + 𝛽 = 𝑠,𝛼𝛽 = 𝑡 のとき 𝛼,𝛽 を解にもつ 2 次方程式は 𝑥 $ − 𝑠𝑥 + 𝑡 = 0 と表せる」
ということが言えますよね!?
ですから解と係数の関係を用いれば 𝛼 + 𝛽 = 𝑥,𝛼𝛽 = 𝑦 のとき
𝛼,𝛽 は 𝑡 の 2 次方程式 𝑡 $ − 𝑥𝑡 + 𝑦 = 0 …① の解となります.
ここで 𝛼,𝛽 は実数でなければなりませんから,方程式① は実数解をもたなければなりません.
よって判別式を考えて D = 𝑥 $ − 4𝑦 ≧ 0 すなわち 𝑦 ≦
;<
=
でなければなりません.
以上から 点 Q 𝑥,𝑦 について 𝑥と𝑦 との間に成り立つ関係式は
𝑦 > 𝑥$ − 1
𝑥$
𝑦≦
4
です.
次にこれを図示するのですが,
𝑦 > 𝑥 $ − 1 は 𝑦 = 𝑥 $ − 1 を含みませんので,曲線 𝑦 = 𝑥 $ − 1 上の点は
除きます。また 𝑦 ≦
;<
=
は 𝑦=
そして, 𝑦 = 𝑥 $ − 1 と 𝑦 =
𝑥 $ − 1 =
;<
=
から 𝑥 = ±
$
;<
=
$
@
;<
=
を含むので,曲線 𝑦 =
;<
=
上の点は含みます。
との交点は
より
−
$
@
,
A
@
,
$
@
,
A
@
と求まりますが,
これらは 𝑦 = 𝑥 − 1 上の点でもあるので,この 2 点は含みません。
よって求める点Q 𝑥,𝑦 の動く範囲は
𝑦
右図斜線部分となります。
ただし境界は𝑦 =
;<
=
−
$
@
<𝑥<
$
@
y=x2-1
上の点
を含みますが,𝑦 = 𝑥 $ − 1上の点を除きます。
1
3
2
0
2
−
√3
√3
−1
(まとめ)
今回のように𝑥𝑦平面上において,ある点の x 座標や y 座標を
文字で置き換えるという場面に今後何度も遭遇しますが
その際には必ず置き換えた文字が実数であるための条件を求める,あるいは
実数であることを確認しなければならないということを覚えておいて下さい.
𝑦=
𝑥$
4
𝑥