方向性をポジティブに変更

NEWS RELEASE
2017年01月30日
【格付維持/方向性変更】
ラトビア共和国
外貨建発行体格付: BBB+ [格付の方向性:安定的 → ポジティブ]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
欧州連合(EU)基金の拠出遅れによる影響を除けば、経済は引き続き堅調に推移している。EUとロシ
アとの関係悪化および同国の景気後退の影響は限定的で、金融システムの安定性も保たれている。政府
は規律を重視した財政運営を続けており、今後も財政は良好な状況が維持されよう。経済の対外開放度
が高いことに加えロシアと欧州の中継貿易拠点という特性を持つため、外部環境に大きく影響されやす
いが、安定した政治環境や堅実な政策運営、およびユーロ導入が後押しとなり、対外ショックに対する
経済の耐性は高まっていると評価できる。以上を踏まえ、外貨建発行体格付BBB+を維持する一方、格付
の方向性をポジティブとした。外部環境が変化する中でも、財政状況や金融システムの安定性が保たれ
ることを確認できれば格上げする。
実質国内総生産(GDP)成長率は、2013年から2015年まで2%を超える安定した推移を続けてきた。ロ
シアの景気後退というストレス・テストを経て、経済の安定感は十分に確認できたとR&Iでは判断してい
る。2016年の成長率は1%程度にとどまった模様。EU基金の引き出しが遅れたことによる公共投資の減速
が主因で、建設部門の付加価値は大幅に落ち込んでいる。同部門を除いた実質GDP成長率はこれまでと同
様のペースで推移しており、経済の堅調さは保たれていると言えよう。EU基金の拠出が徐々に再開され
る等の前提で、中央銀行と国際通貨基金(IMF)は2017年の実質GDP成長率を約3%と見込んでいる。
経常収支は2016年には黒字となった模様だが、2017年以降は原油価格下落の影響が剥がれるとともに
資本財輸入が回復するなどの影響で、再びGDP比2%程度の赤字に戻るとみられる。対外債務残高はGDP比
150%前後に達している。対外債務は、元利返済リスクを重視して基本的にグロスの値をみるものの、ラ
トビアについては非居住者預金を取り扱う金融機関が対外資産と両建ての運用をしているため、ネット
の数値の方がより実態を示していると考えられる。債務から資産を差し引いた純対外債務残高は30%弱
にとどまる。資金調達環境も安定しており流動性面での懸念は小さい。
銀行部門全体の収益性はおおむね安定し、資本面でも2016年第3四半期末時点で普通株式等Tier1
(CET1)比率は17.4%と規制水準を十分に上回っている。一時20%近くまで悪化した不良債権比率は
2016年第3四半期末時点で約5%まで減少した。ロシアの景気後退は非居住者預金や非居住者向け融資に
影響している。非居住者預金は、マネーロンダリング/テロ資金供与対策(AML/CFT)強化の影響もあ
り、前年比で減少している。また、非居住者向け融資に限れば不良債権比率は上昇基調にある。
非居住者向けビジネスには引き続き目配りが必要だが、そうしたビジネスが中核となっている銀行群
が国内向け金融活動に占める割合は小さい。追加の資本規制や流動性規制も課されている。銀行監督機
能が欧州中央銀行(ECB)の下に集約されたことで、そうした銀行群に対する監督機能は向上していると
判断できる。経済や金融システムの安定性が損なわれる懸念は小さいとR&Iではみている。
一般政府財政収支の赤字幅はGDP比1%前後に抑制されている。2016年は当初計画である1%以下となっ
た模様で、政府債務残高は40%と見込まれている。2017年は赤字幅をGDP比1.1%とする計画だ。政府
は、財政政策の重点分野として、防衛費の段階的引き上げ、医療および教育サービスの充実、そして所
得格差是正を挙げている。支出は増加するものの、歳入の拡充努力により財政収支の悪化を抑制する構
えだ。政府はこれまでも財政赤字の抑制に努めており、財政健全化への取り組みは制度的にも担保され
ている。財政収支および債務はおおむね政府計画通りに抑制されるとR&Iではみている。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273
株式
会社
格付投資情報センター
〒101-0054
東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:ラトビア共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
BBB+(維持)
安定的 → ポジティブ
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
原 一樹
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2017年01月23日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
ラトビア共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
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