NEWS RELEASE 2017年01月23日 【格付維持】 スロベニア共和国 外貨建発行体格付: A- [格付の方向性:安定的] 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。 【格付理由】 経済は堅調に推移しており、今後も安定した伸びが見込める。財政収支は改善基調にあり、債務残高 は2016年に減少に転じている。銀行部門は立て直しが進み、資本も増強され、経済や財政の負担となる 可能性は低下している。以上の判断を踏まえ、外貨建発行体格付A-を維持し、格付の方向性は引き続き 安定的とした。 経済は回復基調にある。中央銀行によると、2016年の実質国内総生産(GDP)成長率は、輸出と民間消 費に牽引され2.2%となった模様だ。懸念となっていた事業会社の債務負担は低下基調にあり、景気が過 熱する直前の2006年の水準となっている。対外開放度が高く、主要輸出先である欧州景気が緩やかな回 復を続ける中、スロベニア経済の回復基調が崩れる懸念は小さい。2016年後半にかけて経済は力強さを 増しており、中央銀行は2017年に2.5%、2018年に2.6%の成長を見込む。 銀行部門の資本は増強され、収益性も改善している。不良債権比率は、銀行資産管理会社(BAMC)へ の債権移転や各行の不良債権処理努力もあり、着実に低下している。ただ、中小企業を中心に不良債権 負担は依然として重い。国内銀行融資に対する需要低迷や事業会社のデレバレッジにより、事業会社向 け融資残高は前年比10%を超えるペースで減少している。低金利環境が続く中、融資低迷が長引けば銀 行部門の収益性に影響を与えよう。金融システムの安定性は改善しているものの、こうした潜在的リス ク要因には目配りが必要だ。 一般政府財政収支の赤字幅は2015年にGDP比2.7%に改善し、2016年は政府によると2.2%となった模 様。確定値は欧州統計局の発表を待たなければならないが、おおむね計画内に収まったとみてよいだろ う。2017年の財政赤字は、政府予算案によると、1.3%に抑制する計画だ。公務員賃金政策に関する労使 交渉の結果、これまで適用されていた賃金抑制策の一部について段階的廃止が合意され、公務員人件費 が増加するといったマイナス面はある。それでも堅調な経済や、財政健全化を重視した政府の政策運営 スタンスを踏まえると、財政収支が計画値から大きく悪化する可能性は小さいとR&Iではみている。一般 政府の債務残高は2016年末時点でGDP比79.5%に減少した模様で、2015年に記録したピーク値(83.1%) やユーロ圏平均(91.6%)を下回る。今後も同基調が続く見込みだ。 短期的には財政面での懸念は乏しい一方、中長期的には高齢化の進行に伴い、年金や医療関連支出が 財政を圧迫することが予想される。スロベニアは欧州連合(EU)加盟国のなかで最も高齢化が進んでい る国の一つだ。政府は2013年に年金改革を実施しているが、債務を安定的に削減していくためには、同 分野での追加的な改革に加えて、教育制度面でも改革と支出効率化の必要性が指摘されている。また、 財政健全化を担保する制度は財政ルールにより強化されたものの、財政委員会(Fiscal Council)はま だ設立されておらず、予算編成過程などを規定する財政法(Public Finance Act)改定も道半ばだ。経 済成長力の回復という点で課題となっている国営企業の民営化やガバナンス改善に加え、中長期的な財 政面の課題に対する政府の取り組みに注目していく。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 【格付対象】 発行者:スロベニア共和国 名称 格付 格付の方向性 外貨建発行体格付 A-(維持) 安定的 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 信用格付に関わる事項 信用格付業者 登録番号 株式会社格付投資情報センター 金融庁長官(格付)第6号 直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。 主任格付アナリスト 原 一樹 信用格付の付与について 代表して責任を有する者 細田 弘 信用格付を付与した日 2017年01月16日 主要な格付方法 ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16] 上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して います。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html 評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html 格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html 格付関係者 スロベニア共和国 注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。 利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料 品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ れている資料であること。 情報提供者 - 信用格付の前提、意義及び限界 R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定 通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等 の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見 を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の 表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い かなる保証もしていません。 R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの 情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格 付を保留したり、取り下げたりすることがあります。 利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が 高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり ます。 信用格付に関わる留意事項 当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。 格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc.
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