Economic Indicators 指標名:全産業活動指数(2016年11月) 定例経済指標レポート 発表日2017年1月24日(火) ~前月比+0.3%と上昇基調を維持~ 第一生命経済研究所 経済調査部 担当 エコノミスト 伊藤 佑隼 TEL:03-5221-4525 (単位:%) 全産業活動指数 第3次産業活動指数 前期比 前年比 前期比 前年比 15 5 -0.7 -0.3 -0.3 0.7 6 0.5 2.3 0.2 2.4 7 0.0 1.5 0.1 1.9 8 0.0 1.5 0.2 2.0 9 -0.3 0.5 -0.4 0.8 10 0.7 1.0 0.6 1.6 11 -0.8 1.3 -0.6 1.4 12 -0.6 -0.6 -0.4 0.0 16 1 1.2 -0.6 0.7 0.2 2 -0.9 1.6 0.2 2.5 3 0.4 0.3 -0.2 0.4 4 0.9 -0.2 0.8 0.7 5 -1.3 0.3 -1.1 0.4 6 1.0 0.1 0.7 0.5 7 0.2 -0.7 0.3 0.1 8 0.2 1.7 0.0 1.0 9 0.0 1.2 -0.3 0.9 10 0.0 -0.4 0.0 -0.3 11 0.3 2.1 0.2 1.3 (出所)経済産業省「全産業活動指数」 ○ 11月の全産業活動指数は前月比+0.3% 鉱工業生産指数 前期比 前年比 -2.2 -4.5 1.7 2.1 -0.9 -0.6 -0.7 -0.9 0.3 -1.2 1.2 -1.6 -1.1 1.4 -1.2 -2.1 2.5 -4.2 -5.2 -1.2 3.8 0.2 0.5 -3.3 -2.6 -0.4 2.3 -1.5 -0.4 -4.2 1.3 4.5 0.6 1.5 0.0 -1.4 1.5 4.6 建設業活動指数 前期比 前年比 -0.2 1.1 0.2 1.7 0.7 4.2 0.0 3.1 -1.0 1.6 1.3 2.7 -2.9 -0.4 -0.7 -1.5 2.7 1.2 -0.2 1.3 -1.6 -1.0 2.0 0.3 1.7 2.1 0.1 2.1 1.3 2.8 -1.1 1.8 1.6 4.3 -0.5 2.5 -2.5 2.7 2016年11月の全産業活動指数は前月比+0.3%と、ほぼコンセンサス(同+0.4%、レンジ:同+0.1%~ +0.5%)通りの結果となった。全産業活動指数は、16年後半以降の鉱工業生産指数の上昇を背景に、持ち 直し基調となっている。 内訳をみると、プラスに寄与したのは、鉱工業生産指数(前月比寄与度+0.30%ポイント)、第3次産業 活動指数 (同+0.14%ポイント)だった。一方で、マイナスに寄与したのは建設業活動指数(同▲0.16%ポ イント)であった。 16年度予算の前倒し執行の反動から軟調な動きを続ける公共部門に加え、住宅着工のピークアウトを背景 に8ヶ月ぶりに民間部門も低下となり、建設業活動指数は2ヶ月連続の前月比マイナスとなった。一方で、 産業用ロボットの生産が増加したはん用・生産用・業務用機械工業をはじめ、幅広い業種が上昇したことで、 鉱工業生産指数が前月比プラスとなったほか、第3次産業活動指数も上昇となり、全産業活動指数を押し上 げた。 ○ 第3次産業活動指数は前月比+0.2% 11月の第3次産業活動指数は前月比+0.2%となった。一方で、第3次産業活動指数は、小売業や生活娯 楽関連サービスといった消費関連が力強さを欠いた動きを続けており、均してみれば横ばい圏での動きが続 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容 は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。 いている。 11月にプラス寄与となったのは、情報通信業(前月比+1.6%、前月比寄与度+0.17%ポイント)、卸売 業(同+1.2%、同寄与度+0.16%ポイント)、金融業,保険業(同+1.2%、同寄与度+0.12%ポイント) など6業種であった。一方で、マイナスに寄与したのは、生活娯楽関連サービス(前月比▲2.5%、前月比 寄与度▲0.28%ポイント)、運輸業、郵便業(同▲0.6%、同寄与度▲0.06%ポイント)、小売業(同▲ 0.2%、同寄与度▲0.02%ポイント)など5業種であった。 娯楽業が不調だったことを主因に、生活娯楽関連サービスが下落に寄与した。都心部で11月に観測史上初 の積雪が記録されるなど、天候不順が響いた可能性がある。一方で、ゲームソフトの売上が好調だったこと を背景に、ソフトウェア業が上昇し、情報通信業は前月比プラスとなった。また、飲食料品卸売業や建築材 料,鉱物・金属卸売業などが上昇した卸売業、アメリカ大統領選挙を受けて株式市場が盛り上がったことか ら流通業務が上昇した金融業,保険業などが前月比プラスとなり、第3次産業活動指数を押し上げた。 ○ 先行きも生産の回復などを背景に上昇基調を維持 全産業活動指数は、先行きについても上昇基調を維持する見込みだ。 建設業活動指数については、昨年 10 月に成立した第二次補正予算による公共投資の効果が顕在化してい くことを背景に、緩やかに上昇していくとみられる。鉱工業生産指数は、在庫調整の更なる進展や予測指数 が先行きも増産を見込んでいることを踏まえると、回復基調を維持するだろう。第3次産業活動指数は、冴 えない消費マインドを背景に消費関連が力強さを欠いた動きを続ける一方で、生産・輸出の回復を要因に企 業部門が持ち直していくことで、緩やかに上昇していくだろう。総じてみれば、全産業活動指数は、先行き 上昇基調を維持することが予想される。 (%) 全産業活動指数(季調値) 2010年=100 106 2.5 105 2 104 1.5 103 1 102 0.5 全産業活動指数前年比寄与度分解 0 101 -0.5 100 -1 99 第3次産業活動指数 -1.5 98 鉱工業生産指数 -2 97 12 13 14 15 16 建設業活動指数 -2.5 15 (出所)経済産業省「全産業活動指数」 16 全産業活動指数 (出所)経済産業省「全産業活動指数」 2010年=100 第3次産業活動指数(季調値) 106 第3次産業活動指数前年比寄与度(%) 4.0 105 生活娯楽関連サービス 医療,福祉 3.0 104 不動産業 2.0 小売業 103 1.0 102 事業者向け関連サービス 0.0 101 100 99 物品賃貸業(自動車賃貸業を 含む) -1.0 金融業,保険業 -2.0 卸売業 運輸業,郵便業 -3.0 情報通信業 98 -4.0 12 13 14 (出所)経済産業省「第3次産業活動指数」 15 16 14 15 16 電気・ガス・熱供給・水道業 (出所)経済産業省「第3次産業活動指数」 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容 は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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