Economic Indicators_ 定例経済指標レポート

Economic Indicators
指標名:全産業活動指数(2016年12月)
定例経済指標レポート
発表日2017年2月21日(火)
~7ヶ月ぶりの前月比マイナスとなる~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 エコノミスト 伊藤 佑隼
TEL:03-5221-4525
(単位:%)
全産業活動指数
第3次活動指数
前期比
前年比
-0.3
0.7
0.2
2.4
0.1
1.9
0.2
2.0
-0.4
0.8
0.6
1.6
-0.6
1.4
-0.4
0.0
0.7
0.2
0.2
2.5
-0.2
0.4
0.8
0.7
-1.1
0.4
0.7
0.5
0.3
0.1
0.0
1.0
-0.3
0.9
0.0
-0.3
0.3
1.5
-0.4
0.6
前期比
前年比
5
-0.7
-0.3
6
0.5
2.3
7
0.0
1.5
8
0.0
1.5
9
-0.3
0.5
10
0.7
1.0
11
-0.8
1.3
12
-0.6
-0.6
16
1
1.2
-0.6
2
-0.9
1.6
3
0.4
0.3
4
0.9
-0.2
5
-1.3
0.3
6
1.0
0.1
7
0.2
-0.7
8
0.2
1.7
9
0.0
1.2
10
0.0
-0.4
11
0.4
2.2
12
-0.3
1.2
(出所)経済産業省「全産業活動指数」
○ 12月の全産業活動指数は前月比▲0.3%
15
鉱工業生産指数
前期比
前年比
-2.2
-4.5
1.7
2.1
-0.9
-0.6
-0.7
-0.9
0.3
-1.2
1.2
-1.6
-1.1
1.4
-1.2
-2.1
2.5
-4.2
-5.2
-1.2
3.8
0.2
0.5
-3.3
-2.6
-0.4
2.3
-1.5
-0.4
-4.2
1.3
4.5
0.6
1.5
0.0
-1.4
1.5
4.6
0.7
3.2
建設業活動指数
前期比
前年比
-0.2
1.1
0.2
1.7
0.7
4.2
0.0
3.1
-1.0
1.6
1.3
2.7
-2.9
-0.4
-0.7
-1.5
2.7
1.2
-0.2
1.3
-1.6
-1.0
2.0
0.3
1.7
2.1
0.1
2.1
1.3
2.8
-1.1
1.8
1.6
4.3
-0.5
2.5
-2.8
2.3
-1.5
1.5
2016年12月の全産業活動指数は前月比▲0.3%と、ほぼコンセンサス(同▲0.2%、レンジ:同▲0.3%~
0.0%)通りの結果となった。全産業活動指数は、7ヶ月ぶりの前月比マイナスとなったものの、鉱工業生
産指数が上昇基調で推移していることを背景に、均してみれば16年後半以降緩やかな持ち直しの動きが続い
ている。
内訳をみると、プラスに寄与したのは、鉱工業生産指数(前月比寄与度+0.14%ポイント)だった。一方
で、マイナスに寄与したのは、第3次産業活動指数(同▲0.28%ポイント)、建設業活動指数(同▲0.09%
ポイント)であった。
輸送機械工業が好調だったことなどを背景に、鉱工業生産指数は2ヶ月連続で前月比プラスとなり、全産
業活動指数の押し上げに寄与した。一方で、第3次産業活動指数は、ウェイトの大きい卸売業などが低下し
たことを背景に3ヶ月ぶりに前月比マイナスとなった。また、建設業活動指数については、公共、民間部門
ともに低下したことから、3ヶ月連続の前月比マイナスとなり、全産業活動指数を押し下げた。
○ 第3次産業活動指数は前月比▲0.4%
12月の第3次産業活動指数は前月比▲0.4%となった。第3次産業活動指数は、家計の節約志向が依然と
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
して根強い中で、家計関連が力強さを欠いた動きを続けており、均してみれば2016年後半以降横ばい圏での
動きが続いている。
12月にプラス寄与となったのは、生活娯楽関連サービス(前月比+2.8%、前月比寄与度+0.3%ポイン
ト)、事業者向け関連サービス(同+0.9%、同寄与度+0.06%ポイント)など3業種であった。一方で、
マイナスに寄与したのは、卸売業(前月比▲2.2%、前月比寄与度▲0.31%ポイント)、情報通信業(同▲
1.8%、同寄与度▲0.2%ポイント)、小売業(同▲1.4%、同寄与度▲0.14%ポイント)など7業種であっ
た。
11月に不調だったスポーツ施設提供業が水準を戻したことから生活娯楽関連サービスは前月比プラスとな
った。一方で、11月に発売されたゲームソフトの売上が好調だったことによる押し上げ効果が剥落したこと
から情報通信業は前月から低下となった。また、各種商品卸売業や農畜産物・水産卸売業、鉱物・金属材料
卸売業といった原材料取引が低調だった卸売業や織物・衣服・身の回り品小売業が不調だった小売業といっ
たウェイトの大きい業種が前月比マイナスとなり、12月分の第3次産業活動指数を押し下げた。
○ 先行きも生産の回復などを背景に上昇基調で推移する見込み
全産業活動指数は、先行きについても上昇基調を維持するであろう。
建設業活動指数については、昨年 10 月に成立した第二次補正予算による公共投資の効果が年明けから顕
在化していくことを背景に、緩やかに上昇していくとみられる。鉱工業生産指数は、海外経済の回復に加え
て、予測指数が先行きも増産を見込んでいることを踏まえると、回復基調を維持するだろう。第3次産業活
動指数は、家計の生活防衛色が強い中で、小売業や生活娯楽関連サービスが横ばい圏の動きを続けるとみら
れる一方で、生産・輸出の回復を要因に企業部門が持ち直していくことで、緩やかに上昇していくだろう。
総じてみれば、全産業活動指数は、鉱工業生産指数を牽引役として先行き上昇基調を維持することが予想さ
れる。
(%)
全産業活動指数前年比寄与度分解
2.5
全産業活動指数(季調値)
2010年=100
106
2
105
1.5
104
1
103
0.5
102
0
101
-0.5
-1
100
第3次産業活動指数
-1.5
99
鉱工業生産指数
-2
98
建設業活動指数
-2.5
97
15
12
13
14
15
16
全産業活動指数
16
経済産業省「全産業活動指数」
(出所)経済産業省「全産業活動指数」
2010年=100
第3次産業活動指数前年比寄与度(%)
4.0
第3次産業活動指数(季調値)
生活娯楽関連サービス
医療,福祉
106
3.0
不動産業
105
2.0
小売業
104
1.0
事業者向け関連サービス
103
0.0
物品賃貸業(自動車賃貸業を
含む)
102
-1.0
金融業,保険業
-2.0
卸売業
101
100
運輸業,郵便業
-3.0
99
情報通信業
-4.0
98
14
12
13
14
(出所)経済産業省「第3次産業活動指数」
15
16
15
16
電気・ガス・熱供給・水道業
(出所)経済産業省「第3次産業活動指数」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。