Economic Indicators_ 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
指標名:全産業活動指数(2016年10月)
発表日2016年12月22日(木)
~足踏み状態から脱しつつある~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 エコノミスト 伊藤 佑隼
TEL:03-5221-4525
(単位:%)
全産業活動指数
前期比
前年比
15
5
-0.7
-0.3
6
0.5
2.3
7
0.0
1.5
8
0.0
1.5
9
-0.3
0.5
10
0.7
1.0
11
-0.8
1.3
12
-0.6
-0.6
16
1
1.2
-0.6
2
-0.9
1.6
3
0.4
0.3
4
0.9
-0.2
5
-1.3
0.3
6
1.0
0.1
7
0.2
-0.7
8
0.2
1.7
9
0.0
1.2
10
0.2
-0.2
(出所)経済産業省「全産業活動指数」
第3次活動指数
前期比
前年比
-0.3
0.7
0.2
2.4
0.1
1.9
0.2
2.0
-0.4
0.8
0.6
1.6
-0.6
1.4
-0.4
0.0
0.7
0.2
0.2
2.5
-0.2
0.4
0.8
0.7
-1.1
0.4
0.7
0.5
0.3
0.1
0.0
1.0
-0.3
1.0
0.2
-0.1
鉱工業生産指数
前期比
前年比
-2.2
-4.5
1.7
2.1
-0.9
-0.6
-0.7
-0.9
0.3
-1.2
1.2
-1.6
-1.1
1.4
-1.2
-2.1
2.5
-4.2
-5.2
-1.2
3.8
0.2
0.5
-3.3
-2.6
-0.4
2.3
-1.5
-0.4
-4.2
1.3
4.5
0.6
1.5
0.0
-1.4
建設業活動指数
前期比
前年比
-0.2
1.1
0.2
1.7
0.7
4.2
0.0
3.1
-1.0
1.6
1.3
2.7
-2.9
-0.4
-0.7
-1.5
2.7
1.2
-0.2
1.3
-1.6
-1.0
2.0
0.3
1.7
2.1
0.1
2.1
1.3
2.8
-1.1
1.8
1.6
4.3
-0.3
2.8
○ 10月の全産業活動指数は前月比+0.2%
10月の全産業活動指数は前月比+0.2%と、ほぼコンセンサス(同+0.1%、レンジ:同0.0%~+0.2%)
通りの結果となった。
内訳をみると、プラスに寄与したのは第3次産業活動指数 (前月比寄与度+0.14%ポイント)で、情報通
信業などが上昇した。一方で、マイナスに寄与したのは建設業活動指数(同▲0.02%ポイント)であった。
建設業については民間部門がプラスを維持する中、公共工事の減少が足を引っ張った形だ。なお、鉱工業生
産指数は前月から変わらずという結果になった。
全産業活動指数は、小幅ながら上昇が続いており、景気は足踏み状態から脱しつつあると判断されよう。
○ 第3次産業活動指数は前月比+0.2%
10月の第3次産業活動指数は前月比+0.2%と3ヶ月ぶりの上昇となった。
プラスに寄与したのは、情報通信業(前月比+3.4%、前月比寄与度+0.37%ポイント)、金融業,保険業
(同+2.4%、同寄与度+0.24%ポイント)、小売業(同+1.1%、同寄与度+0.11%ポイント)など4業種
であった。一方で、マイナスに寄与したのは、事業者向け関連サービス(前月比▲4.0%、前月比寄与度▲
0.31%ポイント)、不動産業(同▲1.3%、同寄与度▲0.11%ポイント)、卸売業(同▲0.4%、同寄与度▲
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
0.06%ポイント)など6業種であった。
9月分の反動が出たことから、事業者向け関連サービスは大きく低下、一方で、情報通信業は9月の低下
分を取り戻す上昇となった。また、10月から始まった臨時福祉給付金の振込により決済件数が増えたことを
背景に金融決済業務が上昇した金融業,保険業などが前月比プラスとなり、第3次産業活動指数を押し上げ
た。
消費者の購買に対する慎重な姿勢が続く中で、ウェイトの大きい小売業や生活娯楽関連サービスといった
消費関連の停滞が続いていることが重石となり、均してみれば第3次産業活動指数は横ばい圏での推移が続
いている。
○ 先行きは持ち直し基調へ
先述したように、全産業活動指数は小幅ながら上昇が続いており、足踏み状態から脱しつつあるといえよ
う。先行きについては、生産・輸出に力強さが戻り始めることを背景に、緩やかな持ち直し基調で推移する
見込みだ。
建設業活動指数については、年明け以降には景気対策による公共投資の効果が顕在化していくことで、緩
やかに上昇していくとみられる。鉱工業生産指数も、強い予測指数や在庫調整の進展などを踏まえると、緩
やかに上昇していく見込みだ。第3次産業活動指数は、消費者マインド持ち直しの動きが鈍い中で、小売業
などの消費関連は引き続き力強さを欠いた動きを続けることが予想される。一方、生産・輸出の持ち直しに
伴って、事業者向け関連サービスや運輸業といった企業の活動に関連の深い業種については徐々に堅調さを
取り戻していくであろう。総じてみれば、全産業活動指数は先行き持ち直し基調で推移することが予想され
る。
全産業活動指数(季調値)
2010年=100
(%)
106
全産業活動指数前年比寄与度分解
2.5
105
2
104
1.5
103
1
102
0.5
0
101
-0.5
100
-1
99
第3次産業活動指数
-1.5
98
鉱工業生産指数
-2
建設業活動指数
97
12
13
14
15
-2.5
16
15
(出所)経済産業省「全産業活動指数」
2010年=100
16
全産業活動指数
経済産業省「全産業活動指数」
第3次産業活動指数(季調値)
106
第3次産業活動指数前年比寄与度(%)
4.0
105
生活娯楽関連サービス
医療,福祉
3.0
不動産業
104
2.0
103
1.0
102
0.0
101
-1.0
金融業,保険業
-2.0
卸売業
小売業
100
事業者向け関連サービス
物品賃貸業(自動車賃貸業を
含む)
運輸業,郵便業
-3.0
99
情報通信業
-4.0
14
98
12
13
14
15
16
15
16
電気・ガス・熱供給・水道業
(出所)経済産業省「第3次産業活動指数」
(出所)経済産業省「第3次産業活動指数」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。