一般演題 セッション4-2

Ⅳ-8
大量輸血後に発症した産褥心筋症の一症例
石綿
玉
清樹、富田
隆秀、三谷
康弘、藤本
治夫、石綿
陽、伊東
清雄、大野
秀崇、小宮山
知夏、石村
理英子、森谷
学、児
実
虎の門病院
【症例】38 歳女性。【現病歴】出産時に大量輸血を要し,その後から全身性浮腫が著明となり,産後 6 日目
の深夜に呼吸状態が悪化したため当院に転院搬送となった。胸部レントゲン写真では肺うっ血,両側胸水貯留
があり、心臓超音波検査ではびまん性の壁運動低下と心嚢水貯留を認め、急性心不全の診断で緊急入院となっ
た。【入院経過】原因となる基礎心疾患は明らかでなく,産褥心筋症が最も考えられた。利尿剤と血管拡張薬
を用いた治療を開始し,速やかにレントゲン上の肺うっ血所見は消失し症状も改善した。心臓超音波検査では
心機能の改善と心嚢水の消失を確認し退院となった。【考察】本症例の経過は心筋炎としても矛盾しない経過
であった。産褥心筋症は稀な病態であり原因には不明な点が多く,過去の報告を交えて考察する。
Ⅳ-9
双胎分娩 5 ヵ月後に心不全を発症した産褥期心筋症の一例
山口 斐、高野
寿一、土谷
JA とりで総合医療センター
健、住野
陽平、服部
英二郎、澤田
三紀、徳永
毅
循環器内科
心疾患のない 36 歳女性。双胎経膣分娩の 5 ヵ月後に夜間と労作時呼吸困難で救急要請し搬送された。うっ血
著明でありエコーでは EF15%、LVDd 62mm と低心機能であった。同日入院、心不全に対して DOB, hANP, 利尿
剤投与を開始した。第 2 病日にカバサール(Cabergoline)投与したものの嘔気がつよく継続は困難であった。
第 9 病日に点滴終了、エコーで EF22%, LVDd57mm、自覚症状も改善し、第 12 病日に自宅退院、以後通院中で
ある。産褥期心筋症は、心疾患のない女性において妊娠・出産を機に心機能が低下して発症する。本邦の調査
では 2 万出産に 1 人の割合と報告され、本症例のように高齢出産や多胎妊娠、また妊娠高血圧症、切迫早産が
危険因子であり、約半数の症例で心機能が回復するとされる。低心機能をきたした産褥期心筋症の症例を経験
したため報告する。
Ⅳ-10
経時的心臓 MRI で観察でき 1 年後に心機能が改善した周産期心筋症の一例
樽澤 太一、大山
響子、神田
さやか、筋野
容守、丹野
巡、村松
俊裕、西村
重敬
埼玉医科大学国際医療センター
周産期心筋症の原因は不明であり、高齢出産や多産婦、双胎、高血圧が発症リスクとされている。41 歳女性、
併存疾患はなく 2 回目の出産後に心不全を発症した症例を経験した。本症例は、出産 1 週間後より労作時呼吸
困難を自覚し、心不全の診断で当科に入院となった。心機能低下を認め、検査結果、経過等より周産期心筋症
と診断した。急性期の心臓 MRI では左室収縮能低下と軽度左室拡大がみられ、late gadolinium enhancement
所見は陰性であった。エナラプリル、カルベジロールの内服 1 年後の再心臓 MRI では左室収縮能は改善した。
内服加療で経過観察を行い、1 年後には心機能が改善した周産期心筋症を経験したため若干の考察を加えて報
告する。
Ⅳ-11
深部静脈血栓症を伴った下大静脈浸潤のある子宮体癌の手術に一時的下大静脈フィルター留置が
奏功した一例
王
琢矢、板
古、南井
良輔、伊東
孝介、吉村
哲史、井上
康憲、森本
智、田中
寿一、小川
和男、名越
智
道博
東京慈恵会医科大学附属病院
循環器内科
症例は、子宮体癌、下大静脈リンパ節浸潤に対して根治的な手術目的で入院となった 55 歳女性。造影 CT で肺
塞栓症と左総腸骨静脈から膝窩静脈に多量の深部静脈血栓症を認めた。術前に下大静脈フィルター (IVC
filter)留置が必要と考えられたが、腎静脈下には留置できず、又、下大静脈に浸潤したリンパ節を切除する
方針であり、術中にフィルターの移動が必要となる可能性があったため、リンパ節に圧排されている部位の中
枢側に一時的 IVC filter を留置した。根治的な手術は合併症なく終了し、術後 filter 内に血栓の捕獲を認め
た。その後は抗凝固療法を行い血栓の改善を確認し、抜去した。術中の円滑な抜去や移動を考え、IVC filter
として一時的 IVC filter を使う事が奏功したと考えられた。
Ⅳ-12
心肺停止にいたるも迅速な緊急手術にて救命し得た急性肺血栓塞栓症の 1 例
松岡
舟作、原田
雅弘、西村
忠宜、土門
健二、尾澤
駿也、中川
直美、飯田
かおり、陳
充、松山
軒、佐賀
重文、今水流
俊文、太田
智浩、下川
浩雄、浦田
智樹
帝京大学医学部附属病院
症例は 71 歳女性。2016 年 5 月、突然の胸背部痛後に意識消失をきたし当院へ救急搬送となった。到着時に意
識レベルは改善していたが、経胸壁心エコーで下大静脈から右心室にかけて可動性のある腫瘤と右心系の圧負
荷所見を認め、造影 CT の結果と合わせ急性肺血栓塞栓症の診断に至った。右心系に残存する浮遊血栓があり
外科的血栓除去術の適応があると判断した。手術室移動中に心肺停止となり心臓マッサージを行いながら手術
を施行した。術中所見として術前 CT では確認されなかった肺動脈幹から左右主肺動脈にかけて多量の血栓を
確認、これを可能な限り摘出した。術後経過は良好であり 23POD に独歩退院となった。本症例について文献的
考察を含めて報告する。
Ⅳ-13
原発性鎖骨下静脈血栓症に対してカテーテル血栓溶解療法とエドキサバンが奏功した 1 例
市原 元気、八木
崇、森
健支、茂木
聡、下地
顕一郎、上野
耕嗣、寺本
洋之、野間
重
孝
済生会宇都宮病院
循環器内科
症例は 35 歳男性。急速に出現した右上肢の腫脹を主訴に当院を受診した。造影 CT で右鎖骨下静脈の血栓閉
塞を認め、明らかな血栓性素因のなかったことから原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter syndrome;
PSS)と診断した。右鎖骨下静脈造影およびバルーン拡張術、カテーテル血栓溶解療法(Catheter-directed
thrombolysis;CDT)を施行したところ、ある程度の血流の回復がみられたが効果は限定的であった。日常生
活に支障のない程度まで右上肢の腫脹が改善したところで退院とし、エドキサバン内服にて経過観察した。10
ヵ月後のフォローアップでは右上肢の腫脹は消失し、造影上、鎖骨下静脈内の血栓も消失していた。PSS に対
して CDT とエドキサバンが奏功した症例を経験したので報告する。