短期予報解説資料1 2017年1月14日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ① 500hPa 低気圧の中心が日本 海北部から北日本にあり、 中心付 近には -45℃以下の寒気が広が る。14 日 09 時、三沢で -46.1℃ を観測。東日本は -36℃以下、北 日本は東北地方を中心に -42℃ 以下の寒気に覆われる。 西日本に も -30℃以下の寒気が流入。 ②日本付近は強い冬型気圧配置 が継続。 北日本から西日本の山沿 いを中心に 10cm/3h を超える降 雪域が広がり、 東日本や西日本の 太平洋側でも広く降雪を観測。 ③日本海や伊豆諸島のシアーラ イン近傍では発雷を検知。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ① 1 項①の 500hPa 低気圧は、16 日にかけてゆっくりと北日本を南東に進む。日本の上空 500hPa に は低気圧をまわる寒気が流入し、16 日朝にかけて北日本から西日本の広い範囲で寒気の流入が続く。 500hPa 寒気の強さで見ると、16 日朝までが、今回一連の寒気流入のピークとなる(ただし、16 日以降 も平年より強い寒気が残るため、冬型気圧配置や大雪等が急速に終息するわけではないことに留意) 。 ②日本付近は 16 日にかけて、強い冬型の気圧配置が継続。引き続き、北日本から西日本では日本海側 を中心に大雪やふぶきによる交通障害、なだれ、暴風や高波に警戒・注意。西日本や東日本の太平洋 側でも降雪となり、大雪となるところがあるので十分に注意・警戒。 ③ 1 項③のシアーラインは、14 日夜には近畿・中国地方、伊豆諸島を南下する。また、北日本周辺で は 16 日朝にかけてメソスケールの低気圧やシアーラインが複数発生し南下。シアーラインやメソスケ ール低気圧の近傍では、風や降雪の局地的な強まり、落雷・突風に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。降水の分布・強度・種別、風は MSM を参考にする。 ② 15 日午後以降の 500hPa 低気圧の移動や衰弱傾向については不確実性が大きく、最新 GSM よりも移 動が遅く衰弱が遅くなる可能性がある。日本付近への寒気の流入に関わるので、今後の資料に注意。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ① 大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北陸 90、東北・東海 70、関東甲信・近畿・中国 60、北海 道 40cm。 ② 波浪(明日まで):東北・北陸・近畿・中国・小笠原 6、北海道・九州北部・伊豆諸島 5、その他 4~3m。 ③ 高潮(明日まで):大潮の時期。北日本太平洋側や西日本を中心に注意報基準超過のところがある。 5.全般気象情報発表の有無 「大雪と暴風雪及び高波に関する全般気象情報」を 17 時ころ発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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