平面境界における光の反射率と透過率

物理学補足資料
1
平面境界における光の反射率と透過率
p
s
振幅反射率とエネルギー反射率の入射角依存性
0.1
0.8
図のように,屈折率 n1 , n2 の媒質の平面境界に光が入射し
0.08
たときの,反射光・屈折光の入射光に対する振幅の比は,フレ
0.06
0.6
n1 cos θ1 − n2 cos θ2
sin(θ1 − θ2 )
=−
n1 cos θ1 + n2 cos θ2
sin(θ1 + θ2 )
tan(θ1 − θ2 )
n2 cos θ1 − n1 cos θ2
=+
rp =
n2 cos θ1 + n1 cos θ2
tan(θ1 + θ2 )
2n1 cos θ1
ts =
n1 cos θ1 + n2 cos θ2
2n1 cos θ1
tp =
n2 cos θ1 + n1 cos θ2
rs =
R=|r|2
ネル係数と呼ばれ,以下のように表される.
(1)
0.04
0.4
0.02
(2)
0
0
0.2
10
20
40
50
60
70
80
(3)
0
(4)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
Incident angle
ここに,s, p は偏光状態を表し,p は入射面内,s は入射面に
図 3 空気(n1 = 1.0)から水(n2 = 1.33)へ入射させた場合のエネ
垂直な方向と定義されている.
P
30
ルギー反射率.
p
s
θ1
問題 1
θ1
空気(n1 = 1.0)からダイヤモンド (n2 = 2.4)へ光
を入射させた場合のエネルギー反射率の入射角依存性を図に
n1
描いてみなさい.
O
全反射(total reflection)
n2
屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ光が入射する場合に
θ2
は,ある角度以上ではスネルの法則を満たす屈折角が存在し
Q
ない.すなわち屈折(透過)光が存在せずに,反射光だけと
図 1 屈折率 n1 , n2 の 2 つの媒質の境界における,光の反射と屈折.
なってしまう.そのような状態を全反射と呼ぶ.水から空気
反射光の p 偏光の向きに注意.
へ入射させた場合の振幅反射率を図 4 に示す.
空気から水に光を入射させた場合の,振幅反射率と振幅透
1.2
rp
rs
過率を図 2 に,またエネルギー反射率を図 3 に示す.
1
1
tp
ts
rp
rs
0.8
rp , rs
0.6
0.8
rs,p, ts,p
0.4
0.2
0
0.6
0.4
0.2
-0.2
0
-0.4
-0.2
-0.6
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
Incident angle
-0.8
図 4 全反射:水(n2 = 1.33)から空気(n1 = 1.0)へ入射させた場
-1
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
合の,振幅反射率及び振幅透過率.
Incident angle
図 2 空気(n1 = 1.0)から水(n2 = 1.33)へ入射させた場合の,振
幅反射率及び振幅透過率.
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