平成28年度上期の消費生活相談状況について

平成28年度上期の消費生活相談状況について
平成29年1月5日
栃木県県民生活部くらし安全安心課
1
平成28年度上期の相談件数について
平成28年度上期(平成28年4月1日~9月30日)に県内の消費生活センター(21か
所)で受け付けた相談件数は7,946件で、前年度同期と比較して△338件(△4.1%)
となった。
苦情相談・問合せ相談の別では、苦情相談が7,012件(全体の88.2%)、問合せ相
談が934件(全体の11.8%)となり、前年度同期と比較して苦情相談は343件減少し、
問合せ相談は5件増加した。
なお、平成27年4月1日からすべての市町に消費生活センターが設置(共同設置及び委託
を含む)され、身近な場所で相談を受けられる体制が整った。また、平成28年4月1日から
は高根沢町に消費生活センターが新設されている。(センター一覧は10ページ)
○苦情相談・問合せ相談別の相談件数の比較
平成28年度上期
平成27年度上期
区分
件数
構成比
件数
構成比
苦情相談
7,012
88.2
7,355
88.8
問合せ相談
934
11.8
929
11.2
合計
7,946
100.0
8,284
100.0
(単位:件、%、ポイント)
比較増減
件数
△ 343
5
△ 338
増減率 構成比差
△ 4.7
△ 0.6
0.5
0.6
△ 4.1
(注)本資料のデータは、国民生活センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に本登録された平成28年11月30日現在のデータを活用
2
年代別の苦情相談件数について
契約当事者の年代別苦情相談件数は、70歳以上の1,223件(全体の17.4%)が最
も多く、次いで、60歳代の1,201件(全体の17.1%)、40歳代の1,149件(全
体の16.4%)の順となっており、60歳以上が34.6%と全体に占める割合が高い。
前年度同期と比較すると、減少したのは、40歳代(△132件、△10.3%)、30歳
代(△126件、△12.3%)、70歳以上(△59件、△4.6%)である。全体的に減
少する中、60歳代のみが増加した。
○契約当事者の年代別構成比
平成28年度上期
区分
件数
構成比
19歳以下
187
2.7
20歳代(20~29歳)
578
8.2
30歳代(30~39歳)
897
12.8
40歳代(40~49歳)
1,149
16.4
50歳代(50~59歳)
1,027
14.6
60歳代(60~69歳)
1,201
17.1
70歳以上
1,223
17.4
団体等・不明・無回答
750
10.8
合計
7,012
100.0
(単位:件、%、ポイント)
平成27年度上期
件数
構成比
213
2.9
609
8.3
1,023
13.9
1,281
17.4
1,084
14.7
1,139
15.5
1,282
17.4
724
9.9
7,355
100.0
- 1 -
比較増減
件数
増減率 構成比差
△ 26 △ 12.2
△ 0.2
△ 31
△ 5.1
△ 0.1
△ 126 △ 12.3
△ 1.1
△ 132 △ 10.3
△ 1.0
△ 57
△ 5.3
△ 0.1
62
5.4
1.6
△ 59
△ 4.6
0.0
26
3.6
0.9
△ 343
△ 4.7
3
男女別の苦情相談件数について
契約当事者の男女別の苦情相談件数は、男性が3,589件(全体の51.2%)、女性が
3,187件(全体の45.5%)となっており、前年度同期と比較して、男性が△131件
(△3.5%)、女性が△248件(△7.2%)となっている。
○契約当事者の男女別構成比
平成28年度上期
区分
件数
構成比
男性
3,589
51.2
女性
3,187
45.5
団体等・不明・無回答
236
3.3
合計
7,012
100.0
4
(単位:件、%、ポイント)
平成27年度上期
件数
構成比
3,720
50.6
3,435
46.7
200
2.7
7,355
100.0
比較増減
件数
増減率 構成比差
△ 131
△ 3.5
0.6
△ 248
△ 7.2
△ 1.2
36
18.0
0.6
△ 343
△ 4.7
商品・サービス別苦情相談について
(1)全体件数
苦情相談件数を商品・サービス別にみると、上位10商品・サービスは次表のとおりである。
最も多いのは、主にパソコンやスマートフォンでの不当請求などに関する「放送・コンテン
ツ等」で前年度同期に比べ減少したものの、全体に占める割合は22.3%と高い。相談内容
は、「利用した覚えのないサイト利用料を請求するメールが届いた」などの架空請求や、「無
料サイトだと思い閲覧したら、突然“有料会員登録完了”となり、高額な料金を請求された」
など「アダルト情報サイト」のワンクリック請求に関するものが多い。
次いで、「商品一般」が多く、3位は、光回線やプロバイダの勧誘や契約などに関する「イ
ンターネット通信サービス」となっている。
なお、「健康食品」が前年度同期よりも94件増加し7位となった。「お試しだけのつもり
が定期購入になっていた」「解約しようと電話しているがつながらない」などの相談が多い。
○苦情相談件数の上位10商品・サービス
平成28年度上期
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
-
商品・サービス名
放送・コンテンツ等
商品一般
インターネット通信サービス
融資サービス
役務その他
レンタル・リース・貸借
健康食品
自動車
工事・建築・加工
移動通信サービス
その他
合計
(単位:件、%)
平成27年度上期
件数 構成比 増減 順位 商品・サービス名
1,562
22.3 △ 219 1 放送・コンテンツ等
424
6.0 △ 16 2 融資サービス
364
5.2
0 3 商品一般
335
4.8 △ 113 4 インターネット通信サービス
290
4.1 △ 25 5 役務その他
258
3.7
△ 1 6 レンタル・リース・貸借
228
3.3
94 7 工事・建築・加工
203
2.9
37 8 自動車
179
2.6
△ 7 9 書籍・印刷物
137
2.0
28 10 健康食品
3,032
43.1
- - その他
合計
7,012
100.0 △ 343
(注) 平成28年度上期の「増減」は、商品別ごとの前年度からの増減件数
- 2 -
件数 構成比
1,781
24.2
448
6.1
440
6.0
364
4.9
315
4.3
259
3.5
186
2.5
166
2.3
141
1.9
134
1.8
3,121
42.5
7,355
100.0
(2)年代別件数
年代別に見ると、
「放送・コンテンツ等」に係る苦情相談が、すべての年代で1位となった。
また、「融資サービス」が30歳代、40歳代で2位、「商品一般」が60歳代、70歳以
上で2位となっている。
なお、医療費などの還付金詐欺に関する相談が増えたことにより、70歳以上で「他の保健
・福祉」が3位と急増した。
○契約当事者の年代別の苦情相談上位5商品・サービス
1位
年代
放送・コンテン
19歳以下 ツ等
20歳代
放送・コンテン
ツ等
30歳代
放送・コンテン
ツ等
40歳代
放送・コンテン
ツ等
50歳代
放送・コンテン
ツ等
60歳代
放送・コンテン
ツ等
放送・コンテン
70歳以上 ツ等
2位
113
(60.4%)
135
(23.4%)
195
(21.7%)
339
(29.5%)
295
(28.7%)
272
(22.6%)
145
(11.9%)
3位
書籍・印刷
物
13 健康食品
レンタル・リー
ス・貸借
38 自動車
融資サービス
4位
6 役務その他
4
34 信サービス
29 融資サービス
28
55 ス・貸借
51 商品一般
41 役務その他
40
融資サービス
72 役務その他
56 商品一般
54 信サービス
51
インターネット通
信サービス
76 融資サービス
55 商品一般
51 役務その他
45
商品一般
97 信サービス
76 融資サービス
60 役務その他
43
52 健康食品
51
商品一般
レンタル・リー
インターネット通
他の保健・
112 福祉
8 自動車
5位
インターネット通
インターネット通
60 信サービス
インターネット通
(注) 1位の欄( )内数値は各年代の総数に占める構成比
(3)上位5商品・サービスの状況
ア
放送・コンテンツ等(電波や衛星放送を利用した放送サービス及び電話回線やインター
ネットを使って情報を得るサービス)
苦情相談件数は1,562件となり、前年度同期比では△219件(△12.3%)と
減少したが、苦情相談全体件数の22.3%と大きな割合を占めている。
【主な相談事例】
・ パソコンで無料のアダルトサイトに入り、次々とクリックしていたら、突然登録にな
り高額な料金を請求されてしまった上に、請求画面が貼り付いてしまい消せない。どう
したらよいか。
・ スマートフォンに、「以前登録したサイトの無料登録期間が終了し、コンテンツ料金
の未納が発生している」というメールがSMS(ショートメッセージサービス)で届い
たが心当たりがない。どうしたらよいか。
・ SNSサイトで知り合った相手と連絡を取るため、出会い系サイトに登録し、文字化
け解除のために高額な費用を払った上に、相手と連絡が取れなくなった。返金してもら
えるのか。
イ
商品一般(はがきや封書、メール等による、対象商品がはっきりしない架空請求・不当
請求など)
苦情相談件数は424件であり、前年度同期比△16件(△3.6%)と減少した。
【主な相談事例】
・ 知らない電話番号から着信があったため、かけ直したところ「未払いの代金があり、
放置すると法的手段をとる」と言われ慌てて電話を切ってしまった。大丈夫か。
- 3 -
・
スマートフォンに「あなたが選ばれました」、「賞金が当たりました」という不審な
内容のメールが多数届くが、何かに応募した覚えはない。対処法を教えてほしい。
ウ
インターネット通信サービス(光回線などのインターネット回線やプロバイダに係る料
金やサービスなど)
苦情相談件数は364件であり、前年度同期と同数だった。
【主な相談事例】
・ プロバイダ料金が安くなると電話で勧誘され、内容がわからないので資料を見て検討
すると答えたところ、契約書面が届いてしまった。どうしたらよいか。
・ 大手電話会社を名乗る業者から「光回線にすれば料金が今より安くなる」という勧誘
電話が頻繁に入る。断っているのにしつこく電話をかけてくるので迷惑している。どう
したらよいか。
エ
融資サービス(借金関係、多重債務、サラ金・ヤミ金関係、カードローン、住宅ローン
など)
苦情相談件数は335件であり、前年度同期比△113件(△25.2%)と減少した。
【主な相談事例】
・ サラ金とクレジット会社数社からの借金残債が返済できなくなったため債務整理をし
たい。相談できる窓口を教えてほしい。
・ 生活資金に困り、ネットで探した貸金業者に電話で融資を申し込んだ際に、ローンが
組めるかどうか確認するため携帯電話を購入し業者に送るよう指示され不安になった。
もしかしてヤミ金ではないか。個人情報や振込口座を教えてしまっているが、どうした
らよいか。
オ
役務その他(興信所、解約代行サービスなど、何らかの役務の提供を受けるサービス)
苦情相談件数は290件であり、前年度同期比△25件(△7.9%)と減少した。
【主な相談事例】
・ 公的機関を名乗り、「流出した個人情報を無料で削除する」と電話があった。本当に
公的機関からの電話だったのか。
・ 誤って登録されてしまったアダルトサイトからの高額な料金請求について、ネットで
見つけた業者を消費生活センターだと勘違いして相談してしまい、料金を請求されてい
る。支払わなければならないか。
5
相談の特徴について
苦情相談の特徴は以下のとおりである。
(1)インターネットの普及に伴う相談
今やインターネットは私たちの暮らしと切り離せなくなっている。それに伴い、インター
ネットに関連する消費者相談も増え、新しい手口が次々と発生している。
例えば、パソコンに「コンピュータウィルスに感染した」との“偽警告表示”をすること
により不安をあおって不要なサポート契約をさせる手口も出ている。
ア
再び増加する「架空請求」
「利用した覚えのない請求が届いたがどうしたらよいか」という架空請求に関する相談
が多く寄せられている。「債権譲渡を受けた」という業者や、公的機関の名を騙る者から
の請求、「法的措置を取る」等裁判手続をちらつかせるものなど、請求内容によって様々
- 4 -
なパターンがある。中でも、携帯電話やパソコン等に「有料サイトの料金が未納のため、
支払わないと法的手続きを取る」等の電話やメール等が突然来たといった相談が多い。
特に、電子メールによる請求は、携帯電話やスマートフォンにSMS(ショートメール
サービス)で届くことも多い。SMSは、電話番号宛てに送信することができることから、
無作為に多数送信していると思われるが、受け取った側は個人を特定されていると思い、
慌てて業者に連絡したり支払ってしまう場合もある。
また、携帯電話に着信があったので、かけ直すと「料金を滞納している。支払わなけれ
ば民事訴訟を起こす」という音声ガイダンスが流れたという事例もある。
※
「支払手段」及び「二次被害」については、下記ウを参照のこと。
【消費者へのアドバイス】
・利用した覚えのない請求は無視する。
・SMSで届いた請求に注意する。
・非通知や見知らぬ電話番号に出たり、かけ直したりしない。
・業者には決して連絡しない。(個人情報を伝えることになる。業者からの請求がエ
スカレートする場合もある。)
・お金は絶対に支払わない。(支払う前に消費生活センターに相談する。)
○「架空請求」に関する苦情相談件数の推移
イ
依然として多い「アダルト情報サイト」のワンクリック請求
商品・サービス別苦情相談件数では、「放送・コンテンツ等」が第1位となっており、
中でもアダルト情報サイトに関する相談が多い。
従来は、「無料のサイトだと思い次々にクリックしていたところ、突然登録となり、高
額な請求を受けた」という内容が多かったが、最近では、請求画面等に「退会はこちら」
や「誤操作の方はこちら」などの表示があり、それらを選択することで業者につながり、
個人情報を伝えてしまうケースや、契約成立を強く言われ、支払を迫られて慌てて払って
しまうケースも多い。
アダルトサイトではない別のサイトや広告からアダルトサイトに誘導され、いきなり登
録になる場合や、「登録完了」の表示とともにシャッター音が鳴り、写真を撮られたと勘
違いさせる手口もある。
※
「支払手段」及び「二次被害」については、下記ウを参照のこと。
- 5 -
【消費者へのアドバイス】
・無料と書かれていても、アダルトサイトには不用意にアクセスしない。
・業者には決して連絡しない。(個人情報を伝えることになる。業者からの請求がエ
スカレートする場合もある。)
・お金は絶対に支払わない。(支払う前に消費生活センターに相談する。)
○「アダルトサイト」に関する苦情相談件数の推移
ウ
アとイに共通すること
(ア)コンビニに行くことを指示される「支払手段」
「業者に料金を請求され、その支払手段として、コンビニに行ってサーバ型プリペイ
ドカード(電子マネー)を購入するよう指示され、要求されるままにカードに記載され
た番号等を伝えてしまった」と高額な料金を支払ってしまうケースが増えている。
カードに記載された番号等を相手に伝えることは、購入した価値を相手に全て渡した
ことと同じ。後になってだまされたことに気づいても、いったん相手に渡した価値を取
り戻すことは非常に困難である。
最近では、業者が消費者に「支払番号」を伝え、コンビニの店頭でその番号を使って
料金を支払わせるというコンビニ払い(コンビニ収納代行)の仕組みが悪用され始めて
いる。
【消費者へのアドバイス】
・業者から指示されても、プリペイド型の電子マネーを購入したり、そのカード番号
を教えたりしない。
・業者に支払番号を教えられても、決して支払わない。
(イ)公的な相談機関と勘違いさせて「二次被害」
架空請求などのトラブルを解決しようと消費者がインターネットで相談先や解決方法
を検索し、検索画面の一番上に出てきた「無料相談」「返金可能」をうたう民間の解決
相談窓口を公的な相談窓口と勘違いして連絡を入れ、さらに不要な契約をしてしまう事
例が急増している。
- 6 -
【消費者へのアドバイス】
・インターネットで解決相談窓口を検索した場合は、相談先が自治体の消費生活セン
ター等かどうか、しっかり確認してから連絡する。
・アダルトサイトとのトラブル解決をうたう業者への依頼は慎重に検討する。
エ
契約が複雑な「インターネット通信サービス」
インターネットに係る契約・サービス内容は複雑化しており、また、契約の相手方(通
信事業者)と勧誘を行う事業者(代理店)が異なるため、契約者自身が契約の相手方と契
約内容を把握できていないことによるトラブルが増加している。
「現在契約している大手電話会社の光回線のサービス変更だと思って話を聞いたら、関
係ない事業者との新たな契約になっていた」
「契約に必要な手続きをした覚えがないのに、
他の事業者への乗り換えが完了していた」「安くなると言われて契約したのに、知らない
オプションを契約させられて今より高くなった」等、消費者が十分に理解しないまま契約
してトラブルになってしまった相談が多く寄せられている。
※
平成28年5月21日からの電気通信事業法の改正により、消費者保護ルールが充実
・強化された。
詳細は、総務省ホームページ「電気通信事業分野における消費者保護施策」
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/shohi.htm
【消費者へのアドバイス】
・現在の契約内容を確認する。
・勧誘を受けた事業者名やサービス名等、契約内容を確認する。
・現在の契約内容と新しい契約内容を比べた上で、検討する。
・安くなる、キャッシュバックされるなどと勧誘されても、安易に契約しない。
○「インターネット通信サービス」に関する苦情相談件数の推移
オ
クーリング・オフ制度がない「インターネット通信販売」
インターネットを利用して、いつでもどこでも商品やサービスの申込みをすることがで
きるようになり、便利になった反面トラブルも多く寄せられている。
- 7 -
「インターネットで商品を申し込み、前払いで代金を支払ったが、送付予定日になって
も商品が届かない」、「連絡して確認しようとしたがサイトにメールアドレスしか掲載さ
れておらず、連絡ができない」、「返品したいが受け付けてもらえない」などのケースが
見受けられる。
また、健康食品やダイエットなどのサプリメントを「安価なお試し期間のみ申し込んだ
つもりが、定期購入になっていた」という相談が増加している。
【消費者へのアドバイス】
・サイト上で取引業者の所在地(住所)や代表者名、特に電話番号を必ず確認し、表
示に不備がある場合は取引しない。
・支払い方法は、口座振込の前払いだけでなく、カード支払いや代金引換など、複数
用意されているショップを選ぶようにする。前払いの場合、店名・運営会社や販売
責任者と口座名がそろっているか確かめ、個人名義の口座への振り込みの場合は特
に注意する。
・通信販売にはクーリング・オフ制度はないので、サイト上の返品規定を良く確認す
る。
・購入した際の通信販売サイトの画面を保存・印刷して手元に残す。
(2)高齢者に多い苦情相談
高齢者は日中在宅していることが多いため、電話勧誘や訪問販売を受ける割合が高い。
特に昨今、独居又は日中独居の高齢者や、高齢者のみの世帯などが増加しており、地域に
おいて消費者被害防止の観点からの見守りが必要となっている。
また、高齢者の場合、「被害に遭っていることに気付いていない」、「被害に遭っても誰に
も相談しない」という特徴があり、高齢者の様子を心配した家族など周囲の方からの相談が
多い傾向にある。
なお、電話勧誘に関しては、詐欺撃退機器を取り付ける方法や、在宅中でも留守番電話の
機能を利用するなどの対策が有効である。
ア
急増する「還付金詐欺」
電話で市役所等の自治体や、税務署、社会保険事務所などの公的機関の職員を名乗り、
「医療費の還付金の手続きをする」「税金の還付金がある」などと言って、スーパーやコ
ンビニなどのATMに誘導し、お金を振り込ませようとする還付金詐欺に関する相談が急
増している。
人目の少ない場所にあるATMを指定し操作させるなどして、自己の口座から相手方の
口座へ現金を振り込ませるなどの手口である。
【消費者へのアドバイス】
・医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にない。
・「お金が返ってくるので、携帯電話を持ってATMへ行くように」と言われたら、
還付金詐欺。
・公的機関を名乗る電話があっても、相手の説明をうのみにしない。
・留守番電話やナンバーディスプレイ機能を利用し、知らない番号からの電話には出
ない。
- 8 -
○「還付金詐欺」に関する苦情相談件数の推移
イ
無料のはずが高額契約になった「点検商法」
床下や屋根などを無料又は安価で点検すると言って業者が来訪し、点検後に不安を煽り、
高齢者に高額で不要な契約をさせる手口が依然として多い。
点検対象は床下や屋根の他、浄水器、配水管、布団など様々であり、一度契約してしま
うとターゲットにされ、次々と被害に遭ってしまうことがある。
【消費者へのアドバイス】
・知らない業者が来訪しても、安易に家に入れない。
・無料などの言葉に惹かれても安易に依頼せず、家族や周囲の人に相談する。
・必要のない場合は、きっぱりと断る。
・工事後や契約後でもクーリング・オフできる場合があるので、消費生活センターへ
相談する。
○「点検商法」に関する苦情相談件数の推移
- 9 -
(3)新たな制度や災害に乗じた悪質な手口
マイナンバー制度や電力小売り全面自由化、東京オリンピックなど、新しい制度やサービ
スが始まると便乗した手口が次々と出てくるため注意が必要である。
また、大きな災害の後には、それに便乗した悪質商法や義援金を騙った手口にも注意が必
要となっている。
【消費者へのアドバイス】
・新しいサービス等については、常に自分で情報収集し、分からないときは安易に契
約しない。
・勧誘の電話がかかってきたときは、すぐに信用せず、まずは確認する。
・少しでも不安があったら、消費生活センターに相談する。
【参考】県内の消費生活センター
○栃木県内の消費生活センター一覧
センター名
電話番号
センター名
(平成28年4月1日現在:21センター)
電話番号
栃木県消費生活センター
028-625-2227
那須塩原市消費生活センター
0287-63-7900
宇都宮市消費生活センター
028-616-1547
さくら市消費生活センター
028-681-2575
足利市消費生活センター
0284-73-1211
那須烏山市消費生活センター
0287-83-1014
栃木市消費生活センター
0282-23-8899
下野市消費生活センター
0285-44-4883
佐野市消費生活センター
0283-20-3015
上三川町消費生活センター
0285-56-9153
鹿沼市消費生活センター
0289-63-3313
芳賀地区消費生活センター
(益子町、茂木町、市貝町、芳賀町)
0285-81-3881
日光市消費生活センター
0288-22-4743
壬生町消費生活センター
0282-82-1106
小山市消費生活センター
0285-22-3711
野木町消費生活センター
0280-23-1333
真岡市消費生活センター
0285-84-7830
高根沢町消費生活センター(※)
028-675-3000
0287-23-6236
那須町消費生活センター
0287-72-6937
0287-43-3621
※高根沢町は平成28年4月1日新設
(平成25年度~27年度まで宇都宮市に委託)
大田原市消費生活センター
(大田原市、那珂川町)
矢板市消費生活センター
(矢板市、塩谷町)
【参考】消費者ホットライン
困ったときは、ひとりで悩まず、早めに消費生活センターへ相談を!
い や や!
消費者ホットライン ☎188
- 10 -
(嫌や!悪質商法!)