短期予報解説資料1 2017年1月3日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ① 500hPa・5280~5340m 付近の トラフが北日本を通過し、 日本付 近では冬型の気圧配置がやや強 まっている。 北日本の日本海側や 東日本から西日本の水道筋を中 心に、灯台で 10~15m/s の風が 吹いており、 沿岸の波浪計では時 折 2m 以上の波高を観測。 ② 3 日 9 時の高層観測では、 850hPa の気温が稚内で-14.1℃、 秋田では-6.5℃となっており、12 時間で 3℃前後の下降。下層では 寒気の強まりが確認できるが、1 項①のトラフの通過に伴い、 500hPa が一旦昇温傾向にあるこ とから、降雪は弱まり範囲も縮小している。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ① 1 項①のトラフの東進に伴って低気圧が日本の東で発達、 3 日夜には45kt [GW]級の風を伴う見込み。 その後、カットオフする上記トラフに取り込まれ閉塞し、5 日にかけて 50kt [SW]級まで発達する。こ のため、北日本から東日本を中心に、5 日にかけて冬型の気圧配置が持続するが、低気圧が日本付近か ら次第に離れるため直接的な影響は小さくなる。広範囲で強風となる可能性は低いが、5 日にかけて局 地的な風の強まりや高波に注意。 ② 500hPa で北西流が持続する中、4 日朝には 5280~5340m 付近のトラフが北日本を通過し、北海道を 中心に-36℃以下の寒気が流れ込む。その後も、短波のトラフが北日本を周期的に通過するため、トラ フ接近・通過のタイミングで北日本を中心に降雪が強まるおそれがある。降雪に伴う交通障害やなだ れに注意。また、北日本や東日本では、下層シアーラインの形成やメソじょう乱発生の可能性もある ことから、これらの周辺域では、落雷や突風、局地的な降雪の強まりにも留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ① 総観場は最新 GSM を基本とする。降水の分布や強度・種別、風は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ① 大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北海道・東北 25、関東甲信 15、北陸 10cm。 ② 波浪(明日まで):東海・伊豆諸島 3m。 ③ 高潮(明日まで):北海道太平洋側東部で、注意報基準超過或いは接近する所がある。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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