講義テキスト

CAD・回路シミュレーション
第 9 回:OPAmp回路の解析 1
~加算回路、コンパレータ、バッファ回路~
到達目標:
1)OPAmp基礎回路(加算回路、コンパレータ、バッファ回路による負荷効果の影
響)をシミュレートし、動作(出力波形)を確認できる
Circuit Viewer4.0 でオペアンプを使用する際の注意。
【電源について】
電源を自分で設定する OPAmp アイコンと 10V 固定
でそれを省略できるアイコンがある。特に断らな
いときや出力を±10V 以上必要としないときは
IC2 の電源省略型でよい。
←「極性の反転」で+端子と-端子
(上下)を入れ替えることができる
【パラメータ設定】
今回は理想オペアンプを想定しているので「オープンループゲイン 100M(1000000000)以上」
「帯域幅無限で-1」
「SR 無限で-1」
「出力抵抗 0」
「飽和電圧 VP 0」を設定してください。
課題 9-1. 加算回路に関する次のような問題(電気電子計測 II、OPAmp 小テストより)をシミュレータで確認し
よう。
Vin1
問題次に示す回路において、①出力電圧 Vout の波形を確認せよ
R
Vin1
R
+
R
Vout
電源電圧は±10V
Vout
Vin2
Vin2
-
※R は各自が決定せよ。1k~10k 程度が一般的
※オシロスコープの設定は解答欄と同じにすること
※GND は中央
すべて 2V/DIV, 100ms/DIV
提出:① 製作した回路
② 出力されるべき波形を自分で解答(手書きグラフで OK)
③ 右図のように Vin1、Vin2、Vout を縦に並べて、比較的できる形で提出(同サイズで)。
(1ch 観測なので初期位相が図のようにそろっていなくてもかまいません。以降同様)
④ 入力が加算されている事を確認し、①と一致していることを確認する(①が正しい前提)。
【シミュレート上の注意】
シミュレータの方形波はプラスしか出せない。問題の入力 Vin1 のようなプラスマイナスの方形波を作るため
にはさらにマイナス DC 電圧を加算しなければならない。つまり、加算すべき入力電圧がもう一つ増えると考え
なければならない(電源を並列に入れるだけではだけではだめです。抵抗が必要ですよ!!)
・Vin1 は±の方形波なのでパルス
入
力
波
形
と直流と加算して印可する必要が
ある(ということは元の方形波の
振幅は 2 倍必要である)。
この場合、どちらにも同じ値の抵
抗を用い、その値を R とする。
課題 9-2. 次はコンパレータによる変調をシミュレートしよう。
右に図示した入力を下図のコンパレータ回路に入力した場合の出
Vin1
+
Vin2
-
力電圧を図示せよ.片電源なので出力は 0 か 15V となる.
Vout
※電源電圧は+15V の片電源
Input [V]
10
Vin2(sin wave)
0
0
Vin1(saw wave)
0.1
0.2
t[s]
Output [V]
–10
t[s]
※入力信号は図のように必ず抵抗(1k 程度)を介して入力すること。
※OPAmp の設定は A=1M 以上、他は-1
提出:① 製作した回路
②
出力されるべき波形を自分で解答(手書きグラフで OK)
③
Vin1、Vin2、Vout を縦に並べて、比較的できる形で提出。
④ ①と一致していることを確認する(①が正しい前提)。
⑤ このような波形操作は何変調と呼ばれるか?
課題 9-3.最後はバッファ回路による負荷効果の回避について解析しよう
図に示した回路(テブナンの定理により,すでに電圧源等価回路で示してある)の端子電圧を(理想)反転増幅器で
増幅して計測する場合とバッファ回路を挟んだ場合のそれぞれの出力を考える.全てのオペアンプの電源は VCC=
±10【V】とし、Rs=R1=1k[Ω],R2=2k[Ω]とする.また、波形の位相は各自がそろえること。
バッファ回路
被測定回路の
電圧源等価回路
R2
+
Va
Rs
R2
切替SW
E=2[V]
Vout1
-
R1
+
-
Vb
R1
Vout2
+
GND
等価電圧源
すべて 2V/DIV, 50ms/DIV
提出:① 製作した回路
② 出力されるべき波形を自分で解答(手書きグラフで OK)
③ 左図のように入力と Vout1、Vout2 を縦に並べて、
比較的できる形で提出。
④ ①と一致していることを確認する(①が正しい前提)。
Vout1(t)
⑤ 出力を比較して、
バッファ回路の役割を述べよ(片方は
反転増幅の設計地通りの増幅をしていない。それは
Vout2(t)
なぜか)
1)解答欄:反転に注意!