锃叨ٖه٦ز - Deloitte

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䎃剢
日本における 2016 年上半期の M&A 案件のうち 22% が
子会社の売却や事業部門の売却を占めており、「 事業売
却 」は今やキーワードともなっている。「アベノミクス 」
の名で知られる構造改革とそれに伴う新たな企業ガバナ
ンスコードの下、日本企業は株主資本利益率( ROE )の
向上と、同時に、グローバルレベルでの競争力の回復を
迫られている。これは、ノンコア事業の売却によりメイン
事業への集中を図ることで達成できるものである。加え
て、産業界で進行中の業界再編の波も、日本企業の目を
よりスリムで効率的な事業運営へと向けさせるものと
なっている。
事業売却はたいてい、必要に迫られて受身の形で実行さ
れることが多い。そうした形で進められる売却では、重
要事項の見落としやエラーなどがその課程で発生し易く
なるだけではない。切羽詰まってからの事業売却は売却
価格の下押し圧力にもなってしまう。
事業売却に関し金額ベースで最も大きな比重を占めた
のが医薬品・医療品・バイオテクノロジー関連業界で、
8 件で総額 6321 億円( 60 億ドル )、次いで消費者関連
企業の 8 件、総額 797 億円( 7 億 6300 万ドル )となって
いる。件数ベースでは製造業・化学関連業界が 9 件と最
も多く、総額 344 億円( 3 億 2900 万ドル )となっている。
ノンコア事業を売却することで日本企業はバランスシー
トの改善と株主配分の向上を図り、同時に、コア事業の
競争力強化のための投資余力を国内外での再投資とい
う形で生み出すことができるのである。
日本企業M&A概況
150
3,000
2,500
120
2,000
案件数
90
1,500
60
1,000
30
2012
案件数
2013
2014
2015
2016
金額( 十億円)
出典:マージャーマーケット
日本企業の業種別M&A(2016年上半期)*
35%
32%
30%
25%
20%
20%
21%
20%
16%
15%
15%
12%
10%
10%
8%
3%
3%
金額
エネルギー・鉱業・
公益事業関連
運輸関連
金融サービス
テクノロジー・
メディア・通信関連
不動産関連
消費者関連
1% 1%
0%
1%
1%
1%
1%
農業関連
4%
6%
5%
娯楽・レジャー
5%
5%
法人向けサービス
6%
建設関連
7%
医薬品・医療品・バイオ
テクノロジー関連
中国経済減速のあおりを受けた 2016 年上半期は各業界
内での再編成がすすみ、事業売却が特に目立った動きを
見せた。同半年間での事業売却案件の件数は 50 件、金
額 にして 8,064 億円( 77 億ドル )
、 前 年 同 期 の 26 件、
1298 億円( 12 億ドル )からの大幅な増加となった。
0
Qtr1 Qtr2 Qtr3 Qtr4 Qtr1 Qtr2 Qtr3 Qtr4 Qtr1 Qtr2 Qtr3 Qtr4 Qtr1 Qtr2 Qtr3 Qtr4 Qtr1 Qtr2
製造業・化学関連
製造業・化学関連企業では、巨額案件の影響で業界再編
の機運が高まっている。例えば、大手日系自動車メーカー
による 3888 億円( 37 億ドル)での系列自動車メーカーの
完全子会社化は過密気味の自動車業界再編への呼び水と
なり得る。その場合には、大手メーカーが競合他社を吸
収する可能性が高く、両社のビジネス・リソースを連結さ
せることにより持続的なイノベーションとグローバルレベ
ルでの事業拡大へと道が開かれることになる。
500
0
日本企業のM&A傾向
年初に見られた世界の株式市場での乱高下にもかかわら
ず、今年上半期の日本企業の M&A は案件数 231 件、総
額 3 兆 5129 億円( 335 億ドル )に達し、前年同期の 2 兆
2796 億円( 217 億ドル)から 54% の増加となった。この
うち業種別では製造業・化学関連企業の案件が 32% を
占めトップとなっている。以下、医薬品・医療品・バイオ
テクノロジー関連( 21%);消費者関連( 15% )と続いて
いる。
金額( 十億円)
従来の価値観では企業は事業の継続・継承を大前提とし
ており、これに根ざしている日本企業はこれまで、その家
長制度にも似た企業文化のために事業売却には及び腰と
なってきた。しかし今日、目まぐるしく変化するマクロ経
済環境を受け、企業の持続的成長を支えるための事業売
却の恩恵を日本企業の経営陣も認識し始めており、従来
の考え方も変化しつつある。こうした背景から、日本企業
がノンコア資産や不採算事業を整理し既存事業を合理化
するうえで、事業売却は徐々に率先して採用される現実的
な選択肢となってきている。
案件数
出典:マージャーマーケット * 数字の合計が 100% とならない場合があります
2
業種別では、医薬品・医療品・バイオテクノロジー関連
業界で日本企業による最大規模の事業売却案件が実施
された。大手日系エレクトロニクスメーカーの医療機器
メーカー子会社が 3 月、6655 億円( 66 億ドル )で売却さ
れた案件である。当時、新事業計画の下、リストラ原資
や事業統合資金の捻出を急いでおりこの案件もその一環
であった。この事業計画は同時に、エネルギーやストレー
ジ分野などでのコア事業への集中を図るものであり、こう
した分野への再投資も新たな事業方針として位置付けら
れている。製造業・化学関連業界 では、先端技術を擁
する製造メーカーへの投資意欲を見越して、大手自動車
メーカーが自動車部品メーカーの持ち株分売却の一次
入札を 6 月に実施。11 月には米投資会社が、日本では
過去最大規模の投資額となる 4,983 億円 (45 億ドル ) で
の買収を発表した。
日本企業による事業売却
日本企業による対外 M&A は海外市場において減速した
ことが見てとれるが、これは、第二四半期中の世界経済
の減速により金融業界での案件がほとんど見られなかっ
たことによる。しかしながら現在、企業の現預金保有額
が高止まりしているにもかかわらず日本ではマイナス金
利が続き、国内市場での人口減少と高齢化が進み、尚且
つ日本経済自体も弱体化している事実を鑑みれば、日本
企業の買収意欲はこの先も海外市場へ向けられるものと
考えられる。
案件数
60
1,000
50
800
40
案件数
400
20
200
10
0
0
H1
H2
H1
2013
H2
2014
H1
H2
2015
H1
2016
金額(十億円)
出典:マージャーマーケット
日本企業による事業売却、金額ベース
(2016年上半期)*
4% 1% 1%
1% 1%
医薬品・医療品・バイオテクノロジー関連
消費者関連
5%
金融サービス
製造業・化学関連
10%
国・地域別では、2016 年上半期中の日本企業による米
国での M&A が全体の 41% を占め、 39 件の案件で総額
7,742 億円( 74 億ドル )となった。同年上半期中の英国
での M&A は全体の 8% を占め、11 件の案件で総額 786
億円 (7 億ドル ) となっている。英国の EU 離脱および、米
大統領選の結果を巡る今後の政治的、経済的不透明さ
を考慮すれば、日本企業の対外 M&A が今年下半期に加
速に転じるか否かは現段階ではまだ不確かであると言
わざるを得ない。
金額 ( 十億円 )
600
30
建設関連
運輸関連
テクノロジー・メディア・通信関連
その他
78%
出典:マージャーマーケット * 数字の合計が 100% とならない場合があります
事業売却の課題
大手企業は積極的に事業売却を実施しているのに対し、
事業売却を、必要に迫られてから検討する最後の手段の
一つという捉え方をしている企業は、なかなか前向きな
選択肢として捉える事ができずにいる。こうした姿勢は、
企業変革にはつきものの課題や検討事項のせいであり、
珍しいことでは決してない。企業が、積極的な事業売却
に二の足を踏んでしまう原因として挙げられるのは、売
却費用、売却対象事業の売り上げ分の減少、売却する企
業の他の事業とのシナジー効果、売却対象事業や売り手
である企業のブランド・信用への影響、さらには、ビジ
ネス・パートナーとの利害関係調整の難しさなどがある。
日本企業による事業売却、件数ベース
(2016年上半期)*
2%
2% 2%
4%
製造業・化学関連
消費者関連
18%
医薬品・医療品・バイオテクノロジー関連
4%
法人向けサービス
4%
娯楽・レジャー
テクノロジー・メディア・通信関連
10%
建設関連
16%
エネルギー・鉱業・公益事業関連
運輸関連
農業関連
10%
金融サービス
加えて、売却対象となっている資産や事業をそれら単独
で評価する際に、売り手側企業が近視眼的な見方をして
しまいがちだということもある。売り手側企業は対象資
産・事業との距離が近すぎる、あるいは、日々の事業に
12%
16%
不動産関連
出典:マージャーマーケット * 数字の合計が 100% とならない場合があります
3
日本企業による対外M&A
350
12,000
300
10,000
250
200
6,000
150
金額( 十億円)
案件数
8,000
4,000
100
2,000
50
0
0
2012
2013
案件数
2014
2015
H1 2016
金額(十億円)
出典:マージャーマーケット
対外M&Aの業種別内訳(2016年上半期)*
1%
3%
製造業・化学関連
1%
3%
法人向けサービス
3%
テクノロジー・メディア・通信関連
3%
34%
6%
金融サービス
消費者関連
エネルギー・鉱業・公益事業関連
8%
医薬品・医療品・バイオテクノロジー関連
建設関連
娯楽・レジャー
状況を回避することにも繋がるのである。有利な市場環
境に即応することは理想的な売却時期と価格の決定の基
本とも言える。そのためには、事前の準備が肝要となっ
てくるのである。
パラダイムシフト:前向きな事業ポートフォリオ管理策
としての事業売却
積極的な事業売却準備に必要不可欠な作業は、関連す
る事業計画を戦略的事業ポートフォリオ管理と連結させ
ることである。戦略的事業ポートフォリオ管理の目的は、
事業と保有資産整理のための土台作りであり、激変する
今日のビジネス環境において常に組織を最適な航路に
導くためのものである。これは単に個々の事業について
のみ考慮されればよいわけではなく、組織全体とその保
有資産についての全体的な方針・戦略を整備し、管理し
ていくことである。
経営陣が事業ポートフォリオ全体に関わるリスクと課題
に取り組むことで、議論の余地があるような、あるいは株
主価値を毀損しているような事業の実態を認識できるよ
うになる。その結果、そうした事業の売却を強いられる
ような事態になる前に手を打つことができ、仮に売却し
た場合でもその影響を最小限に留めることが可能とな
る。一例を挙げると、大手日系エレクトロニクスメーカー
は液晶パネル製造装置事業を売却したが、これなどは、
包括的な事業ポートフォリオ・レビューを実施した結果、
導き出された案件である。同社では現在、ノンコア事業
や低採算事業・資産を処分すると同時にコア事業、特に
社会イノベーション事業への集中を図っており、今回の
液晶パネル製造装置事業売却も、そうした長期事業戦略
の一環として行われたものと推察される。
運輸関連
10%
農業関連
12%
15%
不動産関連
出典:マージャーマーケット * 数字の合計が 100% とならない場合があります
直接的に関わり過ぎているがために、単独資産・事業と
して評価した場合の財務状況や商業的価値、事業継続性
などについて、彼らの思い込みを排除した客観的な判断
を下せない場合も出てくる。
理想的な売却の時期と価格を決定するには、売り手側企
業に有利な市場環境に迅速に対応することも必要とされ
る。売り手企業にとって有利な売却を実現するには、そ
の過程で生じる障害を乗り越え、売却のベスト・シナリオ
を達成するだけの能力が要求される。つまり、企業の経
営陣としてなすべきことは、売却過程で予想される問題
を把握し、査定し、そしてそれらが顕在化する前に対応
策を準備しておくことである。そうすることで、資産・事
業売却を企業全体の事業戦略の一環として捉えることが
でき、長期的な成長の材料と見なすことができる。と同
時に、予想もしていなかった事業環境の変化で資産や事
業を安値で慌てて手放さざるを得ないなどというような
事業売却の計画立案は事業ポートフォリオ管理を実践す
るうえで極めて重要な第一歩となる。事業ポートフォリ
オを整理するには、企業が保有する事業ポートフォリオ
全体から見たノンコア事業や不採算事業・資産などを見
極め、そうした事業からの撤退、或いは資産の処分が必
要となる。必然的にこの作業は、事業ポートフォリオ全
体を一度分解して分析する必要がある。事業部門あるい
は事業単位一つ一つについて評価し、現在および将来的
な業界内でのポジションを分析し、そして事業ポートフォ
リオ全体の中での位置づけを決定していくのである。こ
の作業を通じて経営陣は、重荷となっている事業や資産
の見極めが可能となる。ビジネス・リソースを大量に消
費している割には企業全体の価値の向上にそれほど結
びついていないような事業・資産の洗い出しが可能とな
るのである。そうした事業・資産の売却により企業は新
たな投資資金を手にすることができ、これを他の部門・
事業―コアビジネス強化に必要な部門・事業―へと再
投資することで成長を加速させ、新たな資金を生み出す
ことができるようになるのである。
このことは同時に、アセットリサイクルやビジネス・リソー
スの再配分を促進させることにもつながる。企業が保有
4
しているビジネス・リソースを低採算事業から高い将来
性が見込まれる事業へとシフトさせ、既存事業の自律的
な成長の維持に役立てるのである。本業と関係の薄い事
業や重荷となっている資産を抱え込んでおくことは、コア
事業成長のためのビジネスチャンスに費やされるべき資
金やリソースを枯渇させてしまうことにもなりかねない。
るために、定期的な見直しも必要となる。
3. 立案計画の実行
ポートフォリオマネジメントのサイクルと既存の経営
管理サイクルとを同期させるとポートフォリオ・レ
ビューの実行がしやすくなる。実際に運用を担う現場
レベルからのフィードバックを活用するために経営陣
と各事業部門間のコミュニケーションプロセスを再調
整しトップダウンのみの一方通行的なコミュニケー
ションではなく、フラットな仕組みを整えておくこと
も重要となる。
総じて、ノンコア事業や低採算事業を早期に、そして明
確な基準のもと見極めることでアセットリサイクル、ビジ
ネス・リソースの再配分、資産の売却・処分が加速され、
経営陣はコアコンピタンスの強化に集中することができ
る。そうした資産・事業売却の計画立案により、企業全
体の価値向上のために売却利益を最適に、且つ確実に 資産売却や事業売却は生き残りのための最後の手段と捉
活用することも可能となってくるのである。
えられるべきではない。逆に、自律的成長達成のための
事業ポートフォリオ管理にとって欠くことのできない要素
ポートフォリオ管理を実際のアクションに落とし込む
と捉えられるべきである。一見、非常識で理解に苦しむ
ポートフォリオ・レビューの全過程を通じて最も重要な 判断に思えるかもしれないが、ノンコア資産売却の最適
要素は人材の選定である。責任者の選定にあたって、経
な方法は、
その資産の利益率がピーク時での売却である。
験豊富で決断力のある役員の存在は、包括的で俯瞰的な コア事業のリソースを吸い上げてしまっているような資
視野をもった事業ポートフォリオ管理を確立させるため 産・事業は、たとえそれらが現在は健全な資産・事業で
には欠かすことのできない要素である。さらに、客観的 あっても摘み取っておくべきである。それにより企業は、
で偏りのない評価を下すには外部アドバイザーの協力を 複雑化しすぎた事業活動を整理することができ、なおか
得ることも非常に重要なポイントとなる。事業ポートフォ つ、組織の意識とビジネス・リソースを企業全体のパ
リオ管理を実際のアクションに落とし込むには、常日頃の フォーマンスと利益率を向上させることに振り向けること
定期的なポートフォリオ・レビューが経営施策の一環と ができる。こうした考え方のもとに実施される資産・事
して確立されていることが必要となってくるからである。 業売却は、全体観をもった企業再生の一環となる。古い
こうした施策は以下の三つの段階に要約される。
資産を削って新しい資産と入れ替えることで、企業にとっ
てはイノベーションを生み出す余地が新たに生じること
1. 計画立案
にもなる。同時に、グローバル化された今日のビジネス
ゴールをどこにするかを予め設定してから着手するこ
環境にあって絶えず変化し続ける企業が果たすべき責務
とが決め手となる。この過程では全行程表、いわゆる とその事業価値にも適切に対応することが可能となって
ロードマップの作成と、ポートフォリオ評価のための くるのである。「アベノミクス」下での新たな企業ガバナ
適切な評価指標の選定が必要となる。事業リスクの幅 ンスコードは、改善のスピードこそゆっくりしたものかも
と、その重大性が増している今日では、先見性のある企 しれないが、将来の牽引役となるかもしれない可能性を
業では用いる評価指標をリスクを加味し難い定量的指
秘めており、これまで述べた事は、この企業ガバナンス
標( 利益率、キャッシュフロー、資産利益率、など )から、 コードに直接関わってくる問題なのである。
リスクを加味した指標へとシフトさせてきており、投
下資本利益率、リスク調整後資本利益率、想定最大損失
額などの指標を用いてリスク管理に役立てるととも
事業ポートフォリオ管理 の導入により企業は、個別の事業や資産ポートフォリオ全体
に、資本とリスクのバランスについても評価対象に組
のリスク & リターンのバランスを定期的に検証できる。積極的な資産ポートフォリオ
み入れるようにしている。こうした指標は、事業の不
管理を実施することで企業は、足下の成長スピードとその方向性・特性がその企業
確実性の実体をより正確に映し出すものではあるのだ
の本来のビジネスビジョンに沿ったものであるかどうかを再確認することができる。
が、同時に、いわゆる現場レベルで実際に何をどうする
これは、企業の事業再編成の基盤となるものであり、これにより企業は、事業リスク
のかという具体的なアクションに落とし込んだ場合、
を早期の段階で認識しその芽を摘むことができる。それと同時に、事業資産・リソー
複雑で不明確なものになってしまう可能性もはらんで
スの効率的なリサイクルや再配分も可能となってくる。
いる。
2. 立案計画の導入
ポートフォリオ・レビューに基づく事業の位置付けや
方針は企業の意思決定の枠組みに組み込まれる必要が
ある。その際、実際の運用に当たって分かりやすい事
業方針の形で導入されるべきであり、さらに、事業環境
が急変するなどの緊急の場合に備えた柔軟性を持たせ
5
効果的なポートフォリオマネジメントを
実施する主な理由
ポートフォリオ管理の共有と浸透を図っている。
渡辺 和成
朝来野 晃茂
事業売却の積極的な検討は、ノンコア資産や不採算事業
の適切なタイミングでの売却を可能とし、企業が保有す
る経営資源の再配分や事業のスリム化に貢献することに
なる。日本企業はこれまで、こうした手法には概して消
極的であったが、近年では、コア事業強化のための再投
資に必要な資金調達の有効な手段として捉えられてきて
いる。こうした手法へのアプローチと、その有効性につ
いて、デロイト トーマツ アンカーマネジメントのマ
ネージングディレクター渡辺 和成と、
シニアデイレクター
朝来野 晃茂 が解説する。
ポートフォリオの見直しが適切なタイミングで包括
的、かつ効果的に実施されるためには、事業ポート
フォリオマネジメントという手法に対して日本企業は
どのようなアプローチを取るべきか? また、ポート
フォリオマネジメントにおいて外部アドバイザーはど
のような役割を担っているのか?
全社的には、ポートフォリオマネジメントのサイクルと既
存の経営管理サイクルとを同期させることが重要である。
例えば、中期計画策定、単年度予算策定のプロセスにお
いて、ポートフォリオを再評価することをプロセス中に組
み込み、その評価結果を踏まえ、予算、資源配分を検討
する。また、プランニング段階だけでなく、モニタリング
のプロセスやルールも合せて設定しておくことが重要で
ある。少なくとも、課題事業やノンコア事業については、
四半期決算のタイミングで、ポートフォリオマネジメント
の上で設定したミッションやアクションプランの進 状況
を確認し、必要に応じて、追加的な施策を検討する等の
プロセスやルールを設定しておくことが望ましい。また、
各事業が自律的に現状把握と対策を行うよう、ROIC や
EVA など定量評価指標の推移を共有し、また、先行指標
をモニタリングする仕組みを導入することで、継続的な
ポートフォリオ管理を促進することも重要。ある会社で
は、定量評価上の重要指標である ROIC を現場の活動結
果と連携させるために、ROIC のロジックツリーやその解
説のリーフレット等を用意している。つまり、現場レベル
で「 何を、どのようにすれば良いのか 」を肌感覚で理解
しやくするためのツールを活用しながら、全社を挙げて
このようなプロセスやルールを構築する上では、本社と
事業部門の間の「 溝 」がボトルネックになることが多い。
定量評価指標や先行指標を含めモニタリングの強化は、
えてして事業部門側に敬遠されるものであり、逆に本社
は多くのものを管理しようとしがちである。本社と事業部
門の間の溝の橋渡し役として、外部アドバイザーの起用
は有効な手段の一つである。外部アドバイザーは、客観
的な立場から個々の事業の特性をつぶさに把握しつつ、
他社の成功事例、失敗事例の知見等も活用し、本社とし
ての管理指標や管理プロセスを設計していくので、全社
の納得感を得やすいメリットがある。また、実際に運用
を強化していく段階においては、どうしても内部リソース
だけでは移行支援が難しいため、一時的に外部リソース
による「 相談窓口 」を設置する例もある。
ポートフォリオマネジメントに事業売却を積極的に
組み入れることにより得られる主なメリットとは何
か?( アセットリサイクルなど )
第一には、「 持ち続けてしまう」ことを回避することで、
アセット価値の毀損や「 売りたくても売れない 」事態を予
防すること。多くの日本企業では、収益性の高い事業に
は手をつけない傾向があるが、アセットリサイクルの観
点からは、利益を確保できている時にこそ、手をつける
べきである。売りの好機を逃し、いつの間にか「問題事業」
として抱え続ける例は少なくない。
第二は、自社傘下にあってもこれ以上価値を向上させら
れないが、他社の傘下に入れば新たなシナジーを得られ
るようなケース。売却により保有継続の場合より大きな
株主価値を達成する可能性がある。最近の例では、大手
電機メーカーによる医療事業の売却が上げられる。厳し
い経営状況に陥った当該事業会社においては、医療事
業への十分な投資は難しい状況であったため、積極的な
投資が期待できる他社へ売却することで、売り手、買い
手、 そして 事 業 にコミットして いる 従 業 員 にとって
Win-Win-Win の結果となった。
第三は、現実的な話だが、一定の財務体質を保ちつつ、
大きな撤退損失が出る問題資産の処分を行う場合に、一
部資産を売却することで一時的な財務インパクトを緩和
するケース。財務上のインパクトが大きすぎて撤退の意
思決定が出来ないということがよくある。このような場合、
資産を分割し、段階的に売却を進めることもよく使われ
る方法である。
6
ノンコア事業や不採算事業・資産の特定はどのよう
になされるべきか? その際に企業が気をつけるべき
点にはどういったものがあるか?
「 過去 」と「 将来 」に関する評価指標を併用し、事業価値
を定期的に把握することが重要である。ROIC や EVA 等
の定量評価指標を導入し、個別事業を評価している企業
は一般的になってきたが、定量指標は、あくまで「 結果指
標 」であり、それだけでは十分ではない。過去の業績が
良いから今後も続く保証はないし、逆に、過去が悪いと
今後も悪いとは言えない。つまり、事業の将来性、ある
いは長期的な企業戦略との整合性も加味する定性的な
評価指標が不可欠である。具体的には、市場環境、競争
環境等の外的要因の変化に関する評価と、自社の強みや
弱み、業界構造上のポジション等の内的要因に関する評
価、更には、全社ビジョンや長期事業戦略への貢献や整
合性に関する評価などを総合的に考慮する必要がある。
特に、定性評価の結果は、上記の通り、絶えず変化してい
る市場環境や事業戦略に拠るものであるため、「 評価し
て終わり」では決してない。外的環境の大きな変化が起
こった際や事業戦略の変更があった際には、迅速に再評
価を実施する必要がある。
ケースも多い。
第二の課題は、取引先の問題。売却に伴う製品 / サービ
ス供給の継続性のため、売却が先延ばしになることや、
難色を示し他のビジネスへの悪影響を及ぼす場合があ
る。また、そのような事態を想定し、社内からも反対の声
が上がることも多々ある。
第三の課題は、企業イメージの問題。上記 2 つとも少な
からず関連するが、日本国内では事業売却に対するネガ
ティブなイメージが未だ強い。事業売却が発表されると、
その企業の経営状態に関しての疑問や懸念の声が挙が
る。こうした声には迅速かつ丁寧に対応する必要がある。
グローバルに事業を展開している日本企業でのポー
トフォリオマネジメントにおいて、クロスボーダーで
の法的・司法上の課題とリスクにはどのようなもの
があるか?
事業売却に関わる幾つかの法的な扱いは、売却対象とな
る孫会社およびその株主である子会社が属する国の法律
によって異なる。
例えば、日本やドイツに存する子会社が、国内又は海外
にある孫会社を売却し、子会社がその売却代金を親会社
へ借入れの弁済として支払った後に子会社を清算した場
合、孫会社の売却自体や、子会社の親会社への借入れ弁
済が、詐害行為に当たるとして取り消されるリスクがある。
まず、M&A 実行前より売却対象事業 / 資産の特性、状況、 また、別の例では、イギリス子会社が第三者へ事業譲渡
製品力などを加味し、アプローチの戦略を検討する。例 を行う場合、第三者である買受会社は雇用継続義務を負
えば、不採算事業の場合、株式譲渡、個別の資産売却、 うため、譲渡対象事業で余剰人員を抱えている場合、売
清算など様々なオプションから最も費用対効果が高いも 却の障害になることもある。
のを選択する。その検討結果を踏まえ、幅広い買い手候
補から絞り込んでいく。平行して、事業分離のための準
備を進める。例えば、カーブアウト財務諸表の作成、スタ
ンドアローン時の事業シミュレーションなど、準備を適切
かつ素早く進めることが最も重要である。
多国籍企業やプライベート・エクイティ・ファームな
どの投資家に対して、ノンコア資産や不採算事業を
魅力的な投資対象とするうえで企業の経営陣には何
ができるか?
買い手の候補が、大手企業など、ストラテジックバイヤー
である場合、事業シナジーが非常に重要であることから、
定量・定性問わず、想定できる事業シナリオやシナジー
を買い手にアピールすることが重要。また、PE ファンド
が買い手候補となっている場合には、事業成長性だけで
はなく、営業 Cash Flow の安定性など、銀行が貸し付け
やすい点( i.e. 買い手が LBO を行いやすい )をアピール
していくことが重要。また、PE ファンド傘下の事業会社と
のシナジーも有効なアピールポイントの一つとなる。
事業売却をポートフォリオレビューの一環として日本
で実施する場合、どのような障壁があるか?
第一の課題は、労務面の問題。売却に伴う転籍や人員削
減は法的な制約も多く、また、労働市場がいまだに硬直
的なことから、社会的な影響は小さくない。特に地方で
雇用が減るようなことがあると自治体が成り立たなくなる
7
Mergermarket について
Mergermarket は独立した M&A に関するインテリジェンス・ツールです。他の同種サー
ビスと異なり、Mergermarket は過去のディールに関するデータベースだけではなく、
将来を展望したインテリジェントなデータベースの提供を通じて、M&A 市場の全体像
を明らかにし、クライアントに具体的な成果をお届けしています。
Remark は Mergermarket Group のイベント・出版部門であり、多様な出版・調査・イ
ベントサービスの提供を通じて、クライアントの知名度の向上やターゲットとする読者層
との新規ビジネスの開発を支援しています。
詳細については、以下の担当者にお問い合わせください。
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Publisher, Remark Asia
[email protected]
+852-2158-9750
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マネージング・ディレクター
シニア・ディレクター
シニア・ヴァイスプレジデント
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新東京ビル
税理士法人トーマツ
Tel: +81- 3-5220-8600
www.deloitte.com/jp
Tel: +81-3-6213-3800
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