2017年の主要新興国の見通しと注目点

2017年の主要新興国の見通しと注目点
2016.12.20
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《目 次》
中国
韓国
台湾
香港
シンガポール
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ベトナム
ミャンマー
カンボジア
インド
P 2
P 3
P 4
P 5
P 6
P 7
P 8
P 9
P 10
P 11
P 12
P 13
P 14
トルコ
ロシア
ポーランド
チェコ
ハンガリー
メキシコ
ブラジル
チリ
アルゼンチン
南アフリカ
サウジアラビア
アラブ首長国連邦(UAE)
オーストラリア
P 15
P 16
P 17
P 18
P 19
P 20
P 21
P 22
P 23
P 24
P 25
P 26
P 27
1
中国 : 成長率は緩やかな減速に踏みとどまるが、不動産市場調整の影響に要注視
◯
‧
‧
◯
‧
製造業の資本ストック調整圧力が引き続き下押し要因となるも、成長率は緩やかな減速にとどまる見通し
過剰生産能力の淘汰、過剰債務の削減などの調整圧力は強く、経済の自律的な回復力は依然として弱い
一方、インフラ投資による下支えや輸出持ち直しが見込まれることから、減速ペースは緩やかなものにとどまる見込み
不動産市場の調整の影響には注視が必要
不動産価格の上昇を受けて、2016年9月末以降、約20都市で価格抑制策導入。対象を限定した抑制策のため価格急落は
避けられようが、投資や消費、不動産関連税収や土地譲渡収入への依存度が高い地方財政への影響には要注視
【 実質GDP成長率 】
【 都市別の新築住宅販売価格 】
9.0
(前年比、%)
30
予測
(%)
7.9
8.0
7.8
7.3
25
6.9
20
7.0
6.7
6.0
1級都市
2級都市
15
6.5
10
5.0
4.0
5
3.0
0
ユーロ圏
2.0
▲5
▲ 10
1.0
0.0
2012
13
14
15
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) 中国国家統計局より、みずほ総合研究所作成
16
17 (年)
3級都市
12/01
13/01
14/01
15/01
16/01 (年/月)
(注)1級都市:北京、上海、広州、深圳の4都市。
2級都市:天津、重慶、杭州、南京、武漢、瀋陽、成都、西安、大連、青島、寧波、蘇州、
長沙、済南、厦門、長春、ハルピン、太原、鄭州、合肥、南昌、福州の22都市。
3級都市:上記以外の74都市。
(資料) Windより、みずほ総合研究所作成
2
韓国 : 成長率は小幅減速の見通しに対し、政局混乱の場合は下振れするリスク
◯ 2017年は世界経済の回復を背景に輸出が緩やかに持ち直す一方、内需が力強さを欠き、成長率は小幅に減速
‧ 住宅購入規制の強化などにより建設投資が前年より減速するほか、雇用所得が低調な中、消費も力強さを欠く見込み
――― 家計負債が過去最高水準を更新していることも、消費への重石
◯ 朴大統領の友人の国政介入疑惑による政治の停滞が深刻化。朴大統領早期辞任・大統領選前倒しの可能性が高まる
‧ 朴大統領の弾劾訴追案が可決され大統領権限は停止された(12/9)ものの、野党は裁判を待たず早期退陣を求める構え
――― 朴大統領は憲法裁判所による罷免判断を待つ意向を表明しており、退陣時期は不透明
【 実質GDP成長率 】
【 可処分所得と家計負債残高 】
(対可処分所得比、%)
140
予測
(%)
4.0
135
(前年比、%)
12
可処分所得前年比(右目盛)
10
3.5
130
3.3
3.0
2.6
2.0
8
125
2.9
2.5
2.6
2.3
2.4
1.5
120
6
115
ユーロ圏
1.0
110
0.5
4
家計負債
2
105
0.0
2012
13
14
15
16
17 (年)
0
100
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) 韓国企画財政部より、みずほ総合研究所作成
(注) 家計負債は後方4四半期移動平均値。
(資料) 韓国銀行、韓国統計局より、みずほ総合研究所作成
(年)
3
台湾 : スマートフォン輸出が持ち直し、景気は緩やかに回復
◯
‧
‧
◯
‧
勢いを欠きつつも景気は回復傾向をたどり、2017年の成長率は前年比+2.1%に上昇すると予測
世界経済の緩やかな回復、スマートフォン新機種の発売などによる輸出の持ち直しが主因
ただし、自動車減税の効果逓減、IT産業の設備投資の勢い低下などにより、内需は弱含む見込み
対中関係の改善が見通せぬなか、蔡政権は、新たな発展の原動力を獲得すべく「新南向政策」を本格始動する方針
東南アジアなどで、日台企業間連携を促進すべく、情報提供やマッチングの機会創出に注力する構え
――― その他、グリーンエネルギー、スマート機械、IoT、バイオ医薬などの革新的産業分野でも日本企業との連携に期待
【 実質GDP成長率 】
5.0
【 「新南向政策」の概要 】
目標市場
(%)
予測
●ASEAN10カ国
●南アジア6カ国(インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、ブータン)
●オーストラリア、ニュージーランド
4.0
4.0
政策の四つの方向性
●経済協力
・現地華人人脈を媒介とし、日本など第三国企業と現地のインフラプロジェクトに参画
・消費財輸出・サービス輸出の強化
・現地における台湾企業のクラスター形成支援、等
●人材交流
・外国籍人材の台湾への誘致
・「新住民」(台湾で結婚した外国人、移民等)の活用
・教育分野での交流拡大・深化、等
●リソース共有
・医療、文化、観光、科学技術、農業、中小企業などの分野で交流・アライアンスを拡大
●地域連携
・日台の政府間・非政府間協力プラットホームの機能を強化し、日本の技術・インフラ建
設の優位性を利用することで、上記目標市場に進出
・投資・租税協定の締結推進
・華僑の産業データベース・交流プラットホームの構築、等
3.0
2.1
2.2
2.0
2.1
1.3
1.0
0.7
0.0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所予測値。
(資料) 台湾行政院主計総処より、みずほ総合研究所作成
17 (年)
(資料) 行政院經貿談判辦公室・國家發展委員會「新南向政策推動計畫」2016年9月5日より、みずほ総合研究所作成
4
香港 : 米利上げに伴う金利上昇などから、1%台の低成長
◯
‧
‧
◯
‧
‧
金利上昇圧力や不動産価格抑制策などが影響し、+1%台半ばの成長にとどまる見通し
米国の利上げ開始に伴う香港の金利上昇や、不動産価格抑制策の導入などが景気下押し圧力となる見込み
輸出の緩やかな持ち直しや安定的な雇用環境などが一定の下支えとなるも、+1%台半ばの成長にとどまる見通し
2017年3月末に実施される行政長官選挙の行方に注目
民主的な選挙制度を目指す改革は失敗。従来通り、親中派が多くを占める選挙委員会による間接選挙が実施される
現・財政司長の曾俊華氏が支持を集める。中国からの分離を志向する「本土派」への対応などが新行政長官の課題
【 実質GDP成長率 】
【 次期行政長官候補とされる人々の支持率 】
支持
予測
(%)
3.5
反対
曾俊華
(現・財政司長)
どちらでもない
棄権・わからない
4.2
20.9
16.3
58.6
3.1
3.0
曾鈺成
(前・立法会主席)
2.7
5.4
24
26.5
44.2
2.4
林鄭月娥
(現・政務司長)
2.5
2.0
1.7
胡國興
(元・高等法院判事)
30.9
33.8
4.3
19.5
35.6
40.6
21.9
13.5
1.5
1.5
1.0
1.5
ユーロ圏
葉劉淑儀
(現・新民党主席)
梁振英
(行政長官・現職)
0.5
0.0
2012
13
14
15
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料)香港政府統計処より、みずほ総合研究所作成
16
17 (年)
25.3
21.5
53.9
60.1
16.7
4.1
15.5 3.0
0
20
40
60
80
100 (%)
(注)「明日が行政長官選挙で、他の候補者を考慮に入れないとした場合、この候補者を行
政長官として支持するか、反対するか」につき質問。調査期間は2016年11月7~10日。
サンプル数は1,004名。回答率は71.2%。
(資料)明報・香港大学民意研究計画「2017年行政長官選挙民意調査(第2回)」より、みずほ
総合研究所作成
5
シンガポール : 1%台の低成長が続き、雇用情勢悪化
◯ 2017年の実質GDP成長率は引き続き低水準で推移する見通し
‧ 輸出は世界経済の緩やかな回復で持ち直す見通しだが、遅行指標である雇用環境の悪さが尾を引き、個人消費は引き続
き低迷するとみている
◯ 失業率には明確な悪化傾向はみられないが、雇用者数の伸びが鈍化しており、景気低迷下で雇用環境は悪化
‧ 2017年には、国民の雇用維持のため、政府が外国人労働者受け入れにいっそう消極化の恐れ
――― 進出企業にとっても、国内人材の活用という課題の重みが増すことに
【 実質GDP成長率 】
【 失業率と雇用者数 】
(%)
5.0
(前年比、%)
4.5
4.0
4.5
4.0
失業率(左目盛)
雇用者数(右目盛)
(%)
2.2
予測
3.7
4.7
2.1
3.5
3.5
3.0
3.0
2.0
3.3
2.5
2.5
2.0
2.0
1.9
2.0
1.5
1.5
1.3
1.7
1.0
1.0
1.8
0.5
0.5
0.0
2012
13
14
15
16
(注)2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) シンガポール貿易産業省より、みずほ総合研究所作成
17 (年)
1.7
2012
13
14
15
16
0.0
(年)
(資料)シンガポール人材開発省より、みずほ総合研究所作成
6
インドネシア : 成長率は横ばいの見通しに対し、補正予算が打たれるか要注目
◯
‧
‧
◯
‧
‧
成長率は前年比+5%程度の横ばい推移が続く見通し
米利上げ等を背景とするルピアの下落と油価の緩やかな持ち直しからインフレが加速、個人消費を下押し
一方、先進国経済の緩やかな回復を受けた輸出拡大、ジョコ政権の規制緩和による投資増が景気を下支え
2017年度当初予算は保守的な内容だが、補正予算を編成してインフラ等の政府支出を積み増す可能性あり
11月26日に2017年度(1~12月)の予算成立。2016年度当初予算よりも歳出と歳入が抑制された保守的な内容
7月導入のタックス・アムネスティで資産申告が増えて税収が拡大すれば、補正予算で歳出積み増しの可能性も
【 予算の推移 】
【 実質GDP成長率 】
予測
(%)
(兆ルピア)
7.0
2,500
6.0
2015年度実績
2016年度当初予算
2017年度当初予算
6.0
2,000
5.0
5.6
5.0
4.8
4.0
5.0
4.9
3.0
1,500
1,000
2.0
ユーロ圏
500
1.0
0
0.0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-2017年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) インドネシア中央統計局より、みずほ総合研究所作成
17 (年)
歳出
歳入
(資料) インドネシア財務省より、みずほ総合研究所作成
7
タイ : 国王崩御の自粛ムードが一巡し、景気は持ち直し
◯
‧
‧
◯
‧
‧
2017年の景気は持ち直し。もっとも、ゲタの影響から成長率は前年に比べ低下
輸出は海外経済の回復を背景に増加基調で推移するほか、個人消費も国王崩御後の自粛ムード一巡から持ち直す見込み
もっとも、2016年後半に成長率が減速して発射台(ゲタ)が低くなるため、2017年の成長率は前年から低下
新国王が即位したことで、民政移管のプロセスが一歩前進。もっとも、民政移管後も軍部の影響が強く残る可能性が高い
12月1日、ワチラロンコン皇太子が新国王に即位。今後、国王の署名で発効する新憲法に基づき、2017年末に総選挙の予定
新憲法では、総選挙後の首相選出に軍部が一定の影響力を行使できる規定があるため、新政権は軍部寄りとなる可能性
【 実質GDP成長率 】
予測
(%)
8.0
【 民政復帰に向けたロードマップ 】
2014年 5月22日 軍部がクーデターにより政権を掌握
2016年 3月29日 憲法起草委員会が新憲法を公布
7.2
7.0
8月7日
6.0
5.0
4.0
10月13日 プミポン国王崩御
11月8日 新憲法案を王室に提出
(90日以内に国王が署名)
3.1
3.0
2.7
2.0
新憲法の是非を問う
国民投票
可決
2.8ユーロ圏
2.9
15
17 (年)
12月1日 新国王即位
新憲法発布
( 国王が署名)
1.0
2017年
0.8
0.0
2012
13
14
16
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) タイ国家経済社会開発委員会より、みずほ総合研究所作成
年末頃 総選挙
民政復帰
(資料) 各種報道より、みずほ総合研究所作成
8
マレーシア : 油価上昇とTPP頓挫の明暗が入り混じり、成長率は横ばい
◯
‧
‧
◯
‧
2017年の成長率は前年比+4.1%と、2016年から横ばいで推移する見通し
雇用環境悪化で内需の低迷が深刻。TPP発効が絶望的になり、設備投資に下押し圧力
一方で原油価格の上昇が予想されることなどから、歳入は増加。対米輸出環境も改善へ
財政赤字のGDP比が低下するなど、財政の緊縮モードは続くも、歳出は3年ぶりに増加
2017年度(1~12月)予算案によると、歳出は前年比+3.4%。原油価格上昇で歳入増が見込まれるため
【 実質GDP成長率 】
【 歳出入・財政収支 】
(前年比、%)
予測
(%)
6.0
歳出(左目盛)
20
7.0
5.5
6.0
歳入(左目盛) (GDP比、%)
財政収支(右目盛)
0
15
▲1
10
▲2
5
▲3
0
▲4
5.0
5.0
4.7
4.0
4.1
4.1
3.0
2.0
ユーロ圏
1.0
0.0
2012
13
14
15
(注)2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) マレーシア統計局より、みずほ総合研究所作成
16
17 (年)
▲5
2011
12
13
14
15
16
▲5
17 (年度)
(資料)マレーシア財務省“Economic Report 2016/2017”、マレーシア中央銀行、マレーシ
ア統計局より、みずほ総合研究所作成
9
フィリピン : ドゥテルテ政権の政策で内需が堅調
◯
‧
‧
◯
‧
‧
景気は緩やかに拡大。ただしゲタの関係で2017年の成長率見通しは2016年から低下
ドゥテルテ政権の積極的なインフラ整備、外資系企業の誘致による投資拡大を背景に内需が堅調
先進国の景気回復を受けて、輸出の伸びも徐々に高まる
経常収支黒字の縮小が懸念要素。在外フィリピン人労働者(OFW)の国内送金急減リスク等に留意
投資を中心とする内需の堅調さに起因する輸入の急増で、貿易収支赤字拡大、経常収支黒字は縮小傾向
米トランプ政権の政策(移民の排除、アウトソーシングの制限)次第で、OFW送金急減等で経常収支が赤字化するリスクも
【 経常収支 】
【 実質GDP成長率 】
予測
(%)
8.0
7.0
(名目GDP比、%)
15
6.7
7.1
6.0
6.6
6.2
5.9
5.0
第二次所得収支
サービス収支
経常収支
第一次所得収支
貿易収支
10
5.7
5
4.0
0
3.0
▲5
ユーロ圏
2.0
▲ 10
1.0
0.0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-2017年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) フィリピン統計機構より、みずほ総合研究所作成
17 (年)
▲ 15
2013
2014
2015
2016 (年)
(注) 経常収支及びその内訳は過去4四半期平均。
(資料) フィリピン中央銀行、フィリピン統計機構より、みずほ総合研究所作成
10
ベトナム : 成長率は小幅に加速、TPP頓挫で投資環境には逆風
◯
‧
◯
‧
‧
個人消費と輸出の持ち直しから、2017年の成長率は小幅に加速
2016年の消費を押し下げた干ばつ・塩害の影響が和らぐほか、海外経済の持ち直しから輸出も上向くとみられる
近年のベトナム経済を支えてきた対内直接投資(FDI)は弱含んでおり、中長期的な懸念材料も浮上
FDIの先行指標となる認可額が足元でマイナスに転じており、2017年初のFDIは精彩を欠く見込み
さらに、近年TPPを見据えFDIが加速してきたが、トランプ氏の大統領就任により、TPPは頓挫する可能性大。また、FDIの
大きなウェイトを占める韓国企業サムスンでも新型携帯電話の事故が相次ぐなど、ベトナムの投資には逆風
【 実質GDP成長率 】
【 FDI実施額・認可額 】
予測
(%)
(年初来累計前年比、%)
7.0
(年初来累計前年比、%)
25
150
認可額
6.5
100
6.7
20
実施額(右目盛)
6.1
6.0
6.2
50
15
0
10
6.0
5.5
5.3
5.4
ユーロ圏
5.0
4.5
2012
13
14
15
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) ベトナム統計総局より、みずほ総合研究所作成
16
17 (年)
▲ 50
5
▲ 100
0
2014
2015
2016
(年)
(注) 直近は2016年11月。
(資料) ベトナム計画投資省より、みずほ総合研究所作成
11
ミャンマー : 高成長が持続、投資環境整備は新局面入り
◯
‧
‧
◯
‧
‧
2017年の成長率は前年比+7.7%の見通し
洪水被害からの復興で同+8.1%に達した2016年の成長率からは鈍化するものの、高めの伸びを維持
高成長の一方、高インフレ(2016年見込み、前年比+9.8%)、経常赤字(同、名目GDP比8.3%)の不均衡が存在
ミャンマー初の近代的工業団地であるティラワ経済特区(SEZ)の追加開発、新投資法施行など、投資環境整備は新局面入り
同SEZの初期開発(約400ha)は2016年末に完成、かつ製造業等の進出で完売し、2017年以降の追加開発(約100ha)決定
2017年初からは、土地リース契約の規制緩和等を盛り込んだ新投資法も施行されるなど、投資環境整備は新局面入り
【 実質GDP成長率 】
【 ティラワSEZ 】
予測
(%)
9.0
8.0
7.3
8.4
8.1
8.7
7.7
7.0
7.0
6.0
5.0
4.0
3.0
ユーロ圏
2.0
1.0
0.0
2012
13
14
(注) 2016-17年はIMFによる予測値。
(資料) IMFより、みずほ総合研究所作成
15
16
17 (年)
(資料) みずほ総合研究所作成
12
カンボジア : 高成長が持続、タイ国境地帯で直接投資に弾みがつく期待
◯ 2017年の成長率は前年比+6.9%と、近年の同+7%近傍の高成長路線が続く見通し
‧ 一方で、インフレは落ち着いているものの、巨額の経常赤字(2016年見込み、名目GDP比10.2%)を抱え、景気過熱の恐れ
――― IMFは、経常赤字抑制のため、財政緊縮策が必要と指摘
◯ タイ国境のポイペトでインフラ整備が進展、直接投資に弾みがつく期待
‧ 日系企業によるレンタル工場群開業(2016年9月)、タイとの鉄道開通(2016年末)など、投資環境が改善
‧ もっとも、主力産業である縫製業の最低賃金が2017年から月額153ドル(前年比+9.3%)となるなど、賃金上昇に要注意
【 実質GDP成長率 】
【 カンボジアと周辺国 】
予測
(%)
8.0
7.3
7.0
7.0
7.4
7.1
6.0
6.9
7.0
5.0
4.0
3.0
ユーロ圏
2.0
1.0
0.0
2012
13
14
(注) 2016-17年はIMFによる予測値。
(資料) IMFより、みずほ総合研究所作成
15
16
17 (年)
ポイペト
(資料) みずほ総合研究所作成
13
インド : 景気は高額紙幣廃止で2016年末に一時失速、2017年は反動増
◯
‧
‧
◯
‧
‧
2017年の成長率は前年比+7.6%と、2016年(同+7.0%)から加速する見通し
2016年は、11月の高額紙幣廃止の影響で家計消費や企業の購買に影響が出たため、年末にかけて成長率失速
2017年には新紙幣への切り替えが進んで混乱は収まり、需要の反動増も生じて成長率は盛り返す
2016年11月8日夜、1000ルピーと500ルピー紙幣を9日から廃止すると発表され、景気は一時的に下振れ
不正退蔵資金の無効化が目的と説明され、旧紙幣は預金や銀行での交換が可能だが、新紙幣の不足で決済に悪影響
新紙幣への切り替えは年末が目途だが、切り替えが遅れて混乱が長期化する場合、2017年の成長率は下振れするリスク
【 実質GDP成長率 】
【 高額紙幣廃止の概要 】

予測
(%)
8.0

7.0
6.0
7.0
5.6
7.2
7.6
7.0

‧
6.3
5.0
4.0

3.0
ユーロ圏
2.0
‧
1.0
0.0
2012
13
14
15
16
17 (年)
500ルピー紙幣(約850円)と1000ルピー紙幣(約1800円)を11月9日か
ら無効化。代わりに新500ルピー紙幣と新2000ルピー紙幣を発行
旧紙幣は11月10日から12月30日までに新紙幣と交換するか、銀行に
預け入れる必要
交換上限は1日2,000ルピー
また、預金をして後日に引き出す場合、窓口での引き出し上限は原則
として1週間2万4,000ルピー、ATMからの現金引き出し上限は1日当
たり4,000ルピー
預金上限は25万ルピーで、超える場合は所得証明が必要。顧客確認
書類に不備がある場合、預金上限は5万ルピー
1日当たり5万ルピーないし期間中に25万ルピーを超える預け入れが
あった普通預金口座、125万ルピー以上の入金があった当座預金口
座については、財務省に報告。所得として未申告の資金は30%の税
金と200%の罰金を科す
(資料)各種報道より、みずほ総合研究所作成
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) インド統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成
14
トルコ : 経済の不均衡拡大、地政学リスクの増大により、資本流出のリスク
◯
‧
‧
◯
‧
‧
2017年も3%程度の成長が続く見通しだが、下振れリスク大
2016年に比べて減速するものの、個人消費を牽引役に3%成長を維持する見通し
ただし、通貨安によるインフレ進行、国内でのテロ頻発、クーデター未遂事件後の公務員等解雇の影響で下振れリスク大
経済の不均衡拡大、地政学リスク増大などが嫌気され、資本流出の懸念
過去3年で企業部門の債務が急増。大幅な経常赤字、短期債務への依存など、経済の不均衡が拡大
地政学リスク増大、EUとの関係悪化も材料視され、米利上げ時などには資本流出(通貨安)のおそれ
【 部門別債務残高(GDP比) 】
【 実質GDP成長率 】
(%)
4.5
(GDP比、%)
予測
90 4.2
企業
4.0
3.5
3.0
4.0
70 政府
60 金融機関
3.3
3.0
2.5
家計
80 3.0
2.1
50 2.0
40 1.5
30 ユーロ圏
1.0
20 0.5
10 0.0
2012
13
14
(注) 2016-17年はIMFによる予測値。
(資料) IMF より、みずほ総合研究所作成
15
16
17 (年)
0 2002
04
06
08
10
12
14
16 (年)
(資料) Institute of International Financeより、みずほ総合研究所作成
15
ロシア : 3年ぶりプラス成長も高成長は望めず
◯
‧
‧
◯
‧
原油価格の緩やかな持ち直しを背景に、3年ぶりにプラス成長となる見通し
ルーブル・レートの安定、インフレ率の低下による実質賃金の増加を背景に、個人消費が景気回復を主導
一方で、欧米諸国の制裁継続に伴う先行き不透明感の高止まりから、投資の回復は遅れる見込み
2017年から財政緊縮策を実施予定。景気の下押し要因となる可能性
2017~19年連邦予算案(議会提出済み)は、歳出削減により、財政赤字をGDP比3.7%(2016年)から同1.2%(2019年)ま
で縮小させる内容
【 実質GDP成長率 】
【 ロシア連邦財政の推移 】
(%)
4.0
(GDP比:%)
25
予測
3.5
3.0
(GDP比:%)
8
歳出(左軸)
2.0
予算案
20
1.3
1.0
6
1.0
0.7
歳入(左軸)
0.0
▲ 0.7
▲ 1.0
3.7
15
4
3.2
財政赤字(右軸) 2.4
▲ 2.0
2.2
10
▲ 3.0
2
1.2
▲ 4.0
▲ 3.7
0.5
0.4
2013
14
5
▲ 5.0
2012
13
14
15
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測。
(資料) ロシア国家統計庁より、みずほ総合研究所作成
16
17 (年)
15
16
17
18
0
19 (年)
(注) 2013~15年は実績、16年は修正予算案、17~19年は予算案。
(資料) ロシア財務省より、みずほ総合研究所作成
16
ポーランド : 歳出拡大を背景に成長率加速の一方、財政悪化の副作用
◯ 歳出拡大を背景に成長率が加速する見込み。欧州委員会は2017年の成長率を+3.4%と予測
‧ 子ども手当ての支給開始(2016年4月、第2子以降につき月額500ズロチ/人)が個人消費を押し上げ
――― EU基金のファイナンスによる公共投資(交通インフラ整備等)の本格化により、投資も復調の見込み
◯ 歳出拡大により、財政赤字と政府債務残高は増加する見通し
‧ 子ども手当に加えて、2017年10月からは定年年齢の引き下げが決定。いずれも歳出拡大要因となる見込み
――― 欧州委員会は、ポーランドの政府債務残高が2018年にGDP比55.5%に達すると予測
【 実質GDP成長率 】
(%)
4.5
【 財政赤字と政府債務残高 】
3.9
政府債務残高(右目盛)
4.0
4.0
3.3
3.5
65
財政赤字(左目盛)
欧州委員会予測
3.4
3.0
3.1
2.5
2.0
(GDP比:%)
70
(GDP比:%)
4.5
予測
3.5
60
3.0
55
2.5
50
2.0
45
1.6
1.5
1.4
1.0
0.5
0.0
2012
13
14
15
16
17 (年)
(注) 2016-17年は欧州委員会による予測値。
(資料) ポーランド中央統計局、欧州委員会より、みずほ総合研究所作成
1.5
40
2014
15
16
17
18 (年)
(注) 財政赤字は一般政府のもの。
(資料) 欧州委員会より、みずほ総合研究所作成
17
チェコ : 内需を中心に底堅い景気拡大が続く
◯
‧
‧
◯
‧
内需を中心に底堅い景気拡大が続く見込み。欧州委員会は2017年の成長率を+2.6%と予測
良好な雇用情勢を背景に、個人消費は堅調に推移
加えて、EU基金のファイナンスによる公共投資(交通インフラ整備等)の本格化により、投資が増勢に転じる見込み
ユーロ圏経済が減速した場合、輸出を通じて成長率の下振れリスクが高まる
チェコ経済は輸出、特にユーロ圏向け輸出への依存度がきわめて高い経済構造
【 実質GDP成長率 】
(%)
5.0
【 輸出の相手地域別推移 】
予測
(GDP比:%)
100
4.5
その他
4.0
80
2.7
3.0
2.6
2.0
60
非ユーロ圏EU
2.2
1.0
40
0.0
▲ 1.0
ユーロ圏
20
▲ 0.5
▲ 0.8
▲ 2.0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-17年は欧州委員会による予測値。
(資料) チェコ統計局、欧州委員会より、みずほ総合研究所作成
17 (年)
0
2009
10
11
12
13
14
15 (年)
(注) 輸出は財輸出のみ。
(資料) Eurostat、IMFより、みずほ総合研究所作成
18
ハンガリー : 個人消費を中心に景気拡大ペースが加速
◯
‧
‧
◯
‧
個人消費を中心に景気拡大ペースが加速する見込み。欧州委員会は2017年の成長率を+2.6%と予測
雇用情勢の改善、家計所得の増加を背景に、個人消費は堅調に推移
加えて、EU基金のファイナンスによる公共投資(交通インフラ整備等)の本格化により、投資が増勢に転じる見込み
銀行の企業向け貸出に本格回復の兆し
2009年以降、前年比減少を続けていた銀行の企業向け貸出残高が、中小企業向けを中心に本格回復の兆し
――― 背景には、2016年1月の銀行税(資産課税)の税率引き下げ
【 実質GDP成長率 】
(%)
5.0
【 銀行部門の企業向け貸出残高の推移 】
(前年比:%)
8.0
予測
企業向け
6.0
4.0
4.0
うち、中小企業向け
4.0
3.0
3.1
2.1
2.0
2.6
2.1
2.0
0.0
1.0
▲ 2.0
0.0
▲ 4.0
▲ 1.0
▲ 6.0
▲ 1.6
▲ 2.0
▲ 8.0
2012
13
14
15
16
17 (年)
(注) 2016-17年は欧州委員会による予測値。
(資料) ハンガリー中央統計局、欧州委員会より、みずほ総合研究所作成
2012
13
14
15
16
(年)
(資料) ハンガリー中央銀行より、みずほ総合研究所作成
19
メキシコ : 成長率は減速し、トランプ米政権の通商・移民政策次第では下振れるリスク
◯ 緊縮的な金融・財政政策運営により、成長率は1%台に減速する見込み
‧ ペソ安進行を受けて、政策金利を引き上げ(2015年12月以降累計2.25%)、国営石油会社の投資等の歳出を削減
――― 原油・米製造業向け輸出の伸び悩みにより、ペソ安の輸出促進効果は限定的
◯ トランプ米新政権が強硬な通商・移民政策を実行した場合、成長率の下振れリスクが高まる
‧ 北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しや不法移民対策は、経常赤字拡大、資本流入の不安定化につながる
――― 強硬策が実現すればペソ安が加速するおそれ、通貨防衛のための緊縮措置が景気を下押しする悪循環に
【 実質GDP成長率 】
【 メキシコの経常収支 】
(%)
4.5
(億ドル)
400
予測
財収支
所得収支
経常収支
300
4.0
4.0
サービス収支
移転収支
移民送金
減少
↓
移転収支
黒字縮小
200
3.5
100
3.0
0
2.5
関税
引き上げ
↓
財収支
赤字拡大
▲ 100
2.5
2.0
2.2
1.5
1.0
▲ 200
2.0
1.9
1.4
▲ 300
▲ 400
0.5
▲ 500
0.0
2012
13
14
15
16
17 (年)
(注) 2016-17年はConsensus Forecastによる予測(平均値)。
(資料) メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)等より、みずほ総合研究所作成
▲ 600
2008
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(資料) メキシコ中央銀行より、みずほ総合研究所作成
20
ブラジル : 金融緩和の後押しにより3年ぶりのプラス成長へ
◯ 世界大恐慌以来となる2年連続マイナス成長を経て、2017年はプラス成長へ
‧ テメル政権による政策転換への期待を背景に企業・消費者マインドが改善
――― 資源価格下落による下押し圧力の後退や、資金調達環境の改善により、総固定資本形成(投資)が回復を主導
◯ 金融緩和が景気回復を後押し、財政再建の進捗や米金利先高観の強まりに伴うレアル安圧力が、利下げペースを左右
‧ インフレ率のピークアウトを受け、金融政策は4年ぶりに緩和に転換、2017年も段階的な利下げが実施される見込み
――― 財政再建の遅れや、レアル安に伴うインフレ圧力の高まりは、利下げ余地を狭める要因に
【 実質GDP成長率 】
【 インフレ率と政策金利 】
予測
(%)
4.0
3.0
16
3.0
政策金利(SELIC)
(%)
拡大消費者物価(前年比)
14
1.9
インフレ目標中央値
13.75
12
2.0
1.0
10
1.0
8
0.0
7.9
0.1
▲ 1.0
6
▲ 2.0
4
▲ 3.0
2
▲ 4.0
▲ 3.4
▲ 3.8
▲ 5.0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測。
(資料) ブラジル地理統計院より、みずほ総合研究所作成
0
17 (年)
2009
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(注) 網掛け部分はインフレ目標の上限・下限。
(2016年までは4.5%±2.0%、2017年以降は±1.5%)
(資料)ブラジル中央銀行より、みずほ総合研究所作成
21
チリ : 銅価格低迷による景気減速に歯止め
◯ 輸出の約5割を占める銅の価格底入れとともに、景気減速傾向に歯止め
‧ 鉱山投資ブームの一巡や法人税率引き上げによる投資低迷により、2016年は1%台成長まで減速
‧ 銅の価格下げ止まりにより、2017年の成長率は緩やかに上向く見通し
――― 2017年11月の大統領選挙で、よりビジネス・フレンドリーな政権に交代すれば、マインド改善を後押しする可能性
◯ トランプ米新政権によるインフラ投資拡大は銅価格の反発材料、チリ景気の上振れ要因に
‧ 米金利先高観による新興国からの資金流出でペソ安が進む可能性、緩やかなペソ安であれば輸出にプラス
【 実質GDP成長率 】
【 銅価格とペソ/ドルレート 】
予測
(%)
500
6.0
5.0
(ドル/lb)
(ペソ/ドル)
▲通貨高
450
5.5
4.0
4.0
3.0
2.3
2.0
2.0
1.7
1.0
400
350
450
300
500
250
550
200
600
650
銅価格
ペソ/ドル(右逆目盛)
100
700
50
0.0
▼通貨安
0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-17年はIMFによる予測。
(資料) チリ中央銀行、IMFより、みずほ総合研究所作成
17 (年)
350
400
150
1.9
300
08
2008
09
10
11
12
13
14
15
16
750
800
(年)
(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成
22
アルゼンチン : 構造改革の副作用が和らぎ、プラス成長へ転換
◯ マクリ政権が推進する構造改革の副作用によるマイナス成長を経て、2017年はプラス成長へ転換する見込み
‧ 通貨切り下げ、公共料金引き上げに伴う物価高騰等により、2016年はマイナス成長
――― インフレ率の鈍化、国際金融市場への復帰による資金調達環境の好転等により、2017年はプラス成長に転換
◯ 2017年10月の議会中間選挙と、その後の財政再建の進展度合いに注目
‧ 与党連合は議会少数派のため、歳出削減等の措置を先送りし、構造改革の中で財政再建の遅れが懸念される状況
――― 中間選挙で与党連合が議席数を伸ばせば、財政再建への取り組みが本格化し、政策運営に対する信認が高まる
【 実質GDP成長率 】
【 アルゼンチンの財政収支 】
予測
(%)
0
4.0
2.4
▲2
2.5
2.0
▲ 0.3
▲1
3.2
3.0
(%)
▲ 1.8
▲3
1.0
0.0
▲4
▲ 1.0
▲5
▲ 4.2
▲ 1.0
▲6
▲ 2.0
▲ 2.5
▲ 2.0
▲ 3.0
2012
13
14
15
16
▲ 4.8
基礎的財政収支
(GDP比)
▲ 5.8
▲7
17 (年)
(注) 2016-17年はアルゼンチン中銀調査による予測(中央値)。
(資料) アルゼンチン国家統計局(INDEC)、アルゼンチン中央銀行より、みずほ総合研究所作成
2015
16
17
18
19
(年)
(注)2015年は実績、2016、17年は2017年予算案。
2018、19年は2016年1月に提示された数値。
(資料)アルゼンチン財務公債省より、みずほ総合研究所作成
23
南アフリカ : 低成長が続き、大幅な経常赤字など経済構造は脆弱
◯
‧
‧
◯
‧
ほぼゼロ成長が予想される2016年に比べれば上向くものの、2017年も低成長が続く見通し
資源依存度の高い南アフリカ経済は、世界の資源需要停滞を背景とした低成長局面が継続
20%台の高失業が続く中、汚職問題などから現職ズマ大統領への支持が低下。政局もやや不安定に
米利上げ、商品市況下振れ時などの資本流出には警戒が必要
大幅な経常赤字、資源依存度の高さ、慢性的な電力不足、労働争議の頻発など、引き続き南アフリカの経済構造は脆弱。
米利上げ、商品市況低下時などには資本流出のリスク
【 経常収支(GDP比) 】
【 実質GDP成長率 】
(%)
2.5
予測
2
1
2.2
2.3
2.0
(GDP比、%)
経常移転収支
所得収支
貿易収支
経常収支
サービス収支
0
1.6
▲1
1.5
▲2
▲3
1.3
1.0
▲4
ユーロ圏
0.1
0.5
0.8
▲5
▲6
0.0
2012
13
14
15
16
17 (年)
▲7
2012
(注) 2016-17年はIMFによる予測値。
(資料) IMF より、みずほ総合研究所作成
13
14
15
16
(年)
(資料) 南アフリカ準備銀行、南アフリカ統計局より、みずほ総合研究所作成
24
サウジアラビア : 2017年は油価の回復で成長率は加速
◯ サウジアラビアの2016年実質GDP成長率は、1%台まで低下した公算大
‧ 原油価格の下落や緊縮的な財政政策の実施が背景
――― 2016年の財政赤字は前年より縮小する公算大だが、IMF予測ではGDP比▲13%と依然高水準
◯ 2017年は、油価の回復もあり、成長率は2%近傍へ加速する公算大
‧ 2016年を通じて減少した外貨準備の更なる減少は避けられる見込み
――― 国営サウジアラムコのIPOの動向などが注目される
【 実質GDP成長率 】
【 サウジアラビア通貨庁(SAMA)の外貨準備 】
予測
(%)
6.0
(10億米ドル)
800
5.4
金・SDR等
700
5.0
対外預金
600
対外証券投資残高
500
4.0
3.6
3.0
400
3.5
300
2.7
2.0
200
2.0
1.0
1.2
100
0
06
0.0
2012
13
14
(注) 2016-17年はIMFによる予測値。
(資料) SAMA、IMFより、みずほ総合研究所作成
15
16
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
17 (年)
(資料) SAMAより、みずほ総合研究所作成
25
アラブ首長国連邦(UAE) : 景気は底堅く、2020年万博を控えたドバイに注目
◯ アラブ首長国連邦の2016年実質GDP成長率は、2.3%となった模様
‧ ドバイ首長国の建設需要、観光需要等が景気を下支え
――― 非産油国であるドバイ首長国を有するUAEは、湾岸産油国の中でも相対的に石油依存度は低い
◯ 2017年の実質GDP成長率は2%台半ばに加速する公算大
‧ 油価の回復に加えて、2020年万博を控えたドバイにおける民間建設需要等に注目
【 実質GDP成長率 】
【 UAEの実質投資支出の推移 】
(百万ディルハム)
予測
(%)
250,000
8.0
7.0
公共投資
6.8
民間投資
200,000
6.0
5.0
150,000
4.7
4.0
3.0
3.1
100,000
3.8
2.0
2.3
2.5
16
17 (年)
50,000
1.0
0.0
2012
13
14
15
(注) 2016-17年はIMFによる予測値。
(資料) UAE中央統計局、IMFより、みずほ総合研究所作成
0
02
04
06
08
10
12
14
(年)
(資料) CEICより、みずほ総合研究所作成
26
オーストラリア : 景気は横ばい圏で推移し、追加利下げの可能性が燻る
◯
‧
‧
◯
‧
‧
2017年にかけて、輸出は堅調に推移するが、内需は力強さを欠くため、景気は総じて横ばい圏で推移
大型資源プロジェクトが完成して生産段階に移ることで、資源輸出の増加が見込まれる
個人消費は、雇用は増えているものの賃金が伸び悩み、力強さを欠く。設備投資は、大型プロジェクト一巡で減少の見通し
賃金の伸び悩みからディスインフレが継続し、追加利下げの可能性が残る
労働需給の緩みが残るなかで、賃金の伸びは緩やかなペースにとどまる
賃金抑制を背景に、基調インフレ率が目標(前年比+2~3%)を下回る状況が続けば、追加利下げの可能性
【 実質GDP成長率 】
(%)
5.0
予測
(%)
4.0
【 賃金指数 】
3.6
前期比
前年比
4.5
3.5
4.0
3.0
3.5
2.5
2.4
2.7
2.5
2.4
2.0
3.0
2.0
1.5
2.5
2.0
1.5
ユーロ圏
1.0
1.0
0.5
0.5
0.0
2012
13
14
15
16
(注) 2016-17年はみずほ総合研究所による予測値。
(資料) オーストラリア統計局より、みずほ総合研究所作成
17 (年)
0.0
99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
(資料) オーストラリア統計局より、みずほ総合研究所作成
27
(参考)主要経済指標(2015年)
国名
名目GDP
人口
(10億米ドル) (100万人)
経常収支
(対GDP比、%)
国名
名目GDP
人口
(10億米ドル) (100万人)
経常収支
(対GDP比、%)
中国
11181.6
1373.5
3.0
トルコ
717.9
78.2
▲ 4.5
韓国
1377.9
50.6
7.7
ロシア
1326.0
143.5
5.2
台湾
523.0
23.5
14.6
チェコ
185.2
10.5
0.9
香港
309.2
7.3
3.1
ポーランド
474.8
38.0
▲ 0.2
シンガポール
292.7
5.5
19.8
ハンガリー
120.6
9.9
4.4
インドネシア
859.0
255.5
▲ 2.1
メキシコ
1143.8
121.0
▲ 2.9
タイ
395.3
68.8
7.8
ブラジル
1772.6
204.5
▲ 3.3
マレーシア
296.3
31.2
3.0
チリ
240.2
18.0
▲ 2.0
フィリピン
292.5
102.2
2.9
アルゼンチン
630.4
43.1
▲ 2.5
ベトナム
191.5
91.7
0.5
南アフリカ
314.7
55.0
▲ 4.3
ミャンマー
62.9
51.8
▲ 7.8
サウジアラビア
646.0
31.4
▲ 8.3
カンボジア
17.8
15.5
▲ 10.6
UAE
370.3
9.6
3.3
2073.0
1292.7
▲ 1.1
オーストラリア
1225.3
23.9
▲ 4.7
インド
(注)一部数値に関しては、IMFによる見込み値を含む。
(資料)IMFより、みずほ総合研究所作成
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【発行/編集】
みずほ総合研究所 調査本部
TEL :03-3591-1400
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