NEWS RELEASE 2016年12月15日 【格付変更/維持】 南アフリカ共和国 外貨建発行体格付: BBB+ → BBB [格付の方向性:ネガティブ] 自国通貨建発行体格付:A- → BBB+ [格付の方向性:ネガティブ] 外貨建短期債務: a-2(維持) 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。 【格付理由】 対外環境も含めた循環的側面と構造的側面の双方が影響し、経済成長の低迷が続く。各種の政策群も 十分な効果を上げるに至っておらず、内外の経済環境の不透明感に鑑みれば、今後の経済成長も楽観視 できない。財政健全化を担保する制度的要因は堅持されているが、経済からのサポートが弱く、従来に 比べて政治的な影響を懸念せざるを得ない状況にあって政策運営の信頼性は全体的に低下している。こ うした状況を踏まえ、外貨建および自国通貨建発行体格付をそれぞれ1ノッチずつ格下げした。金融市場 の変動に対して経済面での脆弱性を抱え、政治リスクも当面拭えないことから、格付の方向性はともに ネガティブとした。経済成長率の予想を下方修正する状況が長引き、債務残高の見通しが今以上に悪化 する公算が大きくなれば、格付にはもう一段の下押し圧力がかかろう。 政府は2016年10月の中期予算方針書(MTBPS)で、同年の実質国内総生産(GDP)成長率予測を0.5%へ と下方修正した。第1四半期のマイナス成長が影響しているが、その後の回復は持続性を欠いている。干 ばつ被害など特殊要因の影響が取り除かれ、2017年には循環的にある程度の持ち直しが期待できる。あ とは、政策対応によってどれだけビジネスの信頼感を高め、民間投資を引き出す環境を作っていけるか にかかっている。2017年は、与党アフリカ民族会議(ANC)の政策大会(6月)、党大会(12月)と大き な政治イベントを控え、趨勢を推し量るためにビジネス上の決断などが様子見となる可能性も無視でき ない。引き続き、楽観的な見通しは禁物と考えている。 経済成長の回復が思わしくない中、景気の下支えと財政健全化へのコミットメントの両立というジレ ンマを抱えながらの財政運営が続く。経済がさらに伸び悩めば、債務残高のピークアウトが政府見通し よりもずれ込む懸念は残る。政府の財政規律維持の意思は揺らいでおらず、名目歳出シーリングの堅持 や経常予算収支の黒字化などの方向性は評価できる。利払い費が増加する一方で、基礎的財政収支は 2017年度(2017年4月-2018年3月)に黒字化を見込む。経済見通しの下方修正を受け、中期的な赤字削 減目標はやや緩めた形で再設定された。 経常赤字は、平均でGDP比5%を超えた2013-2015年の水準からはやや持ち直すとみられる。インフラ 整備に伴う資材輸入などもありGDP比4%台程度の推移が続こう。ファイナンス面では、証券投資を通じ た足の速い資金調達が主軸だが、流動性が高く規制環境も成熟した資本市場の存在が安定的な資金調達 にとって大きなサポートになっている。対外債務の水準からすれば、当面の対外流動性の懸念はないだ ろう。もっとも、新興国市場を巡っては不確実な状況が続くと見込まれる。こうした中では高水準の経 常赤字は投資家のリスク認識面で明らかなマイナスであり、注意が必要だ。 ANCを中心とする政治体制そのものが揺らぐリスクは引き続き小さいだろう。またR&Iでは、今後もANC の政策志向が大きく変化する局面は想定していない。一方で、ズマ大統領の就任以来、本人に関する汚 職疑惑が絶えないほか、政策運営の信頼性が全体的に低下してきているという懸念を拭えない。国家レ ベルでの各種政策群の効率的な執行や効果にとっても悪影響だ。2017年12月に5年に一度の党大会を予定 しており、次期大統領の筆頭候補である新党首(議長)が選出される予定だ。その後も、ズマ大統領の 任期を迎える2019年まで、南アフリカの政治状況は予断を許さない状況が続こう。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 【格付対象】 発行者:南アフリカ共和国 名称 格付 格付の方向性 外貨建発行体格付 BBB+ → BBB ネガティブ 自国通貨建発行体格付 A- → BBB+ ネガティブ 名称 格付 外貨建短期債務 a-2(維持) ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 信用格付に関わる事項 信用格付業者 登録番号 株式会社格付投資情報センター 金融庁長官(格付)第6号 直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。 主任格付アナリスト 関口 健爾 信用格付の付与について 代表して責任を有する者 細田 弘 信用格付を付与した日 2016年12月08日 主要な格付方法 ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16] 上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して います。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html 評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html 格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html 格付関係者 南アフリカ共和国 注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。 利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料 品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ れている資料であること。 情報提供者 格付関係者 信用格付の前提、意義及び限界 R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定 通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等 の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見 を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の 表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い かなる保証もしていません。 R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの 情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格 付を保留したり、取り下げたりすることがあります。 利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が 高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり ます。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc.
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