花き花木3〔宿根アスター、マーガレット、ミヤコワスレ、リンドウ、宿根

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宿根アスター
【病害】
Coleosporium asterum
1.さび病
〈生態と防除のねらい〉
おもに葉に発生し、はじめは葉の裏側に粒状の小さな黄色斑点(夏胞子堆)を生
じる。やがて表皮が破れて橙黄色、粉状の病斑となる。多発すると葉は黄化し、枯
死する。下葉から発生し、上位葉へ蔓延する。
本病菌は、シオンの他アスターや野生のキク科植物ヨメナ、ノコンギク等にも寄
生し、空気伝染する。シオン等のキク科植物の葉上では夏胞子及び冬胞子を形成す
るが、アカマツ葉上では、さび胞子世代を経過する。通風が不良で多湿、密植の場
合に発病しやすい。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)風 通 し を 図 り 、 過 湿 に し な い 。
(2)密 植 栽 培 を し な い 。
(3)圃 場 周 辺 の 野 生 の 発 病 植 物 (キ ク 科 植 物 )を 除 去 す る 。
(4)ア カ マ ツ の 近 く に 栽 培 し な い 。
2 .斑 点 病
Stemphylium lycopersici
<生 態 と 防 除 の ね ら い >
はじめ茎葉や花に暗褐色の小斑点あるいは中心が褐色で周囲が暗褐色の斑点が
生じる。これらは病勢の進展に伴い斑点は拡大、融合し、葉枯れを引き起す。多
発すると下位葉から枯上がる。開花不良を引き起すこともある。激発した場合に
は 枯 死 に 至 る 。通 年 発 生 が 見 ら れ る が 、7 月 頃 か ら 多 発 し が ち で あ る 。接 種 試 験 に
より本病菌は、ダイズ、トマト、ネギ、タマネギ、アスパラガスに病原性を持つ
ことが明らかとなっている。
<防 除 法 >
○耕種的防除法
(1)罹病株や被害残渣は抜き取り、ほ場外に持ち出して処理する。
(2)過繁茂になると多発するので、密植多肥を避け、適正な肥培管理を心がけ
る。
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宿根アスター
6.茎腐小粒菌核病
Sclerotinia minor
〈生態と防除のねらい〉
平 成 13 年 に 報 告 さ れ た 比 較 的 新 し い 病 害 で あ る 。最 初 、地 際 部 の 茎 が 褐 変 す る の
が特徴で、最終的には萎ちょう、枯死する。枯死した茎の表面には、小さな黒色の
菌核が形成される。
本 菌 は ル リ タ マ ア ザ ミ に も 寄 生 す る 。生 育 可 能 温 度 は 2℃ ~ 30℃ 、生 育 適 温 は 20℃
で、通風が不良で、多湿、密植の場合に発生しやすい。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)風 通 し を 図 り 、 過 湿 に し な い 。
(2)密 植 栽 培 を し な い 。
株の萎ちょう
株元基部の褐変
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マーガレット
【病害】
2.萎凋病
Fusarium oxysporum
〈生態と防除のねらい〉
青枯病と類似し、株全体が生育不良となり、やがて枯死するが、急激にしおれて
青 枯 れ と な る こ と は 少 な い 。一 般 に は 下 葉 か ら 黄 化 し 、次 第 に 茶 褐 色 に 枯 れ 上 が る 。
根 は 変 色 、 腐 敗 し 、茎 の 切 断 面 は 維 管 束 部 分 が 褐 変 す る が 、青 枯 病 の よ う な 菌 泥 の 噴
出は見られない。
土壌伝染を行うので、発生地での連作を避けるか、土壌消毒を行う。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
○耕種的防除法
力-ネーション萎凋病に準ずる。
ミヤコワスレ
【病害】
4.萎黄病
Fusarium oxysporum
〈生態と防除のねらい〉
土壌伝染する。土壌中の被害根または裸の状態で厚膜胞子の形で越年し、長期間
土 壌 中 に 生 息 す る 。 発 病 適 温 は 地 温 20~ 28℃ で 、 湿 度 条 件 に は 関 係 が な い 。 発 病 は
生 育 期 開 中 い ず れ の 時 期 に も 見 ら れ る が 、 多 発 時 期 は 5~ 10 月 で あ る 。
発病すると生育が不良となり、葉は黄化して、上方の葉とともに小型になる。夏
場の育苗期間中には、被害株は著しく生育不良となり、葉の黄化・小型化が進み、
褐 色 の 小 斑 点 が 現 れ る 、そ の 後 病 勢 が す す む と 生 育 は 停 止 し 、株 全 体 が 黄 化 し た り 、
しおれたりして生気を失い、枯死する。
被 害 株 は 下 葉 は 褐 変 し て 枯 死 す る 。根 は 根 腐 れ を 起 こ し 、茶 褐 色 に 変 色 腐 敗 す る 。
ク ラ ウ ン を 切 断 す る と 、導 管 部 に 褐 変 が 見 ら れ る 。 10 月 以 降 の 定 植 後 も 同 じ よ う な
症状を示すが、春の分枝茎の葉が奇形を呈するものがある。
〈防除法〉
○土壌消毒
○耕種的防除
(1)健 全 株 を 定 植 す る 。
(2)発 病 ほ 場 か ら 苗 を 採 取 し な い 。
(3)連 作 を し な い 。 (3 年 以 上 の 輪 作 を 行 う 。 )
(4)被 害 株 は ま わ り の 土 と と も に 処 分 す る 。
(5)多 肥 施 用 を さ け る 。
(6)地 温 の 上 昇 を 抑 え る 。
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リンドウ
【病害】
1.葉枯病
Septoria gentianae
〈生態と防除のねらい〉
病 原 菌 は 、 被 害 茎 葉 に 生 じ た 柄 子 殼 で 越 年 し 、 翌 年 4 月 下 旬 、 平 均 気 温 15℃ 前 後
から新葉に感染し、下葉から上方に枯れ上がる。多湿や肥料切れの場合には、発病
が多く、普通5~9月、特に6月下旬~7月の発病が多い。
潜 伏 期 間 は 、 20 日 前 後 で 長 い 方 で あ る 。 し た が っ て 、 発 病 後 の 防 除 で は 手 お く れ
になるので、予防的に防除することが大切である。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 葉 を 除 去 、 処 分 す る 。
(2)わ ら 又 は プ ラ ス チ ッ ク フ ィ ル ム で マ ル チ を 行 う 。
(3)ほ 場 は 、 多 湿 に な ら な い よ う 排 水 、 通 風 及 び 採 光 を よ く す る 。
(4)草 勢 の 弱 い 株 ほ ど 発 生 し や す い の で 、 採 花 数 や 肥 培 管 理 に 注 意 す る 。
2.褐色根腐病
Pyrenochaeta spp.
〈生態と防除のねらい〉
発芽2か月ごろより発生する。最初根に水浸状の淡褐色か茶褐色の斑点状病斑が
現われる。その後拡大し、根の周囲に及ぶようになる。地上部では下葉から葉色が
黄化し、生育が抑制される。その後病勢が進むにつれて根の腐敗した部分が消失し
たり、表皮が裂開して剥げ落ちたり、根部組織がコルク化するために、次第に株全
体が枯死する。とくに連作地や多湿地で発生が多くなる傾向が見られる。
防除法〉
○耕種的防除
(1)連 作 を 避 け 、 排 水 を 行 う 。
(2)健 全 苗 を 定 植 す る 。
(3)温 湯 消 毒
苗 の 定 植 前 に 45℃ の 30~ 60 分 浸 漬 。
4.褐斑病
Mycochaetophora gentianae
〈生態と防除のねらい〉
葉に発病する。梅雨明け頃から発生し、中位葉から上部にかけて、はじめ白色の
小 斑 点 を 生 じ 、 や が て 葉 枯 病 に よ く 似 た 径 5 mm 程 度 の 輪 郭 が 不 明 瞭 な 淡 褐 色 の 病 斑
となる。
本 病 は 1984 年 頃 に 岡 山 県 で 初 発 生 し 、 本 県 に お い て も 1986 年 に 八 女 郡 で 初 確 認
した比較的新しい病害である。
病原菌は糸状菌の一種であり、分生胞子で伝染するが、生態については不明な点
が多本病は、自然発病及び接種とともに、中生種で最もよく発病し、次いで早生種
であり、晩生種はほとんど発病しないことが明らかになっている。
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リンドウ
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 葉 は 早 め に 除 去 し 、 処 分 又 は 土 中 深 く に 埋 没 す る 。
(2)多 湿 を 避 け 、 通 風 、 換 気 を 図 る 。
【害虫】
1.キイロヨモギハマキ
〈生態と防除のねらい〉
4 月 か ら 10 月 に か け て 発 生 し 、8 月 ご ろ の 発 生 が 多 く 、新 葉 を 巻 い て 加 害 す る た
め、著しく商品価値をおとす。幼虫は、巻葉中に潜むため、薬剤が付着しにくく、
効果が上がらない。若令幼虫をねらって防除する。
2.リンドウホソハマキ
〈生態と防除のねらい〉
終令(5令)幼虫が枯れた茎の中に粗いマユを作って越冬し、4月下旬~5月中
旬に蛸化する。越冬世代成虫は5月中旬~6月上旬、第1世代成虫は7月、第2世
代成虫は8月上旬~9月上旬に発生し、7月に被害が多い。成虫は葉裏に1粒ずつ
産 卵 し 、 総 産 卵 数 は 100~ 120 個 で あ る 。
幼虫はリンドウ、ミヤマリンドウ、センブリなどの茎葉を食害する。ふ化幼虫が
葉肉内に潜入し食害する。2~3令幼虫は茎のずい部を上下に食い荒らす。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 茎 を 除 去 、 処 分 す る 。
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宿根スターチス
【病害】
4.褐斑病
Cercospora insulana
〈生態と防除のねらい〉
葉、茎、茎の翼に病斑が発生する。葉では初め下葉に水浸状の境界が不鮮明で淡
黄褐色の斑点を生じる。この病斑はやがて周辺が黄褐色、内部が灰褐色で、ほぼ円
形で数ミリから1センチ前後に成長し、やや陥没する。さらに病勢が進むと病斑同
士が融合し、葉枯れを起こす。多湿時には病斑の表側にすす状のかびが現れる。病
原菌は被害残さ中に菌糸の形で越年し、これを伝染源として翌年分生子を生じて飛
散する。以後は病斑上に生じた分生子が空気伝染もしくは飛沫伝染で蔓延する。ハ
ウス栽培で比較的高温、過湿条件になると多発しやすい。
〈防除法〉
○耕種的防除法
(1)第 1 次 伝 染 源 除 去 の た め 、 残 渣 は 集 め て ほ 場 外 に 持 ち 出 し 、 処 分 す る 。
(2)ハ ウ ス 内 の 換 気 に 心 が け 、 多 湿 状 態 に な る の を 防 ぐ 。
アネモネ・ラナンキュラス
【病害】
5.葉腐病
Rhizoctonia solani
<生態と防除のねらい>
葉、塊茎など地上部に発生する。地際部で罹病した葉や花茎には、初め黒色小斑
点が発生し、その後不正型の病斑に拡大する。葉及びがくは伸長後黒変し枯死に至
る。葉柄は地際部で黒褐色にくびれ、立枯れ症状を呈する。塊茎は上部から腐敗が
始まり、後に内部に腐敗が進行して株が枯死する。
病原菌は、多くの作物に立ち枯れ症状を引き起こす土壌病原菌である。罹病組織内
に厚壁褐色菌糸や土壌中に菌核の形態で生残し、伝染源となる。菌核が球根に付着
し伝染する場合もある。やや多湿で高温時に発病しやすい。
<防除法>
(1)育 苗 期 及 び 本 圃 と も に 排 水 を 良 く し 、 過 湿 を 避 け る 。
(2)発 病 葉 や 枯 死 株 等 の 残 さ は ほ 場 外 に 持 ち 出 し 、 埋 設 も し く は 焼 却 す る 。
4.キツネノボタンハモグリバエ
〈生態と防除のねらい〉
キツネノボタンとタガラシなどラナンキュラスと同属の野外雑草にも寄生し、こ
れを発生源としてラナンキュラスに飛来、産卵する。
施設内では、加温されない場合でも冬季に繁殖を繰り返す。露地栽培では3月は
じめ頃より被害が始まり、4月から5月にかけて最盛期となる。アネモネにも寄生
する。
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アリウム類
【病害】
2.さび病
Puccinia allii
〈生態と防除のねらい〉
葉身および花茎に発生する。はじめ黄褐色の小斑点を生ずるがのちに紡錘型にふ
くれて表皮が裂け、樟黄色粉状物を露出させる。発生が激しいときは、葉面が樟黄
色の粉をまき散らしたようになり、色があせていく。のちにこの病斑はやや大きく
なって黄褐色にかわる。
このさび病菌は異種寄生を行わず、被害植物上の冬胞子層で越年して伝染源とな
る。
またアリウム属植物を宿主として夏胞子および冬胞子の世代を経過し生活史をま
っとうする。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)排 水 の 良 い ほ 場 で 栽 培 し 、 ほ 場 湿 度 の 低 下 に つ と め る 。
(2)密 植 を さ け 通 風 を よ く す る 。
(3)発 生 初 期 の 防 除 を 徹 底 す る 。
グラジオラス
【病害】
1.首腐病
Burkholderia gladioli pv. gladioli
〈生態と防除のねらい〉
病菌は細菌で、球茎や土壌中で越年し、傷口などから侵入 する。降雨の多いとき
や多湿土壌に発病が多い。アヤメ属植物を侵す。
〈防除法〉
○土壌消毒
○耕種的防除
(1)多 湿 を さ け る 。
(2)病 株 を 土 と と も に 除 去 、 処 分 す る 。
(3)発 病 跡 地 に は 、 4 年 く ら い 栽 培 し な い 。
2.硬化病
Septoria gladioli
〈生態と防除のねらい〉
病菌は球茎について越年し、貯蔵中の多湿及び連作地で発病が多い。
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グラジオラス
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)貯 蔵 中 の 多 湿 を さ け る 。
(2)発 病 地 に は 、 4 年 く ら い 栽 培 し な い 。
(3)病 株 を 除 去 、 処 分 す る 。
3.赤斑病
Curvularia gladioli
〈生態と防除のねらい〉
球 茎 や 被 害 葉 の 菌 糸 で 越 年 す る と 思 わ れ る 。 病 菌 の 発 育 適 温 は 25℃ ~ 30℃ く ら い で
ある。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)健 全 な 球 根 を 植 え 付 け る 。
(2)被 害 茎 葉 を 除 去 、 処 分 し 、 連 作 を さ け る 。
4.角斑病
Xanthomonas campestris pv. gummisudans
〈生態と防除のねらい〉
病菌は細菌で、球茎や被害葉又は土壌中で越年し、雨滴や潅水の際の土とともに
葉に到達し、増殖した後、傷口や気孔から体内に侵入する。
ま た 、 病 斑 上 に 生 じ た 菌 に よ っ て 二 次 感 染 す る 。 発 生 は 高 温 ( 約 30℃ ) 多 雨 の 際
に多く、窒素質肥料の多用で多発する。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)連 作 を さ け 、 種 球 は 無 病 の も の を 使 用 す る 。
(2)被 害 葉 を 集 め て 処 分 し ほ 場 を 清 潔 に す る 。
(3)敷 わ ら 又 は プ ラ ス チ ッ ク フ ィ ル ム で マ ル チ を 行 う 。
(4)石 灰 を 十 分 に 施 用 し 、 土 壌 p H を 適 正 に 保 ち 、 多 窒 素 を さ け る 。
(5)ほ 場 の 排 水 を は か る 。
5.乾腐病
Fusarium oxysporum Schlechtendahl f. sp. gladioli
〈生態と防除のねらい〉
病菌は、球茎について伝染する。発病のおそれがあれば土壌消毒を行う。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)病 株 を 除 去 、 処 分 す る 。
(2)発 病 地 は 4 年 く ら い 栽 焙 し な い 。
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グラジオラス
【害虫】
4.グラジオラスアザミウマ
〈生態と防除のねらい〉
1962 年 に 我 が 国 で 初 め て 発 生 が 確 認 さ れ た 侵 入 害 虫 で 、体 長 1.4~ 1.9mm、体 色 は
灰褐色~暗赤褐色である。
本虫はグラジオラスのほかカーネーション、ダリア、アイリスなどの花き類を加
害すると言われているが、我が国ではこれまでのところグラジオラス以外に害は認
められていなしない。
茎葉が加害されると淡黄色~銀色の条斑や斑紋を生じてしおれ、激しい場合には
褐変枯死する。花では白色斑点を生じ著しく形がくずれ、多くの蕾は開花しなくな
る。貯蔵中の球茎では表面がべとべとして汚れ、灰褐色の粗い斑点を生じる。被害
球は発芽、発根、開花が不良となる。
一 世 代 は 27℃ で 約 2 週 間 、16℃ で 約 4 週 間 、夏 期 に は 6 世 代 以 上 発 生 を く り 返 す 。
本 虫 は 秋 に 球 茎 に 寄 生 し 、貯 蔵 庫 へ 運 ば れ る 。春 に 球 茎 と と も に ほ 場 に 持 ち 込 ま れ 、
芽の伸長とともに地上部を加害する。したがって、被害のあったほ場で採取した球
茎は、消毒後貯蔵することが重要である。また、暖地では土 中での越冬も可能であ
ると考えられているので、定植前に土壌消毒を行うことも有効と思われる。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)ほ 場 内 か ら 作 物 残 渣 を 持 ち 出 す
(2)ハ ウ ス 周 辺 の 雑 草 を 除 去 す る 。
ダリア
【病害】
3 .ウ イ ロ イ ド
わ い 化 病 : Chrysanthemum Stunt Viroid ( CSVd)
ウ イ ロ イ ド 病 : Potato Spindle Tuber Viroid ( PSTVd)
<生 態 と 防 除 の ね ら い >
CSVd に よ る わ い 化 病 の 病 徴 は 、 草 丈 の わ い 化 、 葉 や 花 の 小 型 化 で あ る 。 枯 死 に
至る場合があるが、大変まれである。
注1)罹病植物には複数種のウイルスが混在しており、わい化症状が本ウイロイド
のみで生じるかはさらなる検討が必要である。
PSTVd に よ る ウ イ ロ イ ド 病 に つ い て は 、 地 上 部 の 病 徴 は 明 確 で は な い 。 感 染 塊 根
は生育がやや劣るという報告がある。
本ウイロイドは、ジャガイモ、トマトに重篤な症状を引き起こすため、感染ダリ
アが発見された場合やその後の対応について国の防除マニュアルが策定してあるの
で 参 照 の こ と ( 注 2 )。
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ダリア
<防 除 法 >
○耕種的防除
(1)罹病株は根こそぎ抜去し、ほ場外に持ち出し、できるだけ早期に埋設もし
くは焼却する。
(2)感染が確認されたほ場で管理作業に用いる器具(ハサミなど)は、品種や
畝ごとに使用し、一定の作業工程ごとに消毒する。消毒には有効塩素濃度
0.5% 以 上 の 薬 液 を 用 い 、 30 秒 程 度 浸 漬 す る 。
※
PSTVd 感 染 ダ リ ア が 確 認 さ れ た ほ 場 に お け る 防 除 の 詳 細 は 注 2 )を
参照。
注2)防除マニュアル「ポテトスピンドルチューバーウイロイドに感染
した植物の防除について」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/ps
tvd/pdf/boujo_h27_renew.pdf
7.花枯病
Itersonilia perplexans
〈生態と防除のねらい〉
病 原 菌 は ダ リ ア の 他 、キ ク 、バ ラ 、コ ス モ ス 、キ ン セ ン カ 、ジ ニ ア な と に 寄 生 し 、
かなり広く分布しているうえ、被害花で越年して伝染源となっている。病原菌の発
育 は 20℃ が 最 適 で 花 が 雨 や つ ゆ で ぬ れ る と 発 生 が 助 長 さ れ る 。
〈防除法〉
キクの項参照
【害虫】
4.フキノメイガ
〈生態と防除のねらい〉
本害虫はアワノメイガによく似ているが、オスの中脚脛節の毛が長く容易に見分
けがつく。被害茎内の老熟幼虫で越冬し、5月中旬から成虫が出現してくる。成虫
は活発な方で、昼開はダリアの葉のうらに静止しているが、夜間に活勣し、燈火に
もよく飛来する。
発生は年3回で、5月、7月中旬、8月中下旬にピークがある。しかし、2回以
降は発生がかなり乱れる。
本種の分布は広く、かつきわめて雑食性で、各種作物のほか雑草にも寄生する。
ダリアは必ずといって良いほど本種の被害をこうむるため予防対策が必要である。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 株 は 見 つ け 次 第 処 分 す る 。
(2)近 く に 作 物 が 植 え ら れ て い る 時 は 、防 除 困 難 で あ る た め 、防 虫 網 等 の 設 置 を 行 う 。
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チューリップ
【病害】
1.球根腐敗病
Fusarium oxysporum Schlechtendhal f. sp . tulipae
Fusarium solani f. sp. radicicola race 1
〈生態と防除のねらい〉
根およびりん茎に発生し、露地栽培では開花期ころから全身が退色し、萎ちょう
枯死する。発病株の基部は細くくびれ、維管束が褐変する。 りん茎の腐敗は根や底
盤部から起こり、病斑部にはネダニの寄生や軟腐病、青かび病等が併発しやすい。
施 設 に お け る 促 成 栽 培 で 被 害 が 大 き く 、発 芽 直 後 の 立 枯 れ や 発 芽 前 の 腐 敗 を 生 じ る 。
また、球根の貯蔵中にも腐敗する。
病原菌は、被害植物の残渣とともに厚膜胞子の形で土壌中に長期間残存して伝染
源 と な る ほ か 、 被 害 球 根 で は 菌 糸 の 状 態 で 越 年 し て 伝 染 す る 。 菌 の 発 育 適 温 は 28℃
で 、 地 温 が 20℃ 前 後 に な る と 発 病 し 、 25~ 28℃ で は 激 発 す る 。
病原菌は土壌中で耐久体(厚膜胞子)の形で4~5年以上生存できるので、発病
圃場は連作を避け、イネ科植物との長期輪作を行うか、太陽熱による土壌消毒等を
実施すると発病が少なくなる。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)連 作 を 避 け 、 健 全 土 壌 に 栽 培 す る 。
(2)球 根 を 傷 つ け な い よ う に 栽 培 管 理 を 行 う 。
(3)促 成 栽 培 で は 夏 季 に 太 陽 熱 土 壌 消 毒 を 行 う 。
(4)被 害 株 や 被 害 球 根 は 早 め に 除 去 し 、 処 分 す る 。
(5)未 分 解 有 機 物 (青 刈 作 物 等 )を 多 量 に 施 用 す る と 一 時 的 に 病 原 菌 類 が 増 加 す る の
で、植え付けには使用しない。
(6)切 花 栽 培 で は 、 敷 わ ら 等 を 行 っ て 、 地 温 が 20℃ 以 上 に な ら な い よ う に 管 理 す る 。
2.褐色斑点病
Botrytis tulipae
〈生態と防除のねらい〉
球根の被害部や土中の菌核で越年し、葉、花、茎に暗色斑点を生じる。被害のひ
どい株は除去、処分し、発病初期から薬剤散布を徹底する。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
○耕種的防除
(1)被 害 株 を 除 去 、 処 分 す る 。
(2)通 風 を は か り 湿 度 を 下 げ る 。
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チューリップ
3.葉腐病
Rhizoctonia solani
〈生態と防除のねらい〉
発芽後、地際の茎葉に発病する。病原菌はハクサイ、カブ、キャベツなどアブラ
ナ科植物を侵す低温系の菌で、土壌伝染のほか、被害球根によっても伝染すると思
われる。
早期栽培では、球根を露出して植付けると発病が少ない。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
5.緑かび病
青かび病
黒かび病
Penicillium corymbiferum
Penicillium cyclopium
Aspergillus niger
〈生態と防除のねらい〉
いずれも主にりん茎に発生する。生育が悪く、株全体が黄化し、やがて立枯れ症
状を呈する。このような株のりん茎は、青緑色あるいは黒色のカビに覆われ、腐敗
している。貯蔵中に発生することもある。被害りん茎上に形成された菌糸や菌核で
土壌中あるいは腐敗植物体で越年し、分生胞子を飛散して伝染する。保菌した球根
が繁殖に用いられて伝染することもある。りん茎に傷がつくと発病が助長される。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)健 全 な 球 根 を 植 え 付 け る 。
(2)球 根 を 傷 つ け な い よ う に 栽 培 管 理 を 行 う 。
(3)促 成 栽 培 で は 過 湿 に な ら な い よ う に 潅 水 を 行 う 。
(4)被 害 株 や 被 害 球 根 は す み や か に 除 去 し 、 処 分 す る 。
(5)球 根 の 貯 蔵 は 風 通 し の よ い 所 で 行 い 、 乾 燥 に 努 め る 。
【害虫】
1.チューリップサビダニ
〈生態と防除のねらい〉
日 本 で は 昭 和 54 年 に は じ め て 埼 玉 県 園 試 で チ ュ ー リ ッ プ の 異 常 花 か ら 発 見 さ れ た 。
本種に寄生されると、開花前になって茎や葉の色が濃淡のモザイク状になり、つ
ぼみは着色せず開花しない。
チューリップ以外にタマネギ、ニンニクなとのユリ科植物、コムギ属、オオムギ
属、トウモロコシ属などの植物に寄生するといわれている。
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チューリップ
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)球 根 に よ る 持 ち 込 み が 主 体 と な る た め 、 健 全 な 球 根 を 植 え 付 け る 。
(2)球 根 と 表 皮 の 間 に 生 息 す る サ ビ ダ ニ が 多 い た め 、ほ 場 内 か ら 作 物 残 漬 を 持 ち 出 す 。
フリ-ジア
【病害】
1.球根腐敗病
Fusarium oxysporum
Schlechtendahl f. sp. gladioli
〈生態と防除のねらい〉
フザリウム菌によって球根の発根部を中心に腐敗し、高温多湿で発病が多い。土
壌伝染を行い、罹病球根の植付けによってもまん延する。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
○耕種的防除
(1)連 作 を さ け る 。
(2)発 病 株 を 除 去 、 処 分 す る 。
クルクマ
【病害】
1.さび斑病
Plectosporium tabacinum
<生態と防除のねらい>
葉、花茎や芭に褐~暗褐色鉄さび状のやや陥没した小斑点が多数生じる。病斑周
囲には白~淡黄色のハローが見られ、やがて褐変し互いに融合して枯死病斑が広が
る。多湿条件下で病斑上に乳白色の粘塊やかびが密生し、発病部に形成された分生
子が水滴などにより二次伝染する。土壌や球根に付着した分生子が翌年の伝染源に
なる。
<防除法>
(1)排 水 を 良 く し 、 過 湿 を 避 け る 。
(2)発 病 株 の 球 根 は 使 用 し な い 。
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アスター
2.斑点病
Septoria callistephi
〈生態と防除のねらい〉
被害茎葉によって越年するが、種子伝染をすることも考えられる。病原菌の発育
適 温 は 、 20~ 29℃ く ら い で あ る 。
〈防除法〉
○耕種的防除
○被害茎葉を早めに除去、処分する。
○薬剤防除
種 子 消 毒 に つ い て は 1997 年 版 参 照
3.萎凋病
Fusarium oxysporum Schlechtendahl f . sp. callistephi
〈生態と防除のねらい〉
茎 や 地 際 部 や 根 を 侵 し 、 22~ 23℃ で 発 病 が 甚 だ し い 。 主 と し て 、 土 壌 伝 染 で あ る
が、種子伝染もする。高温、排水不良によって多発する。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
○耕種的防除
(1)連 作 を し な い 。
(2)排 水 を は か り 、 水 田 跡 作 に 栽 培 し 、 畑 地 で の 栽 培 は さ け る 。
(3)被 害 株 を 、 周 囲 の 土 と と も に 除 去 、 処 分 す る 。
4.さび病
Coleosporium pini-asteris
〈生態と防除のねらい〉
アカマツが中間寄生で、アスターのほか、シラヤマギク、ヨメナ、エゾギク、シ
オジヤマシロギクにも発生する。密植すると発生が多い。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)ア カ マ ツ の 近 く で 栽 培 し な い 。
(2)発 病 植 物 を 除 去 す る 。
(3)密 植 栽 培 を し な い 。
5.萎黄病
Phytoplasma
〈生態と防除のねらい〉
ムツテンヨコバイによって媒介される。経卵伝染はしないが、保毒虫は一生媒介
する。オオバコやキク科植物も伝染源となる。
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アスター
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)伝 染 源 植 物 を 除 去 す る 。
(2)苗 は 、 寒 冷 紗 に よ る 被 覆 栽 培 を 行 う 。
6.黒斑細菌病
Pseudomonas viridiflava
<生態と防除のねらい>
2011 年 に 富 山 県 の 露 地 栽 培 で 初 め て 発 生 が 確 認 さ れ た 。 株 の 下 位 か ら 中 位 の 葉 に 赤
~黒褐色の斑点が生じる。斑点はのちに破れて穴があくことが多い。病斑切断面 か
らは、検鏡すると細菌の漏出が認められるので、斑点病などの斑点性 病害と見分け
ることが可能。
<防除法>
(1)排 水 を 良 く し 、 過 湿 を 避 け る 。
(2)発 病 葉 は 摘 葉 し 、 残 さ と と も に ほ 場 外 に 持 ち 出 し 、 埋 設 も し く は 焼 却 す る 。
【害虫】
7.エゾギクトリバ(エゾギクシンクイムシ)
〈生態と防除のねらい〉
キ ク 科 の 多 く の 花 を 加 害 す る が 、特 に ア ス タ ー や キ ン セ ン カ は 、被 害 が 甚 だ し い 。
成 虫 は 、体 長 10mm 前 後 の 小 さ い 蛾 で 、前 辺 に は 黒 み を 帯 び た 三 角 紋 及 び 横 紋 が あ
る。止まるときは、辺を水平にひろげる習性がある。幼虫は、茎に食入って食入口
よ り 虫 糞 を 出 す の が 特 徴 で あ る 。時 期 的 に は 、4 月 ご ろ か ら 11 月 ご ろ ま で 数 回 発 生
する。
〈防除法〉
(1)発 生 は 長 く 続 く が 、 特 に 春 先 に 被 害 が 多 い た め 、 初 期 防 除 を 徹 底 す る 。
(2)被 害 を 受 け た 蕾 や 茎 は ほ 場 内 か ら 持 ち 出 し 処 分 す る 。
8.ウリハムシ
〈生態と防除のねらい〉
スイカ、メロン、キュウリなどウリ類及びアブラナ科を加害する甲虫で、成虫は
地上部、幼虫は根に被害を与える。成虫は4月ごろから出現し、5~6月に多くな
り、ピークは7~8月ごろである。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)防 虫 綱 で 成 虫 の 飛 来 を 防 止 す る 。
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キンギョソウ
【病害】
5 .根 腐 病
Pythium spinosum
<生 態 と 防 除 の ね ら い >
本 病 の 性 状 や 伝 染 環 に つ い て は 、共 通 の 項「 苗 立 枯 病 お よ び 苗 立 枯 性 」を 参 照 。
本病は育苗時期ばかりでなく、定植後や生育が進んだ株にも発生する。根が褐
変、腐敗するため、株が萎凋枯死する。萎凋症状の発生初期では、細根や根毛が
腐 敗 、脱 落 し て い る た め 根 量 が 少 な く 見 え る 。主 根 な ど は 部 分 的 に 褐 変 し て い る 。
本病は、当初苗腐病の名称で報告されたが、のちに根腐病に改められた。
<防 除 法 >
耕種的防除:共通の項「苗立枯病および苗立枯性」を参照。
土 壌 消 毒 :「 共 通 の 項 」 を 参 照 。
ケイトウ
【病害】
3.褐紋病
Septoria sp .
〈生態と防除のねらい〉
病原菌は病葉で越年する。胞子は雨水によって分生子殼から噴出し、風雨によっ
て運ばれるので風雨時は防除を徹底する。被害葉は除去、処分する。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 葉 を 早 期 に 集 め 処 分 す る 。
【害虫】
1.シロオビノメイガ
〈生態と防除のねらい〉
濃褐色に白い帯紋をもつ小型の蛾で、昼間は葉裏にかくれ、夜間に活動する。年
に 5 ~ 6 回 の 発 生 で 、 成 虫 は 6 月 ご ろ か ら 現 れ 、 7 ~ 8 月 に 多 く 、 11 月 ま で 発 生 す
る。葉裏の葉脈に沿って1~5粒産卵する。
若令幼虫は葉脈にそって粗く糸をはいて葉肉のみを食害する。成長につれて葉を
つ づ り あ わ せ て 生 息 す る 。さ わ る と 糸 を は い て 落 下 す る 。浅 い 土 中 で さ な ぎ と な り 、
うすいマユをつくる。
コキアなどのアカザ料の花や、ホウレンソウ、フダンソウなどにも加害する。花
を食害すると体色は赤花では淡赤色となり、保護色を呈する。
〈防除法〉
晩夏から初秋にかけて被害が多いため、初期防除を徹底する。
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スターチス
【病害】
2.褐斑病
Cercospora insulana
〈生態と防除のねらい〉
葉 、茎 、茎 の 翼 に 発 生 し 、 葉 で は 下 葉 か ら 発 生 す る 。病 斑 は 直 径 が 2~ 5mm で 周 辺
部が黄褐~紫赤色、内部が灰褐色である。被害株中に主に菌糸の形で越年し翌年分
生子を生じて飛散する。以後は病斑上に生じた分生子によって飛散、蔓延する。ハ
ウス内が比較的高温や過湿になると多発する。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)残 渣 は 集 め て 処 分 す る 。
(2)ハ ウ ス の 換 気 を 心 が け る 。
ストック
【病害】
5.黒腐病
Xanthomonas campestris pv. incanae
〈生態と防除のねらい〉
病菌は細菌で葉や根に発病し、罹病組織で越冬すると思われる。種子伝染を行う。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)ア ブ ラ ナ 科 作 物 と 輪 作 し な い 。
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
6.萎凋病
Fusarium oxysporum Schlechtendahl f. sp. conglutinans
〈生態と防除のねらい〉
定 植 1 ヶ 月 ご ろ か ら 発 病 し 始 め 、施 設 栽 培 で は 10~ 11 月 に 多 い 。6 ~ 7 葉 期 頃 よ
り下葉から葉脈に沿って退緑黄化症状が昆られ、徐々に上位葉へ進展するとともに
下葉から枯死する。枯死株の株元茎部には白色の菌そうが見られることがある。病
徴の見られる葉柄基部や茎の維管束は褐変している。
病原菌は土壌中に生存し、連作により次第に被害が増加する。又、一部種子伝染
もするので種子は無病畑から採種する。
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ストック
【害虫】
1.コナガ
〈生態と防除のねらい〉
卵 か ら 成 虫 ま で の 発 育 所 要 日 数 は 25℃ で 約 16 日 と 短 く 、温 暖 な 九 州 地 域 で は 年 開
10 数 世 代 を 繰 り 返 す 。 卵 か ら 孵 化 し た 幼 虫 は 葉 内 に 潜 り 、 葉 内 の 組 織 を 食 べ 、 2 齢
幼虫に葉内から出て、葉の表皮や葉脈を残して食害する。
〈防除法〉
(1)ア ブ ラ ナ 科 雑 草 が 発 生 源 と な る た め 、 ほ 場 周 辺 の 除 草 を 徹 底 す る 。
(2)発 生 が 認 め ら れ た ら 異 な る 系 統 の 薬 剤 で 定 期 的 に 薬 剤 防 除 を 実 施 す る 。
5.ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)
〈生態と防除のねらい〉
年 間 5 ~ 6 回 発 生 し 、老 熟 幼 虫 で 越 冬 す る 。成 虫 は 、5~ 10 月 ご ろ 新 葉 な ど の 葉 脈
にそって点々と産卵し、卵は4~5日間でふ化する。
幼 虫 は 、 新 葉 を つ づ り 合 せ て そ の 中 に も ぐ り 込 ん で 食 害 し 、 10~ 14 日 間 で 老 熟 す
る。
さなぎは5~7日間で羽化し、成虫はかなり移動性がある。夏から初秋にかけて
特に高温乾燥の年に発生が多い。
〈防除法〉
育苗中や定植後の幼苗に被害が多いため、初期防除を徹底する。
ハボタン
【病害】
1.黒斑病
Alternaria brassicae
〈生態と防除のねらい〉
病原菌は種子伝染のほか、罹病部で菌糸や胞子で越年し、翌年に空気伝染する。
また病原菌は胞子の形態で地表部で長期問生残可能である。肥料切れで発生が増加
する。
〈防除法〉
(1)被 害 残 渣 は す み や か に 圃 場 外 に 撤 去 し 、 処 分 す る 。
(2)種 子 消 毒 を 実 施 す る 。
(3)適 正 な 肥 培 管 理 を 励 行 す る 。
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ハボタン
【害虫】
2.モンシロチョウ
〈生態と防除のねらい〉
年に5~6回発生を繰り返し、主としてさなぎで越冬するが、一部幼虫でも越冬
する。
3月下旬より羽化、産卵し、適温では卵期3日内外であり、幼虫は2週間で蛸化
する。幼虫の加害は冬季を除いて春から秋まで長期にわたり行われ、平坦地では5
~ 6 月 と 9 月 中 旬 ~ 11 月 中 句 に 被 害 が 著 し い 。 ま た 山 間 地 で は 7 ~ 8 月 に 被 害 が 多
い 。老 熟 幼 虫 は 食 草 の 葉 裏 ま た は 樹 木 、垣 根 に つ い て 蛹 化 し 、約 1 週 間 で 羽 化 す る 。
〈防除法〉
○耕種的防除
苗床等寒冷紗で覆い、成虫の飛来を防ぐ。
ヒマワリ
【病害】
1.斑点細菌病
Pseudomonas syringae pv. helianthi
〈生態と防除のねらい〉
主に葉に発生し、茎、葉柄、花梗にも発生する。葉では、はじめ小斑点を生じ、
やがて角ばった不規則の斑点となる。さらに進行すると病斑は多角形、暗褐色とな
り周辺が緑色帯で囲まれるようになる。病斑は融合し、葉に部分的に大きな枯死部
を 生 じ る 。 25℃ 前 後 の 温 度 と 多 湿 条 件 で 発 生 し や す く 、 発 病 株 か ら 風 雨 に よ っ て 飛
散し、まん延する。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)罹 病 部 分 は 、 す み や か に 取 り 除 き 残 渣 は 残 さ な い 。
(2)風 雨 に よ り ま ん 延 す る の で 排 水 を 良 好 に す る 。
(3)茎 葉 が 過 繁 茂 に な る と 本 病 が ま ん 延 す る の で 、 適 正 な 肥 培 管 理 を す る 。
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ヒマワリ
【害虫】
1.アワダチソウグンバイ
〈生態と防除のねらい〉
セイタカアワダチソウやブタクサ等のキク科雑草で多発し、農作物では、キク、
ヒ マ ワ リ 等 の キ ク 科 作 物 や ヒ ル ガ オ 科 の 、エ ボ ル ブ ル ス( ア メ リ カ ン ブ ル ー )、サ ツ
マイモに寄生する。
成 虫 は 体 長 3 mm 程 度 で 前 翅 に 多 数 の 褐 色 斑 紋 が あ る 。 産 卵 は 葉 裏 の 葉 脈 沿 い に さ
れ、孵化した幼虫は、葉裏で密集し生育する。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)圃 場 周 辺 の 除 草 を 徹 底 す る 。
マトリカリア
【病害】
1.さび病
Puccinia cnici-oleracei
〈生態と防除のねらい〉
葉身、葉柄、茎部、花梗などに病斑を形成する。葉身とがくでは直径数ミリ大の
淡黄色で中心部が鮮やかな淡黄色をした円形病斑が現れ、葉柄、茎などでは長円~
紡錘型になる。病斑が融合して大きい不整斑になることがある。また、茎部などで
は発病部分から先が枯死することもある。病斑上には暗褐色をした表面が粉状の冬
胞子堆を形成する。冬胞子堆は直径2ミリ弱で、葉身の表裏に形成され、やや隆起
する。本菌は、担子菌類で冬胞子世代のみである。また、シュンギク、マーガレッ
ト、その他多数の野生、栽培種のキク科植物に病原性を示す。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 茎 葉 を 早 急 に で き る だ け 除 去 し 、 処 分 す る 。
(2)密 植 せ ず に 、 過 湿 に し な い 。
(3)圃 場 周 辺 の 野 生 の 宿 主 植 物 (キ ク 科 植 物 )を 除 去 す る 。
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ヒペリカム
【病害】
1.さび病
Melampsora hypericorum
〈生態と防除のねらい〉
葉 表 に 黄 色 ~ 赤 褐 色 の 葉 脈 に 囲 ま れ た 1~ 2mm 大 の 角 斑 を 多 数 生 じ る 。こ れ ら は 融
合し、葉枯れ症状を呈し落葉する。葉裏には黄色の粉状胞子堆を生じる。激しく発
病すると茎枝が集団で枯死し、植栽全体が褐変して見える。5月から梅雨にかけて
降雨が連続すると蔓延するが、盛夏期には治まる。初夏には夏胞子で伝染を繰り返
す。8月には夏胞子は消失するので、罹病葉上の末成熟のさび胞子堆で越冬すると
考えられている。近縁の木本のキンシバイやビョウヤナギには発生しない。
〈防除法〉
○耕種的防除法
①挿し穂は健全親株から採取する。
②罹病葉は伝染源となるので、処分する。
センリョウ
【病害】
1.実腐病
Guignardia 属 菌 の 一 種
〈生態と防除のねらい〉
花、花梗、果実、葉、茎を侵す。花では開花期に小さな花が褐色に腐敗し、結実
せずに枯死する。また、果実が侵されると褐色に変色し、次々に落下する。葉の病
斑は4月頃から出始め、果実、果房は6月中・下旬から発生しはじめ、7月に急速
に進展する。夏期の多雨、低温、9月の多雨が発病を助長する。
〈防除法〉
(1)発 病 株 や 芽 は 除 去 ・ 処 分 す る 。
(2)竹 す だ れ に よ る 遮 光 は 、発 病 を 軽 く す る が 、ナ イ ロ ン 性 寒 冷 紗 に よ る 遮 光 は 発 病
を助長する。
2.立枯病
Erwinia sp.
〈生態と防除のねらい〉
葉 は 、 葉 柄 部 に 2~ 3mm の 褐 変 部 が で き て 、 落 葉
しやすくなると同時に、主脈を中心に葉脈に沿って
暗 紫 褐 色 の 不 規 則 な 変 色 斑 が 作 ら れ る (※ 写 真 1)。
茎 で は 、 2~ 6cm の と こ ろ が 最 初 肥 大 気 味 に な り 、
のちにしわが出来て陥凹し、暗紫褐色のリングとな
る。暗紫褐色部は地際部にも生じ、枯死後はサヤ状
に剥離する。春と秋に多発する。
〈防除法〉
(1)土 壌 や 罹 病 苗 、 特 に 罹 病 苗 で 伝 搬 す る こ と が 多 い
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写真1:葉柄部に褐変部ができ落葉
しやすくなると同時に、主
脈を中心に葉脈に沿って暗
紫褐色の不規則な変色斑が
作られる
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センリョウ
ので注意する。
(2)地 下 水 の 高 い 多 湿 畑 や 凹 地 で の 発 生 が 多 い の で 注 意 す る 。
(3)線 虫 が 伝 搬 を 助 長 し て い る と 推 察 さ れ て い る の で 、
線虫の防除を行う。
シクラメン
【病害】
1.萎凋病
Fusarium oxysporum Schlechtendahl f. sp. cyclaminis
〈生態と防除のねらい〉
軟 腐 病 と 異 な り 軟 化 せ ず に 萎 ち ょ う し 、塊 茎 を 切 断 す る と 維 管 束 が 褐 変 し て い る 。
罹病植物残渣中や土壌中の厚膜胞子が鏝初の伝染源となる。また、病斑部表面に生
じる分生子が飛散し、まん延する。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
○耕種的防除
(1)用 土 は 蒸 気 消 毒 等 を 行 い 、 無 病 の も の を 用 い る 。
(2)発 病 株 は 早 期 に 処 分 す る 。
4.葉腐細菌病
Erwinia ananas
〈生態と防除のねらい〉
葉身、葉柄、芽及び塊茎が侵される。葉身、葉柄では初め水浸状の斑点を生じ、
やがて黒褐変に拡大し腐敗するが、腐敗部は軟腐状にはならず、軟腐病様の悪臭も
ない。栽培期問を適じて発生するが、高温多湿で発生しやすい。汚染 用土、鉢、ベ
ンチ等が第1次伝染源となり、発病後は枯れ葉かき、潅水あるいは植え替え等の管
理作業によって傷口から感染し、まん延する。用土、鉢は健全なものを使用する。
高温、多湿及び多肥栽培を避け、また植物に傷をつけないよう管理する。
〈防除法〉
○土壌消毒
土壌消毒の項参照
○耕種的防除
軟腐病に準ずる。
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シクラメン
6.ウイルス病
CMV(キュウリモザイクウイルス)
BBWY(ソラマメウィルトウイルス)
INSV(インパチェンスネクロティックスポットウイルス)
〈生態と防除のねらい〉
(1 )C M V 、 B B W V
葉 に 黄 緑 色 濃 淡 の モ ザ イ ク を 生 じ 、奇 形 が 現 れ る 。株 は 萎 縮 、黄 化 が 見 ら れ る 。
花弁はやや小型になり、斑入りや奇形を生じる。アブラムシ類によって伝染する
ので、アブラムシの飛来や寄生を防止する。
(2 )I N S V
葉に輪紋症状が見られ、若い葉ではえそ斑紋を生じる場合もある。花弁は奇形
を 生 じ る 。感 染 し て い て も 無 病 徴 の 場 合 が あ り 、高 温 時 に は 病 徴 が 現 れ に く い 。
本病の媒介虫はミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマであるが、主に
ミカンキイロアザミウマの伝搬能力が高いことから、これらのアザミウマ類の侵
入防止と発生直後の薬剤防除が特に重要である。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1 )C M V 、 B B W V に よ る ウ イ ル ス 病 は ア ブ ラ ム シ が 媒 介 す る の で 、 本 虫 の 防 除
を徹底する。
(2 )I N S V に よ る ウ イ ル ス 病 は ア ザ ミ ウ マ 類 が 媒 介 す る の で 、 本 虫 の 防 除 を 徹 底
する。
詳細は指導資料参照のこと。
ハイドランジア(アジサイ)
【病害】
3.斑点病
Phyllosticta hydrangeae
〈生態と防除のねらい〉
6 月 頃 か ら 発 生 し 、梅 雨 期 に 雨 が 降 り 続 き 、じ め じ め し た 天 候 が 続 く と 多 発 す る 。
病斑ははじめ黒色の小斑点、のちに中央部は灰白色から白色、周辺部は暗褐色の 1
~ 1.5cm 程 度 の 輪 紋 斑 と な る 。
病原菌は病葉上で菌糸または柄子殼の状態で越冬し、翌年風雨によって柄子殼の
胞子が飛散し蔓延する。鉢の間隔がせまく多湿になりやすいところや育苗中の挿し
本苗で多発しやすい。露地で育苗する場合は雨よけ対策を行う。かん水は直接葉に
かからないように株元にやる。
〈防除法〉
○耕種的防除
(1)被 害 葉 は 伝 染 源 と な る の で 見 つ け し だ い 除 去 す る 。
(2)鉢 間 隔 を 広 げ 、 通 風 採 光 を 図 る 。
(3)落 葉 は 集 め て 処 分 す る 。
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