臨時レポート イタリア:国⺠投票で、憲法改正案を否決 否決が相応に織り込まれていたため、市場は反応薄 HSBC投信株式会社 2016年12月6日 イタリアで4日(日)、憲法改正の是⾮を問う国⺠投票の結果、否決が決定。 レンツィ首相は、5日(月)に辞任の意向を表明 「2015年イタリア選挙法」廃⽌への動きが、欧州懐疑主義の野党「五つ星運動」の勢⼒拡⼤をけん制 但し、当⾯はイタリア政治の不透明感が投資家⼼理の重しとなる可能性 イタリア国⺠投票は憲法改正案を否決。 レンツィ首相は辞任の意向を表明 イタリアでは4日(日)、憲法改正の是⾮を問う国⺠投 票が実施され、改正案は否決されました。これに伴い、 以前から、否決されれば辞任すると公言していたレンツィ 首相は5日(月)、敗北を受け⼊れ辞任する意向を⽰し ました。 今回の国⺠投票は、政策を円滑に推進することを⽬的 に、議会上院の権限を大幅に縮小し「事実上の一院 制」に変更することを問う内容でした。レンツィ首相は自 らの進退をかける決意を示していたこともあり、国⺠投 票は同氏の事実上の信任投票として注目を集めてい ました。また、否決されれば欧州連合(EU)に懐疑的 な欧州懐疑主義が台頭することが懸念されていました。 一方、5日(月)の為替市場では、レンツィ首相辞意表 明が伝わり、⼀時的にユーロが対⽶ドルで下落したもの の、その後回復し、前日比では僅かに上昇し取引を終 えました。また、欧州株式・債券市場は、否決が相応に 織り込まれていたこともあり、影響は限定的でした。 今後、想定されるシナリオ レンツィ⾸相辞意表明に伴う政治的な不透明感が漂う 中、マッタレッラ⼤統領は、テクノクラート(⾼級官僚)を 暫定首相に任命し、「テクノクラート政権」を発足させ る可能性が高いと⾒られています。 但し「テクノクラート政権」がイタリア国⺠に不⼈気である ことをも勘案すると、2017年中にも解散総選挙が実 施される可能性があります。 現在のイタリアでは、下院議員選挙の初回投票で一定 の⽀持率を得た第1党に追加議席が配分される 「2015年イタリア選挙法(通称:Italicum)」が施 ⾏されています。このため、現⾏制度下で解散総選挙 が実施された場合には、欧州懐疑主義を掲げて勢⼒を 拡大する「五つ星運動」が第1党となり追加議席を獲 得する可能性があります。これに対し与党内では 1 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 「2015年イタリア選挙法」を廃止し、以前の制度に戻 す改正案が検討されています。同改正案は、「五つ星 運動」の勢⼒抑制を図りたい他政党の賛成を得て可 決される可能性が⾼いと⾒られます。 このように、当面、イタリアの政局は不透明な状態が続 くことが⾒込まれます。 当社の⾒⽅ レンツィ政権は、多額の不良債務を抱える国内銀⾏に 対し各種救済策を打ち出してきたことから、当面の政 治不透明感は特に銀⾏セクターに影響することが⾒込 まれます。 また、国内大手銀⾏の多くは、2016年末から2017年 初にかけて資本増強が計画されており、同計画が後ず れする可能性があります。この状況の中で、欧州連合 (EU) の 「 ベ イ ル イ ン ( 株 主 と 債 権 者 に よ る 損 失 負 担)」制度が適用されるリスクが高まることも考えられま す。但し、このケースはイタリアの⼀部銀⾏に限られるも のと⾒られます(全体的に欧州の銀⾏はより健全な⾃ 己資本を確保)。 当社では、12月8⽇に開かれる欧州中央銀⾏(ECB) の定例理事会において、2017年3月に期限を迎える 「資産購入プログラム(APP)」の延⻑が決定すると⾒て います。今回のイタリア国⺠投票の結果も影響し、ECB は月額800億ユーロの買入れ水準を維持すると考えら れます。 当面、イタリアの政治的不透明感は残るものの、現 時点では、当社の投資戦略に変わりはありません。 ECBによる⾦融緩和継続や回復局⾯にある欧州経済 などが引き続き市場の⽀援材料となり、当社は欧州株 式への強気の⾒⽅を堅持します。但し、欧州国債につ いては、⾜元の割⾼感から慎重な⾒⽅を維持します。 留意点 投資信託に係わるリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場 における取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従い まして、投資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預⾦または保険契約ではなく、 預⾦保険機構または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録⾦融機関でご購⼊の 投資信託は投資者保護基⾦の保護の対象ではありません。購⼊の申込みにあたりましては「投資信託説 明書(交付⽬論⾒書)」および「契約締結前交付書⾯(⽬論⾒書補完書⾯等)」を販売会社からお受け 取りの上、十分にその内容をご確認頂きご自身でご判断ください。 投資信託に係わる費用について 購入時に直接ご負担いただく費用 購⼊時⼿数料 上限3.78%(税込) 換⾦時に直接ご負担いただく費⽤ 信託財産留保額 投資信託の保有期間中に間接的に ご負担いただく費用 運⽤管理費⽤(信託報酬) 上限年2.16%(税込) その他費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。 「投資信託説明書(交付⽬論⾒書)」、「契約締結前交付書 ⾯(⽬論⾒書補完書⾯等)」等でご確認ください。 上限0.5% ※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 ※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運⽤するすべての投資信託のうち、ご負担 いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。 ※投資信託に係るリスクや費⽤はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、 かならず「投資信託説明書(交付⽬論⾒書)」をご覧ください。 HSBC投信株式会社 ⾦融商品取引業者 関東財務局⻑(⾦商)第308号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 ホームページ www.assetmanagement.hsbc.com/jp 電話番号 03-3548-5690 (受付時間は営業日の午前9時〜午後5時) 【当資料に関する留意点】 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、 特定の⾦融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありま せん。また、データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を⼀切負いません。 2
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