2009 年度

2009 年度
化 学
■ 大学・学部(日程):九州大学(前期)
■ 出題構成(時間/配点):医(保健−看護)は理科 2 科目で 150 分/100 点
その他は理科 2 科目で 150 分/250 点
大問 No.
〔1〕
形式
論述、記述
分野・内容、等
難易度
変
化
理論、無機
クラーク数、物質の構成
標準
↑
電気分解反応、中和滴定、気体の状態方程
式
標準
↓
やや難
→
〔2〕
計算、記述
理論、理論Ⅱ
〔3〕
記述、計算
理論Ⅱ
〔4〕
記述、計算、選択
理論、理論Ⅱ
熱化学方程式、化学平衡
標準
↓
〔5〕
空欄補充、記述、
計算
有機
サリシンの加水分解反応
標準
↑
〔6A〕
空欄補充、記述、
計算
有機Ⅱ
代謝、糖類、核酸、油脂
標準
↓
〔6B〕
記述、選択
有機Ⅱ
アミノ酸、糖類、油脂、合成高分子などの
語句訂正問題
やや易
↓
凝固点降下、化学平衡
※難易度変化…↑難化/→昨年並み/↓易化
■ 出題傾向:
・大問数は 2007 年度以降 6 題である。時間に対して、分量が多めである。
・例年、無機の割合は比較的少ない(2007 年度以降、無機単独での出題はない)。
・分野の偏りが毎年変動している。理論重視である。
・出題形式は、問題文の空欄補充や計算問題が多い。計算量も多めである。
・学習が遅れがちな化学Ⅱ分野の出来が合否を分けると思われる。とくに有機分野は細かい知識まで要求される。
■ 近年の出題傾向の変化の有無・方向:
・2003 年度から 2006 年度まで出題されていなかった論述問題(字数制限付き)が、
2007 年度より復活している。
・2007 年度、2008 年度は前年に比べて難化したが、2009 年度はやや易化した。しかし、出題レベルからす
ると標準的であった。分量は増加傾向にあり、難易度や形式などは毎年変動がある。
■ 2009 年度入試の特記事項:
・〔3〕凝固点降下度など,煩雑な計算がかなり多く、解答に時間を要したと思われる。
・気体定数として 8.31kPa・l /(K・mol)、0.082atm・l/(K・mol)の二通りで与えられ、問われている単位(〔atm〕
や〔Pa〕)によって使い分ける必要があった。
・〔6B〕では、有機化学Ⅱの広い範囲における正確な知識が求められた。
■ 求められる力とその養成:
・化学の基本的知識の理解だけでなく、それを幅広く応用することのできる力が要求されている。とくに、理論
分野の計算問題、化学Ⅱ有機分野の基礎知識には注意したい。
・ふだん見慣れていない実験装置やグラフを扱った出題などもあるので、問題文の意味を正しく読み取る力も必
要となる。授業で習ったことを暗記するだけでなく、現象をさまざまな観点から理解しておく必要がある。
・難問が出題されることもあるが、標準問題をミスすることなく、確実に答えていくことが必要である。また、
計算問題には骨の折れるものもあり、計算ミスにより得点を失いやすいので、日頃の学習でも計算過程を省略
しない方がよい。制限時間の割に計算量が多いので、計算力の養成も必要である。
・大問ごとの設問数はあまり多くはないが、大問数が多いので、時間配分をよく考え、できる問題から確実に解
いていくことが大切である。頭の切り替えをうまく行うように。