Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年11月21日 ※以下、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下、GSAM)提供のレポートを紹介します。 トランプ新政権の影響とMLP市場の見通し 概要 2016年11月8日の大統領選挙を受けて、MLP市場は株式市場を上回る上昇を見せました。特に、米長期金利上昇によ り、債券やリートなど他の利回り資産が軒並み下落するなか、MLPは逆行高を演じました。 トランプ氏はシェール革命の推進に意欲的で、また巨額のインフラ投資を公約とし、エネルギー・インフラ投資について もサポートする姿勢を見せています。今回の大統領選挙の結果は、総じてMLP市場にはポジティブな影響が予想されま す。 MLPは相対的に高い利回りで取引されており、依然としてバリュエーションも魅力的な水準です。 大統領選挙後のMLP市場の動向とトランプ新政権の影響 MLPおよび原油価格の推移(年初来) MLP市場はポジティブに反応 2016年11月8日の大統領選挙後のMLP市場は、+3.6%(ア レ リ ア ン MLP 指 数 / 11 月 8-16 日 ) 上 昇 し 、 米 国 株 式 の +1.8%(S&P500指数)を上回り推移しています。トランプ新 大統領による多くの公約は実現可能性が不透明なものの、 エネルギー・インフラに対する規制緩和は実現性の高いア ジェンダの一つと捉えられ、MLP市場は素直に好感した形 です。 一例として、オバマ政権による2016年9月の停止命令で建 設中断を余儀なくされていた、37億米ドルの大型プロジェク トDakota Access Pipelineの建設再開が期待され、同プロ ジェクトに出資する関連銘柄が急騰したことは、象徴的な 反応とみられます。 特に、大統領選挙後にインフレ期待から米長期金利が急 騰するなか、債券や高配当株式など利回り資産が軒並み 下落しましたが、MLPが独歩高を演じたことは特筆に値し ます。MLPはもともと相対的に割安なバリュエーションだっ たことに加え、エネルギー・インフラ業界への政策サポート 期待が拡大したことで、金利上昇や原油価格下落の影響 を相殺したとみられます。 トランプ⽒のエネルギー・インフラ政策 トランプ氏のエネルギー政策は、米国のエネルギー自給達 成と雇用創出を目的として、シェール革命を推進すると公 約しています。またインフラ政策においても、「(オバマ政権 下の)2012年以降、総額330億米ドルにのぼる多くのエネル ギー・インフラ・プロジェクトが規制当局により差し戻された」 ことを批判しており、「(オバマ大統領が却下した)Keystone XLパイプラインは直ぐにでも承認する」と言及しています。 (2015年12月31日~2016年11月16日、日次) 1,400 (米ドル/バレル) 60 11/8 大統領選挙 MLP市場(左軸) 1,300 55 原油価格(右軸) 1,200 50 1,100 45 1,000 40 900 35 800 30 700 12/31 2/29 4/30 6/30 8/31 25 10/31(月/日) ※MLP: アレリアンMLP指数(配当込み)、原油価格:WTIスポット価格 (共に米ドルベース) 出所:ブルームバーグ 米国 主な利回り資産のリターン(大統領選挙後) (2016年11月8日~2016年11月16日) 6% 4% 3.6% 2% 0% -2% -0.9% -4% -1.9% -2.0% -6% -5.8% -8% MLP 米国ハイ・ 米国リート イールド社債 米国債 公益事業 セクター株式 ※MLP:アレリアンMLP指数(配当込み)、米国ハイ・イールド社債:ブルーム バーグ・バークレイズ米国ハイ・イールド社債指数、米国リート:NAREIT オール・エクイティ・リート指数(配当込み)、米国債:ブルームバーグ・ バークレイズ米国債指数、公益事業セクター株式:S&P500公益事業セク ター指数(配当込み)(全て米ドルベース) 出所:ブルームバーグ、バークレイズ ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 トランプ新政権が与える⽶国エネルギー産業へのインパクト バリューチェーン別にみると、川上セクター(探鉱・生産)については、フラッキング(水圧破砕)関連の環境規制案など、少な くとも審議中の法案は成立の見込みがほぼなくなったとGSAMでは見ており、川上企業の生産能力は拡大すると考えられ ます。川中セクター(インフラ)については、基幹パイプラインを中心とするインフラの新規建設の許認可プロセスの迅速化 が予想され、建設コストの削減効果が見込めます。オバマ政権下では環境アセスメントが長期化する傾向にあり、それが 新規プロジェクトのボトルネックとされていましたが、それらの状況は一変する可能性があり、中期的にポジティブな影響を 与えると考えられます。 原油市場の動向と見通し 短期的な焦点はOPEC総会。しかし中期的に原油価格 は安定化する⾒込み 世界の原油需給の推移(予想) (2014年1-3月期~2017年10-12月期、四半期) (百万バレル/日) 原油市場では、米大統領選挙は結果的に大きな相場の変 動要因にはならず、むしろ11月30日のOPEC(石油輸出国機 構)総会を控え、協調減産を巡る思惑に乱高下する展開が 続いています。 2.5 従来よりGSAMでは、OPECによる協調減産の実現可否に かかわらず、中期的に世界の原油市場は需給均衡に向 かっており、原油価格は2017-18年にかけて50米ドル台前 半で安定化するとみています。非OPEC産油国による2015 年以降の大規模な投資削減により、既存油井の構造的な 生産減(通常年率4-5%程度)が今後も続くため、グローバル の供給が抑制されることが背景です。 1.0 予想 2.0 1.5 0.5 0.0 -0.5 14/1Q 15/1Q 16/1Q 17/1Q (年/期) ※2016年9月27日時点予想、 2016年第3四半期以降は予想 ※1Qは1-3月期を意味し、例えば14/1Qは2014年1月から3月の3ヵ月間を 示す 出所:ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、GSAM 需要については、世界の経済成長に伴う需要増(年率1% 強)が見込まれますが、トランプ新政権下で経済成長が加速 すれば原油需要もその分増加するため、原油価格にはポジ ティブに働くでしょう。 MLP市場の相対的な魅力度 相対的に⾼い利回り⽔準と魅⼒的なバリュエーション 米国 主な利回り資産の利回り(11月16日現在) MLPの配当利回りは7.6%(11月16日現在)で取引されてお り、米国における代表的な利回り資産の中でも、最も高い 水準にあります。 8% 大統領選挙後に景気拡大への期待から長期金利は急騰し ましたが、それでも米10年債利回りとのスプレッド(利回り格 差)は5.4%あります(11月16日現在)。過去平均(3.5%)※と比 べてもスプレッドは依然として大きく、MLPが割安水準にあ ることを示しています。つまり、今後長期金利がより一層上 昇した場合でも、他の利回り資産に比べれば、MLP市場の 耐性は高いと想定されます。 4% ※2006年6月30日~2016年11月16日の平均値 7.6% 6.7% 6% 4.6% 3.7% 2.2% 2% 0% MLP 米国ハイ・ イールド 社債 米国 リート 公益事業 セクター 株式 米10年 国債 ※MLP:アレリアンMLP指数、米国ハイ・イールド社債:ブルームバーグ・バー クレイズ米国ハイ・イールド社債指数、米国リート:NAREITオール・エクイ ティ・リート指数、公益事業セクター株式:S&P500公益事業セクター指数 出所:ブルームバーグ、バークレイズ ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメ ントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類では ありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
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