Column - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

Column
ご参考資料
「投資のヒント」
2017年1月31日
※以下、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下、GSAM)提供のレポートを紹介します。
(MLP市場見通し)
トランプ米大統領のインフラ政策と今後の見通し
概要
 米国のエネルギー生産拡大を公約に掲げているトランプ政権に、早速エネルギー・インフラ投資推進の動きが見られま
した。
 2017年1月24日、トランプ米大統領は「キーストーンXL・パイプライン」と「ダコタ・アクセス」の建設を推進する大統領令
に署名しました。これにより、中断されていたパイプライン建設の再開の可能性が高まりました。
 また、トランプ政権による積極的なエネルギー・インフラ政策への期待感が増し、MLP市場参加者および経営陣の心理
が改善したことも、ポジティブに捉えています。
トランプ米大統領によるエネルギー・インフラ政策の推進を市場は好感
中断していたパイプラインの建設計画再開を承認
【図1】 キーストーンパイプライン(イメージ図)
2017年1月24日、トランプ米大統領は、カナダから米国に
既存パイプライン
原油を輸送する「キーストーンXL・パイプライン」と米ノース
XLプロジェクト
ダコタ州に敷設予定の原油パイプライン「ダコタ・アクセス」
の建設を推進する大統領令に署名しました。
キーストーンはカナダのエネルギー・インフラ企業「トラン
スカナダ」によって開発された、カナダのアルバータ州から
アルバータ州
ハーディスティ
米国メキシコ湾沿岸まで約4,247kmをつなぐ北米最大級の
パイプラインプロジェクトであり、キーストーンXLは、そのう
ネブラスカ州
スティール・シティ
ちアルバータ州からネブラスカ州までの間の約1,897kmをつ
なぐパイプラインですが、オバマ前大統領によって2015年に
建設計画が却下されています。
テキサス州
また、ダコタ・アクセスは、原油パイプライン会社「エナ
ヒューストン
ジー・トランスファー・パートナーズ」がノースダコタ州からイ
リノイ州までの約1,886kmで建設予定のパイプラインですが、
水質汚染の懸念等を背景に建設が中断されていました。
※上記はイメージ図です。
出所:トランスカナダの資料を基にGSAM作成
両パイプラインの建設再開については、裁判や反対する
環境保護団体等への対応に時間を要すること、大統領令
【図2】 2017年初来のMLP市場と米国株式市場の推移
の条件により米国産の鋼鉄の使用が必要になること等から、
(2016年12月30日~2017年1月27日、日次)
実現に向けてまだ不透明感も残ってはいますが、状況が大
きく前進したことが好感され、トランスカナダおよびエナ
110
ジー・トランスファー・パートナーズの株価は急伸しました。
MLP
MLP市場はポジティブに反応し、⼤きく上昇
今回の大統領令を受け、MLP市場(アレリアンMLP指数(配
当込み))は2017年1月23日~27日の間に+5.4%と、同期間
の米国株式を上回り、大きく上昇しました。
トランプ米大統領のエネルギー産業に対する前向きな姿
勢が改めて示され、前政権からの大きな変化が期待される
という意味でも、今回の大統領令はMLP市場にとって非常
にポジティブだと考えています。また、MLPの経営陣にとっ
ても心理的にプラスに働くと見られ、事業買収等の前向きな
投資がより積極的になることが期待されます。実際、先週に
は大手MLPであるタルガ・リソーシズやプレーンズ・オール・
アメリカンが事業買収を発表しました。
米国株式
105
100
※2016年12月30日を100として指数化
95
12/30
1/4
1/9
1/14
1/19
1/24
(月/日)
MLP:アレリアンMLP指数(配当込み)、米国株式:S&P500指数(配当込み)(ともに
米ドルベース)
出所:ブルームバーグ
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したも
のであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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トランプ政権のエネルギー・インフラ政策
トランプ米大統領は、米国のエネルギー自給達成と雇用創出を目的として、シェール革命を推進すると公約しており、エ
ネルギー・インフラ政策においてもオバマ前政権下での規制対応を批判していることから、今後もインフラ投資を積極的に
後押しすることが期待されます。また、エネルギー業界に明るい人物がトランプ政権の閣僚候補となっていることも、注目を
集めています。
エネルギー政策に関するトランプ政権の閣僚候補
役職
候補者
経歴/エネルギー政策関連の主張
国務長官
レックス・ティラーソン
 石油大手エクソン・モービルCEO
エネルギー長官
リック・ペリー
 前テキサス州知事(2000~2015年)
 エナジー・トランスファー・パートナーズ(MLP)元取締役
 石油開発に積極的/地球温暖化に懐疑的
環境保護局長
スコット・プルイット
 オクラホマ州司法長官
 地球温暖化に懐疑的
 二酸化炭素排出規制「クリーン・パワー・プラン」に反対
内務長官
ライアン・ジンキ
 モンタナ州選出の共和党下院議員
 下院では、軍事委員会や天然資源委員会に所属
 石炭資源開発を推進。石炭火力発電所への税優遇措置拡大を主張
出所:ホワイトハウス、各種報道、2017年1月24日時点
原油市場の動向と見通し
【図3】 世界の原油需給バランスの推移
OPEC減産の進捗を好感し原油価格は安定化
(万バレル/日)
2016年11月に開催されたOPEC総会で日量120万バレル
の減産が合意され、12月にはロシア等の非OPEC加盟国
も減産に追随するなど、原油価格の下落圧力となっていた
過剰供給に対する懸念は、昨年末に大きく落ち着きを見
せることとなりました。今年に入って以降も、順調な減産の
進捗状況が確認され、原油相場に安心感が広がっていま
す。
200
一方、供給量の減少および長期的な需要増加によって、
今後原油需給は供給不足になると予想されています。
-100
⽶シェールオイルの増産期待
原油価格の安定化によって、米国原油生産量は増加す
ると予想されています。米エネルギー情報局の最新の長期
予測によると、2016-17年にかけて減産が続くものの、17年
下期には回復に転じ、2030年に向けて増産が続くとみられ
ています。
MLPはエネルギー輸送量の拡大によって収益が増加する
ビジネスモデルを有しているため、米国シェール・エネル
ギーの生産拡大の恩恵を受けることが期待されます。
(2014年1-3月期~2017年10-12月期、四半期)
250
予測
150
100
50
0
-50
14/1Q
14/4Q
15/3Q
16/2Q
17/1Q
17/4Q (年/期)
※1Qは1-3月期を意味し、例えば14/1Qは2014年1月から3月の3ヵ月間を示す。
※2016年第4四半期以降は予測。(2016年12月1日時点)
出所:ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、GSAM
【図4】 米国の原油生産量の推移
(2000年~2030年、年次)
(百万バレル/日)
11
予測
10
9
8
7
6
5
4
2000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
(年)
※2016年以降は予測。
出所:米エネルギー情報局(EIA)
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したも
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●当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメ
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