カナダの金融市場動向 Weekly Report

2016年11月22日
カナダの金融市場動向 Weekly Report
【2016年11月12日～2016年11月18日の推移】
【1】先週の回顧
先週のカナダ・ドル円相場およびカナダ5年国債利回
りは上昇しました。
先週に続いて「トランプ相場」一色となり、米国の次期
政権で積極的な財政出動による成長促進政策が進む
との見方から、米国の金利が上昇し、円安が進む展開
となりました。イエレンFRB（米国連邦準備制度理事会）
議長が議会証言で、近い将来の利上げを裏付ける発
言をしたことも、金利上昇材料となりました。ただし、カ
ナダ銀行（中央銀行）のレーン副総裁から、米国の利上
げにカナダがすぐ追随する意図は無い旨の発言があっ
たことや、カナダの物価指標の一部が市場予想を下
回ったことから、カナダの金利は米国ほどは上昇しませ
んでした。円安が進行する中、原油価格の反発もあり、
カナダ・ドルは対米ドル、対円ともに上昇しました。
【2】今週の見通し
今週は、米国の新政権の人事についての報道を材料
にしながらも、引き続き「トランプ相場」の行方を見守る
相場展開となりそうです。米ドル円相場が110円を突破
したことでいったんの調整を予想する向きもありますが、
米国の金利上昇が止まっていないことから、為替は底
堅い展開が見込まれます。カナダ・ドル円相場は、米国
大統領選挙前に米国の保護貿易政策への警戒により
出遅れていたことから、ここもとは上昇が続いています。
11月30日（現地）にOPEC（石油輸出国機構）総会が予
定されていることから、原油価格の動向も注目されます。
経済指標面では、カナダの小売売上高、米国では耐
久財受注が発表されます。ここもと北米地域では経済
指標の上振れが多くなっており、引き続き金利上昇を
支援しそうです。「トランプ相場」の流れが覆されるとす
れば、週末に予定されるフランス大統領選挙の予備選
挙や、二週間後に迫るイタリア国民投票など、欧州の政
治動向が注目される場合とみています。
【カナダ・ドル為替推移】（2016年10月21日～2016年11月18日）
90
（円/カナダ・ドル）
（カナダ・ドル/米ドル）
円/カナダ・ドル（左軸）
82.12
カナダ・ドル/米ドル(右軸、上下反転）
85
1.15
カナダ・
1.20 ドル
80
1.25
75
1.30
70
1.35
1.35
65
10/21
10/28
11/4
11/11
高
安
1.40
11/18
※四捨五入の関係で数値とグラフの目盛りが一致しない場合があります。
【カナダ金利推移】
1.2
（2016年10月21日～2016年11月18日）
（%）
1.0
カナダ5年国債
0.99
0.8
0.6
0.4
0.2
10/21
10/28
11/4
11/11
11/18
【3】主要経済指標
発表日
発表頻度
期間
指標名
データ
（参考）前回
11/18
11/22
毎月
毎月
2016年10月
2016年9月
消費者物価指数（前年同月比）
小売売上高（前月比）
1.5%
-
1.3%
-0.1%
（出所）Bloomberg等より大和投資信託作成
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