米大統領選 トランプ候補の勝利濃厚に

2016年11月9日
投資情報室
臨時レポート
(審査確認番号H28-TB209)
米大統領選
トランプ候補の勝利濃厚に
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米大統領選開票状況と市場の反応
 11月8日(現地)に実施された米大統領選挙の開票が行われていますが、共和党候補のト
ランプ氏の勝利が濃厚になりつつあります(15時時点)。
 市場では、民主党候補のクリントン氏が勝利した場合はリスクオン(リスク資産への投資
増加)の動き、トランプ氏勝利の場合はリスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとみら
れていました。
 事前の予想ではクリントン氏優勢とみられており、市場も同氏勝利を織り込みつつあった
ものと思われます。大方の予想に反し、トランプ氏の勝利が濃厚となったことでリスク回
避の動きが強まり、株式が急落する一方、相対的に安全とされる円(対米ドル)や債券
(価格)が買われています(15時時点)。
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今後の相場見通し
 トランプ氏がほぼ勝利を濃厚にしたことで、リスク回避の動きから海外市場でも一旦は株
安や円高・ドル安が進むものと思われます。その後は、選挙期間中にトランプ氏が唱えて
来た政策(図表2)をどの程度実行に移すのか等の見定めが行われるにつれて、市場は次第
に落ち着きを取り戻すものと思われます。
 大統領選が終了したこと、7∼9月期の日米主要企業の決算発表が峠を越えつつあること等
から、今後の焦点は徐々に12月13∼14日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員
会)に移るものと思われます。当FOMCでの利上げ予想確率は上昇しているようであり、
市場への織り込みはかなり進んでいるものとみられます。仮に利上げが決定された場合は、
むしろ目先の不透明感が払拭されるとみられることや、FRB(米連邦準備制度理事会)
が利上げの影響を確認するために当面金利を据え置くとの見通しが強まる可能性があるこ
と等から、金利は安定し、株式やREIT市場は上昇の勢いを取り戻すものと考えます。
為替(円・米ドル)については、米利上げによる日米金利差拡大観測が円安要因とはなる
ものの、新政権も通貨安政策批判の立場をとるものと考えられること等から、円の対米ド
ルでの下落幅は限られるものと思われます。
図表1:11月9日(15時時点)の市況
11月9日市況
図表2:トランプ氏が選挙期間中唱えてきた政策
項目
前日比較
項目
(15時時点)
日経平均
16,251.54
円
変化幅
-919.8
変化率
円
-5.4
%
TOPIX
1,301.16 ポイント
-62.3 ポイント
-4.6
%
東証REIT指数
1,754.39 ポイント
-8.7 ポイント
-0.5
%
税制
米経済
-0.079
%
-0.018
%
円・米ドル(注)
101.70
円
-3.5
円
-3.3
%
(注)マイナスは円高
出所)ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
・成長率を3.5%に引き上げ
・10年で2,500万人の雇用創出
・中国を為替操作国に認定
・ドル高は打撃
移民
−
・法人税率、個人所得税の最高税率を引き下げ
・TPP(環太平洋連携協定)離脱
通商・為替
10年国債金利
主な内容
外交
・メキシコとの国境に壁建設
・米国第一主義
・(対日)駐留米軍の費用全額負担要求
出所)各種情報を基にニッセイアセットマネジメントが作成
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金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号
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