「和衷共同経営」のすすめ 「動機づけ」で社員を育てる 会社や職場の目標に対して心を同じくして、共に 力を合わせ仕事や作業にあたることが出来れば 業績は必ずアップします。 それには、会社目標だけでなく、社員の成長を図 ることが出来るシステムや制度を導入するなどの 対応が必要です。 ■ 社員育成は動機づけがポイント 一般的には目標管理制度などがよく使われる手法 「企業は人なり」・「企業は組織なり」という言葉のと 法です。これを通じて成果とプロセスを確認し「達成度 おり、いかに有能な社員に育てるか、いかに強い組織を ・技術UP」などの評価とします。 作り上げるかが、経営者のタスクになります。 しかし、それだけでは社員の成長全てを把握できる 社員を職務満足に導き仕事に愛着を持たせるに ものではありません。また、定量的に数字で表れるもの は「動機づけ」が重要です。仕事のなかで満足感を味 ではなく社員自身が感じている自身の成長度・満足度 わうのは「達成・承認・技術・責任・仕事そのもの」など、 というものがあります。 これを、「動機づけシート」というチェックシートで表 つまり仕事そのものです。 つまり、日常業務を正確に行なえる技術と経験を身 につけさせること、次に、自分で目標を持ち達成するプ し、継続的管理を行い社員個々の潜在能力とやる気 ロセスのレベルを上げていくことです。 これは、部門管理職が担当するとどうしても職場の成 を引き出します。 果に目が行くので、総務・人事課の管理職が担当する 間違ってはいけないのは、「会社の政策・労働条件・ のが良いでしょう。 給与・人間関係」といった要素は、いくら改善しても、仕 事の動機づけとはならず、職務不満を和らげる効果し かないということです。 ■ 成果一辺倒の評価でよいのか 各職場・各部門の評価は、毎月の売上額・生産高 などの定量的な数値で決まります。一方、社員の評価 を能力・リーダーシップ・行動力などの目に見えるもの だけで評価するのは、仕方ない面はあるものの、改善の 余地ありと考えています。 長い会社生活のなかで、毎月数字だけで評価され ては、息切れしてしまいます。 「自己成長の絶対評価」のような、個人の進化を評価し てもらえるマネジメントがあれば、多くの社員が安心して 働けるでしょう。 ■ どうやって、動機づけするか 新入社員や若年層の時代には、動機づけといって もピンと来ないでしょう。この時期は安定の欲求・社会 的欲求の段階で、仕事を覚えたり、自分の居場所を見 つけることが優先されています。 その後、経験を積み中堅・ベテランになると自我の 要求・自己実現の欲求の時期になります。 この時期に、目標を与えて、プロセスを指導し、結果を ちっと評価するシステムをつくります。 ■ 社員が育てば組織風土が変わる 社員が育つということは、仕事のやり方に付加価値 マズローの欲求5段階説 安全の 生理的 欲求 欲求 自我の 社会的 欲求 欲求 を付けるみことができるということです。 仕事の完成形をイメージできる、仕事の取り掛かりの改 善ができる、仕事の前後を配慮できる、仕事の出来栄 えをチェックできる、など自律的な仕事ができるように なるということ。 また、社員一人ひとりの仕事をオープンにし職場全 体で目標や途中経過や結果を共有する雰囲気ができ れば、大いに活性化するでしょう。 自己実 現欲求 - 4 -
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