実践経営と経営理論 Practice Management

 実践経営と経営理論
会社経営者が考えられていることは、二つに分けられます。一つは、実践経営をありたい姿にいかに近づけ
ることができるか。もう一つは、経営理論に沿った経営方針を打ち出し、社員を納得させ・意欲を高めることが
できるか。問題は、経営者が変容の必要性を感じ、実行のタイミングをキッチできるかどうか、ということです。
■実践経営
経営者がやらなければならないのは「問題発見と課題設定」です。製品・サービスの向上、管理職(ミドル)
マネジメントの機能向上、無関心層社員の意識変容、必要な報告・連絡・相談の風土、等々の問題につい
て、気が付いた時に社員に指摘・指導するだけでなく、「社員誰もが見える・分かるシステムをつくる」という発
想が必要です。
■経営理論
経営理論は、①経営戦略論、②組織論、③人的管理、の3つに分かれます。
①経営戦略論では、経営計画や会社方針、SWOT分析、(プロダクト・プロセス)イノベーションなどの項目につ
いて、自社独自の企画を立案します。
②組織論では、モチベーション・モラルUP、リーダーシップ、階層別マネジメントが重要なアイテムになります。
特に、無関心層の活性化はポイントであり、人と組織の心理をよく理解して実行する必要があります。
③人的管理では、人事評価、雇用管理、能力開発、作業条件管理などについて、現実に見合ったものを
構築します。人事評価・作業条件・環境整備などは、社員の不満足度に直結しているので、一定レベルでの
改善などが必要です。
実践経営=問題発見と課題設定
区分 問 題 発 見
・ラジオ体操・朝礼の参加者が少ない
職 ・会議の時間を守らない、報・連・相不足
場 ・階層別のマネジメントができていない
・職場の目標が共有されていない
・無関心層の多い職場風土
・受け身で依存的態度(指示待ち)
人 ・狭い視野、短期的見通し
及 ・自我、やる気の不足
び ・仕事のミス多発も責任感欠如
業 ・仕事の成果・効果の確認なし
務 ・作業&事務ルールを守らない
・会社や仕事の知識に深みがない
・納期は何とかなるが、品質が悪い
・職場や設備が汚い
Q ・工程管理ができていない
C ・モノがあふれ、工場が倉庫化している
D ・作業や資材のロスやムダが目につく
・事務や作業の効率性が遅れている
・QCDの管理指標がない
・人の管理が難しい
・ありたい姿に近づけたい
課題設定
企画案
組織文化の伝承と教変容
会社が求める社員像
セレモニや儀式で伝承
自社独自の教育テキスト
実践的教育
自社独自の教育テキスト
小集団活動
組織開発
小集団活動
経営理論 =問題発見と課題設定
経営管理の基本
1.管理的活動のマネジメントサイクル形成
企業の活動は、技術的・商業的・財務的活動があるが、管理的活動は経営者として特に重要です。
8つの要素
内 容
記 入 欄
① 予測
将来を予測し、活動計画を立てていますか
② 組織化
業務が効率よく適正に行われていますか
③ 命令
従業員を機能させていますか
④ 調整
各部門を一元化し、調和させていますか
⑤ 統制
ルールと指示に従って行われていますか
⑥ 動機づけ
不満度より満足度を高める環境をつくっていますか
⑦ 意思決定
判断したことを明確に周知していますか
⑧ 革新
製品とサービスのイノベーションをしていますか
2-1.経営計画の策定
経営計画は、経営目標を設定し、それを実行していくための行動予定を定めたもので、組織メンバーに理解させるもの。
策 定 手 順
内 容
記 入 欄
① 自社の経営状態の現状把握 財務面・成長過程・市場を分析していますか
② 計画目標の設定
売上高・従業員数・負荷を設定していますか
③ 目標達成のための施策立案
販売先や仕入先等ツール設定していますか
④ 人員育成と配置
必要な人材の育成と確保していますか
2-2.経営計画の活用
経営計画を実行しないと従業員から不信感が生じます。計画を確実に実行するための管理体制が必要です。
策 定 手 順
内 容
記 入 欄
① トップによる率先垂範
トップが継続的な牽引力を発揮していますか
② 計画のタイムリーな見直し
時間経過に伴い計画を見直していますか
③ 徹底したフォロー
報告会や現場確認でチェックしていますか
企業戦略の基本
1.数値目標の設定
目標項目を選定し、数値目標を設定します。
区 分
目 標
売上高・利益額 製品売上高(額・率)、利益額(率)
生産高
製品別生産高(額・率)
人員
全体人員構成・職種別人員構成
人件費
人件費水準、人件費比率
設備投資
増産投資、合理化投資
財務指標
総資本利益率、経費節減
記 入 欄
2.SWOT分析
目標項目を選定し、数値目標を設定します。
区 分
メ リ ッ ト
Strength(強み)
・
社内環境
・
外部環境
デメ リ ッ ト
Weakness(弱み)
・
・
Opportunity(機会)
・
Threat(脅威)
・
・
・
3.Product Protfolio Management
各事業を収益性・成長性などの観点から評価して、何を伸ばし、何を撤退するかを決めます。
高
●花形
●問題児
市場成長率と自社シェアがともに高い。
市場成長率が高い反面、自社シェアが低い。
市
収益高いが成長の為の先行投資がかさむ。
今後、成長させるには、多大の投資が必要。
場
●金のなる木
●負け犬
成
長
市場成長率が低い反面、自社シェアが高い。
市場成長率と自社シェアがともに低い。
低
資金の流入が多く、次の成長事業の資金源。
いずれ、撤退を検討する。
高
低
自社、市場シェア
組織運営の基本
1.動機づけと衛生要因
従業員の満足度と不満度の要因は別ものです。その点を理解してマメジメントをする必要があります。
●従業員が求める要望に対して、何に重点を置いていますか?
項 目
1~11の順位付け 備 考
① 仕事の達成感
② 人からの承認・評価
③ 仕事そのもの
④ 責任感
⑤ 会社の方針・管理
⑥ 作業条件
⑦ 人間関係
⑧ 待遇・職場環境
人的管理
1.人事評価
従来年功序列に加え、能力主義・成果主義的要素を含める。
業 務 能 力
執 務 態 度
業 績
知識
一般知識、実務知識、専門知識
規律性 服務規律を誠実に守る態度
仕事量 仕事の処理速度や遵守度
技能
仕事をするうえで必要な技能
責任感 自己の責任を果たす態度
仕事質 こなした仕事の正確さ
判断力 的確に判断する能力
積極性 仕事に対する自発的意欲
企画力 改善や工夫をする能力
協力性 職場で協力を行う意欲
折衝力 円滑なやりとりを行う能力
指導力 統率する能力
2.能力開発
新入社員
社内組織・制度の理解
組織維持態度・貢献意欲の向上
業務知識・技能の向上
対人処理能力の向上
専門知識の習得・向上
部下の指導力の向上
評価能力の向上
問題解決能力の向上
経営に関する視野の拡大
経営能力の向上
対外的リーダーシップ向上
中堅社員
監督者
管理者
経営者
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●