講義資料1

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炎症(含む感染症)・腫瘍・内膜症
•  感染症(外陰炎、頸管炎、内膜炎、卵管炎)
–  細菌・原虫感染症:梅毒・淋菌・クラミジア・トリコモ
ナス
–  ウイルス:ヘルペス・ヒト乳頭腫(HPV)
子宮・膣・外陰
•  腫瘍
– 
– 
– 
– 
– 
– 
尖圭コンジローマ
パジェット病
扁平上皮癌(子宮頸部)
腺癌(子宮頸部・体部)
平滑筋腫
肉腫(平滑筋肉腫・間質肉腫)
•  腫瘍類似病変
–  頸管ポリープ
–  内膜ポリープ
•  子宮内膜症(腺筋症を含む)
外陰炎
•  皮膚と粘膜
•  外部刺激を受けやすい
–  接触性刺激性皮膚炎(尿・石鹸・洗剤・抗菌剤・防
臭剤)
–  接触性アレルギー性皮膚炎(香水・クリーム・ロー
ション・石鹸・下着)
–  感染性(性交関連:ヒトパピローマウイルス HPV・ヘ
ルペスウイルス・淋病・梅毒・カンジダ)
–  原因不明(硬化性萎縮性苔癬)
尖圭コンジローマ(Condylomaacuminatum)
•  重層扁平上皮へのヒト乳頭腫
ウイルス感染症(90%以上が
HPV6or11)
•  重層扁平上皮の乳頭状増殖
•  多発することが多い
特殊な外陰炎
•  硬化性(萎縮性)苔癬(Lichensclerosus
etatrophicus)
–  光沢性のみられる白色斑
–  閉経後の女性(クリトリス周囲・陰唇・肛門周
囲)に多い
–  原因不明(自己免疫が疑われている:家族
内発症率、自己免疫疾患合併率)
–  Tリンパ球が上皮直下に多数浸潤
–  扁平上皮癌を合併することがある
パジェット病(乳房外)
ExtramammaryPagetdisease
•  表皮(重層扁平上皮)内で
増殖する腫瘍
•  表皮内汗管細胞の腫瘍化
•  腺癌の一種(粘液・腺管)
•  表皮内に増殖している間
は隆起や潰瘍をきたしにく
いので、皮膚炎様にみえる
•  年余に(時に10年以上)経
過すると真皮内浸潤をきた
す(通常の浸潤癌と同じ)
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頸管炎
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• 
• 
子宮頸部腫瘍
細菌性
クラミジア
ウレアプラズマ
トリコモナス
ヘルペスウイルス
ヒトパピローマウイルス(HPV)
•  乳頭腫と呼ばれるイボ
を形成する二本鎖DNA
ウイルス
•  ヒトに感染するHPVは
100種類以上
•  生殖器で報告されてい
るものは40
l  若年~中年の多くがHPV感染は一過性(細胞診での報告)
l  時に間欠的に検出(同時あるいは異時性に複数のタイプ検出)
l  E6、E7はホストのp53、Rbタンパクに結合して不活化する
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HPVinfecKon
G0
E6
E2F
p53
E7
Rb
p21・p27
CyclinE/CDK2
G1
M CELLCYCLE S
G2
ProgressiontoCIN
Invasivecancer
3段階分類から2段階分類へ
正常の頸部重層扁平上皮子宮頸部重層扁平上皮内腫瘍
(CIN:CervicalIntraepithelial
Neoplasia)
(SIL:SquamousIntraepithelial
Lesion)
異形成(dysplasia)
低異型度
重層扁平上皮内病変
(LowSIL)
高異型度
重層扁平上皮内病変
(HighSIL)
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LSIL
臨床医は経過観察 VS治療という二つの選択肢しかない
Lesion Regress
LSIL(CIN1) 60% HSIL(CIN2/3) 30% Persist
30% 60% Progress
10%
10% HSIL
Squamouscellcarcinoma,keraKnizingtype
Squamouscellcarcinoma,
non-keraKnizingtype
扁平上皮癌
多いのはHPV16,18,31,33,35,45,52,58
現在の頸がんワクチンの対象は16と18のみ
16,18で全体の6割、黄色を加えると85%
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現状の問題点
上皮内頸部腺癌
Adenocarcinomainsitu(AIS)
•  頸がんワクチンの効果が何年持続するかは不明
•  同じCINでも自然消失するグループと進行するグ
ループを区別できない
形態学的観察とHPVテスト以外のマーカーが必要!
AIS
AIS(Adenocarcinomainsitu)
HPV18が多い
特徴的なコルポスコピー所見がないため、臨床診断が難しい
近年、増加傾向
不正出血とは?
月経時以外に見られる出血
月経と関係なく見られる出血
不規則に発来する出血(月経?)
過多月経
通常よりも明らかに長い月経
経血量の異常な多さ(長く続く場合も)
不正性器出血の原因
•  機能的原因による出血
–  排卵に関与する様々なホルモンの分泌異常
•  卵巣の働きが不安定
– 初潮前後や閉経前後に多い
•  間脳や脳下垂体、副腎、甲状腺の機能異常
これらはホルモンを分泌する側の異常
エストロゲン>>プロゲステロン
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不正性器出血の原因
•  器質的原因による出血
–  頸管ポリープや子宮頚部びらん
•  出血は少量で、性交時に多い
–  子宮内膜ポリープや増殖症、粘膜下筋腫
•  月経終了後に引き続き見られることが多い
–  子宮頸癌や内膜癌
•  頚癌は進行してから見られることが多いが、内膜癌は
初期から出血しやすい
頚部は機械的な刺激 / びらんによる出血
内膜はホルモンを受ける側の異常
体癌検診の対象者における不正出血の原因
•  40歳未満
– 
– 
– 
– 
妊娠(不全流産)
機能性
ポリープ、筋腫、内膜炎
無排卵性月経
•  40-50歳
–  無排卵性月経
–  ポリープ、筋腫、内膜炎
–  増殖症、癌
•  50歳以上
– 
– 
– 
– 
萎縮
ホルモン剤投与
ポリープ、筋腫、内膜炎
増殖症、癌
不正出血の機序
•  エストロゲンの持続刺激
•  無排卵性月経、増殖症、癌
•  内膜腺におけるホルモン感受性の不均一さ
•  ポリープ、筋腫、内膜炎、(増殖症、癌)
•  萎縮
プロゲステロン作用(腺管上皮の増殖抑制・間質の血管増殖・
間質細胞の成熟分化)不足による腺管の嚢胞状変化
内膜増殖症(過形成)
•  内膜の前癌状態
•  エストロゲン過剰分泌状態が誘因
–  卵巣多嚢疱症候群(polycysKcovarysyndrome)
–  顆粒膜細胞腫
–  肥満
•  異型を伴うものは高率に類内膜癌に移行
(20-50%)
•  過形成と呼ばれているが、腫瘍化したものを含
むと考えられている
内膜増殖症(過形成)
•  形態的な定義は、腺管密度の増加(腺管:間質
=2:1~3:1)
単純 異型なし
複雑
異型あり
•  すでに癌抑制遺伝子PTENの不活化が起きてお
り、PI3K/AKT経路異常をきたすことが知られてい
る
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内膜増殖症(過形成)
正常増殖期内膜
細胞異型とは?
内膜増殖症
異型増殖症(過形成)
異型増殖症 VS類内膜癌
子宮体癌
•  増加傾向
•  多くが類内膜癌(I型)だが、高齢者では漿液
性腺癌や明細胞性腺癌(II型)が多くなる
•  類内膜癌
–  増殖症を伴うことが多い
–  閉経前後から増加(40代~60代に多い)
•  漿液性腺癌・明細胞性腺癌
–  萎縮内膜やポリープを伴うことが多い
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類内膜癌の診断基準
類内膜癌
組織上の特徴
•  腫瘍腺管間の間質消
失(back-to-back)
•  正常の内膜に類似する
腫瘍腺管増殖
•  腺管癒合(篩状腺管)
•  扁平上皮化生や粘液
細胞化生等、細胞質変
化が多い
•  腫瘍腺管間の線維化
(desmoplasia)
平滑筋種
内膜ポリープ
•  平滑筋の腫瘍性増殖
•  成人女性の1/4~1/3
経産婦に多い頸管ポリープと異なり、年齢に関係なく発生
間質細胞のモノクローナルな増殖(6p21の異常)
不正出血の原因・発ガンの母地
子宮内膜症
•  逆流説
•  化生説
•  血行性・リンパ行性説
子宮内膜症の内膜は正常内膜と同じではない
ProstaglandinE2産生能亢進
間質細胞のアロマターゼ活性が高い(エストロゲン産生亢進)
COX2阻害剤・アロマターゼ阻害剤が治療に有効!
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