中小企業診断士第2次試験 講評 平成28年度中小企業診断士第2次試験 講評 【事例Ⅰ】 老舗印刷業者の事例であり、解答文字数、難度とも例年どおりであった。 第1問(設問1)は、 「成長を遂げることができた要因」が問われている。過去の成功要因を与件を 根拠に解答することが求められている。 第1問(設問2)は、 「新規事業が大きな成果を上げてきたとはいえない要因」が問われている。A 社の強みと既存事業との関係を意識して解答したい。 第2問(設問1)は、 「新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点についての助言」が問 われている。学校アルバム事業の展開との違いを意識して解答したい。 第2問(設問2)は、 「複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由」が問 われている。新しいアルバム事業についての組織戦略を解答したい。 第3問は、 「有能な人材を確保していくために導入する人事施策についての助言」が問われている。 与件を根拠にA社にとって具体的な人事施策について解答したい。 【事例Ⅱ】 しょうゆメーカーの事例であり、解答文字数は例年どおりであったが、難度は高かったと考えられ る。 第1問は、 「これまでの製品戦略」について整理することが問われている。与件文に記載されている 年代に注意して、与件を根拠に解答したい。 第2問(設問1)は、 「ターゲット層を明確にして、B社の今後の成長に必要な製品戦略」が問われ ている。ターゲット層は複数考えられるが、与件文の強みと機会から特定するとともに、 【図表1】 【図 表2】の内容を踏まえて解答したい。 第2問(設問2)は、「 (設問1)のターゲット層に対するプロモーションと販売の戦略」が問われ ている。短い字数のため、対応が難しかったと考えられる。 第3問は、 「飲食店を直接経営することによるメリットと効果」が問われている。 「売り上げが向上 する以外」とあるが、対応はしやすかったと考えられる。 第4問(設問1)は、「インターネット販売を軌道に乗せるためのブランド戦略」が問われている。 インターネット販売に難色を示しているZ社との関係を意識して解答したい。 第4問(設問2)は、 「顧客にリピートしてもらうためのマーケティング・コミュニケーション」が 問われている。インターネット上での具体的な提案を簡潔にまとめて解答したい。 平成28年10月25日16時現在 1 資格の大原 中小企業診断士講座 中小企業診断士第2次試験 講評 【事例Ⅲ】 カット野菜を生産、販売しているC社の事例であり、解答文字数、難度は例年どおりであった。 第1問は、例年通りSWOT分析の問題であり、 「カット野菜業界におけるC社の強みと弱み」が問 われている。特に弱みについては、他の設問との関連を意識してまとめる必要がある。 第2問は、 「収益改善に向けた生産管理面での対応策」が問われている。 「表1 C社作成の社内コ スト管理資料」と【生産概要】をもとに解答をまとめたい。 第3問は、 「着目するクレーム内容と具体的対応策」が問われている。 「表2 件数」から着目するクレーム内容を特定し、その対応策については「図1 C社の年間クレーム C社作成の加工不良に関 する特性要因図」から解答をまとめたい。 第4問は、 「収益拡大のための新事業の提案と理由、そのための社内対応策」が問われている。第7 段落の2つの新事業案と第8段落の記述を踏まえて、新事業を選択したうえで、理由と社内対応策を 与件を踏まえて解答をまとめたい。 【事例Ⅳ】 レストランの事例であり、昨年につづき難度は低かったと考えられる。ただし、計算過程を示す解 答欄は大きくないため、コンパクトにまとめる必要があった。 第1問は、例年通り「経営比率分析」の問題であり、 「課題を示す財務指標3つ取り上げる」ことが 問われている。与件文内容と貸借対照表・損益計算書から、収益性(利益率・回転率)と安全性の指 標を選択する必要がある。なお、損益計算書の特別損失は第2問のキャッシュフロー計算書より減損 損失であると判明するので、この点も踏まえた財務指標を取り上げたい。 第2問(設問1)は、 「営業活動によるキャッシュフロー」を求める問題である。項目と一部の金額 が明示された基本的な問題であるため確実に正解したい。 第2問(設問2)は、 「正味現在価値」に関する問題である。①は、確実に正解したい。②について は、税引後キャッシュフローの増加分の捉え方が難しかったと思われる。 第3問は、 「閉店すべきかどうか」を見積損益計算書をもとに意思決定する問題である。素直に捉え 解答したい。 第4問 (設問1) は、 「業者が運営するネット予約システムを利用することによる収益と費用の影響」 が問われている。プラスの影響とマイナスの影響について解答したい。 第4問(設問2)は、 「損益分岐点分析」の計算問題である。特に②について減価償却費を考慮する ことに注意する必要があるが、正解したい問題である。 平成28年10月25日16時現在 2 資格の大原 中小企業診断士講座
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