(別添2) 平成 28 年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する 第一段階生物試験(フタル酸ジイソブチル)実施業務 仕様書 1.業務の目的 環境省では、平成 28 年 6 月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応― EXTEND2016―」を取りまとめ、化学物質の内分泌かく乱作用についての評価手法の確立 と評価の実施を加速化して進めており、化学物質の内分泌かく乱作用に関連する報告の信 頼性評価、試験対象となり得る物質の選定を実施している。また、試験及び評価の考え方 や枠組みについて検討を行い、試験管内試験及び生物試験を用いて、2段階で評価を行う 枠組みを取りまとめたところである。 本業務は、環境省が平成 22 年 11 月に取りまとめた化学物質の内分泌かく乱作用に関す る試験及び評価の考え方や枠組みに基づき、内分泌かく乱作用に関する評価等に必要なデ ータを集積するため、既に実施された試験管内試験の結果等において第一段階生物試験を 実施する優先順位が高いと考えられる物質について、第一段階生物試験である魚類短期繁 殖試験を実施するものである。 2.業務内容 (1)試験対象物質の魚類短期繁殖試験の実施 下記の試験対象物質について、第一段階生物試験である魚類短期繁殖試験を実施し、 内分泌かく乱に関わるエンドポイントへの作用・影響の有無及び NOEC(最大無影響濃 度)または LOEC(最小影響濃度)等のデータ収集を行う。なお、同試験に使用する消 耗品等については別表「消耗品等一覧」を参考にすること。 ア)試験対象物質 試験対象物質は、フタル酸ジイソブチルとする。 なお、試験対象物質の試薬については、十分に純度の高い試薬(おおむね 95%以上) を、請負者が調達すること。 イ)試験生物 試験生物種は、メダカ(Oryzias latipes)とし、試験には、試験実施施設で自家繁殖さ せた履歴が明らかで、かつ、十分に成熟している個体を用いることとし、請負者が調達 すること。 なお、試験に供するメダカ個体の週齢、体重等は、別紙「メダカを用いた魚類短期繁 殖試験の条件」に準じること。 -1- ウ)試験の方法及び条件等 試 験 の 方 法 及 び 条 件 等 は 、 OECD GUIDELINE FOR THE TESTING OF CHEMICALS No.229 Fish Short Term Reproduction Assay(OECD TG229、2012 年 10 月 2 日採択)に準拠する。試験方法及び条件の概要は別紙「メダカを用いた魚類短期 繁殖試験の条件」のとおり。 この他、OECD TG229 の詳細は、OECD(経済協力開発機構)のホームページ (http://www.oecd-ilibrary.org/environment/test-no-229-fish-short-term-reproductionassay_9789264076211-en;jsessionid=130ol5xomofrh.epsilon )を参照すること。 エ)エンドポイント エンドポイントは、繁殖に関わるパラメータ(産卵数、受精卵数及び受精率) 、二次性 徴及び肝臓中ビテロジェニン濃度とする。 繁殖に関わるパラメータについては、ばく露期間中、全ての試験容器について毎日測 定する。二次性徴及び肝臓中ビテロジェニン濃度については、ばく露終了時に生存する 全個体で測定する。なお、肝臓中ビテロジェニン濃度は、酵素免疫測定法(ELISA 法) により測定を行い、定量下限 1ng/mg(肝臓重量)を満たすものであること。 オ)測定結果の算出及び統計解析 各エンドポイントの解析は、雌雄別に、容器ごとに平均値を算出し、それらを用いて、 適切な手法により対照区と試験濃度区間の有意差検定を行い、NOEC 及び LOEC 等を求 める。また、エンドポイントの測定結果、その他の測定結果(ばく露終了時の死亡率、 体重、肝指数等)を図表等に取りまとめる。なお、測定結果については、概ね 12 月末ま でに環境省担当官に報告をすること。 (2)化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会等への報告 本業務の結果又は進捗状況については、環境省の別途請負業務で開催する検討会等の 会議(平成 29 年1、2月頃、東京都 23 区内にて1回開催予定)に報告するため、環境 省担当官の指示に従い資料を作成の上(A4、20 枚程度) 、電子メール等で環境省担当官 に提出する。また、請負者(1 名程度)は同会議に出席し、必要に応じて資料に関する説 明、質疑応答を行う。なお、請負者の会議出席に係る旅費は請負者が負担すること。 (3)報告書の作成 (1) 、 (2)の成果をとりまとめた報告書(A4 版、30 頁程度、3 部)を作成する。 3.業務履行期限 平成 29 年 3 月 31 日まで -2- 4.成果物 報告書:A4 版、30 頁程度、3 部 報告書の電子データを収納した電子媒体(DVD-ROM) 9 式 *報告書及びその電子データの仕様は、別添によること。 提出場所:環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課 5.著作権等の扱い (1)成果物に関する著作権、著作隣接権、商標権、商品化権、意匠権及び所有権(以下 「著作権等」という。)は、環境省が保有するものとする。 (2)成果物の中に請負者が権利を有する著作物等(以下「既存著作物」という。)が含 まれている場合、その著作権は請負者に留保されるが、可能な限り、環境省が第三者に 二次利用することを許諾することを含めて、無償で既存著作物の利用を許諾する。 (3)成果物の中に第三者の著作物が含まれている場合、その著作権は第三者に留保され るが、請負者は可能な限り、環境省が第三者に二次利用することを許諾することを含め て、第三者から利用許諾を取得する。 (4)成果物納品の際には、第三者が二次利用できる箇所とできない箇所の区別がつくよ うに留意するものとする。 (5)納入される成果物に既存著作物等が含まれる場合には、請負者が当該既存著作物の 使用に必要な費用の負担及び使用許諾契約等に係る一切の手続を行うものとする。 6.情報セキュリティの確保 請負者は、下記の点に留意して、情報セキュリティを確保するものとする。 (1)請負者は、請負業務の開始時に、請負業務に係る情報セキュリティ対策とその実施 方法及び管理体制について環境省担当官に書面で提出すること。 (2)請負者は、環境省担当官から要機密情報を提供された場合には、当該情報の機密性 の格付けに応じて適切に取り扱うための措置を講ずること。 また、請負業務において請負者が作成する情報については、環境省担当官からの指示 に応じて適切に取り扱うこと。 (3)請負者は、環境省情報セキュリティポリシーに準拠した情報セキュリティ対策の履 行が不十分と見なされるとき又は請負者において請負業務に係る情報セキュリティ事故 が発生したときは、必要に応じて環境省担当官の行う情報セキュリティ対策に関する監 査を受け入れること。 (4)請負者は、環境省担当官から提供された要機密情報が業務終了等により不要になっ た場合には、確実に返却し又は廃棄すること。 また、請負業務において請負者が作成した情報についても、環境省担当官からの指示 に応じて適切に廃棄すること。 -3- (5)請負者は、請負業務の終了時に、本業務で実施した情報セキュリティ対策を報告す ること。 (参考)環境省情報セキュリティポリシー http://www.env.go.jp/other/gyosei-johoka/sec-policy/full.pdf 7.その他 (1)請負者は、本仕様書に疑義が生じたとき、本仕様書により難い事由が生じたとき、 あるいは本仕様書に記載のない細部については、環境省担当官と速やかに協議しその指 示に従うこと。 (2)「平成 28 年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する第一段階生物試験(フタル酸ジ イソブチル)実施業務」を行うに当たって、入札参加希望者は、必要に応じて平成 27 年 度までの「化学物質の内分泌かく乱作用に関する第一段階生物試験実施業務」に係る資 料を、所定の手続きを経て環境省内で閲覧することを可能とする。資料閲覧を希望する 者は、以下の連絡先に予め連絡の上、訪問日時及び閲覧希望資料を調整すること。 ただし、コピーや写真撮影等の行為は禁止する。また、閲覧を希望する資料であって も、「平成 28 年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する第一段階生物試験(フタル酸ジ イソブチル)実施業務」における情報セキュリティ保護等の観点から、提示できない場 合がある。 連絡先:環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課 03-3581-3351(代)内線 6352 -4- (別添) 1.報告書等の仕様及び記載事項 報告書等の仕様は、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(平成 28 年2月 2日閣議決定。以下「基本方針」という。)の「印刷」の判断の基準を満たすこと。 なお、「資材確認票」(基本方針 204 頁、表3参照)及び「オフセット印刷又はデ ジタル印刷の工程における環境配慮チェックリスト」(基本方針 205 頁、表4参照)を 提出するとともに、印刷物にリサイクル適性を表示する必要がある場合は、以下の表示 例を参考に、裏表紙等に表示すること。 リサイクル適性の表示:印刷用の紙にリサイクルできます この印刷物は、グリーン購入法に基づく基本方針における「印刷」に係る判断の基 準にしたがい、印刷用の紙へのリサイクルに適した材料[Aランク]のみを用いて作 製しています。 なお、リサイクル適性が上記と異なる場合は環境省担当官と協議の上、基本方針 (http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/kihonhoushin.html)を参考に適 切な表示を行うこと。 英語サマリーについては、以下により作成すること。 (1) 以下の対訳集等を参考に、ネイティブチェックを経ること。 ① 環境用語和英対訳集(EIC ネット http://www.eic.or.jp/library/dic/) ② 法令用語については、日本法令外国語訳データベースシステムの標準対訳辞書 (http://www.japaneselawtranslation.go.jp/) (2)海外で参照されることを念頭に入力は半角で行い、全角文字や全角スペースは使 用しないこと。特に以下に注意すること。 ・丸数字は使用不可。「℃」→「degrees C」又は「degrees centigrade」 ・記号はすべて半角。例:「“ ”」→「" "」、「`」「’」→「'」、「-」→「-」 ・化学物質は英文名+化学記号(半角の英数字)。1/4 文字にしない。二度目以降 は化学記号のみでも可。例:carbon dioxide (CO2) ・環境省の略称は「MOE」(大文字) 2.電子データの仕様 (1)Microsoft 社 Windows7 SP1 上で表示可能なものとする。 (2)使用するアプリケーションソフトについては、以下のとおりとする。 ・文章;Microsoft 社 Word(ファイル形式は Word2010 以下) ・計算表;表計算ソフト Microsoft 社 Excel(ファイル形式は Excel2010 以下) ・画像;BMP 形式又は JPEG 形式 -5- ( 3 ) (2)による成果物に加え、「PDF ファイル形式」による成果物を作成するこ と。 (4)以上の成果物の格納媒体は DVD-R とする。事業年度及び事業名称等を収納ケース 及び DVD-R に必ずラベルにより付記すること。 (5)文字ポイント等、統一的な事項に関しては環境省担当官の指示に従うこと。 3.成果物の二次利用 (1)納品する成果物(研究・調査等の報告書)は、オープンデータ(二次利用可能な 状態)として公開されることを前提とし、環境省以外の第三者の知的財産権が関与 する内容を成果物に盛り込む場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得、②報告 書内に出典を明記し、③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。 第三者の知的財産権が関与する内容の一部または全部について、二次利用の了承 を得ることが困難な場合等は、当該箇所や当該権利保有者等の情報を、以下の URL からダウンロード出来る様式に必要事項を記入し提出すること。 (2)環境省が保有するオープンデータの情報を政府が運用するオープンデータのポー タルサイト「データカタログサイト DATA.GO.JP(http://www.data.go.jp/)」に 掲載及び更新情報を反映させるためのデータに関する説明(メタデータ)につい て、成果物と併せて以下の URL からダウンロード出来る様式に必要事項を記入し 提出すること。 http://www.env.go.jp/kanbo/koho/opendata.html 4.その他 成果物納入後に請負者側の責めによる不備が発見された場合には、請負者は無償で 速やかに必要な措置を講ずること。 -6- (別表)参考≪消耗品等一覧≫ 品 名 フタル酸ジイソブチル 規 格 フタル酸エステル試験用、1g アセトン 環境分析用 500mL ピンセット 無鈎、先曲り 145mm 精密ピンセット 120mm メスホルダー 135mm メス替刃 No10(50 枚) ねじ口瓶 5mL(100 本) 活性炭素 粒状(500g) ブラインシュリンプ 425g ホルムアルデヒド液 36-38%、500mL マイクロプレート 96 孔、平底(50 枚) Medaka VTG ELISA kit キムワイプ フタル酸ジイソブチル-d4 ヘキサン 共栓試験管 容量 10mL(10 本) -7- (別紙) 「メダカを用いた魚類短期繁殖試験の条件」 ばく露方式 流水式 ばく露期間 21 日間 試験水温 25±2℃ 照明 16 時間明/8 時間暗 試験容器 2L 以上 試験液量 1.5L 以上 試験液の換水率 5 回/日以上 試験生物の齢 16±2 週齢 試験生物の体重 メス:0.35g±20%、オス:0.35g±20%を目安とする。 試験濃度区数 3 濃度及び対照区 (助剤を使用する場合は、別に助剤対照区を設ける。) 連数(容器数) 試験濃度あたり 4 連(4 容器) 試験容器あたりの生物数 6 個体(メス 3 個体及びオス 3 個体) 給餌条件 ブラインシュリンプふ化幼生を毎日 2~3 回与える。 -8-
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